2017年春時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2017年4月15日公開・6月17日追記)
2016年8月9日にキャノンが、9月1日にエプソンが2016年末モデルのプリンタを発表した。発売は9月中旬から10月となるが、2016年末モデルが一斉に出そろった。さらに、2017年3月2日にはエプソンからエコタンク搭載モデルの新製品EW-M770FTが、5月25日にはFAX付き複合機の新製品が3機種発表された。そこで、春時点での全体的な傾向、そして両メーカーの傾向を検証した上で、複合機、FAX機能付きA3複合機、FAX付きA4複合機、エコタンク搭載プリンタ、A2単機能プリンタ、A3単機能プリンタ、A4単機能プリンタ、コンパクト・モバイルプリンタの8種類を価格帯別に比較していく。各比較は、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。
ここ数年の家庭用プリンタに関しては、1年に1回の新機種が発表されてきたものの、大きな変化が少なく、若干の本体サイズの小型化や液晶の大型化という程度で違いを探すのが難しいほどだった。画質や印刷速度に関してはさらに前からほとんど変化が無く、インクの改良による変化と言った程度だった。しかし、今年はエプソン、キヤノン共に本体のデザインの一新の時期となっており、少し傾向が異なっている。 A4複合機の場合、両メーカーに共通しているのはさらなる小型化と、従来より上位の位置づけの製品の登場により、複合機最上位機種の価格の上昇だ。一方、デザインの変更があったのはエプソンではEP-879Aの1機種にとどまり、さらなる上位機種EP-30VAは従来と同じ本体サイズである。一方、キヤノンは新製品となった機種は全機種をコンパクトな新本体に移行させている。もともとエプソンは小型であったため、一気に変更する必要が無かったとも言えるが、キヤノンは一斉に世代交代したイメージだ。 また、様々な面での方向性の違いもある。例えば、エプソンは従来通り上位機種は前面2段カセット+背面手差し、中位機種は前面1段カセット、下位機種は背面給紙となっている。一方キヤノンは上位機種から中位機種にかけては前面1段カセット+背面給紙と、昔の形態に逆戻りしている。また継続販売の最下位機種は前面トレイだが、その1つ上の機種は背面給紙のみと、背面給紙が重視される傾向になっている。液晶ディスプレイに関しては去年は上位機種ではエプソンが4.3型、キヤノンが3.5型となっていたが、キヤノンが大型化し、上位機種から5.0型、4.3型、3.0型、3.0型となった一方、エプソンも最上位のEP-30VAは4.3型であるものの、EP-808Aの直接の後継機と位置づけられるEP-879Aは2.7型に小型化しているなど、液晶サイズにも差が出ている。細かい点で言うと、従来よりエプソンの一部機種に搭載されていたスキャナの原稿取り忘れの警告機能にも差が出ている。去年はエプソンはEP-808Aより上位機種に搭載されており、今年もEP-879Aより上位機種に搭載されいるが、今年のキヤノンは新機種の4機種全てに搭載した形となった。このようにキヤノンは、本体サイズや液晶サイズ、原稿取り忘れ警告など、エプソンに負けていた部分を今回は搭載してきており、しかも全機種に適用することで一気に追い抜くといったイメージである。 追加された最上位モデルに関しては、エプソンがEP-10VAと同じく、新しいインク構成と論理色変換システムLCCSを搭載しており、画質が向上している一方、キヤノンはデザインや一部機能に違いはある物の、基本的な画質や機能に大きな差は無い。 印刷コストに関しても両者でスタンスが異なる。キヤノンは従来より印刷コストを低く抑えており、今年のモデルではインクカートリッジに変更が無い事もあって引き続き15〜16円台(L版写真1枚、以下同)で低めになっている。一方エプソンは、上位の6色モデルは約20円台で、下位の4色モデルは26〜27円台となっていた。しかし昨年EP-10VAが登場し、しばらくしてからインクカートリッジの価格が半額近くなり、印刷コストは13円台となった。今回追加されたEP-30VAも同じく13円台とキヤノンより安い。本体がコンパクトになったEP-879Aはインクカートリッジが変更されたが、従来と同じ20円台を維持している。一方EP-709Aは従来と変わらないデザインながらインクカートリッジが変更され26円台にアップしている。下位モデルも26〜27円台で、インクカートリッジを細かく分けるることで、本体価格は高いが印刷コストは安いモデルと、本体価格は安いが印刷コストは高いモデルを作り出している。その最たる物がエコタンク搭載プリンタで、2016年末に追加されたEP-M570Tでは5.6円、2017年春に追加されたEW-M770Tでは6.0円と、用紙代の約4.3円を除くとインク代は1.3円と1.7円程度となる。 このようにラインナップも大きな変化があり、メーカーの方向性の差が大きく出た今回の新機種だが、メーカー別により細かく見ていこう。
それでは、最新のエプソンのラインナップは、2016年末と比べてどのようになっているか見てみよう。
