1年生の練習内容 2002年1月号 改定:平成14年1月23日 |
目 次 |
●ドリブル競争 前回は、足の裏を使って横向きにボールを運ぶだけだったが、今回はそれに「ボール引き」と「両足インサイドで交互にボールタッチ」を追加してみた。 ・練習の課題 1.足の裏を使って横向きにボールを運ぶ。 2.片方の足だけで後ろ向きにボールを引く。 3.両足インサイドで交互にボールタッチしながらボールを前方に運ぶ。 以上をできるだけ早くやらせる。 ・予選 チーム分けを兼ねて次のように予選を行う。(この日は、14人で行った。) @スタートラインの円の中にボールを置き、合図でスタートする。 A真ん中に引いたラインの所まで課題を1つ行う。 課題の“2”は今まで練習したことがないもので、右足だけで5回連続、左足だけで5回連続と交互に行っていく。 (連続して早くやるには、片足でボールを引いた直後に軸足を後ろにスキップしてずらしながら行うことが必要だ。ボールを引いた足が都度地面に降りてしまっては遅くなってしまう。そういう子が何人かいたが、見本をみせて何回か真似をさせたところとりあえずできるようになった。) Bライン上にボールを止めたら、ボール無しでコーンを回ってくる。 C帰りは、ライン上に置いたボールを自由なドリブルで運び、スタートラインの後ろのコーンを回って、円の中でボールを止める。 Dこれを4人ずつ各列行って順位付けをしたら、1位同士、2位同士、3位同士、4位同士でジャンケンを行わせ、1位の勝った子から順に4チームに振り分けていく。こうするとほぼチームの力は均等になる。 ・本戦 @予選で1位になった子4人にゼッケンをつけさせて、各組のアンカーにする。 A本戦はリレー形式とし、基本的に2ラウンドでひと勝負とする。ただし、人数が4の倍数にならないときは、人数が多い所を基準に全体の回数を決める。たとえば、1番人数が多いチームが4人の場合は全員で4人×2回=8回となる。この場合1チームに3人しかいないチームは、最初と2番目の子が3回、最後の子が2回行うようにすれば合計8回となるのでうまく合う。このチームはアンカーが2番目に並ぶようにする。 Bボールの引き渡しは、円の中で待っている次の子に、コーンを回ったところからパスをすることで行う。 ・効果 とにかく勝負に負けまいと夢中でやるので、あれこれいわなくても無意識のうちにできるようになってくる。うまく出来ない子でも気持ちが前に出ているので指示も簡単だ。単なる反復練習より早く技術を覚えられると思う。 |
11月号で紹介した“ドリブルシュート競争”に「縦パス」を追加してみた。これまでの練習でドリブルからシュートに至るまでの感覚はつかんできたようなので、チームプレーで最も大事なパスを練習させることにした。どうせやらせるなら単なるパスではなく、「出し手と受け手の意識を合わせる」というもっとも教えるのが難しい感覚を養わせようと考えた。 単調でハードな内容にならないように以下の2点を練習の条件に入れることはこれまでと同じだ。 @ 勝ち負けがはっきりしていること。 A 得点をしたことが、自分のチームの勝利に貢献すること。 チーム分け まず全員を集合させて一列に並ばせる。「前から順番に番号を言ってください。番号を言った子はすぐに座ってください」。こうすると、たちまち順番が決まってしまう。そこで、たとえば12人いたら、「1,3,5,7,9、11番の子はゼッケンをつけてください。」と言って、ゼッケンをつけさせる。 準備 ミニゴールを作る。ターンするライン、シュートラインを引く。ドリブルコースの途中に守備エリアをつくり、コーン4つで囲う。ボールをパスするエリアとパスをもらうエリアをつくる。ゴールの両脇に一列に並ばせる。スタート地点に大きなコーンを置く。得点用の小さなコーンをゴールの脇に置く10個置く。 ルール説明 ルールは、11月号の“ドリブルシュート競争”の最初にパスを追加しただけだ。 「シュートする子はコーチのスタートの合図で円に向かって走ってください。次の番の子は自陣の円の中に置いたボールを向こうの円に向かってパスをします。パスを受ける子は後ろをちらちら見ながら走ってください。ボールをパスする子はもらう子が丁度円で受けられるようにタイミングを図ってインサイドでパスをしてください。」と言ってから始める。 パスを受けてからドリブルシュート 通常の練習はどうしてもシュートならシュートだけ、パスならパスだけとなってしまう。試合ではそんなことはない。いろいろな要素を連続させてゴールに結びつける。この練習は、最終目的に至る過程で味方にパスをする、それを受けるという感覚をそれとなく覚えさせようとしたものだ。そのうちに、試合中に縦パスを思いつく子が出るであろうことを期待して。 インサイドキックの特訓 この練習でまったく力のない弱弱しいパスしかできなかった子には待っている間特訓をすることにした。「はいっ。今蹴った***。パスが弱すぎる。こっちへ来て特訓!と言ってボールを手で押さえ、そこへ思い切りインサイドで蹴らせる。ダメダメ。もっと強く。もっと強く。と何回も蹴らせて特訓をする。3回位やると、手に「ズシーン」と手ごたえが伝わってきたらすかさず「合格!」と言って次の子を呼ぶ。皆面白がって特訓に参加し、徐々に強く蹴れるようになってくる。 |
これまで、ヘディングシュートの練習は全部自分で投げ上げたボールでしかやらせなかった。理由はたったひとつ。恐怖心を植えつけさせないためだ。これまで毎週ヘディングの練習だけは欠かさずやってきたが、「目をつぶらずにボールの縫い目を見て」というのはイヤというほど言ってきた。もう大丈夫であろうと判断し、初めてコーチの投げる生きたボールをゴールに向かってヘディングさせてみた。 「これからコーチの投げるボールをヘディングでゴールに入れてください。先に5点入れた子が優勝です。」と言って始めた。ゴールまでの距離は2m弱だ。結果は予想した以上に皆うまくやっていた。ほとんどの子が顔をそむけずに額の毛の生え際に当てていた。ボールに対して最初から逃げた子はたった一人だった(この子は入団時期が遅かったのでまだ不慣れ)。 |