卵嚢中の胚発生

Egg Sacs 1Egg Sacs 2

流水性のヒダサンショウウオの1対の卵嚢中の胚発生で、長野県北安曇郡白馬村北城にある林床部を蛇行する渓流に産出されたものである。渓流の終点は、止水性のハクバサンショウウオ産卵場所から約30m上方に位置している。

(A) 胚発生のステージが尾芽胚初期の17個の胚(3個は潰れている)と18個の胚(5個は未受精卵)を含む1対の卵嚢(2005年4月30日撮影)。卵嚢の粘着端は69.0×50.4mmの小石に付着していて、渓流にある1.3mの滝の下から約3mの平らなところに集積した、数個の小石と枯れ葉を取り除いたときに見つかったものである(水温=6.0℃、水のpH=6.7〜6.8。比較のために、雪のpH=5.3)。卵嚢は、1ケ月以上前に産出されたものと推定された。

調査時に、越冬幼生1匹が渓流で見つかった。オス1匹と小さな幼体1匹が、それぞれ渓流の水際から約20cmと40cmの陸上にある倒木の下で見つかった。幼体は、ヒダサンショウウオの幼生と同様に皮膚の色がそれほど黄色っぽくないので、昨年の晩秋に変態したものと推定された。卵嚢半対(20個の未受精卵が見られる)と半対(未受精卵が2個だけ)が、滝の下に集積した枯れ葉の中から別々に採集されている(流されて来た?)。これら2つの卵嚢が、対になっているかどうかは分からない。

(B) 渓流(水温=9.8℃、水のpH=6.5)での、2週間後の胚発生(2005年5月14日撮影)。胚発生のステージは、尾芽伸長期であった。他の個体群で見られるような、卵嚢の美しい蛍光色に注目。

同行した調査者(アルファベット順、敬称略): 懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫、齊川祐子(しろうま自然の会)。


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