|
2011年春時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2011年5月22日公開)
3万円以下のFAX付き複合機は3機種あるが、エプソンのPX-603FとキャノンのPIXUS MX883が29,980円なのに対して、PIXUS MX420が19,980円と1万円の価格差がある。同価格のPX-603FとPIXUS MX883にはどのような違いが有るのか、そして安価なPIXUS MX420はどの程度差があるのだろうか。
まずはこれら3機種の概要を説明しよう。PX-603FはFAX機能無しのPX-503AにFAX機能とADFを追加した機種に近いと言える。ただし、型番がEP-903AとEP-903FのようにAとFの違いだけのなのと異なり、PX-603FはPX-503Aより100番台が上になっていることから、上位機種扱いである。セット可能な用紙枚数が異なるほか、ダイレクト印刷やコピー機能も若干機能が多くなっている。一方PIXUS MX887はFAX無し複合機のPIXUS MG5230にFAX機能とADFを追加した機種に近い。ただし完全に同じではなく、CD/DVDレーベル印刷に対応していなかったり、ダイレクト印刷やコピー機能にも若干の違いがある。また、操作パネルは大きく異なる。PIXUS MX420はPIXUS MP493にFAX機能とADFを追加した機種に近い。ただし、USBメモリからのダイレクト印刷に対応していたり、コピー機能が上位機種と同じく25%〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行えるなど、若干機能面では豊富だ。またこちらも操作パネルは大きく異なる。 では、まずプリンタ部から見てみよう。エプソンのPX-603Fは、ブラック、シアン、マゼンダ、入れローの4色インクでインク滴が2plと上位機種のPX-903Fより若干劣る。薄い色のインクが無く、インク滴も若干大きいことから、とくに色の薄い部分で粒状感が強くなるが、あくまでEP-903Fと比べた場合であり、このレベルであれば十分写真高画質で、目をこらしてみると若干粒状感があるといった程度である。ただし、EP-903Fと異なり顔料インクであるため、写真用紙への印刷は行えるものの、光沢感が薄くなり、ポストカードのようになってしまうため、実際には写真印刷目的には向かないと言える。その代わり、顔料インクは普通紙への印刷時にメリハリのある印刷が行える他、耐水性も高いというメリットがある。普通紙印刷ではむしろEP-903Fより上とも言え、また耐水性の高さは濡れた手で触ったりマーカーで線を引いても滲まない点で便利である。そのため、パソコンから普通紙への印刷や、普通紙コピー、年賀状印刷に向いている他、PX-603Fの特徴のFAX機能を使う時も、受信したFAXを普通紙に印刷する際に高画質、高耐水で印刷が出来る。インクは「つよインク200X」でアルバム保存200年、耐光性45年、耐オゾン性30年と保存性も高い。 次にPIXUS MX883だが、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色の染料インクと、顔料のブラックインクを搭載する。写真印刷は4色で行う事になるが、インク滴は1plであるため、PX-603Fより若干高画質と言える。またPX-603Fや同じキャノンの上位機種PIXUS MX7600と比べると、染料インクであるため光沢感のある写真印刷が行えるのもメリットと言える。一方顔料ブラックインクも搭載するため、普通紙へのモノクロ印刷も高画質に行える。ただしPX-603Fとは異なり、顔料インクはブラックだけなので、カラー印刷時のシャープさや耐水性という点ではPX-603Fに軍配が上がる。インクは「ChromaLife 100+」であり、純正写真用紙の中で最上級のキャノン写真用紙・光沢 ゴールドを使用する事で、アルバム保存300年、耐光性40年、耐オゾン性10年を誇っている(キャノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]ではそれぞれ200/50/10年、キャノン写真用紙・光沢/光沢 プロフェッショナルではそれぞれ100/40/10年)。 最後にPIXUS MX420だが、一見PIXUS MX883と同じインク構成のように見える。