ほしたびの旅

日本一周2001 九州・沖縄編

旅日記1~10日目: 九州東岸、沖縄・石垣へ

1日目: 4月6日(金) 九州へ

出発の準備に手間がかかり、出発するのが遅くなってしまった。天気はとても良く、国道2号を走っていると気持ちがいい。岩国市に入り、Joyfulがあったのでそこで昼食を取った。Joyfulは主に九州・山口県に多く存在する低価格ファミリーレストランで、平日昼間は450円(税込)で日替ランチが食べられる。旅人にはありがたい存在だ。

距離をかせぐため山陽道の岩国ICから九州道小倉東ICまで高速を利用した。国道10号を進み、18時ごろ薄暗くなって宇佐神宮に着いたが、もう誰もいなかった。ひとけのない中、とりあえずまわってみた。

真っ暗になり、国東半島に入った。国東町の黒津崎国民休養地によってみると、屋外施設横のひさし部分がちょうど良かったので、そこにテントを張って寝ることにした。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:370.1km
  • 宿泊地:大分県国東町黒津崎国民休養地

2日目: 4月7日(土) 大分、九州最東端

昨晩は漁船の音と波音で少しうるさかった。朝5時に起き、別府に向けて出発した。別府駅の東側100m程の所にある、駅前高等温泉に入った。ここは狭い銭湯の趣だった。料金は並湯が100円、高等湯が300円と2種類ある。並湯はかぎ付ロッカーがなく、主に地元の人が利用されているという。湯は熱めで炭酸泉とのこと。一方、高等湯のほうはかぎ付のロッカーがあり、シャワーもある。湯は熱めの浴槽とぬる目の浴槽があり、硫黄泉とのこと。私は高等湯のほうに入ってみた。縦1.5m、横2.5mくらいの浴槽が2つあり、片方が熱めでもう片方がぬるめになっている。洗い場にはシャワーが2つあるだけで狭い。ちなみにここは素泊まり2500円で宿泊もできるとのこと。

次に佐賀関に行った。海の向こうには四国の佐田岬が見える。ここには海星館という施設(400円)があり、直径60cmのカセグレン式望遠鏡が設置されている。昼間なので太陽、そして金星を見せてもらった。操作・説明をされている人は町の職員の方で、採用後に海星館に配属されてそれから天文について勉強したそうだ。私としてはうらやましい。

国道217号で臼杵市に進む。国道502号と分岐する手前あたりで「トアロード」というファミリーレストランがあったので入ってみた。日替わりランチが480円であったので、それを食べた。

九州最東端の碑
鶴御崎にて

次に向かったのは九州最東端になる鶴見町鶴御崎。ここについたのは16時30分頃。17時にはゲートを閉めるというので協力費の支払いを免除してもらい、急いで回った。それから宇目町ととろ地区に行ってみた。そこでは、地名にあやかって、猫バスなどをかたどった板が置かれていた。また、ととろの絵が描かれた石がたくさん置かれていた。

夜になって雨が降り始めた。延岡市の運動公園にちょうどいい東屋があったのでそこにテントを張った。

  • 今日の天気:晴のち曇、夜雨
  • 走行距離:335.9km
  • 宿泊地:宮崎県延岡市西階運動公園
  • 入浴地:別府駅前高等温泉(300円)

3日目: 4月8日(日) 鹿児島県内之浦町、宇宙空間観測所

昨晩は一匹狼の爆音カーが、何度も回ってきて東屋下の階段上り口まで乗り付け、東屋近くのトイレに来てドアを威勢良く開け閉めしていた。無視していたら、最後にトイレの水道の蛇口2箇所を全開にしたまま去っていったようだ。・・・かわいそうな人だ。

さて、延岡市南部にも土々呂という所があり、JRととろ駅(無人駅)もある。ここでも何かやっているだろかと思って行ってみたが、特にこれといったものはなかった。

日南の特徴的な風景
日南海岸

南に向かう。道路はすいていて快適だ。きれいな日南海岸を通り、鹿児島県内之浦町に行った。国道沿いの休憩駐車場にはロケットの形をした街灯が立っている。町内にある鹿児島宇宙空間観測所に行った。ここは敷地にはいってパラボラアンテナ、ロケットの模型、整備塔の外観などを間近で見ることができる。

