2017年末春時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2017年4月15日公開)
複合機で12,000円〜15,000円のミッドレンジのクラスの製品だ。とはいえ、エプソンのEP-709Aが12,980円、キヤノンのPIXUS TS5030が14,880円と約2,000円の差があるため、その点も考慮に入れて比較する必要がある。一方、EP-M570Tも同時に比較しているが、価格は39,980円となる。価格は高いが、機能的にはこのクラスの製品である事とと、最初にインクが2セット付属しており、しかもエコタンク方式である事からカラー文書7500枚分に相当するなど、当分のインクが付属していると考えれば、価格面でもむしろ逆転する。そのため機能的に近く比較しやすいこの価格帯での比較となっている。 |
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シアン マゼンタ イエロー ライトシアン ライトマゼンタ |
シアン マゼンタ イエロー |
染料ブラック シアン マゼンタ イエロー |
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(つよインク200) |
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性半年〜1年) |
(ChromaLife100) |
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Y/染料BK:各512ノズル |
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(A4普通紙セット可能枚数) |
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印刷部 |
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フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜) |
定型フォーム印刷(原稿用紙・方眼紙・五線譜・レポート用紙・スケジュール帳・チェックリスト・漢字練習帳) |
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印刷 |
iPod touch iPad (iOS 8.0以降) Android 4.0以降 |
iPod touch iPad (iOS 8.0以降) Android 4.0以降 |
iPod touch iPad (iOS 7.0以降) Android 4.0以降 |
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BOOKコピー ミラーコピー |
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(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(ダイレクト接続対応) |
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プリント機能を見てみよう。EP-709Aはブラック、シアン、マゼンダ、イエローの基本4色にライトシアンとライトマゼンダを加えた6色インク構成で、最小インクドロップサイズも1.5plと非常に小さく、解像度が5760×1440dpiである事から、非常に高画質な印刷が可能だ。これは最上位モデルと同等であり、画質面では価格が倍の上位モデルEP-879Aとほぼ同じ綺麗さが得られる(EP-879Aはインクが変更されてやや画質が向上しているが)。インクは染料インクで、写真用紙などに印刷した際に用紙の光沢感がそのまま出るほか、発色も良い。また対応する用紙も多い。一方で、普通紙に印刷した際は少し滲んだようになるため、文字が太くなったり、中抜き文字が潰れそうになってしまうため、やや画質は落ちる。とはいえ、文字くっきり機能や細線強調機能を搭載する事で、パソコンからの印刷に限ってだが従来よりは普通紙印刷画質を改善してきている。一方のEP-M570Tは4色インク構成となる。最小インクドロップサイズも3plと大きくなるため、画質はやや落ちる。染料インクであるため、写真用紙に印刷した際の光沢感はそのままで発色も良いため、一見すると悪くは無く見えるが、色の薄い部分でライトインクを使わないため、またブラックインクを使用する箇所ではドットが大きいため、全体に粒状感があり、少しざらついて見える場合もあるだろう。