しかし、染料のシアン、マゼンダ、イエローと、顔料のブラックインクの4色構成となり、染料のブラックインクが省略されている。そのため、写真印刷時にブラックインクが使用できず、カラー3色を混ぜて黒に近い色にするため、どうしてもコントラストが弱くなってしまう。またインク滴が2plと大きくなりPX-603Fと同じサイズになっているため、PIXUS MX883よりも粒状感が強くなる。ブラックインクが使えない事と併せて、画質面では3機種中一番下となるだろう。ただし、染料インクで写真印刷が出来るため、光沢感の失われない印刷が可能なため、写真印刷に向いているという点ではPIXUS MX883と同じだ。一方、ブラックの顔料インクのおかげで普通紙への印刷やコピーはモノクロのみメリハリがある印刷となるが、顔料インクはブラックのみとなるため、普通紙印刷の画質や耐水性の面ではPX-603Fの方が上であるのもPIXUS MX883と同じだ。また、PIXUS MX420はカートリッジ構成が他の2機種と異なる点も注意が必要だ。PX-603FとPIXUS MX883は上位モデルと同じく各色独立カートリッジであり無くなった色だけ交換できるが、PIXUS MX420はカラー3色が一体カートリッジとなるため、3色の内どれか1色でも無くなると他の色が無駄になるためコスト面では不利だ。 印刷速度を見てみよう。まずはL判写真の縁なし印刷速度である。PX-603Fはカラーノズル数がEP-903Fより少ないこともあって、56秒と遅めである。PIXUS MX883はインク滴が他の2機種より小さいが、ノズル数が4608ノズルと圧倒的に多いため、17秒とFAX無し複合機の最上位機種並みに高速だ。PIXUS MX420はノズル数が1472ノズルとPIXUS MX883より少ないが、インク滴が大きいこともあって35秒となり、ちょうどPIXUS MX883とPX-603Fの間になる。PX-603Fの56秒でも、昔の下位機種ほどは遅くないため十分使えるレベルだが、写真印刷を頻繁に行うならPIXUS MX883の方がストレスがなさそうだ。一方、A4普通紙への印刷速度はL判写真と異なる結果となる。カラー原稿ではPX-603Fが7.2ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、PIXUS MX870が9.3ipm、PIXUS MX350が5.0ipmとなっており、PX-603Fが差を詰めてきている。さらに、モノクロ印刷にいたっては、どの機種でもカラー印刷よりも高速になるが、PX-603Fは特に高速で3機種中トップの15ipmを誇っている。これは、ブラックインクのノズル数が384ノズルとカラーインクの3倍あり、EP-903Fの2倍以上あるためである。以上から写真印刷はキャノンの2機種が、普通紙への印刷はPX-603Fが高速だと言うことになる。インク構成から見てもキャノンの2機種は写真印刷に向いていて、エプソンのPX-602Fは普通紙印刷に向いていると言えるだろう。 給紙に関する部分を見てみよう。PX-603Fは前面給紙のみとなる。上位機種のEP-903Fと異なり、カセット内部は1段なので同時にセットできる用紙は1種類のみとなる。一方でセット可能枚数はA4普通紙で250枚と比較的多めで、大量印刷やコピーを行う場合や、FAXを頻繁に受信する場合でも安心である。一方、PIXUS MX887は背面給紙と前面給紙カセットの両方に対応する。前面給紙カセットは普通紙のみとなるが、前面にA4普通紙、背面にB5普通紙というようにサイズの異なる普通紙をセットしたり、前面に普通紙、背面に写真用紙をセットしたりという事もできるため便利である。セット可能枚数はA4普通紙で、前面背面共に150枚で、両方にA4普通紙をセットすれば300枚と、PX-603Fを超える事になる。大量印刷に備えることも2種類の用紙をセットすることもでき、便利に使えそうだ。最後に、PIXUS MX420だが、3機種で最も価格が安いため背面給紙のみとシンプルである。セット可能枚数もA4普通紙100枚と他の2機種に比べると寂しい枚数だ。 自動両面印刷にはPX-603FとPIXUS MX887が対応している。ただしPX-603Fは普通紙のみである。対応用紙サイズは、PX-603FはL判サイズ以上キャノンの2機種は名刺サイズ以上である。