今回は複合機の内、最上位モデルのEP-10VAと、最下位モデルのPX-045Aを除く機種が新製品となっている。また、A4複合機で、EP-800番台の上位機種でEP-10VAのA4モデル版とも言うべきEP-30VAが追加されている。それ以外は継続販売となるが、エコタンク搭載モデルに、カラープリント対応の下位機種EP-M570Tが追加された。また、年賀状モデルのPF-81は機能は変化が無いが、「年賀状デザイン集2017」を同梱した2017年度版のPF-81-2017になっている。 複合機では対応インクカートリッジが複雑になっている。6色モデルの場合、従来はEP-10VAがヨット、それ以外が80番、4色はPX-048Aがリコーダー、PX-045Aが69番となっていた。互換インク対策として、インクカートリッジを数字から名前へ変更を進めているエプソンだが、今回新たにクマノミとイチョウが登場した。A4最上位のPX-30VAはPX-10VAと同じ印刷システムなのでヨットである。EP-979A3は従来通り80番を、新しい本体になったEP-879Aはクマノミとなる。PX-049Aも従来通りリコーダーである。EP-709Aは本体は同じながら、インクカートリッジがイチョウへと変更されている。ちなみにEP-809Aのみインクが改良され、緑の表現域が広がっている。また、EP-708AとPX-048AでセットアップCD-ROMを付属せず、ダウンロードのみとしていたが、今回の新機種よりセットアップCD-ROM付属に戻されている。このほか個別の機種では変更点があるが、全体的に、又は数機種に共通の変更点はない。そこで個別に進化点を見ていこう。 複合機の中でA4対応で最上位モデルだったEP-808Aの後継機種はEP-879Aの様に見えるが、実際は同じ本体サイズで画質が向上したEP-30VAと、コンパクトだがやや性能が下がったEP-879Aの2機種に分かれた形だ。最上位のEP-30VAはEP-808Aと同じ本体ながら、印刷システムはEP-10VAと同じものに変更したような機種だ。「Epson ClearChrome K2インク」と銘打ったインクで、基本のブラック、シアン、マゼンダ、イエローにレッドとグレーを加えた6色になっている。レッドインクの採用により従来より広い色域表現が可能となり、特に効用や夕日などの赤い色や肌の色などに違いが出るという。一方、グレーインクは、ブラックインクだけの機種ではグレーを部分が青白くなる問題を改善し、綺麗なモノクロ階調表現が可能になる。さらに、高価なプリント単機能機であるプロセレクションの製品に搭載されている、理論的色変換システム「LCCS」を搭載しているのが大きな違いだ。インクを打つ箇所に忠実に色を打つだけでなく、階調性や色再現域、粒状感などが最適になるようにインクの配分を論理的に算出するシステムだ。光源によって色合いが変わって見える光源依存性も低減させるようにプリントされる点は、「飾る」事を考えたプロセレクションならではの製品だ。最小インクドロップサイズや解像度は変わらないが、カラー、モノクロ共に画質を向上させている。一方、印刷速度に関してはL判写真フチなし1枚が33秒と遅くなっているが、これは給紙や紙送りの精度をより上げて画質を向上させるためだ。それ以外の面ではEP-808Aと同等の機能となっている。A3対応のEP-10VAのA4版とも言うべき製品だが異なる点もある。まず、EP-10VAでは連続給紙が可能になった背面給紙だが、EP-30VAではEP-808Aと同じく1枚ずつの手差しだ。また、ハガキ向き検知機能は搭載されていない。ちなみにA3対応のEP-10VAよりA4対応のEP-30VAに方が数字が大きくなっているし、Vの付いた特殊な型番だが、「数字+V」というのは、実はプロセレクションの型番の付け方にならっている。今は第2世代になり「SC-」が頭に付いているが、元はPX-3VやPX-5V、PX-7Vであった。数字が大きい方が下位モデルであったために、10Vより下位で30Vとなる。染料インクなので「PX-」ではなく「EP-」になり、複合機なので後ろに「A」が付き、EP-30VAとなる。EP-10VAと同じインクカートリッジを採用することから印刷コストも安く12.7円だ。ちなみに本体価格は49,980円とかなり高くなるが、これは上位機種と言うだけで無く、EP-10VAと同じく印刷コストが安いためだ。 EP-879AはEP-808Aよりさらに小型化を果たした。390×341×141mmから349×340×142mmと幅以外は変わっていないが、すっきりしたデザインになっている。また、交換式メンテナンスボックスを採用しており、廃液タンクをユーザーが交換できるようになっているのは面白いところだ。ただしフチなし印刷時の廃インクを溜める吸収剤の交換は従来通り修理対応となる。小型化に伴ってインクが変更されているが、インクカートリッジの価格も印刷コストも変わっていない。大容量インクも用意される。インクの変更によって緑の表現域が広がっている。それ以外に背面手差しからの名刺サイズの用紙への印刷にも対応した。一方液晶サイズは4.3型から2.7型に小型化し、液晶内に全てのボタンが表示されていたが、ホームとヘルプのボタンだけ液晶外に出た。液晶内のデザインを一新し、見やすく使いやすく変更している。