プリンター徹底比較
2019年末時点のプリンター
〜エプソンとキャノンのプリンターを比較〜
(2020年4月20日公開・8月1日更新)

プリンター比較の記事は、新製品が数多く発表される「年末」と「春」の2回に掲載しています。
古い記事も過去の情報として利用できると考え、新製品を掲載したものは、新たな記事として掲載していますので、現在この記事は既に古くなっている可能性があります。
プリンター比較を参考にされる方は、プリンター徹底比較の一覧ページより、最新のものをご覧ください。


A4複合機(4〜5万円)
 
 A4複合機としては最上位に当たる4万円以上のA4複合機である。エプソンのEP-30VAEW-M752T、キヤノンのPIXUS XK70PIXUS XK60がこの価格帯の製品だ。EP-30VAは「V-edition」という1ランク上の画質と低印刷コストを売りにしたシリーズの製品であり、PIXUS XK70PIXUS XK60は、これまで以上の低印刷コストと、下位機種から進化した画質が売りの製品だ。ある意味、この3機種は似たコンセプトの製品と言える。一方のEW-M752Tはエコタンク搭載プリンターの最上位モデルで、他の3機種とは違ったコンセプトの機種と言える。EP-30VAが49,980円、EW-M752Tが39,980円、PIXUS XK70が40,880円、PIXUS XK60が40,980円と1万円程度の差があるが、果たしてどのような違いがあるのだろうか。

プリント(画質・速度・コスト)
メーカー
エプソン
エプソン
キャノン
キャノン
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
実売価格(メーカーWeb/税抜き)
49,980円
39,980円
40,880円
40,980円
インク
色数
6色
5色
6色
6色
インク構成
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
レッド
グレー
マットブラック(顔料)
フォトブラック(染料)
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
フォトブルー
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
フォトブルー
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
各色独立
各色独立インクタンク
(挿すだけ満タンインク方式)
各色独立
各色独立
顔料/染料系
染料
(つよインク200)
Epson ClearChrome K2
染料(黒+カラー)/顔料(黒)
(つよインク)
染料(黒+カラー)/顔料(黒)
(ChromaLife100)
染料(黒+カラー)/顔料(黒)
(ChromaLife100)
インク型番
ヨット
ケンダマ(顔料)
タケトンボ(染料)
N10XL/N11XL(大容量)
N10/N11(標準容量)
N10XL/N11XL(大容量)
N10/N11(標準容量)
ノズル数
1080ノズル
900ノズル
6656ノズル
6656ノズル
各色180ノズル
各色180ノズル
C/M:各1536ノズル
PB/Y/染料BK/顔料BK:各1024ノズル
C/M:各1536ノズル
PB/Y/染料BK/顔料BK:各1024ノズル
最小インクドロップサイズ
1.5pl
(AdvancedMSDT)
N/A(1.5pl?)
(AdvancedMSDT)
N/A
N/A
最大解像度
5760×1440dpi
5760×1440dpi
4800×1200dpi
4800×1200dpi
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
33秒
25秒
14秒
14秒
A4普通紙カラー(ISO基準)
N/A
9.0ipm
10.0ipm
10.0ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
N/A
12.0ipm
15.0ipm
15.0ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
12.7円
8.6円
12.5円
12.5円
A4カラー文書
6.0円
2.7円
5.7円
5.7円
A4モノクロ文書
N/A
1.2円
N/A
N/A