名刺サイズに印刷する場合はキャノンの機種である必要がある。以上より、給紙関連の機能ではPIXUS MX887が若干リードし、2番手はPX-603F、価格の安いPIXUS MX420は若干物足りない印象だ。 写真印刷時の自動補正機能は、PX-603Fが「オートフォトファイン!EX」、キャノンの2機種は「自動写真補正II」である。どちらも逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われるものである。いずれもパソコンからだけでなくダイレクト印刷時にも使用できるので便利である。おもしろい機能としてはPX-603Fのカラーインクが切れた際にもモノクロ印刷は継続できる機能がある。通常は1色でもインクが無くなるとプリントが出来なくなるため、便利な機能である。ただし5日間限定であり、常にカラーインクを搭載せずに使用できるわけではない。 続いて、スキャナ部を見てみよう。スキャン解像度はPX-603FとPIXUS MX883は2400dpi、価格の安いPIXUS MX420は1200dpiとなる。解像度に差はあるが、3機種とも紙原稿のみのスキャンであるため、1200dpi以上でスキャンすることはほとんど無いと思われるため、解像度の差ほど使用する上での差はない。また、いずれもCIS方式であるため、分厚い本など浮いてしまう原稿は苦手だ。一方、3機種ともFAX機能を搭載しているため、ADFを備えている点は便利である。PX-603Fは30枚、PIXUS MX883は35枚、PIXUS MX420は30枚まで原稿を一度にセットできる。それだけ見ると差はほとんど無いように見えるが、実は大きな差がある。PX-603FはADF使用時には両面スキャンが可能になっており、両面原稿をコピーやFAXする場合に重宝する。またスキャン解像度に制限はない。PIXUS MX883も両面スキャンが可能なADFとなっている。しかし、両面スキャンはFAX時には使用できないという制限があるため、コピーやスキャンしてパソコンに取り込む際にしか使用できないのは残念だ。またあ両面・片面に関わらずADF使用時にはスキャン解像度は最大600dpiになる。最後にPIXUS MX420は、片面読み取りのみのADFとなっている。また、ADF使用時にはスキャン解像度が最大600dpiとなる点はPIXUS MX883と同様である。そして3機種はスキャンした原稿をパソコンを使わずにメモリカードに保存する機能を搭載しているのは便利だ。以上より、スキャナの機能はPX-603Fが最も便利だと言えるだろう。ちなみに、3機種に共通する注意点としては、対応する原稿サイズはA4、レターサイズ、リーガルの3種類のみで、それより小さなB5などの原稿には対応しない点である。そのため雑誌や漫画等をスキャンしてデジタル化する用途には、原稿サイズによっては行えなず、完全にドキュメントスキャナ代わりに使用する事は難しいだろう。 ダイレクト印刷は、SDカード/メモリースティック/コンパクトフラッシュは3機種とも対応しているが、xDピクチャーカードに関してはPX-603Fのみ対応しており、キャノンの2機種ではアダプタが必要である。さらに、全機種がPictBridgeに対応している他、USBメモリからの印刷にも対応しているなど、様々な方法でダイレクト印刷が可能である。さらにPX-603FはUSBメモリだけでなく対応の外付けドライブへのメモリカードからのバックアップが可能であったり、それらからの印刷も行えるようになっている。それ以外に、PX-603Fはパソコンを使わず写真を背景に印刷した便箋を始めとする罫線やマス目などの用紙がパソコンを使わずに印刷できる「ノート罫線印刷」機能を備えている。一方のキャノンの2機種も似た機能を備えており、原稿用紙、方眼紙、五線譜、レポート用紙、スケジュール帳、チェックリスト、漢字練習帳の印刷が行える「フォーム印刷」機能を備えている。 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、全機種が等倍コピーや、B5からA4のような用紙を指定した拡大縮小の他に、25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える。