2016年春時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2016年5月28日公開)
FAX機能付きA4複合機の中で上位機種に当たる2万円以上の機種である。エプソンのPX-M741FとPX-M740F、EW-M660FT、キャノンのビジネス向けPIXUS MX923、MAXIFY 5330、MAXIFY MB5030が該当する。価格にばらつきがあるため2万円以上という括りではあるが、PX-M741Fが25,980円、PX-M740Fが23,980円、EW-M660FTが54.980円、PIXUS MX923が24,800円、MAXIFY MB5330が36,800円、MAXIFY MB5030が26,800円となる。PIXUS MX923を除く5機種がビジネス向け製品だが、機能面では大きな違いがある。一方EW-M660FTはエコタンク搭載機種で、インクボトルからインクを補充するという新しいタイプのプリンターだ。どういった違いがありこのような価格差があるのか見ていこう。 |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
染料ブラック シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
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(タンク式) |
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(つよインク200X) |
(つよインク200X) |
(ChromaLife 100+) |
(MAXIFY用新顔料インク) |
(MAXIFY用新顔料インク) |
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黒:800ノズル |
黒:800ノズル |
黒:400ノズル |
Y/顔料BK:各512ノズル 染料BK:1024ノズル |
黒:1280ノズル |
黒:1280ノズル |
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(フチなし印刷不可) |
(フチなし印刷不可) |
(フチなし印刷不可) |
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(A4普通紙セット可能枚数) |
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○(250枚・普通紙B5〜A4) |
○(L判/KG/2L/ハガキ) |
○(250枚・普通紙A4/レター/リーガル)) |
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印刷部 |
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印刷 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 4.0以降 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 4.0以降 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 4.0以降 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 2.3.3以降 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 2.3.3以降 |
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影消しコピー パンチ穴消しコピー |
影消しコピー パンチ穴消しコピー |
枠消しコピー |
枠消しコピー |
枠消しコピー |
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(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(アクセスポイントモード対応) |
(アクセスポイントモード対応) |
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プリント機能を見てみよう。唯一家庭向けのPIXUS MX923は5色インク構成となる。ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色構成だが、ブラックのみ顔料インクと染料インクの2本を搭載し、用紙により使い分ける。カラーは染料インクである。4色での印刷となるが、最小インクドロップサイズが1plと非常に小さく、解像度が9600×2400dpiである事から、非常に高画質な写真印刷が可能だ。FAXなしプリンタの上位機種の6色構成と比べるとやや劣るが、実際にはほとんど変わらないレベルでの印刷となる。また、インクは染料インクを採用しているため、写真用紙などに印刷した際に用紙の光沢感がそのまま出るほか、発色も良いなど写真印刷に向いている。また、顔料インクに非対応の用紙も一部存在するが、染料インクのPIXUS MX923なら幅広い用紙が対応が可能だ。