大学祭の旗が......


2003年11月1〜3日は「新潟大学の大学祭(新大祭)」であった。10月31日(金曜日)の午後2時半頃、昼食の後で理学部に寄って私宛ての郵便物がないかどうか確かめてから、自然科学研究科管理棟への道を歩いていた。すると、昼食に行くときにはなかった青い旗が、温室脇の駐車場のところに設置されているのに気付いた。その旗には"Free Market"の文字が、白地で大きく染め抜かれていた。

「これは冗談のつもりか?」と思い、旗の設置者を捜していると、数十メートル先にある工学部の建物付近に、似たような旗が大量に立て掛けられているのが見えた。そこまで歩いていく途中にも、既に同じ"Free Market"の旗が2本、設置されていた。「工学部祭」と書かれた旗の側にいた、スタッフらしき男子学生に「"Free Market"の旗は、あなたたちが置いてるの?」と尋ねると「そうですよ」と言うので「この"Free Market"は、どういう意味で使ってるの?」と聞いてみた。

案の定、変な顔をされたので「もし『要らないものをたくさん集めて安く売る』という意味で使ってるんだとしたら、フリーのスペルが間違ってるよ」と注意すると、彼が「えっ、フリーって、どう書くんですか?」と聞くから、親切に「"flea"だよ」と教えてあげた。ところが、彼は「一般的に、この"free"のほうが使われてますよね」とか、訳の分からないことを言い出す始末で、自分たちの間違いを認めようとはしなかったのである。

仕方がないんで「この"free"だと『ものをただであげる』という意味になってしまうよ。冗談で書いてるんだったらいいけど、そのままだと『新大生のくせにフリーのスペル、間違って......』って笑われるよ」と、彼に忠告するだけして、その場を離れた。

私としては、これから旗のスペルミスを直す時間もないだろうから、彼が他のスタッフに言って、問題の旗を回収することを期待したわけだが、結局のところ、"Free Market"の旗を何本かキャンパス内に設置して(数えるのも馬鹿らしいので、本数は確かめていない)、工学部祭のフリーマーケットが開催されている期間中ずっと、外部に恥をさらすことになってしまったのである(1)。

[脚注]
(1) 私が、このことを「独り言」に書くことによって、全国にも恥をさらしてしまったことになる。まあ、でも、新大生の実態ってのは、こんなもんだよなあ。


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