それ以外の機能としては、3機種とも、写真を複数枚原稿面に起き、一度に数枚の写真の焼き増し風のコピーを行うことも出来る。この際、名称はPX-603Fが「退職復元」機能、キャノンの2機種は「色あせ補正」機能と名称は異なるが、昔の色あせした写真を自動で補正してくれる機能を備えており、なかなかの精度なので、コピー目的ではなく色の復元目的での焼き増しも行える。3機種とも2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2アップにも対応している。さらにキャノンの2機種は4枚の原稿を1枚に縮小する4アップにも対応している。バラエティコピーを見てみると、PX-603Fは文字領域と画像領域を認識し、それぞれが見やすくなるよう別々の画像処理を行う「領域判定コピー」機能のみを備える。一方でキャノンの2機種は厚手の原稿など原稿台のカバーが浮いてしまう場合に黒くなる部分を消去する「枠消しコピー」機能と、ADFを使用して複数枚原稿を複数部コピーする際に1部ずつまとめてコピーする「ページ順コピー」機能を備えている。 それでは肝心のFAX機能を見てみよう。3機種ともスーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーFAXを行う事が出来る。両機種ともADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒というのも共通だ。また読取走査線密度はモノクロで「8pels/mm×3.85line/mm又は8pels/mm×7.7line/mm、カラーで200×200dpiなのも共通である。更にキャノンの2機種はモノクロ時に300×300dpiのファインEXモードを備えているが、大きな差ではないだろう。ダイヤル機能では、PX-603Fは短縮ダイヤルに60件登録でる。PIXUS MX883は短縮ダイヤル100件を登録できる。PIXUS MX420は短縮ダイヤル20件と少なくはなるが、価格を考えれば仕方がないだろう。また、全機種とも家庭向けの複合機に付いているFAX機能だからといって基本的な機能は搭載されているため安心と言える。受信したファクスの最大保存ページ数はPX-603Fが180枚又は30件、PIXUS MX883が250枚又は30件なのに対して、PIXUS MX350は50枚又は20件と少々劣る。3機種とも家庭で使う分には十分なメモリ量を備えているが、FAXの受信が多いとわかっている場合、PIXUS MX350は少し心許ない。その他、4機種ともグループダイヤル、順次同報送信、自動リダイヤル機能を備えているため、一般的な家庭用FAX電話以上の事が可能だ。さらに両機種ともモノクロ送信のみとなるなど制限はあるが、パソコン内のデータを直接FAXできる「PCファクス」機能を備えているのも便利である。 操作パネルを見てみよう。PX-603Fの操作パネルと液晶ディスプレイは本体前面に配置される。そして液晶ディスプレイだけでなく操作パネルごと持ち上げて角度調整が可能である。このあたりは上位モデルのEP-903Fと同じであるが、EP-903Fのように90度まで持ち上げることはできない。液晶ディスプレイは2.5型と比較的見やすいサイズとなっている。操作パネルは、EP-903Fのような静電式タッチパネルではなくボタン式となっており、液晶ディスプレイもタッチパネルではないため、ボタン数は多めなのは仕方のないところだろう。また、ボタン一つに1つの機能だけを割り当ててあるため、ボタン数が特に多くなっているが、その分どのボタンなのかはわかりやすい。PIXUS MX883とPIXUS MX420の操作パネルは非常に似ている。本体は側面から上面に移る部分が大きく斜めに面取りされており、その部分に液晶ディスプレイと操作パネルが配置されている。斜めになっているため正面からでも上からでも見やすいようになっている。また、液晶ディスプレイはPIXUS MX883が3.0型、PIXUS MX420が2.5型と上位機種より大きく視認性は高めだ。一方で、操作パネルはおろか液晶ディスプレイも角度調整ができないのは残念である。両機種ともボタン式であるが、実際にはPIXUS MX883の方が便利に作られている。液晶の右側にある4×4のボタンの内容が2種類に切り替えられるのである。FAX利用時には、右側3列がダイヤル用のテンキーになり、左1列が上下カーソルと「OK」「戻る」になっている。