一方で、染料インクは普通紙に印刷した際は少し滲んだようになるため、文字が太くなったり、中抜き文字が潰れそうになってしまう問題がある。そこで、PIXUS MX923はブラックインクのみだが顔料インクも搭載する事で黒色部分に関しては顔料インクならではのメリハリのある印刷が行える。ただし、黒色部分と言っても、モノクロの中間色はカラーインクを混ぜて表現するし、カラーの中に混ざっている場合は顔料と染料を混ぜられないことから、染料インクが使われるなど、背景が無く完全な黒という限定がある。しかし、文字文書の印刷や、FAXの印刷には効果を発揮するはずだ。 PX-M741FとPX-M740Fはビジネスモデルという事で、4色構成の顔料インクを採用する。最小インクドロップサイズが2.8plと大きく、ライトインクもないため、写真印刷などでは粒状感があり、PIXUS MX923より画質はかなり劣る。それでも写真印刷が全く行えないほどではないが、やはり、少しザラザラとした印象を受けるだろう。また、顔料インクであるため、写真用紙に印刷した際に、表面の光沢感が薄れポストカードのようになってしまうほか、発色も悪いという問題もある。一方、普通紙印刷ではメリハリのある印刷が行えるほか、耐水性もあることから、濡れたりマーカーを引いても滲まないというメリットもある。PIXUS MX923の様にブラックインク専用では無く、カラーインクも顔料インクであるため、モノクロ、カラー問わず普通紙への印刷画質は高い。また、普通紙への印刷解像度を360dpiから600dpiへアップした新しいプリントヘッドを採用しており、より普通紙印刷の画質は高くなっている。 EW-M660FTもPX-M741F/PX-M740Fと同じ4色インク構成だが、黒インクのみ顔料インクで、カラーインクが染料インクとなる。PIXUS MX923と似た構成だが、染料インクの黒を搭載しない点が異なる。文書印刷やFAX受信などでは黒文字が多いため、ブラックインクは顔料インクで、一方顔料インクでは写真用紙などへの印刷が苦手なほか、使えない用紙もあるため、カラーインクは染料インクを採用する。そのため、普通紙への印刷に関してはPX-M741F/PX-M740Fと比べるとカラー部分のメリハリは劣るが、黒色部分に関してはほぼ同等となる。PX-M741F/PX-M740Fと同じく普通紙の印刷解像度を360dpiから600dpiへアップした新しいプリントヘッドを採用している。ただし最小インクドロップサイズは3.3plと僅かに大きくなる。一方、写真への印刷はカラーインクが染料インクであるため発色が良く光沢感のある印刷が行える。PIXUS MX923より最小インクドロップサイズが大きいため、粒状感では劣ることになる上、染料の黒インクを搭載しないため、写真印刷時に黒インクを使わずカラーインクを混ぜて黒色を表現するため、コントラストはやや劣ることとなる。とはいえ、PX-M741F/PX-M740Fよりは写真らしい印刷が行える。 残るMAXIFY MB5330とMAXIFY MX5030だが、こちらもビジネス向けと言うことで4色構成の顔料インクとなっている。PIXUS MAX923でも黒の顔料インクを採用しているが、こちらはMAXIFY用新顔料インクと言うことで、黒濃度が高くマーカーを引いた時もにじみにくく摩擦にも強いという。もちろん普通紙への印刷画質が高いため、文書印刷や受信したFAXの印刷に適している。ただし画質面ではPX-M741F/PX-M740Fより劣る可能性がある。最小インクドロップサイズに関しては非公開だが、印刷解像度が600×1200dpiと非常に低いため、最小インクドロップサイズも大きめである可能性は高い。確かに普通紙印刷ならば多少大きめでも、顔料インクであれば綺麗に見えるため問題ないとも言えるが、グラフや表の背景などのべた塗りの色や、写真部分に関しては粒状感が強く出る可能性がある。また、写真印刷は最小インクドロップサイズが大きいと予想される上に4色インクで、しかも顔料インクであることから苦手と言える。 使用できる用紙はいずれもL判からA4までとなる。ただし、EW-M660FTとMAXIFYの2機種はフチなし印刷を行う事ができない点は注意が必要だ。MAXIFYの2機種は写真印刷は顔料インクであるため元々向いていないが、EW-M660FTは染料インクを搭載しているため写真印刷する可能性もあるので注意が必要だ。また、チラシや資料で背景色をフチなしで印刷したい場合などにも適さない。給紙に関しては、5機種とも前面カセットを基本としている。PIXUS MX923は大小の2段カセットとなっており、下段はA4/A5/B5サイズなどの大きなもの、上段はL判/KG/2L/ハガキサイズなどの小さな用紙をセットする。2種類の用紙がセットできるため、使用時に用紙の入れ替えなく使い分けができ便利だ。FAXなしの家庭用複合機と同じ構成だが、FAXなどでA4用紙を大量使用する可能性がある事から、下段の普通紙セット可能枚数が250枚と多くなっているのが便利だ。PX-M741Fも同じく前面給紙カセットが2段だが、大小では無く、A4まで入るものが2段となる。下段は普通紙のみでB5〜A4サイズという制限はあるが、両方にA4サイズがセットできる強みがある。また、それぞれに最大250枚までセット可能なので、家庭用のものより給紙可能枚数はかなり多い。上下段ともA4用紙をセットして500枚まで使う事もできるし、上段にB5、下段にA4といった使い方もできる。