とはいえ近づいてみなければ十分写真画質と言える。染色染料インクであるため、普通紙への印刷に関してはややにじんだ感じになってしまうのはEP-709Aと同等だ。PIXUS PIXUS TS5030だが、こちらは5色構成となっている。色の構成ではブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色で、ブラックインクが染料インクと顔料インクの2種類を搭載しているので5色となる(カラーは全て染料インク)。用紙によって染料インクと顔料インクを使い分けるため、写真印刷は4色で行うこととなる点ではEP-M570Tと同等だ。最小インクドロップサイズが2plとやや小さいことから、EP-M570Tと比べるとやや画質は上回るが、6色でより最小インクドロップサイズも小さいEP-709Aと比べると大きく劣る。ライトインクが無いため色の薄い部分での粒状感が目立つ。ただし、画質にそれほどこだわらなければ十分に写真印刷も可能だ。一方3機種で唯一顔料ブラックを搭載しているため、普通紙への印刷時にメリハリのある印刷が行えるというメリットがある。完全な黒ではないグレーの部分では染料カラーインクを混ぜて表現をするし、カラーの中に混ざっている場合は顔料と染料を混ぜられないことから、染料インクが使われるなど、背景が無く完全な黒という限定があるなど、必ずしも顔料インクの恩恵を受けられるわけではないが、文書印刷やコピー時にはEP-709Aを超える綺麗さとなる。 EP-709Aの場合、最小インクドロップサイズは非常に小さいがAdvanced-MSDTという5つのインクサイズのインクを打ち分ける機能を搭載しており、必要に応じて大きなインクサイズを打ち分ける事で高速化と高画質化を両立しており、ノズル数も上位機種と同じであることから、L判縁なし写真印刷が17秒と上位機種とほとんど変わらない印刷速度となっている。一方、PIXUS TS5030はノズル数を多くすることで高速化を実現しているが、上位機種よりは少なくなっていることからL版フチなし写真印刷が33秒とEP-709Aの倍近い時間となっている。そしてEP-M570Tに関してはカラーのノズル数がEP-709Aの3分の1以下と少ない上に、Advanced-MSDTより劣る3つのサイズのインクを打ち分けるMSDTとなっているため、L判写真縁なし印刷は74秒とさらに遅い。写真や年賀状を大量印刷する場合には、この時間の差は気になる場合もあるだろう。 普通紙印刷も見てみよう。EP-709Aは公表していないがEP-M570Tがカラー5.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、モノクロが10.0ipmとなっている。一方PIXUS TS5030がそれぞれ9.0ipmと12.6ipmとなる。カラーに関しては写真印刷の時と同じような結果だが、モノクロに関しては差が詰まっている。EP-M570Tのノズル数がブラックインクだけ多いためと思われる。キヤノンの上位機種の10.0ipmと15.0ipmや、エプソンのビジネス機の10.0ipmと19.0ipmと比べると遅く感じるが、使えないほど遅いというわけではない。 ちなみに使用するインクはEP-709Aは「つよインク200」である。アルバム保存300年、耐光性50年、耐オゾン性10年となる。PX-M570Tはインクに名称はないがアルバム保存300年、耐光性7年、耐オゾン性半年以上1年未満となっている。PIXUS TS5030は「ChromaLife100」でありアルバム保存100年を実現している。3機種とも十分なレベルの耐保存性を持ったインクであるが、EP-709Aはアルバム保存だけでは無く、耐光性や耐オゾン性の高さもうたっており、アルバムに入れて保管した場合だけで無く飾った場合にも耐保存性が高いのは魅力的だ。 印刷コストに関しては、L判写真フチなしの場合、EP-709Aが26.5円、EP-M570Tが5.6円、PIXUS TS5030が15.1円となっており差が大きい。このコストには写真用紙代も込みなので、これを除くとそれぞれ22.214円、1.314円、10.8375円となる。EP-709AとPIXUS TS5030の間で倍以上のインクコストの開きがあるが、EP-709Aは下位モデルと言うことで大容量インクを用意していないため平均的な印刷コストと比べてもやや高めになっている一方、キヤノンは全体的に印刷コストが安い傾向であるため、こういった差になっている。両機種とも各色独立インクなので、無くなった色だけ交換ができる。そして圧倒的に安いEP-M570Tだが、この機種はインクカートリッジを交換するタイプでは無く、本体右にある「エコタンク」にインクボトルからインクをつぎ足して使う形となる。