対応メモリカードがSDカードだけになった他、スキャナ解像度も1200dpi(正確には2400×4800dpiから1200×4800dpi)に変更された。使用する人の少ない機能を省いたり性能を抑えてコストダウンをはかったイメージだ。自動電源オン・オフは引き続き搭載され、印刷時に排紙トレイが電動で出てきて操作パネルも持ち上がる点も同じだが、電源オフ時に排紙トレイが収納されるだけで、操作パネルは収納されなくなっている。細かい違いで言うと、EP-879A単体で、デザインペーパー、カレンダー、名刺、カードの印刷機能が搭載されたほか、コピー時にIDコピー機能が搭載された。スマホ関連ではNFCが非搭載になっている。本体価格はEP-808Aと同じ30,980円となる。この機種のみ本体カラーバリエーションがあり、3色から選べる。 背面からのA3プリント対応の2機種の内、EP-10VAは継続販売となる。EP-979Aは、EP-978Aとほとんど変わらない。従来はEP-800番台をA3対応にしたような機種だったが、今回はEP-808AからEP-879Aへのデザイン変更に追従せず、従来の本体を継続する形となった。印刷速度や画質、機能面で変化が無く、コピー機能でA3原稿を2つに折って、2回スキャンすることで、A3サイズコピーができる「A3原稿二つ折りコピー」機能が搭載された程度だ。価格は35.980円だ。 EP-708Aの後継のEP-709Aは一見すると変化がない様に見える。本体はEP-708Aと同じで、画質や主な機能も同等だ。違いとしては、L判写真印刷速度が19秒から17秒にやや高速化した点と、EP-708Aでは付属しなかったセットアップCD-ROMが付属する方式に戻った事くらいだ。一方機能面での違いは無いがインクカートリッジは変更されている。80番からイチョウと変更されたが、EP-879Aの様に画質が向上したわけではない。インクカートリッジは6色パックで5,410円で大容量タイプはない。80番は標準容量が4,520円、大容量の80Lが7,330円となっているので、中間の価格だ。ただ、印刷コストはEP-708Aで80番の標準容量を使用した時と同じ26.5円になっている。つまり、低価格機種なのでお得な大容量インクは用意されないが、かといって標準容量では物足りないので、割安ではないがやや量を増やしたインクを用意したという形となる。低価格機種を買う人は印刷枚数がそれほど多くない場合が多いので、インクが使い切れないという実態に合わせた変更点になっている。 PX-048Aの後継PX-049Aは久々にちょっとした変更点がある。それが印刷速度だ。EP-048AまでL判写真1枚105秒だったのが74秒に高速化している。ノズル数がカラー各42ノズル、ブラック128ノズルから、それぞれ各59ノズルと180ノズルに増やされたためだ。このノズルは、2年前まであった、4色顔料ながら液晶とメモリカードスロットを搭載していたPX-437Aと同じ物だ。その他、コピーに関しては相変わらず等倍フチありで、A4普通紙のみという点は変わらないが、PX-048Aではコピー枚数は1枚又は、ストップボタンを同時に押す事で20枚となっていたが、PX-049Aではスタートボタンを押す回数により 1〜20枚で任意に設定できるようになった。途中の枚数も指定できる様になったことに加えてわかりやすい操作方法になったと言えるだろう。またPX-048Aでは省略されていたセットアップCD-ROMは再度付属するようになっている。下位モデルのPX-045Aは継続販売となる。 今回A4複合機としてはエコタンク搭載モデルが相次いで追加されている。2016年2月に最初に発売されたエコタンク搭載モデルは、FAX付きのカラー複合機EW-M660FTとモノクロ複合機、モノクロプリンターの3モデルだったが、2016年末にはFAX無しの下位モデル、2017年春には上位モデルが追加されカラー複合機は一気に1モデルから3モデルに増えた。それぞれEW-M660FTの不満点を解消したようなモデルだ。ちなみにエコタンク搭載モデルとは、本体の右側に搭載されたインクを入れるタンクを搭載したプリンターの事で、このタンクにボトルからインクを注入することで使用する。つまりインクカートリッジを交換するのではなく、タンクにインクをつぎ足して使用する形となる。ボトル1本でインクカートリッジと比べものにならない量が入っているにもかかわらず、1本900円と安く(顔料黒は1800円)、結果的に印刷コストが非常に安くなる。また、購入時に動作確認用では無く、フルに入ったインクボトルが各2本同梱しており、同梱のインクだけで数千枚印刷が可能なのも特徴だ。2016年末に追加されたのは下位モデルEP-M570Tである。EW-M660FTではビジネス向けと言うことで、顔料黒+染料カラーだったが、EP-M570Tでは「EP」の型番が示すように4色染料モデルとなった。FAXやADFなどは省略された一方、SDカードスロットを搭載し、モノクロだった液晶も1.44型のカラーに変更、フチなし印刷にも対応した。写真印刷を意識したモデルと言える。インクはEW-M660FTと同じ物を使用するが、新たに染料の黒が用意された。