PX-M740はPX-M741の下段トレイが無いような形だ。つまり、250枚までセット可能なカセットが1段となる。EW-M660FTも同じく1段カセットだが、こちらは150枚までとセット可能枚数は少なくなる。MAXIFY MB5330とMAXIFY MB5030も同じような関係だ。MAXIFY MB5330も250枚ずつセット可能なカセットが2段となる。下段は普通紙のみでA4/レター/リーガルサイズのみだ。MAXIFY MB5030はカセットが1段となる。 前面給紙・前面排紙と言うことで内部で大きく曲げられてしまう事から、厚紙やラベル用紙、封筒のような二重になった紙などは少し心配だ(メーカーとしては問題ないことになっているが)。また、カセット方式は定型サイズでない用紙も、ガイドをあわせにくい。そこで、PX-M741F/PX-M740Fでは背面に手差し給紙を備えている。従来の背面給紙に近い位置だが、用紙をセットしておけるような大型のものではなく、簡易的なもので1枚ずつしかセットできないが、前述のような用紙を使用する場合に便利なほか、1枚だけ前面給紙カセットにセットしたのとは異なる用紙を使用する場合にもわざわざ入れ替える必要が無く便利だ。 なお、MAXIFYの2機種の注意点として、一見すると前面給紙カセットは本体に収まっているように見えるが、実際にはこの状態では、たとえ小さな用紙であってもセットでする事はできない事だ。使用時にはカセットを伸ばして使う事になるため、本体にセットしても飛び出てしまう。使用時には排紙トレイを引き出すため、スペース的には問題ないと言えるが、未使用時にも用紙をセットしたままだと飛び出してしまい不便とも言える。 印刷速度を見てみよう。まずは写真印刷である。写真印刷が得意なPIXUS MX923は最小インクドロップサイズは非常に小さいがノズル数を増やすことで、L判写真フチなし印刷速度が18秒と非常に高速だ。これはFAX無し家庭用複合機に匹敵する速度である。一方、PX-M741F/PX-M740Fもエプソンの機種としてはノズル数が多く、3つのサイズのインクを打ち分けるMSDTを搭載する事で画質と速度の両立を図っているが、L判写真フチなし印刷速度は41秒と遅めだ。エプソンのFAX無し家庭用複合機はノズル数が少ないにもかかわらず13秒となっているため、顔料インクを使用するのが原因では無いかと思われる。EW-M660FTは60秒とさらに遅いが、これはPX-M741FやPX-M740Fと比べるとノズル数が半減していると思われるためだ。同じノズル数・最小インクドロップサイズで顔料インクのPX-M650Fが70秒である事を考えるとやや高速化しているように見えるが、実際にはEW-M660FTはフチなし印刷ができないため、フチありでの計測となっているためだ。なお、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030はフチなし印刷が行えないため、写真印刷速度は後公開していない。一方文書の印刷速度は傾向が異なる。PIXUS MX923はここでも十分高速でA4カラー文章が10.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、モノクロが15ipmとなっており、インクジェットプリンタとしては高速な部類に入る。一方PX-M741F/PX-M740Fはカラーが10.0ipm、モノクロは19.0ipmとPIXUS MX923に対してカラーは同等、モノクロでは上回る。文書印刷に特化したプリンタの真価が発揮された形だ。そしてMAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030はカラー15ipm、モノクロ23ipmとさらに高速だ。もともと文書印刷に特化した設計の上に、1枚目の印字中に2枚目を重ねて搬送させる「重ね連送」を行っており、高速化を図っている。最後に、EW-M660FTはカラーが7.3ipm、モノクロが13.7ipmと他機種よりはやや遅めだが、これはPX-M741F/PX-M740Fより下位のモデルをベースにしているためだ。とはいえ、このスピードは十分に高速な部類だ。このように差はあるが、文書印刷に関しては6機種とも非常に高速に印刷できるのは確かだ。 ちなみに使用するインクはPX-M741F/PX-M740FAは「つよインク200X」であり、アルバム保存300年、耐光性45年、耐オゾン性30年と、非常に高くなっている。一方PIXUS MX923は「ChromaLife100+」でありアルバム保存300年、耐光性40年、耐ガス性10年を実現している。 3機種とも十分なレベルの耐保存性を持ったインクであり、写真印刷を行っても色あせを防ぐことができる。EW-M660FTに関してはインクの名称ないものの、アルバム保存300年をうたっている。ただし耐光性は7年、耐オゾン性は半年以上1年未満と、他機種より短くなっている。またPX-M741F/PX-M740F/EW-M660FTは「オートフォトファイン!EX」、PIXUS MX923は「自動写真補正II」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われるため、気楽に写真印刷が行えるようになっている。PX-M741F/PX-M740Fもインクの種類や印刷速度面では写真印刷が得意とは言えないが、画質や光沢感が薄くなる点さえ許容できれば耐保存性は写真印刷として十分だ。