プリンター徹底比較
2019年末時点のプリンター
〜エプソンとキャノンのプリンターを比較〜
(2020年4月20日公開・8月1日更新)

プリンター比較の記事は、新製品が数多く発表される「年末」と「春」の2回に掲載しています。
古い記事も過去の情報として利用できると考え、新製品を掲載したものは、新たな記事として掲載していますので、現在この記事は既に古くなっている可能性があります。
プリンター比較を参考にされる方は、プリンター徹底比較の一覧ページより、最新のものをご覧ください。


ファクス付きA4複合機(カートリッジ方式・2万円前後)
 
 ファクス機能付きA4複合機の中でやや低価格な2万円前後の機種である。エプソンのPX-M780F(19,980円)とPX-M680F(17,980円)、キャノンのMAXIFY MB2730(19,880円)が該当する。ほぼ同価格のPX-M780FMAXIFY MB2730が直接のライバル製品だが、2,000円安いPX-M680Fはどういった違いがあるのかも併せて詳しく見ていこう。

プリント(画質・速度・コスト)
型番
エプソン
エプソン
キャノン
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
実売価格(メーカーWeb/税抜き)
19,980円
17,980円
19,880円
インク
色数
4色
4色
4色
インク構成
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
各色独立
各色独立
各色独立
顔料/染料系
顔料
(つよインク200X)
顔料
(つよインク200X)
顔料
(MAXIFY用新顔料インク)
インク型番
84番(大容量)
83番(標準容量)
86番(大容量)
85番(標準容量)
1300XL番(大容量)
1300番(標準容量)
ノズル数
3200ノズル
1568ノズル
4352ノズル
各色:800ノズル
カラー:各256ノズル
黒:800ノズル
カラー:各1024ノズル
黒:1280ノズル
最小インクドロップサイズ
2.8pl(MSDT)
2.8pl(MSDT)
N/A(カラー5pl/ブラック11pl?)
最大解像度
4800×1200dpi
4800×2400dpi
600×1200dpi
PrecisionCoreプリントヘッド
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
N/A
N/A
N/A
A4普通紙カラー(ISO基準)
20.0ipm
10.0ipm
15.5ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
20.0ipm
20.0ipm
24.0ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
N/A
N/A
N/A
A4カラー文書
7.3円
11.4円
8.9円
A4モノクロ文書
2.2円
3.2円
3.1円