EW-M660FT用の顔料黒はカラーの倍サイズだったが、EP-M570Tの染料黒はカラーと同じ容量だ。A4カラー文書を印刷した場合、インクボトル1本でカラーインクは7,500枚、ブラックインクは4,500枚印刷できる量となり、これが2本ずつ付属する。印刷コストはA4カラー文書1枚0.6円、モノクロ文書1枚0.3円、L判写真1枚も5.6円となる。EP-M570Tは、デザイン的には2年前まで発売されていたPX-437Aの本体を黒くして右側にエコタンクを搭載したような機種である。今年で言うとPX-049Aの操作パネルを液晶付きにして角度調整を可能にし、SDカードスロットを付け、本体を黒く、右側にエコタンクを搭載した機種である。一方PX-049Aと比べると、4色インクで最小インクドロップサイズが3plというのは同じで、L判写真印刷速度も74秒というのも同じだ。印刷画質や速度ではEP-879Aなどの上位モデルより劣ることとなる。インクも、上位機種のような「つよインク200」やPX-049Aの「つよインク200X」のような名称が付いておらず、「アルバム保存300年、耐光性7年、耐オゾン性半年以上1年未満」となっている。アルバム保存に関しては同等だが、耐光性や耐オゾン性は劣るため、飾っておくと色あせは速いと言える。一方液晶ディスプレイを搭載していることから、SDカードからの写真のダイレクトプリントが可能なほか、各種設定が行いやすくなっている。また、コピー時に拡大縮小や枚数設定が可能なほか、Wi-Fiダイレクトも使用可能となっている。エコタンク搭載という事で印刷枚数が多くなることを想定してか、耐久枚数が一般的な家庭用の1万2000枚〜1万5000枚より高い3万枚となっているため、大量の印刷でも安心と言える。本体サイズは445×304×169mmでタンクの分やや大きくなっている。価格は39,980円と高く見えるが、ボトルが各色2本ずつ付いているため、安い機種を購入してもインクカートリッジを買い足す事を考えればかなり割安になっている。次に発売されたのはEW-M770Tだ。数字が最も大きいことからも分かるように、エコタンク搭載プリンターでは最上位モデルとなる。EP-879Aの去年のモデルEP-808Aや、今年のEP-30VAをベースにしている。前面2段給紙+背面手差しでカセットの形状も同じ、前面に液晶と操作パネルを搭載し、持ち上げることで90度まで自由に角度調整ができるのも同じだ。左側のカードスロットはSDカードのみでカバーは無いが、USBメモリにも対応している。また、レーベル印刷や自動両面印刷、手書き合成シートやフォーム印刷にも対応するなど、EP-808Aの大半の機能を搭載している。一方異なる点としては、液晶ディスプレイが2.7型とやや小型でタッチパネルでないため、ボタン操作となる点が挙げられる。また自動電源オン機能は搭載する物の、排紙トレイの自動伸縮機能は搭載していない。一方、耐久枚数は5万ページと家庭用機だけでなくEP-M570Tよりも強化されている他、交換式メンテナンスボックスを搭載し、廃インクでいっぱいになっても修理すること無く自分で交換できる。また、インク構成も独特だ。4色染料インクに加えて顔料黒インクを搭載する。EW-M660FTに染料黒を追加、もしくはEP-M570Tに顔料黒を追加したような構成だ。キヤノンの機種のような構成とも言える。従来EP-808Aなどでは各色180ノズルであったが、EW-M770Tも同じく各色180ノズル、ただし顔料黒だけ360ノズルとなっており、総ノズル数もEP-808Aと同じにすることで流用できるパーツを増やしているのだろう。最小インクドロップサイズ1.5plでAdvanced-MSDTに対応しているのも同じだ。写真印刷は4色印刷となるため、EP-879Aなどと比べると画質的には劣るが、他のエコタンク搭載プリンターよりは高画質だし、フチなし印刷も可能だ。印刷速度もL判写真印刷が22秒と比較的高速な一方、A4カラー文書10ipm、A4モノクロ文書13ipmとこちらも高速だ。EW-M770Tではインクも変更され、エコタンク搭載プリンターとしては2世代目と言っても良くなった。まず、インクボトルが「挿すだけ満タンインク方式」となり、挿し込むとインクタンク満タンまで注入されて止まるようになっている。ボトルの蓋もスクリュー式となったため、インクをこぼしたり手に付いたりする危険性が減った。また、インクの挿し込み口とボトルの口の形が色によって変えてあるため、別のインクタンクに誤って入れる心配も無くなった。さらに、インク自体の耐保存性も強化され、アルバム保存300年、耐光性50年、耐オゾン性10年と、カートリッジタイプの「つよインク200」と同等になっている(ただし、「つよインク200」の名称は使わない)。一方でインクタンクの価格は上がり、染料インクは1本1,200円、倍容量の顔料ブラックは2,400円となる。それに加え、インク本数も5本に増えたため、印刷コストは 印刷コストはカラー文書が1.3円、モノクロ文書が0.5円、L判写真が6.0円とやや上がった。また、同梱のインクも1本となり、印刷枚数は、A4カラー文書を印刷した場合、カラーインクは5,000枚、顔料ブラックインクは8,000枚、染料ブラックインクは11,500枚まで印刷が可能だという。