出産


さて、お腹の中で出来るだけ長い間置いておくことに決めた私達の目標は30週。
とりあえず、年を越すのを目標にしました。(但し、勝手にですが・・・)
水頭症が分かったのが、26週。後、せめて1ヶ月・・・頑張れ!と、声を掛けていました。
一週間たって、だいぶ気持ちも落ち着いた頃、個室から2人部屋に移ることになりました。

さて、12月10日。今日は、心エコーを撮る日です。入院してから、毎週心エコーを撮っていたのでいつものこととのんびり構えてました。
いつも、夕方からなのでそれまでにシャワーを浴びて、それからおやつでも食べようかな〜っと思ってました。
シャワーを浴びる前に、面会に来てくれた方がいたので会ってお話して、部屋に帰ったらちょうどシャワーの順番だったので、喉が渇いていたけど
シャワーを浴びてから、飲み物を買って飲もうかな〜とそのままシャワーを浴びました。
そして、シャワーから出て点滴を入れてもらってると、心エコーの呼び出しが・・・
そのまま急いでエコー室へ。
いつもどおり、エコーを撮ってもらっていると、先生の様子が少しおかしい・・・
「しんどくない?息苦しいとかは?何もない?」と聞かれても「別に・・・何もないけど・・・」と、答えるはづハハ。
エコーを撮り終わって先生が「ちょっと、ここで待っててくれるかな?今から、人工弁の動きを見る検査をしたいんやけど、いいかな?」
「いいですよ〜」と、答えると「じゃあ〜ここで待っててね。車椅子とって来るから!」はづハハ「?????車椅子???」先生「そう!動かないでね!」
と言うことで、先生は大慌てで産科の主治医の先生に連絡をしてました。
はづハハは、まだまだ状況を分かってない状態で鼻歌なんぞ歌いながら、車椅子を待ってました。
しばらくすると、大慌てで産科の主治医の先生がやってきて「大丈夫?」と聞きます。「大丈夫!」と答えると、
心臓の先生が車椅子を持ってきて「じゃあ〜乗って!」と言うことで、先生に車椅子を押してもらって、一旦病棟に帰ることになりました。
そして、病室で話がありました。先生の話によると「人工弁が動いてないです。このまま置いておくと心不全を起こします。今は、自覚症状が全くないから何ともないみたいやけど、心臓は急に来るからいつどうなるかわからない状態です。すぐに、赤ちゃんを出して心臓の治療をしなければなりません。とりあえず、弁透視(弁の動きを見る検査)をして、今日か遅くても明日には帝王切開するので同意書にサインしてください!」はづハハは、全く自覚症状がないので危機感は全くないのですが、先生方は大慌て!かなりの緊急事態だったようです。
同意書にサインをするのにも、かなり渋ったはづハハ「どうしても明日?明日手術するの?」と何回も先生に聞いて渋々サインをして弁透視の検査へ。

 車椅子を押してもらって、検査室へ行くと、検査室の先生方は大騒ぎ!「早く!」「急いで!」「何してるんや!はやく!」とかなりの緊急事態になってました。
その様子を見ながら、のんびり検査台へ。検査台へあがる時も、両腕を抱えられながら・・・一人で昇れるのに〜と思いつつ、検査台へあがり検査をしてもらいました。そして、そのままレントゲンへ。検査を終えて、病棟へ帰ってくるとはづハハの母が廊下で待ってました。
はづハハ「あら〜来たの?連絡あった?」とのんびり聞くはづハハに、はづハハの母は「大丈夫?」と驚いた様子。
後から聞いたことですが、病棟の看護婦さんに「連絡行きましたか?実は、娘さんの心臓が止まって今、検査に言ってるんです。」と言われたらしい・・・
だから、もっと、弱ってるもんだと思っていたが、何のことはないピンピンしてるし・・・。「とりあえず、明日には手術で何かあったら緊急手術するらしいからはづチチに電話しといて〜」と、呆れているはづハハの母に頼んだはづハハ。このときから、絶飲食になってるし、絶対安静でお手洗いに行くのにも車椅子。自分で動ける範囲はベットだけ。お腹も空いてるが、喉も渇いてる・・・でも、緊急で手術になるかもしれないので何も食べれないし、飲めない・・・それどころじゃなく、手術の準備もあったりでなんかバタバタとしてる。(周りが・・・)

