2013年末時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2013年12月11日公開/12月21日追記)
エプソンからは3機種EP-706A、PX-504A、PX-436AとキャノンのPIXUS MG5530が1万円台後半の価格帯の製品となる。EP-706Aは19,980円、PX-504Aは17,980円、PX-426Aは16,980円、PIXUS MG5530は17,980円となる。最上位機種と比べるとかなり安価な製品だが、どのような機能が搭載され、また省略されているかを見ていこう。 |
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シアン マゼンタ イエロー ライトシアン ライトマゼンタ |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
染料ブラック シアン マゼンタ イエロー |
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(つよインク200) |
(つよインク200X) |
(つよインク200X) |
(ChromaLife100+) |
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ブラック:384ノズル |
ブラック:180ノズル |
Y/染料BK:各512ノズル |
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(A4普通紙セット可能枚数) |
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印刷部 |
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フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜) |
ノート罫線印刷(罫線・マス目・便箋) |
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜) |
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印刷 |
iPod touch iPad (iOS 5.0以降) Android 2.2以降 |
iPod touch iPad (iOS 5.0以降) Android 2.2以降 |
iPod touch iPad (iOS 5.0以降) Android 2.2以降 |
iPod touch iPad (iOS 5.1以降) Android 2.3.3以降 |
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BOOKコピー ミラーコピー 領域判定コピー |
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(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(アクセスポイントモード対応) |
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細かく見ていく前に、概要を見てみよう。EP-706Aはエプソンの染料インクを搭載した複合機(EPから型番が始まる機種)の中では最も下位モデルとなる。一方のPX-504Aは顔料インクを搭載した複合機(PXから型番が始まる機種)の中では最も上位モデルとなる。そのため上位・下位を表す型番の100の位が低いのもかかわらず、PX-504Aの方がスペック面で優れている部分もある。また、PX-504Aは、世代を表す型番の1の位が4である事から分かるように、2世代前の製品だ。そのため下位モデルのPX-436Aに搭載されているのに、PX-504Aには搭載されていない機能がある。また、PX-504Aのみビジネス向けにラインナップされており、実際に取り扱いのない店舗も多いので注意が必要だ。PX-436Aは顔料インクを搭載した複合機の中では中位モデル、全体で見るとかなり下位モデルとなる。PIXUS MG5530は、キャノンのラインナップ4機種の上から3番目であり、スペック面でも大きな差が出ている。それでは詳しく見ていこう。 プリンタ部から見てみよう。EP-706Aは6色インク構成で最小インクドロップサイズ1.5plとなっており、画質面では最上位モデルと同等のレベルを有している。そのため、4機種の中では最も高画質で、写真印刷時も粒状感を感じさせない印刷が可能だ。また染料インクであるため、写真用紙本来の光沢感が失われず写真らしい印刷が行える。一方で普通紙への印刷は、インクがやや広がるため、メリハリが弱くなる弱点がある。ノズル数も前モデルでは半減していたが、EP-706Aでは同ノズル数となっている。5つのインクサイズのインクを打ち分ける「Advanced-MSDT」機能も搭載しており、必要に応じて大きなインクサイズを打ち分ける事で高速化と高画質化を両立しており、印刷速度は上位機種より若干遅くなっているが、L判写真で19秒と非常に高速だ。直接のライバルとなりそうなPIXUS MG5530は5色インク構成となっているが、カラー4色+顔料ブラックという構成なので、写真印刷時は4色印刷となる。最小インクドロップサイズも2plとEP-706Aと比べると若干大きいので、その分画質は劣る事となる。それでも最小インクドロップサイズは十分小さいので、良く比べてもなければEP-706Aとの差はわかりにくく、十分写真印刷に向く高画質である。染料インクであるため写真本来の光沢感も失われない。一方普通紙に印刷するときは顔料ブラックインクが力を発揮する。顔料インクの特徴として普通紙へ印刷しても滲まず、メリハリのある印刷が行えるため、小さな文字や白抜き文字なども潰れずに印刷できる。また耐水性も高い。