ちなみに、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030は「MAXIFY用新顔料インク」となっており、写真印刷を考えていないため、耐保存性は不明であり、写真補正機能も搭載していない。 自動両面印刷機能は6機種とも搭載している。ただし、いずれも普通紙のみの対応であり、ハガキの両面印刷は行えない点は注意が必要だ。CD/DVDレーベル印刷機能は家庭用の機種であるPIXUS MX923のみの搭載となる。一方PIXUS MX923を除く4機種は用紙種類とサイズの登録機能を搭載している。いずれも前面給紙カセットを挿し込むと自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。そして、この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。また、液晶ディスプレイでメニューから手動で登録も可能である。PX-M741F/PX-M740Fは、印刷時に実際の用紙幅をセンサーでチェックする機能もあり、できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。 最近の機種では搭載機種が増えた印刷が実行されると自動的に電源がオンになる機能と、ほぼ必須になりつつある、指定した時間操作がないと自動で電源がオフになる機能だが、FAX付きモデルでは状況が異なる。常時電源を入れておかなければFAX受信が行えないためである。PIXUS MX923は自動電源オン、オフ共に搭載していない。PX-M741F/PX-M740F/EW-M660FTは自動電源オフのみ搭載している。そしてMAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030は自動電源オン・オフというよりは、時間指定による電源オン・オフが設定できる。オフィスの就業時間や、商店の営業時間などに合わせて決まった時間に電源を入れ、決まった時間に電源が切れるというものである。ある意味オフィス向けという機種では、この機能は便利な場合もあるだろう。 最後に印刷コストである。まずは写真印刷を見てみると、PX-M741F/PX-M740Fが22.9円、PIXUS MX923が14.7円と差がある。元々の印刷コストにも違いがあるが、顔料インクは写真印刷での印刷コストが高く付く傾向があり、この点は写真印刷が得意なPIXUS MX923に軍配が上がる。一方文書印刷となると、PIXUS MX923がA4カラー7,7円、A4モノクロ2.5円なのに対してPX-M741F/PX-M740Fがそれぞれ9.4円と3.2円と差は縮まる。さらにMAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030はMAXIFYシリーズの中でも大容量インクを採用し、カラー6.1円、モノクロ1.8円とさらに安くなる。いずれにしても、家庭用の機種や下位機種と比べると印刷コストは安いが、枚数が多い場合この差が気になる場合もあるだろう。さて、あえて書かなかったEW-M660FTだが、この機種は特殊だ。他の5機種はカセット上のインクカートリッジを採用しており、インクが無くなればインクカートリッジごと交換する。これに対して、EW-M660FT本体の右側面の飛び出したところにエコタンクという大型タンクを搭載する。ここにボトルからインクを補充する方式で、インクの購入もボトルを購入することになる。このボトルが非常に安価でカラーページなら6500ページ、モノクロなら黒インクだけで6000ページ印刷ができ、カラーが各色900円、ブラックが1800円となる。一方、PX-M741F/PX-M740Fはカラーが730ページ、モノクロは1500ページ印刷でき、カラーが各色1500円、ブラックが3980円となり、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030は印刷可能枚数は分からないがカラーが各色2190円、ブラックが4300円となる。つまり、他機種の数倍印刷ができる量のインクボトルがかなり安価に販売されているわけである。結果、印刷コストはL判写真で5.5円、A4カラー文書が0.8円、A4モノクロ文書が0.4円と群を抜いて安くなる。しかもL判写真の印刷コストは用紙代4.296円を含むので、インクコストは約1.2円となる。フチあり印刷である事を差し引いても圧倒的に安価だ。大量印刷をする場合は、かなりのコストダウンにつながるはずだ。また、高い本体価格も、最初から各ボトルが2セット付属しており、11,300枚印刷可能(カタログ値)である事を考えると、テスト用インクカートリッジしか付属しない他機種よりよっぽど安価だ。他機種で11,300枚分もインクカートリッジを購入すれば、10万〜15万円程度かかってしまうため、本体の価格差はすぐに逆転できる事になる。 続いて、スキャナ部を見てみよう。解像度はPIXUS MX923のみが2400dpiで、残る5機種が1200dpiとなる。いずれもCIS方式で、厚い本の綴じ目近くなど、ガラス面から浮いてしまう原稿ではピントが合わなくなってしまう点は同様だ。解像度に大きな差があるように思えるが、反射原稿(紙などの原稿)にしか対応しないため、1200dpiでも十分すぎる解像度と言える。