本体価格も69,980円とエコタンクモデル中で最も高価となる。 FAX付き複合機はA3対応の2機種は継続販売である。それに対してA4対応のには新機種が発売されている。PX-M741Fの後継がPX-M781F、PX-M740Fの後継がPX-M780F、PX-M650Fの後継がPX-M680Fとなる。ただし、PX-M741F/PX-M740Fに関してはホームページから消えているが、PX-M650Fに関しては掲載されている。PX-M680FとPX-M650Fの機能差が大きい事から、PX-M650FはPX-M680Fの下位モデルとして継続販売される物と思われる。3機種ともデザインが一新されている。PX-M781Fに関しては、本体はADFや液晶ディスプレイの出っ張りがなくなりすっきりしたデザインとなった。性能面ではノズル数がPX-M741Fのブラック800ノズル、カラー各256ノズルからカラーも800ノズルに増加、重ね連送機構も搭載する事により、A4カラー文書10ipm、モノクロ19ipmからそれぞれ22ipmと24ipmへと高速化している。また、PrecisionCoreプリントヘッドは引き続き採用し、最小インクドロップサイズは2.8plと同等ながら印刷解像度は4800×1200dpiに下がっている一方、シアン、マゼンタをより鮮やかに再現できる用になったほか、エッジ処理も精密になり文書の印刷画質はさらに上がっている。印刷コストもカラー文書9.4円から7.3円に、モノクロ文書3.2円から2.2円へと低下したほか、インクカートリッジ自体も大容量化し、カラー1900枚、モノクロ2600枚へと増加している。給紙に関しては基本前面給カセット2段というのは同等だが、背面手差し給紙は廃止されている。スキャナに関してはADFの給紙可能枚数が35枚から50枚に増加したほか、ADFのスキャン速度がカラー・モノクロ共に16ipmへと高速化されている(PX-M741Fはカラー4.5ipm、モノクロ7.3ipm)。プリント、コピー機能には大きな変化は無いが、細かい点で言うと自動濃度切り替え機能が無くなったほか、自動リダイヤルの回数や間隔が固定となった。ダイレクト印刷機能はカードスロットが無くなり、USBメモリのみの対応となった。一方USBメモリからのダイレクト印刷は、従来のJPEGとTIFFに加えて、スキャンtoメモリー機能又はスキャンtoフォルダー機能で生成されたPDFデータの印刷が可能となった。スマートフォン対応に関しては新たにNFCに対応している。操作性は大きく変更され、従来は本体前方に飛び出す形で斜めに固定されていた液晶と操作パネルは、家庭用のEP-879A同様、本体前面に取り付けられ、90度まで起こして角度調整が可能になった。また、液晶が3.5インチから4.3インチワイドに大型化している。一方、従来あったテンキーやスタートボタン、ホームボタンと行った物理ボタンは無くなり、液晶内に表示される方式になった。レイアウトはEP-879Aに近いものになっている。本体サイズは449×427×308mmから425×388×330mmに横幅と奥行きが小型化している。また、耐久枚数も8万枚から10万枚に向上している。 PX-M780FはPX-M781Fのカセットを1段にしたような製品だが、前機種のPX-M741FとPX-M740Fではカセット段数以外は液晶サイズくらいしか違いが無かったのに対して、PX-M780FはPX-M781Fに対していくつか機能差が付けられている。まず、ノズル数や画質面では同等ではあるものの、重ね連送機構が非搭載であるため、印刷速度はA4カラー、モノクロ共に20ipmとなっている。ADFも両面スキャンに非対応である他、給紙可能枚数も35枚となっている。スキャン速度もカラー8ipm、モノクロ12ipmと遅くなる。FAX機能ではオンフックダイヤル機能が非搭載である。液晶ディスプレイは2.7インチに小型化している。本体サイズは425×378×249mmとなる。前機種PX-M740Fとの比較では印刷は高速化、普通紙への高画質化の他、印刷コストも下がっている。一方でADFの両面スキャン機能が無くなっている一方で、ADFのスキャン速度はアップしている(PX-M740Fはカラー4.5ipm、モノクロ7.3ipm)。メモリカードスロットも非搭載となる。USBメモリは対応で、ダイレクト印刷時にPDFファイル(条件はPX-M781Fと同様)の印刷が可能な他、スマートフォン対応関係ではNFCに対応している。操作パネルが固定式から角度調整式になった他、物理ボタンが無くなりテンキーやスタートボタンも液晶内に表示されるようになった。液晶部はEP-879Aにそっくりだが、液晶の左右以外に上部にもタッチセンサー式のボタンが並ぶ点で異なる。本体サイズはやや小型化したと言える。 PX-M680Fは、従来のPX-M650FとPX-M740Fの関係とは異なり、上位モデルPX-M780Fに近い性能を持ち本体デザインも同等だ。PX-M780Fとの違いは、印刷解像度が4800×2400dpiとPX-M780Fより高い一方、ノズル数はモノクロは800ノズルで同等ではある物の、カラーは各256ノズルとなる。そのためA4カラー文書10ipm、モノクロ20ipmとカラー文書の印刷速度が劣る。