ブラックインクだけだが、文書印刷やコピー時に黒文字というのは多いので、意外に効果は高い。写真印刷では若干劣るが、普通紙印刷ではEP-706Aより高画質だ。写真印刷速度が37秒と上位機種よりノズル数が少ない分遅く、またEP-706Aの倍近くかかってしまう。エプソンの残る2機種は4色インク構成で、しかも4色とも顔料インクという機種だ。PX-504Aは最小インクドロップサイズが2pl、PX-436Aは3plとなり、PX-504AはPIXUS MG5530と同レベルだが、PX-436Aはさらに劣る。PX-436Aはパッと見でもザラザラとした印象を受ける。写真印刷に向かないほど低画質ではないが、他機種との差は確実にあると言える。またこれら2機種は4色全てが顔料インクであるため、写真印刷も顔料インクで印刷する事となる。結果、写真用紙での発色はあまり良くなく、また表面の光沢も薄れポストカードのような鈍い光り方になってしまう。画質的には写真印刷ができないわけではないが、インク的には向いていない。一方で普通への印刷ではPIXUS MG5530のように滲みのないメリハリのある印刷が行え、耐水性も高い。しかも黒だけでなく、カラー部分でもこのメリットが得られる。文書印刷やコピーでは非常に高画質に印刷ができる。EP-706Aと比べて最小インクドロップサイズが倍になり、色数も少ないPX-436Aですら、一見したときの画質はPX-436Aの方が上である。印刷速度はEP-706Aよりカラーのノズル数が少なく、またAdvanced-MSDTより劣る3つのサイズのインクを打ち分けるMSDT対応なので、PX-504Aで56秒、PX-436で75秒と、それぞれEP-706Aの3倍、4倍の時間がかかる。以上から、写真の印刷はEP-706A>PIXUS MG5530=PX-504A>PX-436A、普通紙の画質はPX-504A>PX-436A>PIXUS MG5530>EP-706Aで、写真印刷速度はEP-706A>PIXUS MG5530>PX-504A>PX-436Aという形になる。ちなみに、普通紙への印刷速度はエプソンの3機種は公表されていないため、比較することはできないが、PIXUS MG5530ではカラーが8.7ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、モノクロが12.2ipmとなっている。上位機種がそれぞれ10ipmと15ipmであることを考えると、写真印刷ほど遅くはなっておらず、十分に高速だと言えるだろう。 使用するインクはEP-706Aは「つよインク200」である。昨年より採用された新インクであるため、アルバム保存300年、耐光性50年、耐オゾン性10年となる。PX-504AとPX-436Aは「つよインク200X」を採用するが、PX-504Aは旧機種であるため旧タイプの「つよインク200X」でアルバム保存200年、耐光性45年、耐オゾン性30年、PX-436Aは新タイプの「つよインク200X」でアルバム保存300年、耐光性45年、耐オゾン性30年、となる。一方、PIXUS MG5530は「ChromaLife100+」であり「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」を使用することにより、アルバム保存300年、耐光性40年、耐ガス性10年を実現している(キャノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]ではそれぞれ200年、50年、10年)。4機種とも十分なレベルの耐保存性を持ったインクである。PX-504AとPX-436Aも顔料インクであり光沢感が薄くなることを除けば、耐保存性は写真印刷に問題ないことが分かる。また、4機種とも各色独立インクとなっており、なくなった色だけ交換できる。 給紙に関しては、4機種に特徴がある。EP-706Aは前面給紙カセットとなる。上位機種とは異なり1段式のカセットとなっており背面手差し給紙もないシンプルな構成である。セット可能枚数はA4普通紙で100枚となる。PX-504Aも1段の前面給紙カセットだが、ビジネス向けと言うこともありセット可能枚数は150枚とやや多めだ。打って変わってPX-436Aは背面給紙となる。背面にスペースが必要なほか、用紙をセットしたままだとホコリが積もるという問題はあるが、代わりにセットしやすく、背面給紙・前面排紙となるため厚紙やラベル用紙などへの対応も安心感がある(前面給紙の機種も問題はないことになっているので感覚的な問題だが)。セット可能枚数は100枚である。PIXUS MG5530も前面給紙だが、カセット式ではなくトレイ式となる。つまり、前面パネルを開くと下段が給紙トレイ、上段が排紙トレイとなっている。前面パネルの上に用紙をセットする形になるため、用紙をセットしたまま前面パネルが閉じられないという問題がある。セット可能枚数は100枚である。 排紙トレイの自動オープン機能は4機種とも搭載していない。一方、自動両面印刷機能はPX-504AとPIXUS MG5530のみ搭載している。ハガキには非対応で普通紙だけの対応だが、両面コピーも行えるため、綴じて冊子にする場合や用紙を節約したい場合などに便利だ。一方、CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷機能はEP-706Aもみ搭載しいる。写真の自動補正機能としては、エプソンの3機種は「オートフォトファイン!EX」、PIXUS MG5530は「自動写真補正II」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる。もちろんパソコンからの印刷時だけでなく、後述のダイレクト印刷時にも利用できる。 続いて、スキャナ部を見てみよう。解像度はPX-504Aだけが2400dpi、EP-706A、PX-436A、PIXUS MG5530が1200dpiとなる。解像度に大きな差があるように見えるが、反射原稿(紙などの原稿)にしか対応しないため、1200dpiでも十分すぎる解像度と言えるため、実際に使う上での差はあまりないと言える。