実際、1200dpiで読み取ると、L判写真サイズでも4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当となる事から、十分な性能と言える。文書なら300dpiや600dpiで十分だ。EW-M660FTを除く5機種がスキャンした原稿をパソコンを使わずにメモリカードに保存する機能を搭載しているためパソコン無しで簡単にスキャンができる。ただし PIXUS MX923、MAXIFY MB5330、MAXIFY MB5030はUSBメモリにしか対応していない。JPEG又はPDF形式だが、PX-M741F/PX-M740FのみTIFF形式での保存にも対応している。そしてFAX付きモデルと言うことで全機種にADFを搭載している。PX-M741F/PX-M740F/PIXUS MX923で35枚、EW-M660FTが30枚、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030では50枚までの原稿が連続でスキャンできる。コピーやFAX送信時に便利だろう。しかし、ここで機能面での違いがある。一番高性能なのはMAXIFY MB5330だ。両面スキャンに対応しているため、両面原稿のコピーやFAX時に便利だ。しかも、CISセンサーを上下に搭載する事で、同時に両面読み取りが可能である。PX-M741F/PX-M740Fも両面スキャンだが、CISセンサーはフラットベッド(原稿をガラス面に置くタイプ)と兼用の1つのみであるため、片面を読み取った後、もう一度給紙し裏面を読み取る形となる。両面読み取りは片面読み取りの2倍前後の時間がかかることとなるが、速度をよほど求めるので無ければ問題ないだろう。PIXUS MX923も同じく片面ずつ2回読み取り、両面読み取り可能である。しかし、制限があり、ADFを使用する際は解像度が最高600dpiに制限される他、FAX時には両面スキャンはできない。つまり両面原稿のFAXはADFではできない事になる。FAXで使用する事を想定された複合機なのにも関わらず、せっかくの両面スキャン機能が使えないのは不思議だが、注意が必要だ。EW-M660FTとMAXIFY MB5030は片面読み取りとなる。 ダイレクト印刷機能もEW-M660FTを除く5機種が対応しているものの、メモリカードスロットはPX-M741F/PX-M740Fのみとなる。SDカードとメモリースティックDuoに対応しており、十分と言える。また、USBメモリにも対応しており、これらからの印刷も行える。なお印刷できるのは画像のみでPDFやオフィス文書が印刷できる訳ではない。写真向けプリンタではないが、とりあえずダイレクト印刷も行えるPX-M740F/PX-M741Fは便利と言える。また、これら2機種ともUSBメモリだけでなく外付けHDDにも対応しており、これらから写真印刷も可能なため、写真を外付けハードディスクに大量保存していても安心だ。また、接続したドライブをネットワークドライブとして複数のパソコンからアクセスできる「外部機器共有」機能も搭載しているため、写真以外のファイルも共有でき、簡易NASのような使い方ができるのも面白いところだ。一方、PIXUS MX923、MAXIFY MB5330、MAXIFY MB5030はUSBメモリのみの対応である。PIXUS MX923はメモリカードの場合と同じ設定が可能となっており、フチなし写真なども印刷可能だ。画質的にも写真印刷が得意なだけに、メモリカードに対応しないのが残念なところだ。一方、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030は、そもそもフチなし印刷ができない事から、写真の印刷と言うよりは、スキャンしてUSBメモリに画像形式で保存したものの印刷といった用途が考えられる。その他、PictBridgeはPIXUS MX923のみ対応しているが、Wi-Fi方式のみであるため対応するデジカメは少なく、使い道はあまりなさそうだ。 スマートフォンとの連携機能は6機種とも搭載しており、iPhoneやiPod touch、iPadと、Android端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定(MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030を除く)まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もできる便利だ。また、4機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。出かける前に紙の情報をさっとスマートフォンに転送するといった使い方ができるため便利だろう。さらに、PIXUS MX923を除く5機種はクラウドとの連携機能も搭載されており、オンラインストレージから印刷する事が可能だ。ここで大きな違いは、PX-M741F/PX-M740F/EW-M660FTの3機種はスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030はスマートフォン上だけでなく本体でもクラウドにアクセスし印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、選択肢が広いという点でMAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030は有利だ。