カートリッジ代が不要なだけで無く、かなりのインク量の入ったインクボトルが各色900円で販売されている。ブラックインクボトル1本だけでモノクロ文書が4000枚、インクボトル4本(各色1本)でカラー文書が7500枚印刷可能で、一般的な大容量インクカートリッジの5〜10倍、又はそれ以上となる。インクカートリッジよりインク注入時に若干気を遣うが、圧倒的な低印刷コストである。これがこの機種の1番の特徴となっている。写真を大量印刷する場合や、印刷コストを気にせずWebページや文書印刷、コピーなどが行える。ちなみにA4カラー文書の印刷コストもPIXUS TS5030が8.4円に対してEP-M570Tが0.6円と圧倒的だ。ちなみに動作確認用に量の少ないインクカートリッジしか付属しない他機種に比べ、EP-M570Tはこのインクボトルが各色2本ずる付属する。本体価格が高くても、他機種でこの分を購入すると本体代の差ではとうてい済まない事から、本体価格の高さは相殺(もしくはそれ以上)されると考えられる。 給紙に関しては、3機種とも上位機種よりシンプルだ。EP-709Aは前面給紙でカセット式になっており、用紙を完全に本体に収納可能なのは上位機種と同等だ。ただしカセットは1段式となっており、同時にセットできる用紙は1種類のみだ。EP-709AはA4普通紙で100枚、ハガキや写真用紙は40枚と十分な量をセットできるが、違う用紙を使用する際に入れ替えが発生する。一方のEP-M570TとPIXUS TS5030は背面給紙のみとなる。前面給紙カセットと比べると横幅を合わせるだけでセットできるため簡単だが、一方で用紙をセットしたままだとホコリが積もってしまい、その状態の用紙を給紙するとプリンタ本体に良くない。また、背面給紙トレイが後方に斜めになっているため、上方と後方にスペースが必要になる。用紙のセットしやすい背面給紙と、用紙をセットしたままに出来てスペースも取らない前面給紙カセットはそれぞれ一長一短だ。EP-M570TはA4普通紙が100枚、ハガキが30枚セット可能で、PIXUS TS5030はそれぞれ100枚と40枚となっている。 3機種とも用紙種類とサイズの登録機能を搭載している。EP-709Aは前面給紙カセットを挿し込むと、EP-M570TとPIXUS TS5030は背面給紙カバーを閉じると自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。また、液晶ディスプレイでメニューから手動で登録も可能である。さらに、EP-709Aは印刷時に実際の用紙幅をセンサーでチェックする機能もあり、できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。 無線LAN接続ができるようになり、プリンタから離れた場所のパソコンやスマートフォンから印刷を実行することが増えたと言える。PIXUS TS5030は印刷が実行されると、自動的に電源がオンになる機能を搭載している。プリンタの前に行くことなく印刷が実行できるわけである。ただし、排紙トレイが引き出されていないと印刷が始まらないため、収納状態にしておくと結局はプリンタの前に行く必要がある。指定した時間が経てば自動的に電源はオフになる機能は3機種とも備えている。 その他、CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷機能はEP-709Aのみ搭載している。自動両面印刷機能は3機種とも非搭載だ。写真の自動補正機能としては、エプソンの2機種は「オートフォトファイン!EX」、PIXUS TS5030は「自動写真補正II」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる。3機種ともパソコンからの印刷時だけでなく、後述のダイレクト印刷時にも利用できる。 続いて、スキャナ部を見てみよう。解像度は3機種とも1200dpiで共通だ。反射原稿(紙などの原稿)にしか対応しないため、1200dpiでも十分すぎる解像度と言える。また、いずれもCIS方式で、厚い本の綴じ目近くなど、ガラス面から浮いてしまう原稿ではピントが合わなくなってしまう点も同様だ。EP-709Aはスキャンした原稿をパソコンを使わずにメモリカードに保存する機能を搭載しているためパソコン無しで簡単にスキャンができる。 ダイレクト印刷も3機種とも対応する。3機種ともSDカードのみの対応でUSBメモリにも対応しないが、最近のデジタルカメラやスマートフォンは一部の一眼レフなどを除きSDカードかその小型版のmicroSDになっており、SDカードに対応していれば問題ないだろう。上位機種と同様、液晶で写真を見ながら選んで印刷することが可能だ。