いずれもCIS方式で、厚い本の綴じ目近くなど、ガラス面から浮いてしまう原稿は苦手だ。スキャンした原稿をパソコンを使わずにメモリカードに保存する機能は、EP-706AとPX-504Aのみ搭載しており、下位モデルのPX-436AとそもそもメモリカードスロットがないPIXUS MG5530は非対応となる。 ダイレクト印刷はPIXUS MG5530を除く3機種が対応している。対応メモリーカードはPX-504AがSDカード、メモリースティック、xDピクチャーカードで最も多くの種類に対応しており、EP-706AとPX-436AはSDカード、メモリースティックDuoのみとなる。とはいえ、一眼レフを除き、ここ数年で使われているメモリカードはこの2つなので、特に不満はないはずだ。いずれもUSBメモリには非対応だ。手書き合成シートはEP-706Aのみ対応している。PictBridgeもEP-706Aのみ対応だが、外部機器接続用のUSBポートを持たないためWi-Fi方式のみ対応だ。その他、エプソンの3機種は塗り絵風の輪郭だけの印刷や、罫線、マス目、便箋などの印刷に対応する。EP-706AとPX-436Aはフォーム印刷という名称だが、罫線、マス目、便箋、スケジュール帳、五線譜のみ対応し、上位モデルの対応するメッセージカード、折り紙封筒は非対応だ。PX-504Aは前の世代のノート罫線印刷という名称で、罫線、マス目、便箋のみ対応である。一方のPIXUS MG5530も、原稿用紙・方眼紙・五線譜・レポート用紙・スケジュール帳・チェックリスト・漢字練習帳を印刷できる「定型フォーム印刷」機能を備えており、4機種とも種類に多少の違いはあるが機種とも、単体で様々な用紙が印刷できる。 スマートフォンとの連携機能も4機種とも搭載しており、iPhoneやiPod touch、iPadと、Android端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることで行える。写真の印刷が手軽に行え、またメモリカードが入れられないスマートフォンやタブレットからも印刷が可能であり便利だ。その際、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行える。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もできる便利だ。また、4機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。出かける前に紙の情報をさっとスマートフォンに転送するといった使い方ができるため便利だろう。さらに、発売が古いPX-504Aを除く3機種は、クラウドとの連携機能も搭載されており、オンラインストレージにアクセスして画像や文書を印刷することができる。さらにEP-706AとPIXUS MG5530はSNSの写真を印刷する事ができる。SNSの写真はコメント付きでも印刷が可能だ。またPIXUS MG5530は写真共有サイトからの印刷も可能だ。ここで大きな違いは、EP-706AとPX-436Aはスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、PIXUS MG5530はスマートフォン上だけでなくPIXUS MG5530からも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、選択肢が広いという点ではPIXUS MG5530が便利だ。また、対応できるサービスの多さでもPIXUS MG5530が便利と言える。 さらにネットワークを利用したプリント機能として、エプソンの3機種とも印刷したい写真や文書を本機にメールすると自動で印刷できる「メールプリント」機能を備えている。さらに離れた場所からも印刷できる「リモートプリントドライバー」も搭載している。さらにEP-706Aはスキャンした画像を離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」にも対応するなどネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言える。一方のPIXUS MG5530は、本機にメールすると自動で印刷できる「メールからプリント」機能のみ搭載しているが、エプソンの3機種がWord/Excel/PowerPoint/PDFの他、JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMPの画像形式に対応しているのに対して、PIXUS MG5530はPDFとJPEGだけの対応というのも少し寂しい。リモートプリント機能はエプソンの3機種の圧勝だ。 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、4機種とも単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「自動変倍」機能25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載した高性能な物だ。PX-436Aを除く3機種は原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「オートフィット」機能も搭載する。PX-504AとPX-436Aはこれら単純な拡大縮小コピー機能のみ搭載だが、EP-706AとPIXUS MG5530はこれ以外にも様々な機能を搭載する。まず、CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷が行えるEP-706Aはレーベルコピーも行える。またEP-706AとPIXUS MG5530の染料インク搭載機種は、写真印刷も得意と言うことで、原稿面に写真を複数枚置き、焼き増し風のコピーを行う機能も備えている。