 そんなこんなをしてるうちにはづチチ登場!で、改めて先生からの話を聞きに行きました。
「人工弁がほとんど動いてない状態です。とりあえず、至急帝王切開で赤ちゃんを出して、お母さんの心臓を治すことにします。何かありますか?」と、先生。
はづチチとはづハハは「どうしても明日ですか?後、何日か待てませんか?」先生「無理です。今は自覚症状ないから元気にしてるけど、いつどうなるか分かりませんよ!もし、今晩何かあったらすぐに手術です!一応、人工弁の用意もして、心臓の手術もできる体制を組んでます。遅くても明日、手術です!」と言うことで、次の日には手術と言うことになりました。とりあえず、ヘパリンの量を増やし人工弁が動きやすいようにしてその日はゆっくり寝ました。(緊急の割りに、のんびりとよく寝ることが出来ました・・・なんで?)

次の日、朝から心エコーを撮ってみると昨日より人工弁は少し動き出した様子。早速、先生に「今日じゃなくてもいいんじゃ・・・」と言い終わる前に「ダメ!」と言われてしまいました。そして、その日の午後から、手術室が空き次第即手術になりました。当然、朝から絶飲食・・・もう、お腹が空いて空いて・・・
はづチチが、来て名前を決めることに。2月に生まれる予定にしていたので、如月からとってはづハハは「キサ」と呼んでいた。でも、今は12月。初寿紀は8月に生まれたから初寿紀。じゃあ、生まれてくる赤ちゃんは・・・『しわす』・・・それは、あかんやろ〜と言うことで、『キサラ』。どんな字がいいか?と考えてはづチチが調べてみたところ、ろくなことが書いてない・・・で、唯一そこそこだったのが『輝沙羅』。と言うことで、輝沙羅になりました。
家族が次々とやってきてくれて、手術がいつになるかと待ちわびて・・・気が付けば、もう5時過ぎ。と、そこへ先生が、申し訳なさ気にやってきた。「あのね、手術室が空かないんで、明日の朝一になりました。申し訳ないです。」との事。「えっ?この絶飲食は何やったん???」のはづハハに、先生は「また、もし何かあれば即手術です。」はづハハは、「食べてもいい???」と聞いたら「えっ?あぁ〜いいよ!」との事。速攻、そばにおいてあった焼きそばパンを食べたはづハハであった・・・そして、明日の手術の為に(?)ぐっすり眠ったのでした・・・

そして、12日朝9時から手術室へ.。前回同様、全身麻酔での出産です。
朝から、はづチチとはづチチのおばあちゃんとはづハハの母が来てくれました。はづハハは、いつもどおり・・・
そして、いよいよ手術室へ出発です。まだ、今からの出産に納得いってないはづハハですが・・・
手術室に入ると、淡いピンクの綺麗な部屋でした。結構大きな手術室。リラックスできる音楽も流れていました。そして、麻酔が掛かるとあっという間に・・・

気が付いたのは、手術室。看護婦さんたちは「大丈夫?ゆっくり深呼吸して!」と言ってくれてるけど、赤ちゃんがどうなってるかは何一つ言ってくれてない!いったい赤ちゃんはどうなったのか?はづハハは気が気じゃありません!そして、病室に戻ったら、酸素マスクはつけられるは、点滴は両手からされてるは、首からも心臓の様子を見るための管を付けられてる・・・おまけにお腹はドレーンと言う管を4本も入れられ導尿の管も付けられ、モニターはアラームを鳴らしてるし・・・と、かなりの重病人風。はづハハは思った・・・「大袈裟やろ・・・」でも、産科の先生に言わせりゃ「全然大袈裟じゃないよ!あれくらい必要やったよ!」との事。とりあえず、全然動くことも出来ず(そんな元気もなかったが・・・)そして、やっと「赤ちゃんは元気やで!」と言って貰えた。これで少しは一安心。「男の子?」と聞くと「元気な男の子」との事。と安心したら傷口が痛くなってきた・・・で、痛み止めの薬を頼むとこれが筋肉注射しかない・・・で、初めての筋肉注射。激痛・・・はづハハは思った・・・筋肉注射を打つ前に痛み止めをもらわな・・・と。また、この筋肉注射には麻酔の効果もあるらしく、しばらくするとぼ〜〜〜〜っとしてきた。で、そのままウトウト。後から聞いた話では、前回の帝王切開の癒着がひどく初寿紀のときに比べてかなり時間が掛かったとの事。輝沙羅は、平成15年12月12日午前10時28分、お腹の中に27週と4日いて誕生しました!

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