2018年末時点のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2019年5月3日公開)
エコタンク・特大容量タンク搭載プリンターを比較する。去年まではエプソンからしか発売されていなかったが、今年からキャノンからも発売されたため、それらの中でカラー複合機全機種を比較する。ちなみに、エプソンの機種は「エコタンク」、キャノンの機種は「特大容量タンク」となる。エプソンからは、昨年春に発売されたEW-M770F、昨年末に旧モデルを置き換えたEW-M660FTとEW-M571Tと新たに追加されたEW-M5071FTとEW-M970A3T、今年の末に追加されたEW-M630Tの6機種となる。キャノンは今年の春に新発売されたG3310のみとなる。なおエプソンからはモノクロ印刷のみの複合機PX-M160TとプリンターPX-S170T/PX-S170UT/PX-S160Tも発売されているが、ここではカラー対応の6機種のみを比較した。エプソンの場合、型番上はA4プリントの機種ではEW-M770Tが最上位、続いてEW-M670FT、EW-M630T、下位モデルがEW-M571Tで、価格もEW-M770Tが59,980円、EW-M670FTが54,980円、EW-M630が41,980円、EW-M571Tが34,980円と、価格上もEW-M770Tが上位モデル、EW-M571Tが下位モデルに見える。しかし、完全な上位・下位といった関係では無く、EW-670FTが搭載する機能でEW-M770Tが搭載しない機能もあれば、EW-M571Tが搭載する機能でEW-M670FTが搭載しない機能もある。これら4機種にA3プリントとA4スキャンに対応したEW-M970A3T(84,980円)と、A3ノビプリントとA3スキャンに対応したEW-M5071FT(109.980円)の計6機種となる。キャノンのG3310は34,880円と、EW-M571Tと競合する製品だ。どういった機能を搭載しているかを見ていくことで、使用用途によってどの機種が向いているかを検討していくと共に、同価格のEW-M571TとG3310のどちらがおすすめなのかも見ていこう。 |
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シアン マゼンタ イエロー |
フォトブラック シアン マゼンタ イエロー |
フォトブラック シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
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(挿すだけ満タンインク方式) |
(挿すだけ満タンインク方式) |
(挿すだけ満タンインク方式) |
(挿すだけ満タンインク方式) |
(挿すだけ満タンインク方式) |
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(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性半年〜1年) |
(アルバム保存300年/耐光性50年/耐オゾン性10年) |
(アルバム保存300年/耐光性50年/耐オゾン性10年) |
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性2年) |
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性2年) |
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性2年) |
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ハサミ(染料) |
ハーモニカ(染料) |
ハーモニカ(染料) |
ハリネズミ(染料) |
ハリネズミ(染料) |
ハリネズミ(染料) |
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インクボトル(ブラック)2本 |
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黒:800ノズル |
顔料:360ノズル |
顔料:360ノズル |
黒:400ノズル |
黒:400ノズル |
黒:180ノズル |
黒:320ノズル |
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まずはプリントの基本となる画質と速度、印刷コストから見ていこう。エコタンク・特大容量タンク搭載プリンターは基本が似ており、顔料ブラックと染料のカラー3色(シアン、マゼンダ、イエロー)を採用するのは全機種共通だ。これに染料ブラックを搭載するかどうかで4色構成か5色構成かの違いがある。EW-M970A3T 一方、写真印刷や年賀状の通信面印刷時には、染料インクが力を発揮する。ここで、4色構成と5色構成で大きな差が出ることになる。5色の機種は顔料ブラックと別に染料ブラックを搭載しているため、写真印刷時も黒インクを使用でき、しっかりとした黒を表現できるため、綺麗な写真が印刷できる。一方で4色構成の機種は染料ブラックを搭載していないため、カラー3色での印刷となる。黒色はカラーを混ぜて作るが、どうしても非常に濃い茶色やグレーにしかならず、全体にコントラストが弱くなってしまう。これは黒の髪の毛や影の部分などを見れば一目瞭然だ。その点で5色インクを搭載したEW-M970A3T 最小インクドロップサイズの面でもこれら2機種は写真印刷に向いている。EW-M970A3T もう一つ、インクの種類にも違いがある。もちろん発色などの面でもEW-M970A3T このように写真の印刷画質や耐保存性には違いがある。ただ、EW-M770FTとEW-M970A3T 一方普通紙の印刷画質は、7機種とも顔料ブラックを搭載しているため大差が無いように見える。しかし、EW-M5071FT ちなみに、印刷速度にも特色がある。まず写真印刷速度を見てみると、最も速いのはEW-M770T 一方文書の印刷速度は傾向が異なる。EW-M770T 印刷コストだが、L判写真はEW-M770T ちなみに、エコタンク・特大容量タンク搭載プリンタは本体価格が高い傾向があるが、これは付属のインクで元が取れるという考え方がある。エコタンク・特大容量タンク搭載プリンターは、インクカートリッジの機種とは異なり、製品と同じインクボトルが付属するのが特徴の一つとなっているのだ。ただし、EW-M5071FT ちなみに、これらの話はインクカートリッジの機種との比較なので、エコタンク・大容量タンク搭載プリンター同士の比較では、ほぼ横並びとなり機種を選ぶ要素にはなりにくい。G3310 ちなみに7機種ともエコタンク・特大容量タンク呼ばれる、大型のインクタンクを搭載する点では同じだが、異なる点がある。EW-M5071FT |
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(フチ無し印刷非対応) |
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(A4普通紙セット可能枚数) |
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カセット下段(250枚・普通紙B5〜A3以上) |
カセット上段(2L/ハイビジョン以下) |
カセット上段(2L/ハイビジョン以下) |
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続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。使用できる用紙は、EW-M5071FT 給紙に関しては各機種に特色がある。まず、EW-M5071FT EW-M970A3T EW-M670FT G3310 |
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その他、プリントの付加機能を見てみよう。自動両面印刷機能はG3310 自動電源オン機能はEW-M970A3T EW-M571T |
