産卵場所と卵嚢

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Egg Sacs

長野県北安曇郡白馬村北城で2003年5月4日に調査した、ヒダサンショウウオの産卵場所(標高840m; 気温23.2℃)

(A) 産卵場所の全体像。林床部を渓流が蛇行している。渓流は119.7mの長さがあり、融雪による流れが速く、伏流水と伏流水との間の表層を下に向かって流れている。表層流の始まりが認められる場所の上方に、水の少ない湿原が広がっている。オスとメスの成体は11月に流れの側まで移動し、水の中で越冬する。

(B) 2対の卵嚢で、粘着端は、渓流にある岩の上面に付着していた(水温8.8℃)。これらの卵嚢は、岩の上に堆積した砂や砂利の中に産出されていた。胚発生は、それぞれ4細胞期と原口期であった。1対の卵嚢中の卵数は、4細胞期のほうが47個で(それぞれ22個と25個、未受精卵は1個)、原口期のほうが49個であった(それぞれ24個と25個、未受精卵は1個)

同行した共同研究者: 懸川雅市、岸冨士夫、沼田研児、齊川祐子、他1名(アルファベット順、敬称略)。


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