(A) 産卵場所の全体像。中央部分にみられる笹薮の奥に繁殖のための湧水溜まりがあり、ここは林道脇の湿地帯を上がったところに位置している。この場所の近くには、モリアオガエルが繁殖する浅い池がある。
(B) 湧水溜まりの主要領域。ここには倒木が少なくない。16対ある卵嚢は、湧水溜まりの周辺部に産出されたものが多い(水温は約9℃)。このうち6対は、倒木の下にある、こぶし大の空間に固まってみられた。胚発生のステージは、卵黄栓期〜尾芽胚前期。1卵嚢中の卵数は、16〜42。湧水溜まりの中央付近で、越冬幼生1匹が見つかった。
(C) 長径7.3m、短径1.5mの面積を持つ、湧水溜まりの全体像。手前左の茶色い部分が湧水源(水温は約7℃)。湧水溜まりから下の湿地帯へ向けて、9.4mの緩やかな流れがある。
同行した共同研究者: 懸川雅市、岸冨士夫、百瀬ちゆき、村上さよ子、永田千恵子、齊川祐子、他1名(アルファベット順、敬称略)。