クラウドからのプリント機能をよく使うという場合は、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030が便利だろう。ちなみにPIXUS MX923はクラウド対応をうたっているが、スマホ用アプリからは非対応で、本体での操作のみ対応となる珍しいパターンだ。ストレージサービスからの印刷は行えず、写真共有サイトからの印刷と、独自に用意するWeb定型フォームのプリントのみの対応となる。 さらにネットワークを利用したプリント機能として、エプソンの3機種は、印刷したい写真や文書をプリンタにメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、通常のプリント同じ操作で、離れた場所の対応プリンタで印刷できる「リモートプリントドライバー」、さらにPX-M741F/PX-M740Fはスキャンした画像を離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」といった機能を搭載しているのが便利だ。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。一方のキヤノンの3機種もプリンタにメールすると自動で印刷できる「メールからプリント」機能のみ搭載しているが、エプソンの2機種がWord/Excel/PowerPoint/PDFの他、JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMPの画像形式に対応しているのに対して、キヤノンの3機種はPDFとJPEGだけの対応というのも少し寂しい。リモートプリント機能はエプソンの3機種がリードしているといえる。 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、6機種とも単純な等倍コピーだけでなく、拡大縮小コピーが可能だ。原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「オートフィット」機能や、25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「自動変倍」機能も備えるなど、高性能な物だ。またCD/DVD/Blu-rayレーベル印刷に対応したPXISU MX923はレーベルコピーにも対応である。またPIXUS MX923は原稿面に写真を複数枚置き焼き増し風のコピーを行うことも出来る。この際「色あせ補正」という、色あせした写真も自動で補正してくれる機能も備えている。また6機種とも2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2アップに対応し、EW-M660FTを除く5機種は4枚の原稿を1枚に縮小する4アップにも対応しているなど、基本的なコピー機能に問題ない。それ以外の機能として、エプソンの3機種は免許証やIDカードのような小さな原稿の裏と表を、1枚の紙に並べてコピーできる「IDコピー」機能を備え、加えてPX-M741F/PX-M740は原稿の外の部分にできる影を消してくれる「影消しコピー」機能、「パンチ穴消しコピー」機能を備えるなど、ビジネス向けの機能が豊富だ。キヤノンの3機種ははADFを使って複数枚の原稿を複数部コピーするときに、1部ずつにまとめてコピーしてくれる「ページ順コピー」と、厚手の原稿で原稿の外の部分や、綴じ目の部分が黒くなってしまうのを軽減する「枠消しコピー」機能を備えるなど、こちらもビジネス向け機能が豊富だ。 それでは肝心のFAX機能を見てみよう。6機種ともスーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーFAXを行う事が出来る。6機種ともADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。前述のようにPX-M741F/PX-M740F/MAXIFY MB5330の3機種は両面スキャン対応のADFであるため、両面原稿のFAX送信も手軽に行えより便利だろう。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒というのも共通だ。また読取走査線密度はモノクロで「8dot/mm×3.85line/mm又は8dot/mm×7.7line/mm、カラーで200×200dpiなのも共通である。さらに、PX-M741F/PX-M740Fは8dot/mm×15.4line/mmの高詳細モードと、16dot/mm×15.4line/mmの超高詳細モードを、キヤノンの3機種はモノクロ時に300×300dpiのファインEXモードを備えているが、大きな差ではないだろう。ダイヤル機能でも6機種とも短縮ダイヤルに対応しており、EW-M660FT以外の5機種が100件、EW-M660FTも60件登録できるため十分だ。受信したファクスの最大保存ページ数はPX-M741F/PX-M740Fは180枚、EW-M660FTが100枚又は100件、キヤノンの3機種が250枚又は30件と家庭で使う分には十分なメモリ量を備えている。また5機種とも電源を切っても、メモリに保存された受信FAXの内容は記憶しているので安心だ。