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2014年春時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2014年12月10日公開/2015年3月21日更新)
FAX機能付き複合機の中で下位機種に当たる2万円台以下の機種である。とは言え、エプソンからPX-M650F(22,980円)、PX-535F(14,267円)の2機種、キャノンからPIXUS MX923(25,700円)、MAXIFY MB5030(26,800円)、MAXIFY MB2330(23,800円)、MAXIFY MB2030(21,800円)と機種が非常に多い。PX-535Fは特に安いが、それ以外の5機種は26,800〜21,800円の中で混戦模様だ。機種は多いが価格が近すぎてこれ以上分けられないため、一気に比較してしまおう。なお、この中でPIXUS MX923だけが家庭向けプリンタとビジネス向けの中間のような製品、残り5機種はビジネス向けとなる。 |
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シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
染料ブラック シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
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(つよインク200X) |
(つよインク200X) |
(ChromaLife100+) |
(MAXIFY用新顔料インク) |
(MAXIFY用新顔料インク) |
(MAXIFY用新顔料インク) |
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黒:400ノズル |
黒:180ノズル |
Y/顔料BK:各512ノズル 染料BK:1024ノズル |
黒:1280ノズル |
黒:1280ノズル |
黒:1280ノズル |
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(フチなし印刷不可) |
(フチなし印刷不可) |
(フチなし印刷不可) |
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(A4普通紙セット可能枚数) |
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○(L/KG/2L/ハガキ) |
○(250枚・普通紙A4/レター/リーガル)) |
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※最大600dpi/FAX時両面不可 |
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印刷部 |
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印刷 |
iPod touch iPad (iOS 5.0以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 5.0以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 6.1以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 6.1以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 6.1以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 6.1以降) Android 2.3.3以降 |
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枠消しコピー |
枠消しコピー |
枠消しコピー |
枠消しコピー |
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(Wi-Fiダイレクト対応) |
(アクセスポイントモード対応) |
(アクセスポイントモード対応) |
(アクセスポイントモード対応) |