また、インクカートリッジも異なるため、印刷コストはカラー11.4円、モノクロ3,2円と高くなる。この2点が大きな違いだ。給紙機能や各種印刷機能、コピー、FAX、ダイレクト印刷機能なども同等だ。操作パネルも同等で、本体サイズも同等である。前述以外の違いで言うとADFのスキャン速度が、カラー、モノクロとも7ipmにやや低速化している事と、耐久枚数か8万枚となっているくらいである。ちなみにPX-M650Fと比べると進化点は多い。前述のノズル数の増加による印刷速度の向上が挙げられる。ちなみにPX-M680Fのノズル数は、上位モデルの旧モデルPX-M740Fと同等になっている。印刷解像度も4800×1200dpiから4800×2400dpiにアップ、最小インクドロップサイズも3.3plから2.8plに小さくなっている。前面給紙カセットにセット可能な枚数も150枚から250枚に増加している。印刷コストもA4カラー文書13.5円から11.4円に、A4モノクロ文書は4.1円から3.2円に下がっている。新たにUSBメモリに対応、ダイレクト印刷が可能になったほか、スキャンしてメモリカードに保存する機能も搭載している。ADFのスキャン速度は、カラー、モノクロ共に3.0ipmから7.0ipmに高速化している。NFCに対応したほか、スキャンして遠隔地の対応プリンタで印刷する機能も搭載した。コピーも2in1だけでなく4in1にも対応したほか、IDコピー以外に影消しコピー、パンチ穴消しコピー機能を搭載した。FAX機能も強化され、受信FAXの保存件数が100枚から180枚に、短縮ダイヤルが60件から100件に、グループダイヤルも59宛先から99宛先に、順次同報送信も30宛先から100宛先にそれぞれ増加している。操作パネルは角度調整が可能になった。液晶サイズは2.7型と同等だが、物理ボタンが無くなり、テンキーやスタートボタンも液晶内に表示されるようになった。本体サイズは425×360×230mmから425×378×249mmとやや大型化している。 A4単機能プリンタ4機種は継続販売だ。A2ノビ対応プリンタとA3ノビ対応プリンタ、コンパクトプリンタ、モバイルプリンタも継続販売だ、年賀状作成が可能なPF-81に関しては型番上は同じだが、「年賀状デザイン集2017」を同梱した2017年度版になっている。
今年のラインナップが去年と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
キャノンの今年の機種の特徴は「小型化」と「背面給紙の復活」の2点が大きい。また液晶パネルの大型化と操作パネルを液晶内に統合、さらに操作パネルの角度調整対応といった違いもある。一方で画質や速度面での差はなく、見た目のインパクトの強い新製品と言える。また、型番上はPIXUS MG6000番台が昨年でMG6930と「9」までいってしまった事もあり、またデザイン一新という事もあり、PIXUS TS型番へと移行した。それと共に、百の位を0に戻してTS9030、TS8030といった型番になっている(下2桁の30は日本市場向けの意味で固定)。また新製品は4機種発売され、下位1モデルは継続販売なので、4モデル体制から5モデル体制になった。従来のPIXUS MG7730より価格の高いプレミアムモデルが追加されているが、本体の小型化や液晶の大型化と言った新製品共通の特徴を除くとPIXUS MG7730とそれほど変わらないといえる。そして、下位モデルは、従来の2モデルの間のような製品になっており、新製品の最下位モデルPIXUS TS5030はPIXUS MG5730より機能面で劣るところがある一方、SDカードスロットが搭載される特殊な製品となっている。そのため、今年は上位モデルで搭載していないSDカードスロットを下位モデルが搭載している逆転現象が起こっている。また、継続販売のPIXUS MG3630を含めると、5機種中3機種がカードスロット搭載モデルで、去年の4機種中2機種と比べて比率が上がっている。 小型化に関しては最上位のPIXUS TS9030でも372×324×140mmで、幅はエプソンでもさらに小型化したEP-879Aには負けるが、昨年のEP-808Aよりは小さく、奥行きや高さも小型化している。新製品全体で言えることで、下位モデルのPIXUS TS5030では前面給紙が無い事もあって、372×215×126mmとさらに小型化している。背面給紙の復活も新製品全体に言える。従来は前面2段カセットで、下段がA4以下〜A5、上段がL版〜2L版と大小2段となっていた。今年はこれを一新し、前面1段カセット+背面トレイとなっている。前面カセットはA4〜A5の普通紙のみで、それ以外の用紙は背面からとなる。前面カセットの普通紙セット枚数は125枚から100枚に減ったが、背面トレイにも100枚セットできるので、両方使えばセット可能枚数は増えたことになる。なお、前面カセットは伸縮式で、B5までなら縮めた状態なのでプリンタ本体に収まるが、A4用紙をセットする場合はカセットを伸ばす必要があり、本体から少し飛び出てしまう点は注意が必要だ。従来は上位モデルが前面2段カセット、下位モデルモデルは前面トレイだったが、今年は上位モデルが前面1段カセット+背面トレイで、下位モデルは背面トレイだけとなるなど、背面給紙がメインとなっている。