そのほか、EP-709A、PIXUS TS5030はWi-Fi接続のみだがPictBridgeに対応している。また、また、EP-709Aは手書き合成シートにも対応しており、手書きと写真を合成して手作り風のハガキなどを印刷する事ができる。その他、EP-709Aは塗り絵風の輪郭だけの印刷や、罫線、マス目、便箋、スケジュール帳、五線譜が印刷できるフォーム印刷機能を搭載している。またEP-M570Tもフォーム印刷機能を搭載している。ちなみに同じフォーム印刷機能という名称だが、上位機種と異なりメッセージカードと折り紙封筒には非対応である。一方のPIXUS TS5030も、カレンダー印刷機能や、原稿用紙、方眼紙、五線譜、レポート用紙、スケジュール帳、チェックリスト、漢字練習帳が印刷できる定型フォーム印刷機能を備えている。これら3機種はこういった機能も豊富でプリンタ単体でも様々な印刷が可能だ。 スマートフォンとの連携機能も3機種とも搭載しており、iPhoneやiPod touch、iPadと、Android端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。メインで使用すると思われる写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もできるので便利だ。また、4機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。出かける前に紙の情報をさっとスマートフォンに転送するといった使い方ができるため便利だろう。さらに、クラウドとの連携機能も搭載されており、オンラインストレージから印刷する事が可能だ。SNSの写真ををコメント付きでも印刷が可能だ。またPIXUS TS5030は写真共有サイトからの印刷も可能だ。なお、クラウドのアクセスはスマートフォンやタブレット上で行う形となる。キヤノンも上位機種とは異なり本体ではアクセスできないため、全機種横並びと言える。 さらにネットワークを利用したプリント機能として、EP-709AとEP-M570Tは、印刷したい写真や文書を本機にメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、通常のプリント同じ操作で、離れた場所のEP-709A/EP-M570Tで印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。さらにEP-709Aはスキャンした画像を離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」機能も備えている。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、3機種とも単純な等倍コピーだけでなく、拡大縮小コピーが可能だ。原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「オートフィット」機能や、25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載している他、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「自動変倍」機能も備えるなど、高性能な物だ。またCD/DVD/Blu-rayレーベル印刷に対応したEP-709Aはレーベルコピーにも対応である。またEP-709Aは原稿面に写真を複数枚置き焼き増し風のコピーを行うことも出来る。この際、「退色復元」をオンにすると昔の色あせした写真も自動で補正してくれる機能も備えている。またEP-709Aは2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2アップ機能、見開きの本を左右ページで別々にコピーする「BOOKコピー」、アイロンプリント紙への印刷時に使える「ミラーコピー」機能に加えて、コピー時にも「塗り絵印刷」が行えるなど、コピー機能はかなり豊富と言える。また、文字領域と画像領域を認識し、それぞれが見やすくなるよう別々の画像処理を行う「領域判定コピー」機能を搭載している。PIXUS TS5030は2アップ機能の他に免許証などの裏表をそれぞれスキャンして1枚の用紙に並べて印刷する「IDコピー」を備えている。 操作パネルは3機種に大きな差がある。まずはEP-709Aである。1.44型の液晶ディスプレイと操作ボタンが、本体の前面に斜めに取り付けられている。角度調整はできず、液晶ディスプレイも小さいことから、視認性はかなり悪い。ボタン数も極端に少なくなっているので、複数の機能を兼用しているボタンが多く、操作性もそれほど良いとは言えない。それでも、各種設定やコピー、メモリカードからのダイレクト印刷などに効果を発揮するだろう。