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プリント機能を見てみよう。唯一家庭向けとビジネス向けの中間の製品であるPIXUS MX923 はブラック、シアン、マゼンダ、イエローの基本4色の染料インクと、ブラックの顔料インクの5色構成となる。6機種中唯一染料インクを採用しているだけでなく、最小インクドロップサイズも1plと非常に小さく、解像度も9600×2400dpiである事から、非常に高画質な印刷が可能だ。FAX無し複合機の上位モデルと比べるとスペック上はやや劣るが、実際の印刷ではほぼ差のない画質と言える。染料インクを採用しているため、写真用紙などに印刷した際に用紙の光沢感がそのまま出るほか、発色も良いなど写真印刷に向いている。また、顔料インクに非対応の用紙も一部存在するが、染料インクのPIXUS MX923なら幅広い用紙が対応が可能だ。一方で、普通紙に印刷する場合は顔料のブラックインクが効果を発揮する。染料インクでは少し滲んだようになるため、文字が太くなったり、中抜き文字が潰れそうになってしまうが、黒色部分に限定だがこちらの画質も高い。FAXはモノクロであることがほとんどなので、黒だけでも顔料インクなのはうれしい所だ。残りの5機種は、いずれもブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色構成で、全色顔料インクを採用する。最小インクドロップサイズはPX-535Fのみ公表されているが、3plと大きい。PX-M650Fは非公開だが、上位モデルでも2.8plで、それより解像度が低いことから、2.8plかそれより大きいと思われ、MAXIFYの3機種は解像度が600×1200dpiと極端に低いことから、最小インクドロップサイズは大きめと思われる。そのため、これら5機種は写真印刷画質はPIXUS MX923に大きく劣る。さらに、MAXIFYの3機種はフチなし印刷が行えない。PX-M650FとPX-535Fはフチなし印刷が行えるため、写真印刷が全く行えないほどではないが、やはり、少しザラザラとした印象を受けるだろう。また、5機種とも全色顔料ンクであるため、写真用紙に印刷した際に、表面の光沢感が薄れポストカードのようになってしまうほか、発色も悪いという問題もある。一方、普通紙印刷ではモノクロ・カラー問わずメリハリのある印刷が行えるほか、耐水性もあることから、濡れたりマーカーを引いても滲まないというメリットもある。特にPX-M650Fは普通紙への印刷解像度を360dpiから600dpiへアップした新しいプリントヘッドを採用しており、より普通紙印刷の画質は高くなっている。普通紙印刷に特化していると言え、文書印刷や受信したFAXの印刷に力を発揮する。 使用できる用紙はいずれもL判からA4までとなる。ただし、MAXIFYの3機種は前述のようにフチなし印刷を行う事ができない点は注意が必要だ。給紙に関しては、PX-535Fを除く5機種が前面カセット式となっている。PIXUS MX923は大小の2段カセットとなっており、下段はA5、B5、A4サイズなどに対応、上段はL判/2L判/KG/ハガキサイズに対応し、完全に使えるサイズが独立している。2種類の用紙がセットできるため、使用時に用紙の入れ替えなく使い分けができ便利だ。形式としてはFAXなし複合機と同じだが、FAX利用も考えてか、下段のセット可能枚数が多くなっており、A4用紙で250枚までと、家庭用としては十分な量となっている。ちなみに上段にハガキや写真用紙は40枚までセットが可能である。PX-M650FとMAXIFY MB5030、MAXIFY MB2030は前面給紙カセットが1段である。A4普通紙でPX-M650Fは150枚、MAXIFY MB5030とMAXIFY MB2030が250枚までセット可能となる。そしてMAXIFY MB2330は前面給紙カセットが2段である。PIXUS MX923とは異なり、同じサイズのカセットが2段なので両方にA4用紙をセットする事も可能だ。各カセットで250枚セット可能なので、合計500枚となり、大量の印刷やFAX受信が多い環境でも対応できる。下段は普通紙のみで、サイズもA4、レター、リーガルのみとなるが、下段にA4普通紙、上段にB5普通紙と言った使い方も可能だ。注意点として、MAXIFYの3機種の前面給紙カセットは本体に収まっているように見えるが、実際にはこの状態では、たとえ小さな用紙であってもセットでする事はできない。使用時にはカセットを伸ばして使う事になるため、本体にセットしても飛び出てしまう。使用時には排紙トレイを引き出すため、スペース的には問題ないと言えるが、未使用時にも用紙をセットしたままだと飛び出してしまい不便とも言える。最後にPX-535だが、これはシンプルな背面給紙である。セット可能枚数も100枚と少なく、セットしたままだとホコリが被ってしまうなどの問題もあるが、価格が安いため仕方が無いことだろう。ちなみに、PX-M650FとMAXIFYの3機種は用紙種類とサイズの登録機能を搭載している。いずれも前面給紙カセットを挿し込むと自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。そして、この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。また、液晶ディスプレイでメニューから手動で登録も可能である。できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。 自動両面印刷機能はPX-535Fを除く5機種が対応している。文書印刷やコピー時に便利だが、、ハガキに対応しているのはPIXUS MX923のみで、他の4機種は普通紙のみとなる。ハガキの宛名面と通信面を一度に印刷したいと言う場合はPIXUS MX923しかできない。その他、PIXUS MX923はCD/DVDレーベル印刷機能も搭載していたり、印刷実行時に前面パネル兼排紙トレイが自動的に開く機能もあったりと、家庭向けの複合機で一般的な機能を備えている。 印刷速度はL判写真印刷速度はPX-M650Fが70秒、PX-535Fが74秒と遅いのに対して、PIXUS MX923が18秒と、FAX無し複合機の最上位モデルと同じ速度となっている。写真印刷に向いた染料インクを採用しているだけあって、写真印刷速度は圧倒的だ。なお、MAXIFYの3機種はフチなし印刷もできない事から、写真印刷速度は公開されていない。一方文書の印刷速度はやや結果が異なる。PX-M650はA4カラー文章が7.3ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、モノクロが13ipmとなっており、PIXUS MX923の10.0ipmと15.0ipmに近い速度となっている。普通紙印刷に特化したPX-M650Fなので写真印刷速度より普通紙印刷が高速な方が重要と言える。もちろんPIXUS MX923はどちらも高速なのでより便利だ。PX-535Fはノズル数が極端に少ないため、カラー4.7ipm、モノクロ9.0ipmと遅くなってしまうが、それでも価格を考えれば健闘していると言えるだろう。そして普通紙印刷に特化したMAXIFYの3機種は、さらに高速だ。MAXIFY MB5030とMAIXFY MB2330はカラー15ipm、モノクロ23ipmとPIXUS MX923のモノクロ印刷と同じ速さでカラー印刷が可能である。もともと文書印刷に特化した設計の上に、1枚目の印字中に2枚目を重ねて搬送させる「重ね連送」を行っており、高速化を図っている。MAXIFY MB2030は「重ね連送」を行わないため、それぞれ11ipmと16ipmになるが、それでもPIXUS MX923より高速だ。いずれにしてもPX-535Fを除く5機種の文書印刷速度はかなり高速だと言えるだろう。 ちなみに使用するインクはPX-M650F/PX-535Fは「つよインク200X」であり、アルバム保存300年、耐光性45年、耐オゾン性30年と、家庭用の染料インクの機種に劣らない耐保存性である。一方PIXUS MX923は「ChromaLife100+」でありアルバム保存300年、耐光性40年、耐ガス性10年を実現している。 3機種とも十分なレベルの耐保存性を持ったインクであり、写真印刷を行っても色あせを防ぐことができる。またPX-M650F/PX-535Fは「オートフォトファイン!EX」、PIXUS MX923は「自動写真補正II」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われるため、気楽に写真印刷が行えるようになっている。ちなみに、MAXIFYの3機種は「MAXIFY用新顔料インク」となっており、耐保存性は不明である、 続いて、スキャナ部を見てみよう。解像度はPIXUS MX923のみ2400dpiで残る5機種が1200dpiとなる。いずれもCIS方式で、厚い本の綴じ目近くなど、ガラス面から浮いてしまう原稿ではピントが合わなくなってしまう点は同様だ。解像度に大きな差があるように思えるが、反射原稿(紙などの原稿)にしか対応しないため、1200dpiでも十分すぎる解像度と言える。実際、写真サイズを1200dpiで取り込むと、約4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当となる事から、十分な性能と言える。またPX-M650Fを除く5機種はスキャンした原稿をパソコンを使わずにUSBメモリに保存する機能を搭載しており、パソコン無しで簡単にスキャンができる。そしてFAX付きモデルと言うことで全機種がADFを搭載している。PX-M650FとPX-535Fが30枚、PIXUS MX923が35枚、MAXIFYの3機種が50枚と一度にスキャンできる枚数には違いはあるが、ADFを搭載しているためにFAX送信時やコピー時にも便利だろう。なお、上位機種と異なり、PIXUS MX923を除き両面スキャンには対応していない。また、そのPIXUS MX923も両面スキャンはFAX送信時には使用不可となっているほか、ADF使用時には最大600dpiになるなど、注意が必要だ。 PX-M650Fを除く5機種はUSBメモリに対応しているが、このうちPX-535Fは、あくまでスキャンしたデータの保存用となっている。