咳で骨折!?


2002年7月19日、激しい咳による胸の痛みがひどくなってきたので、これはもう駄目かと思って、高校以来20数年ぶりで医者に行って来た(1)。肺の炎症は間違いないと確信するくらい、これまで経験したことがない大変な痛みで、心の中は不安でいっぱいだったが、診察結果は下記のような、笑い話になるようなものであった。

「激しい咳のせいで肋骨が折れているか、ひびが入っているから胸に痛みが出ているのであって、肺が炎症を起こしている兆候は認められないし、血液検査の結果も正常」

このように医者から診断されたとき、安堵のためか、全身の力が抜けていくのを感じた(ちなみに、これは人生で初めての骨折である)。医者が言うには「咳で肋骨が折れるのは、よくあること」で「肋骨は自然に治るまで放って置くしかない」そうである。咳止めの漢方薬と抗生物質、それから胸の痛みを和らげる湿布薬を一週間分、処方してもらった。これで一安心。やれやれ、大したことがなくて良かった(2)。

ところが、話はそれだけで終わらなかった。処方された薬を飲み始めてから、腹の調子が急降下し、下痢が続いてしまったのである。どうも、これらの薬が体質に合わなかったらしく、一週間して薬が切れた途端に、しっかりと便が固まっていたのには笑ってしまった。考えてみれば、これまでは病気になっても薬に頼ることなく、自然治癒にまかせてきた。普段、口にしないものを口にしたので、身体が拒否反応を起こしたのだと思う。抗生物質のように、腸内細菌も含め、基本的にあらゆる菌を殺してしまう性質の薬を服用するのは、自然の摂理に反しているのかもしれない。

[脚注]
(1) その一ヶ月くらい前から『風邪のような症状』が出ていたのだが、これが、それまで経験したことのない不思議な風邪であった。熱はないし、鼻水も出ない。下痢もしていないし、食欲は普通にある。本当に咳だけの、嫌な風邪であった(1)。
(2) 骨折が「大したことがない」かどうかは意見の分かれるところであるが、胸の筋肉や骨に痛みがあることから、最悪の場合は『肺ガン』を覚悟していた(2)。それに比べれば、......。

Smoking Area [脚注の脚注]
(1) この大学で私は、自分の研究室を持っているわけではなく、どのグループに所属しているわけでもない。だから、私が大学に顔を出さなくなっても、心配してくれる人は誰もいないだろう。下宿の部屋でひとり寝ていて、明け方近くに咳込んで目を覚ます度に「このまま死んでしまったら、いったい誰が気づいてくれるのだろう? 遺体が見つかる頃には腐っているんじゃないだろうか?」という想念が、寝ぼけ眼の頭に浮かんでは消えていった。それほどまでに、ひどい咳であった。
(2) ある人から「煙草、吸わないのにね!!」と言われたが、受動喫煙の弊害は大きいと思う。最近流行の
『分煙機』が、煙草の有害成分が空気中に拡散するのを防げず、非喫煙者に配慮したとする、設置者側のパフォーマンスに過ぎないことを指摘する声もある。


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