内之浦町の公園にある外灯
ロケットの形をした街灯
内之浦宇宙空間観測所
ロケット発射場

佐多岬まで行こうかと思ったが閉門時間まで間に合いそうもなかったので今日はあきらめ、風雨が強くなりそうでもあったので鹿屋市で宿をとることにした。宿は怪しい雰囲気のビジネスホテル。1階の入口にバイクを入れさせてもらい、腰の悪いおじいさんに受付してもらって部屋に入った。

  • 今日の天気:曇時々雨
  • 走行距離:338.6km
  • 宿泊地:鹿児島県鹿屋市 鹿屋ロイヤルホテル

4日目: 4月9日(月) 本土最南端、沖縄へ出航

日本本土最南端
佐多岬

夜は雨が降っていたが、出発の頃にはほとんどやんでいた。とりあえず日本本土最南端の佐多岬に行った。いかにも南の地という、たどり着くまでの雰囲気がいい。記念写真をとったところで激しい風雨がふりだしたのでレストハウスに逃げ込んだ。ここの展望台とその階段にはびっしりと来訪者の寄せ書きがあった。

桜島フェリーを使い、鹿児島市街に入った。今日乗り込むことになるマリックスラインのフェリーが出向する港である鹿児島新港をめざす。しかし、どこがターミナルなのかわからない。交差点に看板があったので、その方向に曲がって入ったらコンテナの移動でフォークリフトがせわしく動き回り、何がなんだかよくわからない。何度も行ったり来たりしてやっとわかった。後で見ると、看板が少し斜めをさしており、そこがターミナルだった。ただでさえわかりにくいターミナルに加えて、前にトラックが駐車していて余計わからなかったのだ。

乗船券を買った後、近くにあるレッドバロン鹿児島店に行った。リアブレーキがひこずっているようだったのでブレーキパットを交換することにした。ついでにすぐ近くのスーパーとローソンで買出しをして船に乗り込んだ。出港したのは18時。

フェリーはマリックスラインのクイーンコーラル。設備はきれいでまずまずだ。私は2等で乗り込んだ。そこには肩幅プラスアルファくらいのシートがすきまなくぎっしりとひかれている。私は窓際の場所が指定されていたので、その場所に行った。それにしても狭い。これでは寝ると身動きができない。

鹿児島湾を出るころに船は大きく揺れだした。

  • 今日の天気:曇時々雨
  • 走行距離:172.9km
  • 宿泊地:マリックスライン クイーンコーラル船内
  • 入浴地:船内のシャワー

5日目: 4月10日(火) 沖縄初上陸

昨晩は、私が寝た窓際はエンジンの振動と音が激しく、ほとんど眠れなかった。昼間は日記をつけたり今後の予定を考えたりして時間をつぶした。船内で、鹿児島から沖縄にバイクツーリングする青年と話をした。彼は何泊もして回るのは初めてらしい。お兄さんがあちこちキャンプしながら回るのにあこがれて自分も行こう、しかもお兄さんが行っていない沖縄に行こうと考えたとのことだ。

この船は鹿児島から那覇までの間に奄美の各島に寄港する。いっぱいだった乗客は次第に少なくなっていった。いよいよ19時過ぎに船は那覇港に到着し、沖縄に初上陸だ。少しばかり生暖かい感じがする。宿はドミトリー沖縄にした。ここはマンションの1室に2段ベットが3つ並べられて6人が泊まれる旅人の宿で1ベット1泊1800円。部屋自体はまあまあきれいだ。大きなバイクをとめるちゃんとした場所はないが、何とか置かしてもらった。

晩の食事は宿近くの開南せせらぎ通り沿いにある、屋台のように席の一部が歩道にむき出しになっている店に行き、沖縄そば(350円)を食べた。そば粉を使っていないので和風のそばではないが、太めの中華そばの麺を使ったラーメンに似ている感じだ。