ただし、停電時やコンセントが抜けた場合でも受信した内容が保持されるのはPX-M741F/PX-M740F/EW-M660FTだけである。キヤノンの3機種ではデーターは破棄されてしまう。夜にはブレーカーを落とすという場合や、使わないときにどこかにしまっておくという人は注意が必要だ。5機種ともグループダイヤル、順次同報送信、手動送信、自動リダイヤル機能を備えているため、一般的な家庭用FAX電話以上の事が可能だ。件数や宛先数もEW-M660FTを除く5機種とも同等で、EW-M660FTも少ないが機能は搭載している。また、「PCファクス」機能も6機種とも備えている。ただし、パソコン内のデータを直接FAXできる「送信」機能は6機種とも備えているものの、受信したFAXをパソコン上に保存できる「受信」機能はPX-M741F/PX-M740F/EW-M660FTのみ対応である。 操作パネルはEW-M660FTとPIXUS MX923を除く4機種はタッチパネル液晶を採用している。液晶サイズもPX-M741Fが3.5型、PX-M740Fが2.7型、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030が3.0型と差はあるが、いずれも見やすいサイズとなっている。タッチパネル液晶を採用するためボタン数が減り、また、モードボタンや設定項目などでは、ずばりその場所を押せ、使わないボタンが表示されることも無いため、非常に分かりやすい。液晶内に表示されると、バックライトが入っているため、薄暗い場所でも操作がしやすいというメリットもある。ただし、PX-M741F/PX-M740Fでは、ビジネス利用を考えて、全てを液晶ディスプレイ内に表示するのでは無く、電話番号や文字の入力に使用するテンキーに関しては独立した物理ボタンとなっている。FAX機能もメインとして使用されるビジネス向けの機種であるため、あえてテンキーは独立し、見栄えよりも押しやすさを優先して物理ボタンになったと思われる。操作パネルと液晶ディスプレイは本体前面に斜めに取り付けられている。斜めになっているためどの方向からでも使いやすいが、残念ながら角度調整は出来ない。ビジネスモデルという事で堅牢性を重視したという事だ。MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030は、もう少しボタン数を減らしている。PX-M741F/PX-M740Fとの違いは、テンキーも液晶内に表示されるという点だ。ただし、使用頻度が高い「スタート」「ストップ」「ホーム」「戻る」のボタンに関しては物理的なボタンを用意している。液晶ディスプレイと操作パネルは本体前面から上面にかけて大きく面取りされた部分に埋め込まれている。斜めを向いているためPX-M741F/PX-M740F同様どの方向からでも見やすいが、同じく角度調整はできない。残るPIXUS MX923であるが、3.0インチの液晶ディスプレイを内蔵し、本体前面から上面にかけて大きく面取りされた部分に埋め込まれている点は、MAXIFY MB5330/MAXIFY MB5030と同じだ。しかし、こちらはタッチパネル液晶になっていない。代わりに操作ボタン部分が、「デュアルファンクションパネル」となっている。その名の通り、一部のボタンが使用する機能によって表示が切り替わるというものだ。スタートやストップ、メニューなどのボタンの他、液晶下部の3つのボタンは一般的なボタンだ。一方液晶の右側にある4×4個のボタンの内容が2種類に切り替えられるのが特徴だ。FAX利用時には、右側3列がダイヤル用のテンキーになり、左1列が上下カーソルと「OK」「戻る」になっている。一方コピーやフォトなどFAX以外を使用時には、テンキーのあった部分に上下左右カーソルとその中心に「OK」ボタンがあり、左1列は「+」「−」「戻る」ボタンになる。このように、テンキーが必要ない時はテンキーが消えるなど、わかりやすくなっている。割り当てられていないキーには何も表示されていないので、使用できるキーが分かりやすいが、あくまで2パターンの切り替えのみで、タッチパネル液晶のように場面に応じて切り替わるというほどではない。EW-M660FTはシンプルなボタン式で、液晶ディスプレイも2.2型のモノクロと他機種よりは劣るが、最低限の操作には問題ないレベルになっている。 インタフェースは6機種ともUSB2.0に加えて、有線LANと無線LANに対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人には有線・無線LANによりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。またネットワーク接続をすればスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またPIXUS MX923を除く5機種はWi-Fiダイレクト(MAXIFYの2機種は名称はアクセスポイントモード)に対応しているため、無線LANルータの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっているのも便利な点だ。 本体サイズを見てみよう。コンパクトさが追求される家庭向けプリンタと比べて、ビジネスプリンタは速度や給紙枚数の多さ、高耐久性が求められるため、大型になりがちだ。家庭用プリンタの上位機種EP-808Aの場合390×341×141mmとなっており、これと比較してみよう。