 まずはプリントの基本となる画質と速度、印刷コストから見ていこう。EP-30VAPIXUS XK70/PIXUS XK60は共に6色インクだが、その構成は大きく異なる。EP-30VAは全色染料インクで基本4色に加えてレッドとグレーインクを搭載する。従来のライトシアンとライトマゼンダを搭載する6色とは異なる構成だ。そのため「Epson ClearChrome K2インク」と呼んで、従来の6色と区別している。最小インクドロップサイズは1.5plと非常に小さく、印刷解像度も5760×1440dpiと高い。それに加えて、プロセレクション(写真のプロ向けのプリント単機能機)の製品に採用されている理論的色変換システム「LCCS」を搭載する。「LCCS」は写真をプリントする際のインク配分を論理的に算出する色生成技術で、階調性・色再現域・粒状性などの点からベストになるように複雑に計算されて打つインクが決定されるというものだ。さらに、光源によって色合いが異なる光源依存性も最適になる様に計算されるなど、かなり高度なものだ。さらに紙送りの精度も高めることで、基本4色だけでも従来の6色に相当する高画質な印刷ができる。そこにレッドインクにより、くすみがちな赤系統の表現力を高め、赤い物だけで無く夕日や肌の色などでも違いが出る。さらに従来の6色ではモノクロ写真の場合のグレーの部分はカラーインクを使って表現するため青白くなってしまうが、EP-30VAではグレーインクを搭載しているため綺麗なグレーの階調表現ができる。ライトシアン・ライトマゼンダを搭載する6色機よりさらに色鮮やかな印刷が可能となっている。一方のPIXUS XK70/PIXUS XK60は染料インクのブラック、シアン、マゼンダ、イエローの基本4色に加えて、フォトブルーと顔料ブラックインクを搭載する。写真印刷時は基本4色+フォトブルーインクの5色印刷となる。フォトブルーインクにより、明るい青から白にかけての粒状感が低減、一方、インクも新しくすることにより赤色の発色性が向上している。ただ、印刷解像度は4800×1200dpiとやや低く、最小インクドロップサイズは非公表となったが2pl程度では無いかと言われている。エプソンの一般的な6色インク(基本4色にライトシアンとライトマゼンダ)の機種と比べても、インクが1色少ない分、色の表現力では劣り、最小インクドロップサイズもやや大きいため粒状感でも劣ることになるため、画質面では若干差が出る。逆にEP-30VAは一般的な6色インクの機種より画質が上がっているので、EP-30VAと比べると、PIXUS XK70/PIXUS XK60の画質はやや劣ることになる。とはいえ、比較しなければ十分に綺麗と言えるだろう。残るEW-M752Tは、5色インク構成だが、顔料ブラックと、染料4色(ブラック+カラー)という構成である。写真印刷は4色で行う事になる。とはいえ最小インクドロップサイズは1.5plと小さく、印刷解像度も5760×1440dpiと高めなので、4色印刷の割には画質は悪くない。EP-30VAとの差は多少あるが、PIXUS XK70/PIXUS XK60との差はほとんど無いと言える。逆に言えばEW-M752Tも十分高画質だ。よほど画質にこだわるならEP-30VAだが、残る3機種でも十分満足できる画質と言える。
 一方、普通紙への文書印刷となると、立場が逆転する。EW-M752TPIXUS XK70/PIXUS XK60は顔料ブラックインクを搭載しているためだ。染料インクは写真印刷には適しているが、普通紙に印刷すると紙に染みこむ際に広がってしまうため、線が太くなる上に発色が悪いため、クッキリしていない。また、水に濡れると滲むという弱点もある。一方の顔料インクは、普通紙などへの印刷ではメリハリのある印刷結果が得られる。小さな文字や中抜き文字も潰れずに印刷が可能なほか、耐水性も高いため濡れた手で触ったりマーカーを引いても滲まない。顔料ブラックを搭載しないEP-30VAも「細線強調機能」や「文字くっきり機能」を搭載し、染料インクながらドライバーレベルでの改良により画質を改善しており、差は昔よりは小さくなっているが、コピーや文書印刷では、やはり顔料インクを搭載するEW-M752TPIXUS XK70/PIXUS XK60に軍配が上がる。黒と言っても、完全な黒ではないグレーの部分には染料のカラーインクを使用する場合もあるし、カラーの中に混ざっている場合も染料ブラックがが使われる場合もあるなど、全ての黒色部分で顔料インクの恩恵を受けられるわけではないが、文字や線の部分だけでも顔料インクが使えると、全体的に引き締まって見えるのは確かだ。4機種は写真も文書も十分に綺麗な画質で印刷できるが、さらにプラスでEP-30VAは写真画質を、残る3機種は文書の画質を更に上げているというイメージが良いだろう。
 最小インクドロップサイズは非常に小さいが、EP-30VAEW-M752TはAdvanced-MSDTという5つのインクサイズのインクを打ち分ける機能を搭載しており、必要に応じて大きなインクサイズを打ち分ける事で高速化と高画質化を両立しており、PIXUS XK70/PIXUS XK60はノズル数を非常に多くすることで高速化を実現している。結果、L判縁なし写真印刷で、EP-30VAは33秒、EW-M752Tは25秒、PIXUS XK70/PIXUS XK60が14秒となっている。PIXUS XK70/PIXUS XK60が最も速いが、他の2機種も遅い方ではない。またEP-30VAは上位機種の割に遅いが、LCCSなど複雑な処理も行われている上に給紙も精度を重視した画質重視の設計であるため、速度より画質を取ったという形だろう。大量印刷する場合はPIXUS XK70/PIXUS XK60の方がストレスが無さそうだ。一方、普通紙への印刷速度はEP-30VAは公表されていないため、比較することはできないが、EW-M752TはA4カラー文書が9ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、モノクロが12ipm、PIXUS XK70/PIXUS XK60はそれぞれ10ipmと15ipmとなっている。写真の印刷速度に差があるのに対して、文書印刷は近い速度となっている。ちなみに、1分間にカラー原稿が9〜10枚というのは家庭向けとしては非常に高速だと言えるだろう。
 インクに関しては、EW-M752Tを除く3機種がカートリッジ方式、EW-M752Tはエコタンク方式となる。従来通りのインクカートリッジ方式を採用するEP-30VAPIXUS XK70/PIXUS XK60も、下位機種と比べて印刷コストを下げているのがポイントだ。とはいえインクカートリッジのサイズをそれほど大型化する事はできないので、下位モデルの大容量・増量インクと比べて、容量に大きな差がある訳ではない。いずれも下位モデルの大容量インクよりやや多めといった程度だ。ただ、価格が大幅に下がっており、結果的にL判写真フチなしでEP-30VAは12.7円、PIXUS XK70/PIXUS XK60は12.5円となっている。写真用紙代(約4.3円)を除くと、いずれも8円台でかなり安い。A4カラー文書もEP-30VAが6.0円、PIXUS XK70/PIXUS XK60が5.7円と、印刷コストが安いと言われるビジネス向けプリンターよりも安い印刷コストだ。3機種とも写真印刷を行うことをメインに考えているだけあって、印刷コストは安いのは安心だ。とはいえ、EP-30VAPIXUS XK70/PIXUS XK60の間にほぼ差は無いと言えるため決め手にはならない。一方、EW-M752Tのエコタンク方式とは、ボトルから本体内蔵のインクタンクに補充する方式だ。増量と使い切りの2種類のサイズが販売されるが、使い切りサイズのボトル1本でインクタンクが満タンになる。このインクボトルがかなり大容量となっており、カラー文書を印刷すると、カラーインクは約1,000枚、顔料と染料ブラックインクは1,100枚まで使用できる。PIXUS XK60の大容量カートリッジでも、ブラックが600枚、カラーが800枚程度、標準容量カートリッジでそれぞれブラックが400枚、カラーが500枚程度である事を考えると、かなり多めだ。EP-30VAは印刷可能枚数が公表されていないが、インクカートリッジの価格と印刷コストから、800枚程度と計算でき、やはりEW-M752Tの方が多い。それでいて、EW-M752Tのインクボトルは、1本600円と安く、5本セットでも3,000円だ。一方EP-30VAは6本セットで4,740円、PIXUS XK70/PIXUS XK60は6本セットで5,630円なので、印刷枚数が多くても価格は安い事になる。結果、L判写真フチなし印刷コストは8.6円、写真用紙代を除くと4.3円程度と、他の3機種の半額程度となっている。A4カラー文書も2.7円とやはり他の3機種の半額以下である。印刷コストは、EP-30VAPIXUS XK70PIXUS XK60もカートリッジ方式としては非常に安いが、EW-M752Tは圧倒的に安い事が分かる。印刷コストにこだわる人はEW-M752Tは魅力的だ。
 使用するインクはEP-30VAが「つよインク200」、EW-M752Tは「つよインク」で名称に違いはあるが、いずれもアルバム保存300年、耐光性50年、耐オゾン性10年となる。一方、PIXUS XK70/PIXUS XK60は「ChromaLife100」でありアルバム保存100年を実現している。4機種とも十分なレベルの耐保存性を持ったインクであるが、EP-30VAEW-M752Tの方がさらに耐保存性は高く、耐光性なども書かれているなど一歩上回る印象だ。