 それでは、プリントの画質・速度・コスト面を見てみよう。3機種とも4色インク構成で、全色顔料インクという点で共通だ。顔料インクは普通紙への印刷時に染料インクのような用紙へのしみこみが少なく、インクが広がりにくいので、クッキリとしたメリハリのある印刷が行えるというメリットがある。そのため、細かな線や小さな文字、中抜き文字もつぶれず綺麗に印刷できる。また、耐水性も高いというメリットもあり、濡れた手で触ったりマーカーで線を引いても滲まない点も便利である。そのため、パソコンから普通紙への印刷や、普通紙コピー、年賀状印刷に向いている他、ファクス機能を使う時も、受信したファクスを普通紙に印刷する際に高画質、高耐水で印刷が出来る。さらに、PX-M780FPX-M680FはPrecisionCoreプリントヘッドの採用により普通紙への印刷解像度を360dpiから600dpiへアップした他、普通紙印刷時の発色やエッジ処理にも工夫がなされ、普通紙印刷の画質は非常に高くなっている。一方MAXIFY MB2730も特に黒の濃度が高くなっているという事で、印刷画質は高い。ただし、顔料インクにはデメリットもあり、写真用紙に印刷すると、発色はあまり良くなく、また写真用紙本来の光沢感も薄れポストカードのような鈍い光り方になってしまう。その点で普通紙に特化したインク構成と言える。またインクジェット用の用紙の内、一部で顔料インクに非対応のものもあるので注意が必要だ。
 なお、写真印刷には向かないとはいえ、文書中に写真やイラストが入っていることもあるし、写真用紙には印刷しなくても、ファイン紙やインクジェットハガキに印刷する事もあるだろう。そこで印刷画質を見てみよう。PX-M780Fの印刷解像度は4800×1200dpi、PX-M680Fは4800×2400dpiと比較的高めだが、両機種とも最小インクドロップサイズはやや大きい2.8plとなっている。染料インクの家庭用の機種では印刷解像度は5760×1440dpiで、最小インクドロップサイズは1.5pl程度なので、最小インクドロップサイズの面で大きく劣る。画質面では印刷解像度より最小インクドロップサイズの方が影響が大きく、その点で差は大きい。逆に印刷解像度はPX-M680Fの方が上だが、この程度であれば画質に影響するほどでは無い。2.8plというのは、十分高画質に印刷できるが、粒状感はある程度感じてしまうだろう。一方、MAXIFY MB2730は最小インクドロップサイズは非公表ながら、海外の同機能のモデルがカラー5pl、ブラック11plとなっており、これと同等である可能性が高い。ビジネス向けの機種の中でも特に大きいといえる。印刷解像度が600×1200dpiと低い事から、完全に普通紙専用という考え方だろう。ただ、最小インクドロップサイズがここまで大きいと、普通紙印刷でも文字以外の写真やグラフなどでは粒状感がPX-M780F/PX-M680Fより目立つ可能性がある。
 使用するインクは、PX-M780F/PX-680Fが「つよインク200X」で、アルバム保存300年、耐光性45年、耐オゾン性30年と、非常に高くなっている。画質面では写真向けとは言えないが、耐保存性の面では問題ない。MAXIFY MB2730は「MAXIFY用新顔料インク」となっており、耐保存性に関する記載は一切無い。文書印刷特化なので写真の耐保存性にはあまりこだわっていないことが予想される。ちなみに、3機種とも各色独立インクとなっており、なくなった色だけ交換できる。
 印刷速度に関しては、写真の印刷速度は3機種とも非公表なので、文書の印刷速度を比べてみよう。PX-M780Fのノズル数は、カラー、ブラック共に800ノズルと、エプソンとしてはかなり多くなっており、さらに3つのサイズのインクを打ち分ける事で画質と速度の両立を図るMSDTに対応しており、印刷する場所によって大きなドットを打つ事でも高速化を図っている。そのためA4カラー文書、モノクロ文書共に20ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)とインクジェットプリンターの中でも非常に高速になっている。PX-M680Fは同じくMSDTに対応しており、ブラックインクは同じ800ノズルなので、A4モノクロ文書は20ipmと同等になっているが、カラーインクは256ノズルと減っている事が影響して、 A4カラー文書は10ipmと半分になっている。MAXIFY MB2730はカラーが各1024ノズル、ブラックが1280ノズルとなっており、1枚目の印字中に2枚目を重ねて搬送させる「重ね連送」機能を搭載する事で高速化を図り、カラー文書が15.5ipmとモノクロ文書は24ipmとこちらも非常に高速になっている。モノクロに関してはMAXIFY MB2730が、カラーに関してはPX-M780Fの方が高速という結果だ。モノクロとカラーのどちらを多く印刷するかで、どちらの機種が便利かは変わってくる。PX-M680FPX-M780FMAXIFY MB2730と比べると劣るが、十分に高速で、よほど印刷速度にこだわらなければストレスを感じるほどでは無いだろう。
 最後に印刷コストだが、PX-M780Fは特に大容量のインクを用意しており、印刷コストもかなり安くなっている。PX-M780Fの場合、大容量の84番インクで、ブラックインクは2,600ページ、カラーインクは1,900ページ印刷が可能だ。価格はブラックが4,980円、カラーが各3,300円となる。印刷コストは、A4カラー文書で7.3円、A4モノクロ文書で2.2円とインクジェットプリンターとしてはかなり安い方で、レーザープリンターなどと比べても安いといえる。一方PX-M680FPX-M780Fとは異なるインクで、大容量の86番インクでも、印刷可能枚数はブラックインクは1,100ページ、カラーインクは600ページとかなり少なくなる。価格はブラックが3,780円、カラーが各1,590円と、印刷枚数の差ほどは価格差がない。そのため印刷コストは、A4カラー文書で11.4円、A4モノクロ文書で3.2円とやや高くなる。MAXIFY MB2730も上位モデルのMAXIFY 5000番台の製品とは異なるインクカートリッジとなっており、大容量の1300XLインクで、ブラックは1,200枚、シアン1,020枚、マゼンダ780枚、イエロー935枚と上位機種より少なくなっている。ブラックが3,500円、カラーが1,790円となる。PX-M680Fに近い印刷枚数と価格である。そのため印刷 コストはA4カラー文書で8.9円、A4モノクロ文書で3.1円となる。カラーはPX-M780FPX-M680Fの間、モノクロはPX-M680Fとほぼ同じだ。これを見ると、PX-M780Fの印刷コストの安さが際立つ。特にモノクロプリント専用なら、PX-M780Fは他の2機種に比べてかなりお得だろう。

