ホームページと著作権


著作権を無視したホームページが少なくない。作成した本人は無視しているつもりはサラサラないのかもしれないが、学術論文を書き慣れている者から見れば、明らかな「著作権の侵害」である。

例えば、ある人のホームページをみて「どこかで見たことのある図だなあ」とか「どこかで聞いたことのある意見だなあ(1)」とか、感じることは多々ある。一応、文末に参考文献らしきものを示しているので、そこから持ってきたものであることは、うかがい知ることができる。でも、どこまでが本人の考えで、どこまでが引用なのかが、本文中では示されていない。そのため、併設された掲示板に「それは素晴らしい考えですね」などという称賛の書き込みがあると「ちょっと待てよ!!」と思ってしまう。

一方、私のホームページにみられる記述は、引用文献が示されているもの以外は、そのほとんどが自分の研究成果に基づいて書かれたものである。従って、著作権の侵害を心配する必要はないし、私の場合は、なにより文献の引用方法が徹底しているところが大きい(但し「よくある質問(FAQ)」のコーナーでは、専門知識として、文献を引用せずに回答している場合が多い)

インターネット上の著作権は、これから先、徐々に法整備がなされていくことと思うが、事が問題化する前に、最大限の注意を払って記述することが、ホームページでは大切となってくる(2)。

[脚注]
(1) 過日、某雑誌に掲載された著名な研究者(T., Y.さん)の和文を読んで、かなり驚かされた経験がある。そこで書かれた内容の一部が、某メーリングリストの某スレッドで展開された議論の内容と、ほぼ一致していたのである。この議論には私も関係していて、どうみても私の意見と思われる特殊な考えが、引用もなしに、そのまま使われていたのは心外であった。
(2) 本や図鑑から直接スキャンした図や写真のコピーをホームページに載せている人がいるが、これは出典を明示していても著作権の侵害に当たるので、注意が必要である。


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