プリント(給紙・排紙関連)
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
対応用紙サイズ
L判〜A4
L判〜A4
名刺〜A4
名刺〜A4
給紙方向
(セット可能枚数(普通紙/ハガキ/写真用紙))
背面
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.6mm厚紙対応)
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.6mm厚紙対応)

(100枚/40枚/20枚)

(100枚/40枚/20枚)
前面
【カセット下段】
(100枚/40枚/20枚)
【カセット上段】
2L/ハイビジョン以下
(−/20枚/20枚)
【カセット】
(100枚/40枚/20枚)
【カセット】
普通紙のみ
(100枚/−/−)
【カセット】
普通紙のみ
(100枚/−/−)
その他
排紙トレイ自動開閉
用紙種類・サイズ登録
○(カセット収納連動)
○(カセット収納連動)
○(カセット収納(前面)・給紙口カバー閉じ(背面)連動)
○(給紙口カバー閉じ(背面)連動)
用紙幅チェック機能
○(印刷時)
○(印刷時)
○(用紙セット時)


 続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。給紙に関しては、エプソンとキヤノンで方針が異なる。EP-30VAEW-M752Tは前面給紙を基本としており、加えて背面に手差し給紙を用意している。EP-30VAの前面給紙カセットは大小2段となっており、上段にL判やハガキなどの小さな用紙を、下段にはA4やB5といった大きな用紙をセットする形となる。下段にA4普通紙が100枚、上段に写真用紙やハガキが20枚までセット可能だ。また、下段にもL判やハガキサイズにの用紙もセットでき、その場合、ハガキなら40枚、写真用紙は20枚セット可能となるため、上下段ともに入れれば合計でハガキは60枚、写真用紙は40枚までセットできる。もちろん連続で使用できる。下段の用紙を入れ替える手間をかければより大量給紙ができるため、写真や年賀状を大量印刷する場合に便利だろう。EW-M752TEP-30VAの下段トレイのみの形となっており、2種類の用紙を同時にはセットできない。セット可能枚数は普通紙で100枚、ハガキは40枚、写真用紙は20枚となる。この2機種の前面給紙カセットは完全に本体に収納可能なので、用紙をセットしたままにしてもホコリがつもる心配がないのはメリットだ。最小用紙サイズはL判で名刺などのより小さな用紙には対応していない。前面給紙・前面排紙と言うことで気になるのが、厚紙やラベル用紙などへの対応である。前面給紙カセットでも問題ない事になっているが、前面から給紙して前面から排紙するため、内部で180度曲げられてしまうのは少し心配だ。また封筒など二重になっている用紙への印刷も不安なほか、定型サイズでない場合前面給紙カセットのガイドをあわせにくい。そこで力を発揮するのが背面手差し給紙である。従来の背面給紙に近い位置だが、用紙をセットしておけるような大型のものではなく、1枚だけセットできる簡易的な物だ。その分コンパクトな本体でも背面給紙を可能としているわけである。さらに、通常の給紙カセットでは0.3mm厚の用紙までの対応だが、背面手差し給紙では、倍の0.6mmの用紙に印刷ができる。今まで印刷できなかった厚紙にも印刷できる点も便利だろう。また、前面給紙カセットにセットした用紙と異なる用紙に数枚だけ印刷する場合に、わざわざ入れ替えずに背面手差し給紙を利用する事も可能だ。
 一方のPIXUS XK70/PIXUS XK60は前面給紙カセット+背面給紙となっている。前面給紙カセットは1段だが、代わりに背面給紙は手差しでは無く一般的な背面給紙トレイとなっている。前面にA4普通紙、背面にL判写真用紙という風に入れておけばEP-30VAと同じような使い方ができる。ただし、前面給紙カセットは普通紙のみセットが可能で、サイズもA4、B5、A5サイズのみとなる。そのため、ハガキや写真用紙、ファイン紙の他、非定型の普通紙などは全て背面給紙を利用することとなる。また、前面給紙カセットは一見すると本体に完全収納されているようだが、この状態ではA5用紙しかセットできない。A4/B5用紙をセットする場合は、カセットを伸ばす必要があり、そうすると本体に収納した際にカセット部がPIXUS XK70で35mm、PIXUS XK60で45mm前に飛び出る事となる。排紙トレイよりは前に飛び出ないため、利用時は気にならないが、一番利用されると思われるA4サイズで綺麗に収納できないのは残念と言える。一方で背面給紙は普通紙もセット可能で100枚まで、前面給紙カセットも100枚なので、合計200枚までセットできるのはメリットだ。もちろん連続で使用する事ができる。写真用紙やハガキは背面給紙のみで、ハガキは40枚、写真用紙は20枚となる。背面給紙は用紙のセット時に左右のガイドを合わせるだけで良く、セットしやすい。一方でデメリットもあり、用紙をセットするために上方に空間が必要なほか、トレイが後方に傾くため、本体の後方にある程度のスペースが必要になってしまう。また、用紙をセットしたままだとホコリをかぶってしまい、その用紙が給紙されると故障の原因になる場合があるため、使わないときは取り除くのが理想だ。普通紙以外の用紙も常にセットしておくという使い方の場合、前面給紙カセットにセットできるEP-30VAEW-M752Tの方が便利だと言えるだろう。なお、背面給紙からの給紙の場合でも用紙厚は0.3mmまでで、EP-30VAのような厚紙には対応しない。一方でL判より小さい名刺サイズに対応するため、名刺サイズの用紙に直接印刷をすることが可能のはメリットだ。
 4機種とも用紙の種類とサイズを登録しておく機能が搭載されている。液晶ディスプレイでメニューから登録も可能だが、前面給紙カセットを挿し込むと、又はPIXUS XK70/PIXUS XK60の背面給紙は給紙口カバーを閉じると、自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。一方、EP-30VAEW-M752TPIXUS XK60には用紙幅をチェックするセンサーも搭載されている。しかし、エプソンとキャノンで使い方が異なる。EP-30VAEW-M752Tは印刷時に用紙幅をチェックし、用紙サイズが小さい場合に、用紙外にインクを打ってしまいプリンター内部が汚れるのを防ぐ機能である。一方、PIXUS XK60は用紙セット時に用紙幅をチェックし、用紙の登録に活用する。前面給紙カセットの場合は、普通紙のみで、非定型の用紙もセットできないことから、横幅から用紙サイズが確定できるので、用紙の登録画面自体が表示されず、センサーで認識した用紙サイズを自動登録することで手間を省いている。背面給紙の場合は、予測されるサイズが表示されるが、用紙の種類は認識できず、サイズも非定型や横幅が似ている用紙の場合もあるため、登録画面が表示される。このように、用紙のセット一つでも、様々な便利機能が搭載されている。
 一方排紙トレイで便利なのが、EW-M752T以外の機種が搭載する自動開閉機能だ。印刷が実行されると自動的に排紙トレイが伸張する。後述の自動電源オン機能と組み合わせると非常に便利だ。逆に電源を切るときは自動的に排紙トレイが収納される。