一方コピー使用時には、テンキーのあった部分に上下左右カーソルとその中心に「OK」ボタンがあり、左1列は「+」「ー」「戻る」ボタンになる。このように、テンキーが必要ない時はテンキーが消えるなど、わかりやすくなっている。一方、PIXUS MX420は液晶の右側に十字カーソルキーがあり、その横にテンキーがある。PIXUS MX883の用に表示が切り替えられる訳ではないので、ボタン数が多くなる。操作パネルごと角度調整ができるPX-603Fと、操作パネルの内容が切り替えられるPIXUS MX883は、それぞれ便利なところがあると言えるだろう。 インタフェースは3機種ともUSB2.0と有線・無線LANの接続に対応している。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人には有線LAN/無線LANによりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。3機種とも発売が2011年春になるため、2010年末モデル以降の製品が対応している、IEEE802.11nの無線LANに対応しており、無線LAN接続時でも、プリントやスキャンがストレス無く行えるようになっている。 本体サイズを見てみよう。PX-603Fは最近の複合機がコンパクトボディになっている流れに乗っており、446×360×226mmと比較的コンパクトである。上位機種のEP-903Fの466×385×198mm(自動両面ユニット非装着時)と比べると、高さは38mm大きくなっているが、横幅は20mm、奥行きは15mm小さくなっており、設置面積ではEP-903Fより小さい。デザインもブラックボディでパソコンの周辺機器らしさを抑えたデザインなので、リビングなどに置くことも可能だろう。置き場所は比較的困らないはずだ。一方のPIXUS MX883は491×448×218mmで、PX-603Fと比べると高さこそ8mm小さいが、横幅が45mm、奥行きが88mmも大きいため、一目見てもかなり大きく見える。デザイン的にはブラックボディでパソコンの周辺機器らしさは減っているので、設置スペースさえ確保できればリビングなどでも置けそうだ。PIXUS MX350は機能が少ない分小型になっており458×415×198mmである。それでもPX-603Fと比べると横幅が12mm、奥行きが55mmも大きいため設置面積はPX-603Fより大きい。デザインはPXISU MX883と同じなので問題ない。 この中でまず選びやすいのはPIXUS MX420である。他の2機種より1万円も安く、エプソンとキャノンのFAX付き複合機の中で最も安価なモデルである。少しでも安価にFAX付き複合機を購入したい人にはベストな選択肢となるはずだ。インクカートリッジがカラー3色一体であったり、写真印刷時にブラックインクが使えなかったり、両面スキャンが行えなかったりと省かれた機能は多いが、それらに納得いくなら、基本的な機能は搭載しているため問題はないだろう。もう少し出しても機能が豊富な方が良いなら、29,800円のPX-603FとPIXUS MX883から選ぶことになる。同値段の2機種だが、大きな違いはインクだろう。普通紙への印刷やコピー、受信したFAXの印刷、年賀状印刷などが主な使用目的なら、顔料インクのPX-602Fがおすすめだ。写真印刷は遅めだが普通紙への印刷は高速で、特にモノクロ印刷は非常に高速だ。両面スキャンが可能なADFはFAX時でも利用可能で、設置面積も小さく、いろいろと便利だろう。一方写真も印刷したいというなら、染料インクのPIXUS MX887となる。画質も3機種中最も高く、染料インクであるため写真用紙の光沢感が失われず、印刷も高速で、写真印刷がストレス無く行える。ADFの機能に制限があるのが気になるが操作性も良好だ。ただし、本体サイズがかなり大きい点は一度店頭で確認した方が良さそうである。コンパクトさを求めるならPX-603Fか、さらに写真印刷画質も求めるなら上位機種のEP-903Fも比較する必要がありそうだ。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/ ![]() ![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||