洗濯などで遅くなったが、宿では長期滞在している人から三線を少し教えてもらった。

  • 今日の天気:晴時々曇
  • 走行距離:3.0km
  • 宿泊地:沖縄県那覇市壷屋1-1-10 2階 ドミトリー沖縄

6日目: 4月11日(水) 沖縄本島南部

昨日は遅くまで起きていたのとフェリーの疲れで、今朝の目覚めは遅かった。この宿では朝9時頃にサービスとしてサンドイッチを軽くだけどもらえる。食後、まったりと歓談の時間が過ぎてしまった。遅くなったついでに、そのまま近くの市場や国際通りを歩いてみる。牧志第一公設市場の2階にある食堂では、元気のいい客引きの声があちこちから掛かり、ちょっと引いてしまった。

昼になったので、昨晩も行った宿近くの店で豆腐チャンプルー(500円)を食べた。まあまあいける。


守礼の門

結局出発したのが14時ごろ。まず首里城へ。バイクは守礼門近くの空き地に置かせてもらえた。守礼門近くでは琉装した女性たちが「一緒に記念写真はどうですか」と客引きをしていた。入場料を払って奉神門をくぐり、正殿などを見て回った。

それから東に向かい、与那原から国道331号を時計回りに海沿いに走った。市街地では道路が狭く交通量が多い。一方、郊外では地元の車はゆっくり走る車が多いようだ。那覇に戻る頃には19時になったので昨晩の宿に再びお世話になることにした。

夕食は強烈なインパクトを受けるという、宿の近くにある久美という店で食事をした。みそ汁(500円)を食べたのだが、量は多いし、「こんなの、どこも作ってないよ」と一人で切り盛りしているおばちゃんは威勢がいい。雨が降り出したところで帰ろうとしているお客に「そこの傘持ってけ」と命令するなどすごい。でも満腹になるので良しとしよう。

  • 今日の天気:晴のち曇、夜雨
  • 走行距離:70.7km
  • 宿泊地:沖縄県那覇市壷屋1-1-10 2階 ドミトリー沖縄

7日目: 4月12日(木) 沖縄本島西海岸北上

今日とんでもないことに気が付いた。那覇に向かう船の中で考えていた、今後の船の利用計画が間違っていたことに気がついた。当初、波照間島と与那国島にバイクを持ち込んで泊まるつもりだったのだが、日程上、船の便の関係でどちらかにしかバイクを持ち込んでの宿泊はできないことが判明してしまった。昨日あった船に乗ることができれば間に合っていたのだが。今後を考え直さなければならない。


万座毛から万座ビーチを望む

さて、10時過ぎに宿を出発した。今日は涼しく、ジャンパーを着て走ることにした。名護方面に向かった。天気が良く、万座毛の景色などがきれいだ。透き通った水色の海が美しい。恩納村にある宇宙開発事業団(NASDA)沖縄宇宙通信所に立ち寄った。入口ではシーサーが出迎えてくれている。敷地にはパラボラアンテナが、建物内には人工衛星などについての展示や、何やらいろんな機器がある運用室が窓越しに見られた。

本部町にある瀬底ビーチでキャンプをしようと行ってみたが、「キャンプ禁止」、「ここは私有地です」といった立て札が立てられていた。浜にも出てみたが、人はまったくいない。話が違うと思いながら瀬底ビーチを去った。

晩になり、沖縄記念公園の大型車駐車場近くにある売店の軒下にテントを張ったが、見回りの人にその場所は良くないという事なので、指示された通用門近くの駐車場に移動して寝た。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:152.8km
  • 宿泊地:沖縄県国頭郡本部町 沖縄記念公園駐車場