一方、PIXUS MX923はUSBメモリからの印刷に対応しており、メモリカードの場合と同じ設定が可能となっており、フチなし写真なども印刷可能だ。前述の「自動写真補正」も利用可能だ。一方MAXIFYの3機種もUSBメモリからの印刷に対応しているが、そもそもフチなし印刷ができない事から、スキャンしてUSBメモリに画像形式で保存したものの印刷といった用途が考えられる。その他単体の機能はPIXUS MX923が豊富である。Wi-Fi方式のみだがPictBridgeに対応している。また、原稿用紙や方眼紙、五線譜、レポート用紙、スケジュール帳、チェックリスト、漢字練習帳をPIXUS MX923単体で印刷が可能な「定型フォーム印刷」機能も備えている。唯一家庭向けの機種と言うこともあり、便利に作られている。 スマートフォンとの連携機能も全機種が搭載しており、iPhoneやiPod touch、iPadと、Android端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定(MAXIFYの3機種を除く)まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もできる便利だ。また、スマートフォン上からスキャンを実行し、データをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。出かける前に紙の情報をさっとスマートフォンに転送するといった使い方ができるため便利だろう。さらに、PIXUS MX923を除く5機種はクラウドとの連携機能も搭載されており、オンラインストレージから印刷する事が可能だ。ここで大きな違いは、エプソンの2機種はスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、MAXIFYの3機種はスマートフォン上だけでなく本体でもクラウドにアクセスし印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、選択肢が広いという点でMAXIFYの3機種は有利だ。クラウドからのプリント機能をよく使うという場合は、MAXIFYの3機種が便利だろう。 さらにネットワークを利用したプリント機能として、エプソンの2機種は、印刷したい写真や文書をプリンタにメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、通常のプリント同じ操作で、離れた場所の対応プリンタで印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。一方のPIXUS MX923とMAXIFYの3機種も、プリンタにメールすると自動で印刷できる「メールからプリント」機能のみ搭載しているが、エプソンの2機種Word/Excel/PowerPoint/PDFの他、JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMPの画像形式に対応しているのに対して、PIXUS MX923とMAXIFYの3機種はPDFとJPEGだけの対応というのは少し寂しい。リモートプリント機能はエプソンの2機種がリードしているといえる。 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、全機種が単純な等倍コピーだけでなく、拡大縮小コピーが可能だ。原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「オートフィット」機能や、25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「自動変倍」機能も備えるなど、高性能な物だ。またCD/DVD/Blu-rayレーベル印刷に対応したPIXUS MX923はレーベルコピーにも対応である。またPIXUS MX923は原稿面に写真を複数枚置き焼き増し風のコピーを行うことも出来る。この際「色あせ補正」という、色あせしたり黄ばんでしまった写真も自動で補正してくれる機能も備えている。またPX-535Fを除く5機種は2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2アップにも対応し、さらにPIXUS MX923とMAXIFYの3機種は4枚の原稿を1枚に縮小する4アップにも対応している。その他、PX-M650Fは免許証やIDカードのような小さな原稿の裏と表を、1枚の紙に並べてコピーできる「IDコピー」機能を搭載、一方、PXIUS MX923とMAXIFYの3機種はADFを使って複数枚の原稿を複数部コピーするときに、1部ずつにまとめてコピーしてくれる「ページ順コピー」と、厚手の原稿で原稿の外の部分や、綴じ目の部分が黒くなってしまうのを軽減する「枠消しコピー」機能を備えている。 それでは肝心のFAX機能を見てみよう。