液晶に関しては、上位モデルから順に5.0型、4.3型、3.0型、3.0型と下位モデルでも大型である。また上位2モデルPIXUS TS9030とPIXUS TS8030はワイドタッチパネルなのでホームボタンやスタートボタンも液晶内に表示される様になり、物理ボタンは電源ボタンだけである。中位モデルのPIXUS TS6030はワイドでは無いがタッチパネルなので、去年のPIXUS MG6930やPIXUS MG5730のようなボタンとタッチパネル液晶を併用する。下位モデルのPIXUS TS5030はタッチパネルでは無いため、去年同様ボタン操作だ。本体デザインの変更に伴って、液晶と操作パネルがエプソンの機種のように前面に配置され、そこから90度まで起こせるようになった。前面パネルが前に倒れると排紙トレイになる方式から、電動で内部から伸び出てくる(上位モデル)又は手動で引き出す(下位モデル)形となった。その他、下位モデルを除く上位3モデルは背面給紙からの名刺サイズの用紙にも対応している。その他、スキャナの原稿取り忘れ検知機能も新製品全機種に搭載している。それでは、個別に見ていこう。 PIXUS TS9030は最上位モデルとしてPIXUS MG7730の機能を引き継ぐモデルだ。ただラインナップ上はプレミアムモデルと位置づけられ、価格も39,880円と高くなっている。PIXUS MG7730と比べると、前述の本体の小型化や前面1段カセット+背面トレイへの変更、液晶の5型への大型化とタッチパネル液晶のみでの操作への変更、操作パネルの角度調整可能といった変更点があるが、それ以外では大きな差は少ない。顔料ブラックと染料5色による6色構成で最小インクドロップサイズが1plなのも同等だ。プリントヘッドのノズル数は、総数は6656ノズルと同じだが、各色の振り分けに変化があったが(C/M/GY各1536ノズル、Y/染料BK各512ノズル、顔料BK1024ノズルから、C/M各1536ノズル、GY/Y/染料BK/顔料BK各1024ノズルに変更)、L版、A4普通紙共に印刷速度に変化は無い。印刷コストがL判写真1枚15.8円から15.9円になったのは、ノズル数の変更による物かもしれないが気にする差では無いだろう。対応メモリカードがSDのみとなり、メモリースティックDuo非対応となったが時代の流れ的には不思議では無い。コピー時の機能にIDコピーが追加されたという変更点はある。この機種のみメモリカードから写真を印刷する際に9種類のフィルターで写真の視覚効果の調整が出来る「クリエイティブフィルター」機能を搭載している。カラーはレッドとホワイトの2色だが、天板と、前面下部のラインだけがその色で、それ以外はブラックとなる。 PIXUS TS8030は価格的には30,880円とPIXUS MG7730の後継機種と言えるが、実際にはPIXUS MG6930との間のような製品だ。基本的にはPIXUS TS9030と同じ機能で、PIXUS MG7730からの変更点も小型化や液晶・操作パネル部の変更・給紙方法の変更と言った点だ。プリントヘッドのノズル数の変化や対応メモリカードがSDのみになった点、IDコピー機能が追加された点も同じだ。クリエイティブフィルター機能が非搭載なのが違いと言えるだろう。本体サイズは372×324×139mmと高さが1mm低いが、それよりも全体に角張ったPIXUS TS9030に比べて、角に丸みがあるため印象がかなり異なる。液晶は4.3型となる。PIXUS MG7730と比べた場合、有線LAN接続機能が無くなっている点ではPIXUS MG6930と同等になる。MG7730クラスから有線LANを取ったとも言えるし、MG6930クラスの液晶をタッチパネルにしたとも言えるクラスになっている。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、レッド、ブラウンで、本体全体がその色になっている点もPIXUS TS9030とは異なる。 PIXUS TS6030は画質上やメモリーカードスロットの有無などはPIXUS MG5730の後継機種と言えるが、PIXUS MG6930的な機能も搭載する、この2機種の中間のような製品だ。価格も25,880円と、PIXUS MG6930に近い価格設定だ。上位機種と比べるとインクがグレーを除く5色構成となり最小インクドロップサイズが2plと画質が劣り、ノズル数も少なくなることから印刷速度も遅くなり、L判写真1枚33秒となるのはPIXUS MG5730と同等だ。一方でA4文書印刷に関しては、PIXUS MG5730のカラー9.0ipm、モノクロ12.6ipmから、それぞれ10.0ipmと15.0ipmに高速化している。これは上位モデルと同等だ。自動両面印刷機能が普通紙のみとなる点ではPIXUS MG5730を引き継ぐが、給紙に関してはPIXUS MG5730は前面トレイにグレードダウンしていたところを、PIXUS TS6030では前面1段カセット+背面トレイと上位モデルと同等となる。名刺サイズの用紙にも対応する。メモリカードには非対応である。コピー機能にIDコピーが追加されているのは他機種同様だ。