8日目: 4月13日(金) 沖縄本島最北端、東海岸南下

ヤンバルクイナ展望台
巨大ヤンバルクイナ

今日も涼しい。今帰仁村から名護市に入り、嵐山展望所に登った。おだやかな羽地内海の様子が見える。沖縄本島北部の辺戸岬に行った。その近くにヤンバルクイナ展望台があるというので行ってみた。細くて急な坂道を進んでいくと・・・、巨大ヤンバルクイナ出現。ヤンバルクイナの形をした展望台だった。そこから海岸越しに辺戸岬が見える。ということは辺戸岬からヤンバルクイナがみえるかもしれない。本島の東海岸を南下していく。すれちがう車はほとんどない。慶佐次湾のマングローブ林は、枝分かれした根が水辺に立つ様子が見られおもしろい。

昼食は、金武町にある元祖タコライスの店といわれるキングタコスに行き、タコライスチーズ野菜(600円)を食べてみた。ボリュームたっぷりのように見えるが、1つの皿にご飯を乗せひき肉を乗せて、その上に生野菜を乗せているからそのように見えるのだろうと思う。店に用意されているスプーンでは野菜がこぼれて食べにくい。

平安座島へ向かう海中道路を通ってみた。両側が海なので気持ちいいのだが、片側2車線で広い歩道付きの立派な幅広の道路なので「海中道路」というのはしっくりこないなあ。時間が少しあるので、さらに南に向かい喜屋武岬に行った。ここは断崖絶壁で足がすくむ。

それから那覇新港に向かい、石垣へ行く琉球海運のフェリーかりゆしおきなわに乗り込んだ。料金はライダーパック割引というのがあり、2等和室と400CCバイクで10140円だった。有村産業の船より安くなるようだが、設備は良くない。人から聞いた話だと元は貨物船だという。部屋の中は暑い。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:324.0km
  • 宿泊地:琉球海運 かりゆしおきなわ船内
  • 入浴地:船内のシャワー

9日目: 4月14日(土) デイゴ咲く石垣島

船は早朝に宮古島に寄港した後、昼過ぎに石垣港に到着した。まずは帰りのフェリーを予約し、コンビニで腹ごしらえ。

八重山民俗園の駐車場にて
花が咲くデイゴの木

時計回りに海岸沿いを進む。唐人墓のそばにあるおみやげ屋で黒糖の製造工程を見学した。さとうきびを噛んで汁をすってみた。うん、あまい。八重山民俗園の前に行ってみると木に赤い花がいっぱい咲いている。デイゴだ。木の幹と赤い花がふつりあいだ。心の中でTHE BOOMの島唄を歌う。


石垣島川平湾

川平湾公園に行った。きれいだ。そこにスケッチしているライダーがいた。彼は静岡を出て1ヶ月くらいたっているとのこと。スケッチすることにより、景色の細部まで目に焼きつくのでそうしているという。なるほど。

伊野田のキャンプ場にも行ってみたが、いっぱいなので米原キャンプ場にテントを張ることにした。長期滞在者の立派なテントも見られる。テント設営後、薄暗くなりかける中、石垣市街へ向かう。

夕食はあさひ食堂でとった。うわさどおりの大衆食堂だった。税込575円のあさひ定食はボリュームたっぷり。

  • 今日の天気:晴夕方から曇
  • 走行距離:134.1km
  • 宿泊地:沖縄県石垣市米原キャンプ場

10日目: 4月15日(日) 石垣島一周

朝は曇っていたが昼前頃から晴れてきた。まず近くにある八重山ヤシ林を見に行った。よくわからなかったが、ともかくヤシがいっぱいあった。昼食は近くの知花食堂でそば大(350円)を食べた。沖縄本島の店で食べたのよりもラーメンに近い感じで、こちらのほうが私には口に合う。

石垣島最北端の平久保岬に行った。岬の近くに牛が放たれていたが、1頭の牛が断崖の上からじっと海を眺めていたのがおもしろかった。玉取崎展望台からの景色もきれいだ。石垣市街にはいり、石垣島一周達成。買出しなどしてキャンプ場に戻った。

  • 今日の天気:晴時々曇
  • 走行距離:111.9km
  • 宿泊地:沖縄県石垣市米原キャンプ場