全機種ともスーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーFAXを行う事が出来る。ADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒というのも共通だ。また読取走査線密度はモノクロで「8pels/mm×3.85line/mm又は8pels/mm×7.7line/mm、カラーで200×200dpiなのも共通である。さらに、PIXUS MX923とMAXIFYの3機種はモノクロ時に300×300dpiのファインEXモードを備えているが、大きな差ではないだろう。ちなみにエプソンの2機種は上位機種のような詳細モードは搭載していない。ダイヤル機能でも全機種が短縮ダイヤルに対応しており、エプソンの2機種はは60件、キャノンの4機種は100件登録できるため十分だ。受信したファクスの最大保存ページ数はPX-M650Fが100枚又は100件、PX-535Fは180枚又は100件、キャノンの4機種はが250枚又は30件となっている。枚数はキャノンの4機種が、件数はエプソンの2機種が多いが、いずれも家庭で使う分には十分なメモリ量を備えているといえる。またPX-535Fを除く5機種は電源を切っても、メモリに保存された受信FAXの内容は記憶しているので安心だ。ただし、停電時やコンセントが抜けた場合でも受信した内容が保持されるのはPX-M650Fのみとなる。キャノンの4機種ではデーターは破棄されてしまうため、夜にはブレーカーを落とすという場合や、使わないときにどこかにしまっておくという人は注意が必要だ。ちなみにPX-535Fは電源オフだけでもデータが破棄されてしまうため、より注意が必要だ。4機種とも件数は異なるが、グループダイヤル、順次同報送信、手動送信、自動リダイヤル機能を備えているため、一般的な家庭用FAX電話以上の事が可能だ。また、「PCファクス」機能も全機種が備えている。パソコン内で作成したデーターを、一度印刷する事無く、直接FAXとして送信できる「送信」機能は非常に便利だ。一方、受信したFAXをパソコン上に保存できる「受信」機能はPX-M650Fみ対応である。 操作パネルは6機種中3機種がタッチパネル液晶を採用している。PX-M650FとMAXIFY MB5030、MAXIFY MB2330が該当し、操作性は良好だ。液晶ディスプレイもPX-M650Fが2.7型、MAXIFY MB5030とMAXIFY MB2330は3.0型と比較的大きく、視認性も良好だ。タッチパネル液晶を採用することにより、直感的にモード切替や設定が行えるほか、カーソルキーや枚数の「+」「−」ボタンをなくすことができ、ボタン数が減り分かりやすい。PX-M650FとMAXIFY MB5030/MAXIFY MB2330の異なる点として、PX-M650Fはテンキーは独立した物理キーとして、MAXIFY MB5030/MAXIFY MB2330はテンキーも液晶ディスプレイ内に表示する点が挙げられる。PX-M650Fの場合、FAX機能もメインとして使用されるビジネス向けの機種であるため、あえて電話番号や文字入力に使用するテンキーは独立し、見栄えよりも押しやすさを優先して物理ボタンになったと思われる。一方、MAXIFY MB5030/MAXIFY MB2330は使用頻度が高い「スタート」「ストップ」「ホーム」「戻る」のボタンに関しては物理的なボタンとしているものの、テンキーに関してはボタン数が急に増えることから液晶ディスプレイ内に表示することで、使用時だけ表示することができすっきりすると言う考え方だ。どちらが良いとも言えないが、FAX機能を頻繁に使うなら物理ボタンのPX-M650Fが、それほど多くないなら、他の操作時にキーが少なく分かりやすいMAXIFY MB5030/MAXIFY MB2330が便利と言えるだろう。続いてこだわっている機種はPIXUS MX923である。液晶ディスプレイは3.0型と大きめだが、タッチパネルではない。ただし、操作パネル「デュアルファンクションパネル」となっている。その名の通り、一部のボタンが使用する機能によって表示が切り替わるというものだ。スタートやストップ、メニューなどのボタンの他、液晶下部の3つのボタンは一般的なボタンだ。一方液晶の右側にある4×4個のボタンの内容が2種類に切り替えられるのが特徴だ。FAX利用時には、右側3列がダイヤル用のテンキーになり、左1列が上下カーソルと「OK」「戻る」になっている。一方コピーやフォトなどFAX以外を使用時には、テンキーのあった部分に上下左右カーソルとその中心に「OK」ボタンがあり、左1列は「+」「−」「戻る」ボタンになる。このように、テンキーが必要ない時はテンキーが消えるなど、わかりやすくなっている。割り当てられていないキーには何も表示されていないので、使用できるキーが分かりやすいが、FAX無し複合機にあるようなセンサー式ボタンで、各手順ごとに使用できないキーが消灯する様な、キー1つ1つの消灯・点灯切り替えは出来ず、あくまで2パターンの切り替えのみである。