操作パネルは3.0型のタッチパネル液晶となっている点はPIXUS MG5730どころかPIXUS MG6930よりも良くなっている。ただし、液晶が小さいため、ホームやスタートといったボタンは従来同様、液晶外に物理的なボタンとして用意される。本体サイズは372×315×139mmと奥行きがさらに小さくなる。機能上はPIXUS MG5730とPIXUS MG6930の中間のグレードといえる製品だ。カラーはブラックとホワイトの2色だ。 PIXUS TS5030はPIXUS MG5730の流れをくむもう一つの製品だ。PIXUS TS6030と同じ5色構成で最小インクドロップサイズは2pl、写真印刷速度が33秒という点で同等だ。ただ、A4文書印刷速度がカラー9.0ipm、モノクロ12.6ipmと上位モデルより遅い点ではよりPIXUS MG5730を忠実に継承していると言える。トレイも背面給紙のみとなり、前面トレイのみとなったPIXUS MG5730と同じく上位モデルと差が付けられている。名刺サイズの用紙も非対応だ。一方でPIXUS MG5730も搭載していた自動両面印刷機能が非搭載となっている。また、プリンタ本体でクラウドサービスにアクセスしてプリントする機能が無くなりスマートフォン経由のみとなっているほか、写真の焼き増し風コピーや4in1コピーも非搭載となっている。枠消しコピーも無くなっている一方で、他の新機種同様IDコピー機能は新たに搭載された。このように、PIXUS MG5730からベーシックな機能だけを残したような形だ。一方でPIXUS MG5730には無かったSDカードスロットがあり、SDカードからのダイレクトプリントが可能になっている。これは上位モデルのPIXUS TS6030にも無い機能で、上下モデルの逆転現象が起こっている。この関係で、写真を利用したカレンダー印刷機能も搭載されている。操作ネルはタッチパネル液晶では無いが、3.0型液晶とやや大型化している。本体サイズは372×315×126mmとなる。カラーはブラックとホワイトの2色である。 その他、最下位のPIXUS MG3630は継続販売となる。唯一PIXUS MGシリーズとして残ることとなった。 FAX付き複合機とA4単機能プリンタの内、ビジネス向けの「MAXIFY」ブランドの製品は新機種へと移行した。複合機のMAXIFY MB5330がMAXIFY MB5430に、MAXIFY MB5030がMAXIFY MB5130に、MAXIFY MB2330がMAXIFY MB2730に、MAXIFY MB2030がMAXIFY MB2130になり、プリント単機能機のMAXIFY iB4030がMAXIFY MB4130になった。基本的な機能は変わっていないが、共通の変更点としては印刷速度の高速化だ。A4文書印刷速度が、カラー15ipm、モノクロ23ipmから、15.5ipmと24ipmに僅かながら高速化した(MAXIFY MB2130を除く)。ノズル数などに変化が無いため、何らかの改良による高速化のようだ。1枚目の印刷中に2枚目を重ねて搬送する機能が無いMAXIFY MB2130も、MAXIFY MB2030のカラー11ipm、モノクロ16ipmから13ipmと19ipmに高速化している。それ以外の変更点として、複合機の4機種はコピー機能にコピー予約とIDコピー機能が追加されている。またMAXIFY MB5430とMAXIFY MB5130は液晶が3.0型から3.5型に大型化している。その他プリントやコピー、FAX機能に変化は無いが、唯一MAXIFY MB5130だけ、スキャナのCISセンサーが両面に搭載され、両面同時スキャンが可能となった。これは従来は最上位モデルだけの機能で、MAXIFY MB5030以下は片面スキャンだったが、新機種になり上位から2番目のMAXFY MB5130にも同等の機能が搭載されている。価格は上位モデルを中心に新製品時の価格が下がっており、MAXIFY MB5430が29,880円、MAXIFY MB5130が24,880円、MAXIFY MB2730が19,880円、MAXIFY MB2130が16,980円、MAXIFY iB4130が14,880円となっている。 これ以外のFAX付き複合機やA4プリント単機能機、A2プリント単機能機、A3プリント単機能機、モバイルプリンタは継続販売となる。
各機種を詳しく見てみよう。価格帯別の比較、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。なお価格は、このページの作成時点(2016年9月)でのメーカーのオンラインショップの価格(税別)としている。家電量販店やパソコンショップなどの実際の価格とは異なる場合があるのでご了承いただきたい。 (H.Intel) 今回の関連メーカー エプソンホームページ http://www.epson.jp/ キャノンホームページ http://canon.jp/ |
(A2/A3ノビ単機能機) |
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(コンパクト) |
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