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続いて、スキャナ部を見てみよう。EW-M5071FT また、FAX機能(後述)を搭載するEW-M5071FT メモリカードに対応しているEW-M5071FT |
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赤目補正 |
フチなし/フチあり 赤目補正 明るるさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) シャープネス調整(5段階) 鮮やかさ(5段階) フィルター(モノクロ/セピア) |
フチなし/フチあり 赤目補正 明るるさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) シャープネス調整(5段階) 鮮やかさ(5段階) フィルター(モノクロ/セピア) |
赤目補正 |
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フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜・メッセージカード・折り紙封筒) |
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜・メッセージカード・折り紙封筒) |
ダイレクト印刷を見てみよう。これはEW-M5071FT 写真印刷時の設定は、EW-M5071FT |
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iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 スマートスピーカー対応 |
iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 スマートスピーカー対応 |
iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 スマートスピーカー対応 |
iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 スマートスピーカー対応 |
iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 スマートスピーカー対応 |
iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 スマートスピーカー対応 |
iPod touch iPad (iOS 10.0以降) Android 4.4以降 |
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スマートフォンとの連携機能は7機種とも搭載している。iPhoneやiPod touch、iPadと、Android端末に対応しており、いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。メインで使用すると思われる写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定(EW-M5071FT また、G3310 クラウドとの連携機能も7機種とも搭載しており、オンラインストレージから印刷に対応している。EW-M5071FT |
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影消しコピー パンチ穴消しコピー ブック分割コピー |
ミラーコピー BOOK2アップ 塗り絵コピー 背景除去機能 |
ミラーコピー BOOK2アップ 塗り絵コピー 背景除去機能 |
影消しコピー パンチ穴消しコピー |
コピー機能はG3310 さらに、CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷に対応したEW-M970A3T では、G3310 |
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8dot/mm×7.7本/mm(精細) 8dot/mm×15.4本/mm(高精細) 16dot/mm×15.4本/mm(超高精細) 8dot/mm×7.7本/mm(写真) |
8dot/mm×7.7本/mm(精細) 8dot/mm×7.7本/mm(写真) |
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FAX機能を搭載するのは、型番のTの前に「F」が付く、EW-M5071FT 受信したFAXは本体に保存できるが、EW-M5071FT |
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(90度角度調整可) |
(90度角度調整可) |
(角度調整可) |
(角度調整可) |
(角度調整可) |
(モノクロ・セグメント) |
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(90度角度調整可) |
(90度角度調整可) |
(角度調整可) |
(角度調整可) |
(角度調整可) |
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(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(ダイレクト接続対応) |
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MacOS 10.6.8〜 |
MacOS 10.6.8〜 |
MacOS 10.6.8〜 |
MacOS 10.6.8〜 |
MacOS 10.6.8〜 |
MacOS 10.6.8〜 |
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操作パネルと液晶ディスプレイを見ていこう。この中でG3310 操作パネルも各機種で違いがある。タッチパネルなのはEW-M5071FT では、G3310 インタフェースは7機種ともUSB2.0に加えて、ネットワーク接続にも対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、無線LAN(Wi-Fi)ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。その場合、プリンターも無線LANルーターに接続しておけば、家庭内のどのパソコンでもプリント可能となり非常に便利だろう。またスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またWi-Fiダイレクトに対応しているため、無線LANルータの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も共通の便利な点だ。ただし、EW-M571T 対応OSはメーカーによって大きな差がある。エプソンの6機種はWindows XP SP3以降は全て対応する。MacOSもダウンロード対応とはなるが10.6.8以降に対応する。マイクロソフトのサポートの終了したWindows XPやVistaにも対応するのは安心だ。一方キャノンのG3310 本体サイズを見てみよう。最も大きいのはA3ノビプリントとA3スキャンに対応したEW-M5071FT 耐久枚数はEW-M5071FT 本体カラーは、EW-M770T いずれも低印刷コストである点は共通しているが、いくつかの分け方がある。例えばA3スキャンA3ノビプリントのEW-M5071FT まずA3スキャン、もしくはA3より大きいA3ノビのプリントが必要ならEW-M5071FT 一方、いずれもそれほどこだわらないが、安くエコタンク搭載プリンターを手に入れたい人にはEW-M571T このように、用途に応じて7機種のどれがおすすめかは変わってくる。どういった用途に使うかが決まれば、自ずと機種も決まってくるだろう。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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