プリント(付加機能)
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
自動両面印刷
○(ファイン紙対応)
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
○(ネイル印刷対応)
写真補正機能
○(オートフォトファイン!EX・高彩モード対応)
○(オートフォトファイン!EX)
○(自動写真補正)
○(自動写真補正)
特定インク切れ時印刷
○(黒だけでモード・5日間のみ)
自動電源オン/オフ
○/○
○/○
○/○
○/○
廃インクタンク交換/フチなし吸収材エラー時の印刷継続
−/−
○/○
−/−
−/−

 その他、プリントの付加機能を見てみよう。まず4機種とも自動両面印刷機能を搭載している。普通紙だけでなくハガキなどにも対応するため、年賀状で通信面と宛名面を用紙の差し替え無しで印刷できるなど、便利である。さらに、EW-M752Tはファイン紙への両面印刷にも対応している。普通紙では両面印刷時に裏移りが気になるほか、画質もそれほど良くない。ファイン紙なら、各社から両面印刷に対応した物が発売されており、裏移りが軽減されているほか、印刷品質も良くなるため、綺麗な両面印刷を行う場合はこちらが便利だが、EW-M752T以外は手動で片面ずつ印刷するしか無い。ファイン紙への両面印刷を考えている人にはEW-M752Tは便利だ。
 CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷機能はEW-M752T以外の3機種が搭載している。レーベル印刷のトレイを使わない時は、EP-30VAは前面給紙カセットの下に、PIXUS XK70/PIXUS XK60は排紙トレイの下に収納できる。また、PIXUS XK60はレーベル印刷用挿し込み口を利用したネイル印刷にも対応する。写真の自動補正機能としては、PX-30VAとEW-M752Tは「オートフォトファイン!EX」、PIXUS XK70/PIXUS XK60は「自動写真補正」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる。もちろんパソコンからの印刷時だけでなく、後述のダイレクト印刷時にも利用できる。さらにPX-30VAでは「高彩モード」が選択でき、新たに採用したレッドインクの力で、くすみががちな赤系の表現をより色鮮やかに印刷できるようになっている。
 自動電源オン/オフ機能も4機種とも搭載している。自動電源オンは、印刷が実行されると自動的に電源がオンになる機能だ。無線/有線LAN接続ができるようになり、プリンターから離れた場所のパソコンやスマートフォンから印刷を実行することが増えたが、そういった際にわざわざプリンターの電源を入れに行く手間が省ける。EW-M752Tを除く3機種は前述のように排紙トレイも自動的に伸張するため、印刷が完了した頃に取りに行くだけと非常に便利だ。EW-M752Tは排紙トレイは手動で引き出す必要があり、引き出すまで印刷は始まらないが、引き出した状態にしておけば自動的に電源が入った後、印刷が実行される。また、指定した時間が経つと自動的に電源がオフになるため、電源オンのままにしてしまう事も無い。逆に自動電源オン機能があるので、電源を入れっぱなしにする必要もなくなる。
 一方EW-M752Tだけが持つ便利な機能が、廃インクタンク(メンテナンスボックス)をユーザーが交換できる機能だ。廃インクタンクはクリーニングの際に排出されるインクを貯めておくタンクで、他の3機種は満タンになるとメッセージが表示され修理に出して交換するまで一切のプリントが止まってしまう。一方、EW-M752Tはインクカートリッジなどと一緒に交換用メンテナンスボックスが売られており(980円)、交換すれば印刷が再開できる。安くすむだけでなく、プリンターが手元に無い期間が無くなるため便利だ。さらに、EW-M752Tはフチなし吸収材が満タンになったときも、便利になっている。フチなし印刷時は、用紙サイズピッタリに印刷すると用紙の微妙なズレによってフチができてしまうため、少し大きめにプリントして、はみ出した部分はフチなし吸収材に吸収させる方法となっている。このフチなし吸収材が満タンになると、EW-M752T以外の3機種はプリントが完全に止まってしまうが、EW-M752Tはフチあり印刷に関しては継続ができるようになっているのである。急ぎのプリントを行っておいて、余裕のあるときに修理に出せるため便利な機能だ。

スキャン
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
読み取り解像度
2400dpi(2400×4800dpi)
1200dpi(1200×2400dpi)
2400dpi(2400×4800dpi)
2400dpi(2400×4800dpi)
センサータイプ
CIS
CIS
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
スキャンデーターのメモリーカード保存
○(JPEG/PDF)
○(JPEG/PDF)

 続いて、スキャナー部を見てみよう。読み取り解像度はEP-30VAPIXUS XK70/PIXUS XK60は共に2400dpi、EW-M752Tは1200dpiとなる。解像度に差があるが、反射原稿(紙などの原稿)にしか対応しないため、1200dpiでも十分すぎる解像度と言える。一般的に文書なら200〜300dpi、写真なら300〜600dpiで、よほど詳細にスキャンする場合でも1200dpiがせいぜいだ。実際写真サイズを2400dpiで取り込むと約8,400×12,000ドットとなり1億画素相当となる事から、ファイルサイズが大きくなりすぎてパソコンでは扱いにくい。読み取り解像度が高く設定できる事にデメリットはないが、ややオーバースペックであり、実用上は4機種に差は無いと言える。ちなみに、いずれもCIS方式で、厚い本の綴じ目近くなど、ガラス面から浮いてしまう原稿ではピントが合わなくなってしまう点は注意が必要だ。EP-30VAEW-M752Tはスキャンした原稿をパソコンを使わずにメモリーカードに保存する機能を搭載しているためパソコン無しで簡単にスキャンができる。また、EP-30VAPIXUS XK70/PIXUS XK60は原稿を取り忘れた際に警告してくれる機能を搭載しているのは便利だ。