この際、EP-706Aは「退色復元」、PIXUS MG5530では「色あせ補正」と名称は異なるが、両機種とも昔の色あせした写真も自動で補正してくれる機能も備えている。EP-706Aは、2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2アップにも対応する他、「塗り絵印刷」や見開きの本を左右ページで別々にコピーする「BOOKコピー」、アイロンプリント紙への印刷時に使える「ミラーコピー」といった機能を利用できる。ちなみに、エプソン3機種は文字領域と画像領域を認識し、それぞれが見やすくなるよう別々の画像処理を行う「領域判定コピー」といった機能を備えている。一方PIXUS MG5530は2枚の原稿を1枚に縮小する2アップだけでなく4枚の原稿を1枚に縮小する4アップにも対応する。また、厚手の原稿など原稿台のカバーが浮いてしまう場合に黒くなる部分を消去する「枠消しコピー」機能を備える。いずれも端に拡大縮小コピーだけなら十分な機能を備えているが、EP-706AとPIXUS MG5530はより便利な機能を利用できる。 操作パネルはいずれも液晶ディスプレイと物理ボタンの組み合わせとなっている。EP-706Aは染料インク(EP型番)の機種の中で最下位モデルなので、液晶ディスプレイが1.44型と小さく、角度も調整できない。液晶ディスプレイは操作パネルとと共に、本体上面から前面にかけて大きく面取りされた部分に搭載されている。斜めに取り付けられているため、どの角度からでも見やすいが、液晶サイズがあまりにも小さく設定や写真の選択では苦労しそうだ、PX-504Aは顔料インク(PX型番)の機種の中では上位モデルなので、液晶サイズは2.5型と大きく角度調整が可能だ。液晶ディスプレイと操作パネルは本体前面に取り付けられているが、液晶ディスプレイだけでなく操作パネル全体を持ち上げて角度調整が可能だ。見やすい角度で操作ができるよう工夫されており、液晶サイズの大きさと合わせて比較的使いやすい。PX-436Aは液晶ディスプレイはEP-706Aと同じ1.44型で視認性はかなり悪い。ただし、こちらは、PX-504Aと同じく操作パネルごと角度調整が可能な点ではEP-706Aよりは若干使いやすいと言える。PIXUS MG5530は液晶ディスプレイが2.5型と大きい。ただし、EP-706同様、操作パネルと共に上面から前面にかけて大きく面取りされた部分に固定されていて角度調整はできない。斜めになっているため、どの角度からでもそれほど使いにくくはないだろうが、それでも高い位置に置くと、操作がしにくかったり液晶ディスプレイが見にくくなりそうだ。操作性のしやすさはPX-504Aが1番良く、次いでPIXUS MG5530といったところだろう。 インタフェースは4機種ともUSB2.0に加えて、無線LANに対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人には無線LANによりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。PX-504Aはさらに有線LAN接続も可能であるのはメリットだ。逆にPX-504Aを除く4機種は、無線LANのWi-Fiダイレクト(PIXUS MG5530はアクセスポイントモード)に対応しているため、無線LANルータの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点は便利な点だ。 本体サイズを見てみよう。EP-706Aが390×338×163mm、PX-504Aが445×367×169mm、PX-434Aが390×300×145mm、PIXUS MG5530が455×369×148mmである。PX-434Aのコンパクトさが際だっている。EP-706Aも上位機種よりは高さが大きくなっているものの、十分コンパクトだ。PX-434Aは背面給紙であり、背面給紙トレイを引き出すと後方に倒れるため、実際の奥行きは似たようなものだろう。一方PX-504AとPIXUS MG5530の設置面積は大きめだ。過去の機種と比べて大きくはないものの、EP-706AとPX-436Aと比べると大きい。ただし、PIXUS MG5530に関しては高さはEP-706Aより小さくPX-436並である上に、上面から前面と側面の三方にかけて大きく角が削られているため、より低く見える。横幅が6.5cm大きいが圧迫感は意外と小さいと言える。 PX-504AとPX-436Aはターゲットがはっきりしているため分かりやすい。顔料インクで写真印刷には向かず、印刷速度も遅い一方、普通紙への印刷画質が高いため、文書印刷やコピーをメインで使用するなら、この2機種がおすすめだ。画質や印刷速度、自動両面印刷などの便利さや、液晶画面が大きいためコピーなどの設定もしやすいため、操作性を重視するならPX-504A、逆にコンパクトさを求める場合はPX-436Aがおすすめだ。残るEP-706AとPIXUS MG5530はいずれも染料インクを搭載しており写真印刷にも向いている。EP-706Aの方がインク数が多く、最小インクドロップサイズが小さいため、写真の画質は上だが、PIXUS MG5530もそれほど悪くはなく、また顔料ブラックのおかげで文書印刷も高画質である。写真印刷を重視ならEP-706A、写真だけでなく文書印刷のもある程度こだわりたいならPIXUS MG5530という選択方法もあるが、画質面では決め手にはなりにくい。大きな違いとしては、EP-706Aはメモリカードスロットがあることと、写真印刷が高速であることがある。そのため、写真のダイレクト印刷をしたい人や本体サイズを重視する場合はEP-706Aがおすすめだ。一方PIXUS MG5530は自動両面印刷機能を備え、液晶も大きいため、写真はパソコンから印刷するが、コピーなどを良く使うという場合はPIXUS MG5530がおすすめと言えるだろう。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/ ![]() ![]() |