残るPX-535FとMAXIFY MB2030はタッチパネル液晶ではなく、単純な物理ボタン操作となる。当然キー数は多くなってはしまうが、慣れてしまえば問題はないだろう。液晶ディスプレイも両機種とも2.5型と大きめである。ちなみに全機種とも、 操作パネルと液晶ディスプレイは本体前面に斜めに取り付けられている。斜めになっているためどの方向からでも使いやすいが、残念ながら角度調整は出来ないため設置する場所によっては使いにくい場合もあるだろう。 インタフェースは6機種ともUSB2.0に加えて、ネットワーク接続に対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人にはネットワーク接続によりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。またネットワーク接続をすればスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。ビジネス向けの機種という事もあり、6機種とも無線LANだけでなく有線LANも搭載しており、速度と安定性の有線LANと、ケーブルレスで手軽な無線LANのどちらでも選ぶことができる。なお、PX-M650FとMAXIFYの3機種はWi-Fiダイレクト(MAXIFYの3機種はアクセスポイントモード)に対応しているため、無線LANルータの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっており、より便利である。 本体サイズを見てみよう。PX-M650Fは425×360×230mmで、FAX無し複合機と比べると大きいが、比較的コンパクトになっている。また、上位機種であるPX-M740Fの449×417×243mmと比べると、一回り小さくなっている印象だ。また、さらに下位のPX-535Fは392×377×221mmとさらに小型化されており、設置スペース面ではこの2機種は優秀だ。一方キャノンの4機種は大きめだ。PIXUS MX923は493×396×231mmで、PX-M650Fとの比較でも幅が68mm、奥行きは36mm大きく、全体に「大きい」といった印象を受ける。そして、MAXIFY MB5030は463×394×291mmで、幅は少し小さくなったが、高さがPIXUS MX923より60mmも大きく、縦に高いというイメージだ。下位機種のMAXIFY MB2030でも463×389×260mmと大きく、カセットが2段のMAXIFY MB2330は463×389×320mmとかなり高くなっている。しかも比較的小さく見える奥行きも、この状態は用紙カセットを最もコンパクトにした状態で用紙をセットする事ができない。A4用紙をセットした状態で置いておくとすると、3機種とも奥行きは459mmになってしまう。サイズ面ではMAXIFYの3機種はかなり不利と言える。 6機種の内、FAXや文書印刷だけでなく、写真やレーベル印刷など様々な用途に使いたいならPIXUS MX923で決まりと言える。唯一染料インクを採用し、写真印刷に向いている上に、画質も最も高く印刷速度も速い。一方で顔料ブラックのおかげでモノクロ文書やFAXの印刷も綺麗で、FAX機能も他機種と比べ特に劣るわけではない。給紙枚数もFAX無しモデルより多めだ。どちらの用途にも使いやすいよう機能を搭載している印象だ。唯一本体が大きいという問題があるので、これさえクリアできれば買いと言える。一方、FAXと文書印刷がメインならその他5機種となるが、MAXIFYはとにかく高速印刷を求めるというのでなければおすすめしにくい。確かに印刷速度はかなり高速だが、他の機種もそこまで遅くない。それより本体サイズの大きさと、フチなし印刷すらできないという事で、用途がかなり限定されるとも言える。写真は印刷しないととは言え、文書や年賀状などでフチなし印刷を使う場合もあるかもしれない。そういった意味では、PX-M650Fはおすすめと言える。4色顔料で文書印刷は綺麗で、印刷も速く、スマホやネットワークプリントの機能も豊富だ。FAX機能も十分で、PCファクスの送受信や、停電やコンセントが抜かれてもデータが保持されるのは、他の機種にはないメリットだ。本体も比較的コンパクトで、タッチパネル式液晶ディスプレイで操作性も良好だ。フチなし印刷もできるため、文書や年賀状のフチなし印刷も問題なく、画質は劣るが写真印刷も可能だ。文書印刷とFAXがメインならPX-M650Fは非常におすすめだ。PX-535Fは他機種と比べて7千円〜1万円安く、圧倒的に安いのが魅力だ。その割に機能は豊富で、基本的な機能は揃っている。安く文書とFAXメインのプリンタを探しているなら、おすすめと言える。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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