ダイレクト印刷
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
ダイレクトプリント
メモリーカード
SD/MS Duo/CF
メモリーカードリーダー接続
SD
SD
USBメモリー

(外付けHDD/外付けDVDドライブ対応)
赤外線通信
対応ファイル形式
JPEG
JPEG
JPEG/TIFF
JPEG/TIFF
色補正機能
トリミング
フチなし/フチあり(フチ4種類・フチ太さ4段階)
カラーフレーム
赤目補正
色調補正(RGB独立 +4〜-4)
明るさ調整(+4〜-4)
コントラスト調整(+4〜-4)
シャープネス調整(+4〜-4)
鮮やかさ調整(+4〜-4)
フィルター(モノクロ/セピア/レトロ調/ハイキー/デイドリーム/トイフォト/ポップ/クロスプロセス)
色補正一覧印刷
編集した写真の別名保存
トリミング
フチなし/フチあり(フチ4種類・フチ太さ4段階)
赤目補正
明るさ調整(5段階)
コントラスト調整(5段階)
シャープネス調整(5段階)
鮮やかさ調整(5段階)
フィルター(モノクロ/セピア)
トリミング
ふちなし/フチあり
赤目補正
クリエイティブフィルター(明るく/ 暗く/鮮やか/温かく/セピア/モノクロ/アンティーク調/ビンテージ調/シネマ調)
トリミング
ふちなし/フチあり
赤目補正
手書き合成
○(ディスクレーベル対応)
○(ディスクレーベル対応)
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ
○/○
−/−
−/−
−/−
PictBridge対応
○(USB/Wi-Fi)
○(USB/Wi-Fi)
○(Wi-Fi)
○(Wi-Fi)
各種デザイン用紙印刷
塗り絵印刷
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜・メッセージカード・折り紙封筒)
フォトブック印刷
ディスクレーベル印刷
塗り絵印刷
フォーム印刷(カレンダー・罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜・メッセージカード)
デザインペーパー
証明写真印刷
シール印刷
フォトブック印刷
写真コラージュ
ディスクレーベル印刷
CDジャケット印刷
カレンダー印刷
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
ディスクレーベル印刷
カレンダー印刷
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
ディスクレーベル印刷
組み込みパターンペーパー

 ダイレクト印刷を見てみよう。EP-30VAはSDカード、メモリースティックDuo、コンパクトフラッシュの各カードリーダーを搭載している。USBポートもあるため、USBメモリーからの印刷にも対応している。また、各種メモリーカードからUSBメモリーへのバックアップが可能な他、USBメモリー以外も外付けハードディスクへのバックアップや印刷、さらに外付けDVDドライブからの印刷も行える。さらに赤外線通信による印刷に対応しているため、ガラケーからも印刷可能だ。PIXUS XK70/PIXUS XK60はSDカードのみでUSBメモリーなどにも非対応だが、最近のデジタルカメラやスマートフォンは一部の一眼レフなどを除きSDカードかその小型版のmicroSDになっているため、大きな問題では無いだろう。EW-M752Tはメモリーカードリーダーを内蔵はしていないが、USBポートを搭載する。ここにはUSBメモリーはもちろん、パソコン用のUSB接続のメモリーカードリーダーを接続することで、SDカードをはじめ各種メモリーカードに対応できる。別途購入する必要はあるが、EW-M752Tもメモリーカードからのダイレクト印刷に対応していると言える。ただしUSBポートは外付けHDDやDVDドライブには非対応である。
 EP-30VAPIXUS XK70は下位機種に比べてダイレクト印刷時にも色調整ができるのをウリとしているが、その機能には大きな差がある。PIXUS XK70は一部を拡大印刷するトリミングや赤目補正、フチあり・フチなしの切り替えの他、「クリエイティブフィルター」と呼ぶ機能を搭載している。「明るく」「暗く」「モノクロ」「セピア」「アンティーク調」「ビンテージ調」「鮮やか」「温かく」「シネマ調」のフィルターをかけられるという機能だ。一方EP-30VAはトリミングや赤目補正他、「作品印刷機能」と呼ぶ機能を搭載しており、「明るさ」「コントラスト」「鮮やかさ」の他、レッド、グリーン、ブルーのそれぞれの色調を調整できる。PIXUS XK70と異なり、+4から-4の9段階で調整が可能だ。さらに「レトロ」「セピア」「トイフォト」「ハイキー」「ポップ」「デイドリーム」「モノクロ」「クロスプロセス」といった8種類のフィルターを適用することもできる。また、写真も一般的なフチなし、フチあり(白フチ)だけでなく、黒フチや、黒枠付きの白フチ、白枠付きの黒フチ、カラーのフチも選べる。白フチか黒フチの場合はフチの太さも4段階から選択可能だ。もちろんトリミングや赤目補正機能も搭載する。また液晶画面上での調整では印刷時に異なる場合があるため、選んだ写真の色補正一覧を印刷し、その中から好みの物を選ぶことができる機能も備える。また、Exif情報と共に写真一覧を印刷できる機能も備える。PIXUS XK70に対して、EP-30VAの自由度はかなりのものだ。また、作り込んだ写真を、別名でメモリーカードに保存できるのもPIXUS XK70に対してのアドバンテージだ。一方、作品印刷をうたっていないEW-M752Tでもトリミングや赤目補正、フチあり・フチなし選択以外に、明るさ、コントラスト、シャープネス、鮮やかさが5段階から調整ができる他、やセピア調又はモノクロのフィルターにも対応している。フチの種類もカラーフレーム以外はEP-30VAと同等で、フチの太さも4種類から選べる。ある意味PIXUS XK70よりも高機能だと言えるだろう。PIXUS XK60はトリミングと赤目補正、フチあり・フチなし選択のみとなる。ダイレクト印刷時の色調整機能はEP-30VAの機能が圧倒的に豊富で、EW-M752Tもかなり高機能なのに対して、PIXUS XK70はある程度のフィルターが適用可能で、PIXUS XK60は基本のみと言った感じだ。
 ダイレクト印刷時の機能として代表的な手書き合成シートは4機種とも対応している。またPIXUS XK70/PIXUS XK60は写真やハガキだけでなくCD/DVD/Blu-rayレーベルの手書き合成にも対応している。その他、EP-30VAEW-M752Tは塗り絵風の輪郭だけの印刷や、罫線、マス目、便箋、スケジュール帳、五線譜、メッセージカードなどが印刷できるフォーム印刷機能、さらに写真を1〜数枚並べたフォトブックを印刷する機能や、写真を1枚又は複数枚並べてディスクのレーベル面に印刷できる機能も搭載する。さらにEW-M752Tは、ラッピングやブックカバーなどに使える全面模様の用紙を印刷できる「デザインペーパー印刷」、3種類の証明写真サイズの写真印刷ができる「証明写真印刷」、ラベル用紙に印刷して複数面のシールにできる「シール印刷」、背景柄や複数の写真を組み合わせられる「写真コラージュ」、複数枚の写真を使ってCDのジャケットを作成できる「CDジャケット印刷」なども搭載され、機能が豊富だ。一方のPIXUS XK70/PIXUS XK60では写真をはめ込んだ「カレンダー印刷」機能や、レポート用紙、原稿用紙、スケジュール帳、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳が印刷できる「定型フォーム印刷」、ディスクレーベルに印刷する機能を搭載している。PIXUS XK60はカラフルなパターンを印刷してスクラップブックの台紙やブックカバーなどに使える「組み込みパターンペーパー」も印刷できる。4機種とも単体でも機能は豊富であるといえるが、EW-M752Tは特に機能が豊富と言える。