プリント(給紙・排紙関連)
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
対応用紙サイズ
L判〜A4
L判〜A4
L判〜A4
(フチ無し印刷非対応)
給紙方向
(セット可能枚数(普通紙/ハガキ/写真用紙))
背面
前面
【カセット】
(250枚/50枚/20枚)
【カセット】
(250枚/50枚/20枚)
【カセット上段】
(250枚/40枚/20枚)
【カセット下段】
普通紙のみ・A4/レター/リーガル
(250/−/−)
その他
排紙トレイ自動開閉
用紙種類・サイズ登録
○(カセット収納連動)
○(カセット収納連動)
○(カセット収納連動)
用紙幅チェック機能

 続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。使用できる用紙は3機種ともL判からA4までとなる。ただしMAXIFY MB2730はフチなし印刷を行う事ができない点は注意が必要だ。MAXIFY MB2730は写真印刷には元々向いていないが、フチなしデザインのハガキや、チラシなどの他、背景色をフチなしで印刷したい場合などにはMAXIFY MB2730以外の機種を選ぶことになる。
 給紙に関しては、3機種とも前面給紙カセットを基本としている。ビジネス向けと言う事もあり、カセット1段にA4用紙を250枚までセット可能となっており、家庭向けより大容量という点も3機種とも同等だ。カセット式の場合、用紙をセットしたままでもホコリが積もりにくく、常時セットしておくような使い方に最適だ。また、背面にスペースが不要という点でもメリットがある。このカセットがPX-M780FPX-M680Fは1段だが、MAXIFY MB2730は2段となっているのが大きな違いだ。下段は普通紙のみで、A4/レター/リーガルサイズのみという制限があるが、下段にA4普通紙、上段にB5普通紙など異なる用紙をセットして使い分ける際に便利だし、上下段ともA4普通紙をセットしておき500枚まで使えるようにするという方法もある。用途によっては非常に便利だろう。ちなみにPX-M780F/PX-M680Fの前面給紙カセットは少し前に飛び出した状態で固定で、デザイン上もそれを基準に作られている。MAXIFY MB2730の場合はカセットを縮めて本体に完全収納状態にできるが、その状態ではいずれのサイズの用紙もセットできないため、基本的にはカセットを伸ばした状態で使う事になるだろう。その場合、本体から70mm飛び出ることとなる。
 3機種とも用紙種類とサイズの登録機能を搭載している。いずれも前面給紙カセットを挿し込むと自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。そして、この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。また、液晶ディスプレイでメニューから手動で登録も可能である。PX-M780F/PX-M680Fは、印刷時に実際の用紙幅をセンサーでチェックする機能もあり、設定より用紙サイズが小さい場合に、用紙外にインクを打ってしまいプリンター内部が汚れるのを防ぐ事が出来る。

プリント(付加機能)
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
自動両面印刷
○(普通紙のみ)
○(普通紙のみ)
○(普通紙のみ)
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能
○(オートフォトファイン!EX)
○(オートフォトファイン!EX)
特定インク切れ時印刷
○(黒だけでモード・5日間のみ)
○(黒だけでモード・5日間のみ)
自動電源オン/オフ
−/○
−/○
○(時刻指定)/○(時刻指定)
廃インクタンク交換/フチなし吸収材エラー時の印刷継続
○/−
−/−
−/−

 その他、プリントの付加機能を見てみよう。自動両面印刷機能は3機種とも搭載している。ただし、いずれも普通紙のみの対応であり、ハガキの両面印刷は行えない点は注意が必要だ。また、PX-M780F/PX-M680Fは「オートフォトファイン!EX」という自動写真補正機能も備えている。これは、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる機能であり、気楽に写真印刷が行える。
 自動電源オン/オフ機能は機種により状況が異なる。PX-M780F/PX-M680Fは自動電源オン機能は搭載せず、自動電源オフ機能のみ搭載となる。指定した時間が経つと自動的に電源がオフになるため切り忘れの心配が無い。一方、MAXIFY MB2730は自動電源オン・オフというよりは、時間指定による電源オン・オフが設定できる。オフィスの就業時間や、商店の営業時間などに合わせて決まった時間に電源を入れ、決まった時間に電源が切れるというものである。ある意味オフィス向けという機種では、この機能は便利な場合もあるだろう。
 一方、PX-M780Fの便利が、廃インクタンク(メンテナンスボックス)をユーザーが交換できる機能だ。廃インクタンクはクリーニングの際に排出されるインクを貯めておくタンクで、多くの機種は満タンになるとメッセージが表示され修理に出して交換するまで一切のプリントが止まってしまう。一方、PX-M780Fはインクカートリッジなどと一緒に交換用メンテナンスボックスが売られており(1,800円)、交換すれば印刷が再開できる。安くすむだけでなく、プリンターが手元に無い期間が無くなるため便利だ。ただし、フチなし印刷時に、用紙外にはみ出すインクを吸収させる「フチなし吸収材」 (用紙が通る部分のプラスチックが一部欠けておりその下にクッションのような吸収材)が満タンになった際には修理対応となる。