EP-M570Tも同じく1.44型の液晶ディスプレイで、操作パネルもよく似ているが、本体の前面に配置され、起こすことで角度調整ができる。この点ではEP-709Aよりはやや使いやすい。そしてPIXUS TS5030は3.0型と比較的大型の液晶ディスプレイを搭載している。ボタン数はEP-709AやEP-M570Tに戻るボタンが増えた程度ではあるが、液晶サイズの差が大きいため視認性はかなり良くなる。さらに液晶と操作パネルは本体前面に配置され、起こして角度調整ができるので、操作性も良い。EP-709AやEP-M570Tでもかろうじて使えなくはないが、頻繁に使うならPIXUS TS5030の方が便利だろう。 インタフェースは4機種ともUSB2.0に加えて、無線LANに対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人には無線LANによりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。またネットワーク接続をすればスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またWi-Fiダイレクト(PIXUS TS5030はダイレクト接続という名称)に対応しているため、無線LANルータの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も共通の便利な点だ。 本体サイズを見てみよう。EP-709Aは390×338×163mmで、上位機種と比べると高さは高くなっているが、幅と奥行きはEP-30VAと同じ、小型化したEP-879Aと比べてもそれほど変わらない。設置面積はかなり小さくてすむ。EP-M570Tは445×304×169mmで、EP-709Aより小型の本体をベースにしているが、エコタンクを右側に取り付けたことで横幅が、堅牢性をアップさせた事で高さが増している。それでもエコタンクを搭載しながらEP-709Aに横幅+5cmなのでそれほど大きくはない。PIXUS TS5030は372×315×126mmと3機種では最も小さい。全体的に一回り小さい印象だ。ただし、注意点としてはEP-M570TとPIXUS TS5030は背面給紙と言うことだ。用紙をセットするために背面給紙トレイを開くと、後方に倒れるため、後方にスペースが必要だ。また、用紙を立ててセットする分、高さも必要となる。その点でEP-709Aは用紙が前面給紙カセットに収納されているので、後方にスペースが不要で、印刷時にも高さが変わらない。使用時のことを考えればEP-709Aが最もコンパクトとも言える。 3機種は方向性が異なるので選びやすいはずだ。まずは写真や年賀状の印刷をメインで考えているならEP-709Aだろう。唯一の6色印刷に加えて印刷も高速だ。また、レーベル印刷や写真の焼き増し風コピーなどの機能も備えている。ただし本体の操作性はそれほど良くなく、また印刷コストも高いため、年賀状意外の時期は普段の写真や文書の印刷がそれほど多くない人にはベストだろう。一方、コピーや文書印刷をメインに考えるならPIXUS TS5030がおすすめだ。液晶も大きいためコピーなどの操作がしやすく、また顔料ブラックを搭載しているのでコピーや文書の印刷が綺麗だ。印刷コストもEP-709Aより安いため、枚数が多くても安心と言える。ただし、印刷画質や速度、その他の機能でEP-709Aの優れている点が多く、印刷コストの差も約2,000円の価格差を考えると小さく感じるため、多少普通紙画質と操作性に妥協しても印刷が早くて綺麗なEP-709Aの方が万人にお勧めできるだろう。PIXUS TS5030は液晶が大きいため写真が選びやすく印刷コストも安いため、ダイレクト印刷にも向いていると言いたいところだが、4色印刷で印刷速度も遅いため悩みどころだ。むしろ、印刷コストを追求するならEP-M570Tだろう。本体価格は高いが、インクボトルが各色2本ずつ付いているので、その分を他の2機種で買う事を考えればおつりが来るだろう。PIXUS TS5030と同じ4色印刷で、印刷速度はさらに遅いが、印刷コストは圧倒的に安いため、写真を大量に印刷したり、大判の写真を印刷、もしくはチラシや書類を大量に印刷・コピーするという用途に向いている。結果、写真や年賀状がメイン、もしくは安価に高画質な機種が欲しいならEP-709A、文書印刷やコピーがメインでそれらの画質にこだわるならPIXUS TS5030、それよりも印刷枚数が多くて印刷コストを下げたいならEP-M570Tがおすすめだ。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/ ![]() ![]() |