PX-M740Fは449×417×243mmと全体的にEP-808Aよりは大きめだが、一昔前の複合機と比べると同じかやや小さいため、それほど大きいとは言えない。ただし、前面給紙カセットが大きいことに加え、スキャナにADFを搭載しているため、高さは8cm以上大きい。そしてトレイが2段のPX-M741Fは449×427×306mmとトレイの分だけ高さが大きくなっており、さすがに大きいという印象だ。設置面積は意外と大きくはないのだが、高さがある分存在感がある。EW-M660FTは550×360×241mmと、横幅以外はPX-M740Fより小さい。横幅もエコタンク部分が飛び出ているだけなので、それ以外の部分は425mm程度になる。小型の下位機種をベースにしているだけに、全体にコンパクトな印象だ。PIXUS MX923は491×396×231mmで、横幅はPX-M741F/PX-M740より大きく、奥行きと高さはやや小さいが、前面が大きく1枚パネルになっているため圧迫感がある。またADFが収納式なので、使用時にはもう少し高さが出る。そしてMAXIFY MB5330は463×394×351mmと同じ前面給紙カセットが2段のPX-M741Fと比べてもかなり大きい。しかも唯一小さく見える奥行きも、この状態は前面給紙カセットを最もコンパクトにした状態で用紙をセットする事ができない。A4用紙をセットした状態で置いておくとすると、奥行きは459mmになってしまう。またADFが収納式であるため、ADF使用時だと高さは389mmになる。つまりPX-M741F/PX-M740Fと同じ条件でA4用紙をセットしADFを展開すると、463×459×389mmとなる。縦に長い印象の製品だ。前面給紙カセットが1段のMAXIFY MB5030なら高さは291mmになるが、これで前面給紙カセットが2段のPX-M741Fよりやや小さいだけだ。しかもA4を用紙セットしADFを展開すると463×459×329mmとなってしまう。サイズ面ではMAXIFYの2機種ははかなり不利と言える。 6機種の内、一番特徴的なのはEW-M660FTだ。エコタンクを搭載し、印刷コストは他機種の追従を許さないほど安い。本体価格は一番高いが、はじめから大量印刷できるインクボトルが各色2本ずつ付属していること考えれば納得の価格だ。下位モデルをベースにしている分、各機能で他社より機能的に劣る部分もあるが、十分使えるレベルだ。文書印刷やコピー、FAXの印刷枚数が多い場合はこの機種がおすすめだ。また、カラーインクは染料インクなので実質3色印刷で最小インクドロップサイズは大きめとはいえ写真印刷の画質もまずまずだ。印刷コストが安いので写真の大量印刷にもおすすめと言いたいところだが、フチなし印刷ができない点をクリアしなければならない。また耐保存性の面でもアルバム保存は良いものの、耐光性などが劣るため、本宅的な写真印刷には向かない。とはいえ、フチあり印刷で問題ないというなら、低価格で写真印刷を行えるためおすすめとも言える。そして写真印刷の画質や保存性、使い勝手をより重視するならMAXIFY MX923がおすすめだ。写真だけでなくレーベル印刷など様々な用途に使え、印刷コストもEW-M660FTほどではないが、安価だ。染料インクを搭載し写真の画質が高くも速度も速い。レーベル印刷機能も搭載している。メモリカードからのダイレクトプリントはできないが、他機種と比べれば家庭向けと言えるだろう、それでいてFAX機能などにも抜かりはない。操作パネルも独特で本体サイズもFAX無し複合機と比べると大きめだが、FAX付き複合機の他機種より大きいわけでは無い。価格も比較的安くおすすめと言える。逆に写真印刷などはしないのでFAXと文書印刷がメインなら他の4機種になる。高速印刷や両面同時スキャンに魅力を感じるならMAXIFY MB5330だが、反面、印刷解像度が低い、フチなし印刷ができない、メモリカードスロットが無い、本体が大きいなど他機種より劣る部分もあるため、クセの強い製品と言える。価格もかなり高い。MAXIFY MB5030ならば高速印刷はそのままでやや高さも抑えられや安くもなるが、同時両面スキャン機能が無く、MAXIFY MB5330にあったクセもそのままだ。年賀状印刷やポスター、ちらしなどでフチなし印刷をする可能性もあるし、印刷解像度も普通紙に対してはこれでも良いだろうが、ファイン紙やインクジェットハガキにプリントする際には物足りない画質だ。印刷速度は確かに高速だが、他機種も十分高速とも言えるため、よほどMAXIFY MB5330/MAXIFY MB50305の機能に魅力を感じなければ、おすすめはしにくい。あとはPX-M741FとPX-M740Fである。顔料インクであるためFAXや文書印刷は綺麗で、一方フチなし印刷も可能でメモリカードスロットもあるため、画質は劣るが写真印刷も行える。その他の機能も豊富で操作性も悪くはない。給紙カセット1段のPX-M740Fなら価格も安く、サイズも小さいため、特におすすめだ。どうしても給紙カセットが2段必要ならPX-M741Fでも良い。以上から、特別気に入った機能がない限りは、印刷コスト重視ならEW-M660FT、幅広い用途で使うならPIXUS MX923、FAXと文書印刷メインで使うならPX-M740Fがおすすめと言える。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/ |