スキャン
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
読み取り解像度
1200dpi
1200dpi
1200dpi
センサータイプ
CIS
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
ADF
原稿セット可能枚数
35枚
35枚
50枚
原稿サイズ
A4/レター/リーガル
A4/レター/リーガル
216×356mm〜148×148mm
両面読み取り
読み取り速度
カラー
8.0ipm
7.0ipm
N/A
モノクロ
12.0ipm
7.0ipm
N/A
スキャンデーターのメモリーカード保存
○(JPEG/PDF・USBメモリーのみ)
○(JPEG/PDF・USBメモリーのみ)
○(JPEG/PDF・USBメモリーのみ)

 続いて、スキャナー部を見てみよう。解像度は3機種とも1200dpiのCISスキャナーを搭載しており同等だ。家庭向けにはもっと高解像度の機種があるが、紙などの反射原稿しかスキャンできないことを考えると1200dpiでも十分だ。一般的には文書なら200〜300dpi、写真なら300〜600dpi程度で、よほど綺麗に保存したい場合に1200dpiでスキャンすると言った程度だ。実際写真サイズを1200dpiで取り込むと約4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当なので十分といえる。逆にスキャナー解像度が高いセンサーでは1ドットあたりの光の取り込み量が減り、スキャン速度が低下したりノイズが発生したりするため、バランスを取って1200dpiとしていると思われる。なお、3機種ともCIS方式であるため、分厚い本など浮いてしまう原稿は苦手で、ピントが合わずぼけたような画像となってしまう点は共通だ。
 また、3機種ともスキャンした原稿をパソコンを使わずにUSBメモリーに保存する機能を搭載している。パソコン無しで簡単にスキャンが行えるできるため便利だ。JPEG又はPDF形式での保存に対応している。そしてファクス付きモデルと言うことで3機種ともADFを搭載している。セット可能枚数はPX-M780F/PX-M680Fは35枚まで、MAXIFY MB2730は50枚までと差はあるが、いずれも片面スキャンとなる。上位機種のように両面スキャンには対応しない。またスキャンスピードにも違いがある。PX-M780Fはカラーが8.0ipm(image per minute:1分間にスキャン可能な面数)、モノクロが12.0ipmである。それに対してPX-M680Fはカラー、モノクロ共に7.0ipmだ。カラーの差はそれほどでは無いが、モノクロの差は大きい。プリント速度はスキャン速度を上回っているため、ADFを利用したコピーの場合、スキャン速度が足を引っ張ることになる。モノクロコピーの速度を重視するならPX-M780Fの方が便利だろう。なお、MAXIFY MB2730はスキャン速度を公表していない。

ダイレクト印刷
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
ダイレクトプリント
メモリーカード
USBメモリー

(外付けHDD対応)

(外付けHDD対応)
赤外線通信
対応ファイル形式
JPEG/TIFF/PDF(スキャン to 外部メモリー機能で作成したPDFのみ)
JPEG/TIFF/PDF(スキャンto外部メモリー機能で作成したPDFのみ)
JPEG/TIFF/PDF(本機でスキャンしてUSBメモリーに保存したPDFのみ)
色補正機能
フチなし/フチあり
赤目補正
フチなし/フチあり
赤目補正
手書き合成
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ
−/−
−/−
−/−
PictBridge対応
各種デザイン用紙印刷

