条線のある卵嚢

Egg Sacs with Striae
長野県白馬村北城に生息する止水繁殖性ハクバサンショウウオの1対の卵嚢で、はっきりとした縦条が外被に見られるもの(2006年5月20日撮影)。これらは、緩やかな流れ(水温=8.8〜12.5℃、水のpH=5.5〜6.4)のひとつの淀みに隠れた、小枝に付着していた。

調査時に、8細胞期から尾芽胚中期までの9〜38個の胚を含む卵嚢18対と片方だけの卵嚢4個が見られ、水生型のオス2匹が水の中にいた(1匹は典型的であったが、もう1匹はそうでなかった)

一般的に、卵嚢外被に条線がないのが、本種の特徴とされている(Matsui, 1987)。しかし、トウホクサンショウウオの卵嚢のように、外被に条線のある卵嚢が出現することがある。

同行した調査者(アルファベット順、敬称略): 懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫、齊川祐子(しろうま自然の会)、高田孝慈(長野市茶臼山動物園)。

Matsui, M. 1987. Isozyme variation in salamanders of the nebulosus-lichenatus complex of the genus Hynobius from eastern Honshu, Japan, with a description of a new species. Japanese Journal of Herpetology 12: 50-64.


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