スマートフォン/クラウド対応
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
スマートフォン連携
アプリ
メーカー専用
EPSON iPrint
EPSON iPrint
EPSON Smart Panel
Canon PRINT Inkjet/SELPHY
Canon PRINT Inkjet/SELPHY
AirPrint
対応端末
iOS 10.0以降
Android 5.0以降
iOS 10.0以降
Android 5.0以降
(EPSON Smart Panel使用時のiOSは11.0以降)
iOS 11.0以降
Android 4.4以降
iOS 11.0以降
Android 4.4以降
スマートスピーカー対応
○(Alexa/Googleアシスタント)
○(Alexa/Googleアシスタント)
○(Alexa/Googleアシスタント/LINE Clova)
○(Alexa/Googleアシスタント/LINE Clova)
Wi-Fiダイレクト接続支援機能
○(NFC)
○(QRコード読み取り(iOS)/アプリ上で選択して本体で許可(Android))
○(Bluetooth)
○(Bluetooth)
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
プリント
アプリ経由/本体
○/−
○/−
○/○
○/○
オンラインストレージ
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom)
SNS
○(Instagram/Facebook・コメント付き可)
○(Instagram/Facebook・コメント付き可)
○(Instagram/Facebook・コメント付き可)
○(Instagram/Facebook・コメント付き可)
写真共有サイト
○(googleフォト/image.canon)
○(googleフォト/image.canon)
スキャン
アプリ経由/本体
○/○
○/○
○/○
○/○
スキャンしてオンラインストレージにアップロード
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
メールしてプリント
○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文)
○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文)
LINEからプリント
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント

 スマートフォン・クラウド対応機能を見てみよう。iOSとAndroid端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。メインで使用すると思われる写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もでき便利だ。また、スマートフォン上からスキャンを実行し、データーをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。新聞や雑誌、手書きの情報などをスマートフォンに電子化するといった使い方ができるため便利だろう。なお、iPhoneやiPadの場合、AirPrintを利用したプリントも可能だ。
 スマートフォンとの接続は、無線LAN(Wi-Fi)で行うが、無線LANルーターを経由する方法と、ダイレクトに接続する「Wi-Fiダイレクト」(キャノンの名称はダイレクト接続)が選べる。無線LANルーターを経由する方が、機能面でも制限が無く、印刷する度にプリンターと接続と切断を繰り返すのWi-Fiダイレクトと比べると便利なので、こちらを利用するのがお勧めだが、無線LANルーターが無い環境で使用する場合や、一時的に同じネットワークに入っていない他人にプリンターを使わせる場合にWi-Fiダイレクトは便利だ。Wi-Fiダイレクトの接続設定は手動でもそれほど難しくは無いが、EP-30VAはNFC、EW-M752TはQRコード、PIXUS XK70/PIXUS XK50はBluetoothを利用した接続支援機能が提供される。EP-30VAの場合は、対応機種はNFC対応のAndroidに限られるが、タッチするだけでパスワード入力などが不要で接続出来る。EW-M752Tは、iOSの場合は本体の液晶に表示されるQRコードを読み込めば接続が完了し、Androidの場合は一覧から選んで、本体の液晶にメッセージが表示されるので接続の許可を選べば接続が完了する。セキュリティーキーの入力などが不要で、設定はより簡単になっている。PIXUS XK70/PIXUS XK50のBluetooth接続は、Bluetoothで直接印刷データーを送信するのではなく、接続自体はWi-Fiだが、あらかじめBluetoothでペアリングしておけば、Wi-Fiダイレクトの設定が簡単に行えるというものだ。こちらもAndroid限定だ。使う機会は限定されるとはいえ、少しでも簡単に接続できるよう工夫さえれている点は評価できる。
 さらに、クラウドとの連携機能も4機種とも搭載されている。プリントの場合、オンラインストレージのファイルを印刷したり、SNSの写真を印刷する事ができる。SNSの写真はコメント付きでも印刷が可能だ。またPIXUS XK70/PIXUS XK60は写真共有サイトからの印刷も可能だ。ここで大きな違いは、エプソンのの2機種はスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、キャノンの2機種はスマートフォン上だけでなくプリンター本体の操作でも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、選択肢が広いという点ではキャノンの2機種が便利だ。スキャンの場合、スキャンしてオンラインストレージへアップロードできる。こちらはプリントとは異なり、4機種とも本体の操作でアップロードまで行うことも、スマートフォンからスキャンしてアップロードすることもできる(OneDriveはスマートフォン用アプリ経由)。アプリをわざわざ立ち上げなくても、サッとスキャンしてアップロードできるため便利だ。
 さらに、クラウドとの連携機能も4機種とも搭載されており、オンラインストレージのファイルを印刷したり、逆にスキャンしてオンラインストレージにアップロードしたり、SNSの写真を印刷する事ができる。SNSの写真はコメント付きでも印刷が可能だ。またPIXUS XK70/PIXUS XK60は写真共有サイトからの印刷も可能だ。ここで大きな違いは、EP-30VA/EW-M752Tはスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、PIXUS XK70/PIXUS XK60はスマートフォン上だけでなくPIXUS XK70/PIXUS XK60本体の操作でも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、選択肢が広いという点ではPIXUS XK70/PIXUS XK60が便利だ。
 さらにネットワークを利用したプリント機能として、EP-30VA/EW-M752Tは、印刷したい写真や文書を添付してこれらの機種にメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、LINE上でプリンターを友達登録し、トーク画面から写真を送信すると印刷される「LINEからプリント」、スキャンして離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」、パソコンやスマートフォンから通常のプリントと同じ操作で、外出先など離れた場所から自宅のこれらの機種で印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。一方のPIXUS XK70/PIXUS XK60はLINEのトーク画面から印刷する「PIXUSトークプリント」のみ対応している。リモートプリント機能はEP-30VA/EW-M752Tの方が豊富だと言える。

コピー機能
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
等倍コピー
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
○(25〜400%)
○(25〜400%)
○(25〜400%)
オートフィット
定型変倍
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
○(退色復元対応)
○(退色復元対応)
○(色あせ補正対応)
○(色あせ補正対応)
割り付け(2面/4面)
○/−
○/−
○/○
○/○
その他のコピー機能
プレビュー
濃度調整
背景除去機能
コントラスト調整
鮮やかさ調整
色調補正(レッド・グリーン・ブルー個別)
シャープネス調整
色相調整
プレビュー
濃度調整
背景除去機能
プレビュー
濃度調整
プレビュー
濃度調整
バラエティコピー
本を開いて割り付けコピー
本を開いて両面コピー
ミラーコピー
塗り絵コピー
見開きコピー
IDコピー
ミラーコピー
塗り絵コピー
リピートコピー
枠消しコピー
IDコピー
コピー予約
枠消しコピー
IDコピー
コピー予約

 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、4機種とも単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」機能や、原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「定型変倍」機能、さらに25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載した高性能な物だ。また、CD/DVD/Blu-rayレーベルプリントに対応した3機種は、レーベルコピーに対応している。また原稿面に写真を複数枚置き、焼き増し風のコピーを行うことも出来る。この際、EP-30VA/EW-M752Tは「退色復元」、PIXUS XK70/PIXUS XK60では「色あせ補正」と名称は異なるが、両機種とも昔の色あせした写真も自動で補正してくれる機能も備えている。また、4機種とも2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2面割り付けにも対応する。さらにPIXUS XK70/PIXUS XK60では4枚の原稿を1枚に縮小する4面割り付けにも対応している。
 濃度調整機能は4機種とも搭載する。また、プレビュー機能も4機種とも搭載しており、コピー前に原稿を確認できるため失敗が少なくなるほか、プレビュー画像を見て拡大・縮小率を調整できる。その他、EP-30VAは、背景色を白にして見やすくする「背景除去機能」の他、コントラスト、鮮やかさ、色調、シャープネス、色相の調整が可能だ。色調調整は、レッド・グリーン・ブルーを個別に調整できる。かなり高度な色の調整が可能だ。それに対してEW-M752Tはプレビューと濃度調整以外は「背景除去機能」のみ、TR9530はプレビューと濃度調整のみで、細かな調整はできない。
 その他、EP-30VA/EW-M752Tはコピー時にも「塗り絵印刷」が行える他、アイロンプリント紙への印刷時に使える「ミラーコピー」、さらにA4又はB5の見開きの本を左右ページで別々にスキャンして、1枚に2面割付コピーする「本を開いて割り付けコピー」又は「見開きコピー」も搭載する。通常の2面割付と同じ機能のようだが、本の場合は右ページと左ページをスキャンする際で向きが逆になってしまうが、片方を180度回転させて同じ向きにして並べられる。1枚に2面割り付けするのでは無く両面印刷も可能だ。さらに、EW-M752Tは、「リピートコピー」と「IDコピー」機能も搭載する。前者は、同じ内容を複数枚並べてコピーするもので、2面割り付けと異なり、1枚の原稿を複数枚並べるので、チラシや手書きメモ、名前シールなどのコピーに便利だ。後者は、免許証などの裏表をそれぞれスキャンして1枚の紙に上下に並べて印刷する機能だ。一方、PIXUS XK70/PIXUS XK60には厚手の原稿など原稿台のカバーが浮いてしまう場合に黒くなる部分を消去する「枠消しコピー」機能と「IDコピー」機能の他、コピー実行中でも次の原稿の読み取り操作ができる「コピー予約」も可能だ。それぞれ機能は異なるが、複合機単独で様々なコピーが行えるよう工夫されている。

操作パネル/インターフェース/本体サイズ
型番
EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60
製品画像
液晶ディスプレイ
4.3型
(90度角度調整可)
4.3型
(90度角度調整可)
5.0型
(90度角度調整可)
4.3型
(90度角度調整可)
操作パネル
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/a/g/b
5GHz帯対応
(ダイレクト接続対応)
IEEE802.11n/a/g/b
5GHz帯対応
(ダイレクト接続対応)
有線LAN
100BASE-TX
100BASE-TX
対応OS
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.10.5〜(AirPrint利用)
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.11.6〜(AirPrint利用)
耐久枚数
N/A
5万枚
N/A
N/A
外形寸法(横×奥×高)
390×341×141mm
390×339×166mm
372×324×140mm
(前面給紙カセット伸張時372×359×140mm)
373×319×140mm
(前面給紙カセット伸張時373×364×140mm)
重量
7.0kg
6.3kg
6.7kg
6.6kg
本体カラー
ブラック
ホワイト
グレーメタリック
メタリックシルバー

 操作パネルは4機種ともタッチパネル液晶を基本とする点では同じである。スタートや戻ると言ったボタンも液晶内に表示されるので、物理的なボタンは電源ボタンのみというのも同じだ。本体前面に配置され、液晶ディスプレイだけでなく操作パネル全体を持ち上げて角度調整が可能なのも4機種共通だ。最大90度まで起こすことができるので、垂直から水平まで見やすい角度で操作ができるよう工夫されている。液晶サイズはPIXUS XK70が5.0型、それ以外の3機種が4.3型となる。PIXUS XK70が最も大きいが、4.3型でも十分大画面であるため、操作性は良好だ。
 インターフェースは4機種ともUSB2.0に加えて、無線LANに対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、無線LAN(Wi-Fi)ルーターで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。その場合、プリンターを無線LANルーターに接続しておけば、家庭内のどのパソコンでもプリント可能となり非常に便利だろう。またネットワーク接続をすればスマートフォンやタブレットからの印刷も便利になる。またWi-Fiダイレクト(PIXUS XK70/PIXUS XK60はダイレクト接続という名称)に対応しているため、無線LANルーターの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も4機種共通の便利な点だ。さらに、EP-30VAPIXUS XK70は有線LAN接続にも対応する。環境や距離の面で無線LANでは不安定だったり、接続設定などなく簡単に接続したい場合に有線LAN接続ができるとより便利だろう。一方無線LAN機能にも差があり、EP-30VAEW-M752TはIEEE802.11n/g/b規格に対応するが、PIXUS XK70/PIXUS XK60はIEEE802.11n/a/g/bに対応する。IEEE802.11n/g/bは2.4GHz帯を使用しており、障害物には強いが電子レンジや電話の子機、無線のマウスやBluetoothなどと干渉しやすい問題がある。その点でPIXUS XK70は5GHz帯のIEEE802.11a/nに対応しており、電波干渉を避けられる。安定した方を選べるという点で便利と言えるだろう。
 対応OSはメーカーによる差が大きい。エプソンのEP-30VAEW-M752TはWindows XP SP3以降は全て対応する。MacOSもダウンロード対応とはなるが10.6.8以降に対応する。マイクロソフトのサポートの終了したWindows XPやVistaにも対応するのは安心だ。一方、キヤノンのPIXUS XK70PIXUS XK60はWindows 7 SP1/8.1/10のみの対応だ。Windows XPやVistaだけでなく、Windows 8も非対応である点は注意が必要だ。MacOSもPIXUS XK70は10.10.5以降、PIXUS XK60は10.11.6以降と限られるだけでなく、ドライバーはキヤノンからは提供されず、AirPrintを使用する方法となっているため、インク残量確認や一部の印刷設定、本体の動作設定ができない点でWindowsで利用する場合に比べて不便になっている
 本体サイズを見てみよう。EP-30VAが390×341×141mm、EW-M752Tが390×339×166mm、PIXUS XK70が372×324×140mm、PIXUS XK60は373×319×140mmとなる。EP-30VAEW-M752Tは高さ以外のサイズはほとんど同じで、エコタンク搭載と言えども本体が大きいわけでは無い。一方、PIXUS XK70/PIXUS XK60EP-30VAを比べると、僅かずつだが全体にPIXUS XK70/PIXUS XK60が小さい。ただしPIXUS XK70/PIXUS XK60は前述のようにA4用紙を前面給紙カセットにセットする場合は、カセットが前に飛び出る。その場合の奥行きはPIXUS XK70が359mm、PIXUS XK60は364mmとなる。また背面給紙を利用する場合は後方にも上方にもスペースが必要だ。EP-30VAEW-M752Tは基本的に前面給紙カセットだけで使えるし、背面手差しも後方にスペースが無く、壁にくっつけた場合でも給紙されるまで用紙を手で支えてやれば使用できる。PIXUS XK70/PIXUS XK60で背面給紙を使わない(=普通紙印刷しかしない)とは考えにくいため、奥行きに関しては使用時を考えるとEP-30VAEW-M752Tの方が小さい場合が多く、横幅に関してはPIXUS XK70/PIXUS XK60の方がやや小さいと言った感じだ。使用時のことも考えて検討したいところだ。
 ちなみ本体色のカラーバリエーションはないが、EP-30VAはブラック、EW-M752Tはホワイト、PIXUS XK70はグレーメタリック、PIXUS XK60はメタリックシルバーとかなり異なる。ちなみに同じメタリックと付いていても、PIXUS XK70は落ち着いたメタリック、PIXUS XK60は金属感の強いハデ目のメタリックだ。



 4機種の内、一番特殊なのはEW-M752Tだ。画質や機能では他の3機種と比べれば、やや劣るが、印刷コストが安い。つまり、写真をできるだけ綺麗に印刷したいのでは無く、十分綺麗な画質で大量印刷したいという人には最適な機種だ。他の3機種より劣るとは言え、最小インクドロップサイズは非常に小さいため、十分高画質に印刷できる。また、書類やホームページなど文書印刷やチラシの印刷、コピーを大量にしたいという人にも最適な機種だろう。前面給紙カセットが1段という点や、レーベル印刷機能がない点などに問題が無ければ、印刷コストが安いというだけで無く、インクボトルの価格が安いことから、インク購入時の金銭的負担も軽いのも魅力だ。残る3機種は似た方向性の機種なので選びにくい。そこで、「どの程度写真をこだわって印刷するか」が重要となる。より綺麗な写真を印刷したい、または色補正などをこだわりたいという場合はEP-30VAだ。レッドインクとグレーインクを含む6色に加えてLCCSにも対応し画質は通常の6色機よりワンランク上で、PIXUS XK70/PIXUS XK60よりも画質は上だ。また、写真編集機能も豊富だ。単体でかなりこだわった写真印刷ができる。一方、写真は一般的なレベルで綺麗に印刷したいし、手軽に写真や文書を印刷したいが、印刷コストは安い方が良く、多少は色補正もしたいという人にはPIXUS XK70がおすすめだ。EP-30VAほどこだわった写真補正機能は搭載しておらず、写真の画質もEP-30VAほどではないが、基本的な機能は高いレベルで搭載している。印刷速度はEP-30VAより高速なので、枚数が多くても気軽に印刷できる。PIXUS XK60は微妙な立ち位置だ。PIXUS XK70のようなクリエイティブプリント機能を搭載しているわけではなく、大きな特徴が無い。そのわりにPIXUS XK70の価格が下がってきているので、下位モデルながら価格的なメリットは無い。新機種という事で「用紙幅チェック機能」と「ネイル印刷機能」を搭載しているとは言え、決め手になるほどの機能では無い。PIXUS XK60を購入するならPIXUS XK70がおすすめだが、今後PIXUS XK60の価格が下がってきた場合は、下位モデルのPIXUS TS8330並みの機能で十分だが、印刷コストは抑えたいという人向けにはおすすめできるだろう。


(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/
キャノンhttp://canon.jp/


EP-30VA
EW-M752T
PIXUS XK70
PIXUS XK60