 ダイレクト印刷機能を見てみよう。とは言っても、メモリーカードからのダイレクト印刷には対応せず、USBメモリーのみ対応となる。そのため、デジタルカメラの写真を印刷するというよりは、前述のスキャンしてUSBメモリーに保存したデーターを印刷する場合などが想定されているだろう。対応ファイル形式も一般的なJPEGとTIFFに加えて、3機種ともスキャンしてUSBメモリーに保存する際にPDF形式で作成したファイルからの印刷にも対応しているのも、こういった使い方が想定されているからだろう。なおこれら3機種も、写真も印刷できないわけではない。USBメモリーに写真を入れておけば一覧から写真を選んで写真のダイレクト印刷ができる。特にPX-M780F/PX-M680Fの場合、フチなし・フチありの切り替えや赤目補正だけでなく、写真補正機能「オートフォトファイン!EX」も利用可能で、ある程度の機能を備えている。フチなし印刷ができるPX-M780F/PX-M680Fは画質さえ多少劣るのを許容できれば、USBメモリーからのダイレクト印刷機能は十分に使えるレベルである。一方のMAXIFY MB5130はこれらの機能は搭載しておらず、やはりスキャンしてUSBメモリーに保存した文書の再印刷が目的と考えられる。

スマートフォン/クラウド対応
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
スマートフォン連携
アプリ
メーカー専用
EPSON iPrint
EPSON iPrint
Canon PRINT Inkjet/SELPHY
AirPrint
対応端末
iOS 10.0以降
Android 5.0以降
iOS 10.0以降
Android 5.0以降
iOS 11.0以降
Android 4.4以降
スマートスピーカー対応
○(Alexa/Googleアシスタント)
○(Alexa/Googleアシスタント)
○(Alexa/Googleアシスタント)
Wi-Fiダイレクト接続支援機能
○(NFC)
○(NFC)
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
プリント
アプリ経由/本体
○/−
○/−
○/○
オンラインストレージ
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom)
SNS
○(Instagram/Facebook・コメント付き可)
○(Instagram/Facebook・コメント付き可)
N/A
写真共有サイト
N/A
スキャン
アプリ経由/本体
○/○
○/○
○/○
スキャンしてオンラインストレージにアップロード
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive)
(OneDriveはアプリからのみ)
メールしてプリント
○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文)
○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文)
LINEからプリント
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント

 スマートフォンとの連携機能も3機種とも搭載しており、iOSと、Android端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。写真印刷の場合は、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定(MAXIFY MB2730を除く)まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。一方、ドキュメント印刷の場合は、PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もでき便利だ。また、3機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データーをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。新聞や雑誌、手書きの情報などをスマートフォンに電子化するといった使い方ができるため便利だろう。なお、iPhoneやiPadの場合、AirPrintを利用したプリントも可能だ。
 スマートフォンとの接続は、無線LAN(Wi-Fi)で行うが、無線LANルーターを経由する方法と、ダイレクトに接続する「Wi-Fiダイレクト」(キヤノンはダイレクト接続)が選べる。無線LANルーターを経由する方が、機能面でも制限が無く、印刷する度にプリンターと接続と切断を繰り返すのWi-Fiダイレクトと比べると便利なので、こちらを利用するのがお勧めだが、無線LANルーターが無い環境で使用する場合や、一時的に同じネットワークに入っていない他人にプリンターを使わせる場合にWi-Fiダイレクトは便利だ。Wi-Fiダイレクトの接続設定は手動でもそれほど難しくは無いが、PX-M780FPX-M680FはNFCを利用した接続支援機能が提供される。対応機種はNFC対応のAndroidに限られるが、タッチするだけでパスワード入力などが不要で接続出来る。使う機会は限定されるとはいえ、少しでも簡単に接続できるよう工夫さえれている点は評価できる。
 また、PX-M780FPX-M680Fはスマートスピーカーに対応している。AlexaとGoogleアシスタント対応端末に対応しており、声だけでテンプレートを印刷させることができる。2019年12月現在でデザインペーパー、フォトプロップス、カレンダー、ノート、方眼紙、五線譜などのエプソン独自のものと、Alexaに登録された買い物リスト、やることリストなどの印刷に対応する。
 さらに、クラウドとの連携機能は3機種とも搭載されている。プリントの場合、オンラインストレージのファイルを印刷できるほか、PX-M780F/PX-M680FはSNSの写真を印刷する事ができる。SNSの写真はコメント付きでも印刷が可能だ。MAXIFY MB2730はSNSおよび写真共有サイトからのプリントの対応は不明だ。ここで大きな違いは、PX-M780F/PX-M680Fはスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、MAXIFY MB2730はスマートフォン上だけでなくMAXIFY MB2730本体の操作でも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、選択肢が広いという点ではMAXIFY MB2730が便利だ。スキャンの場合、スキャンしてオンラインストレージへアップロードできる。こちらはプリントとは異なり、3機種とも本体の操作でアップロードまで行うことも、スマートフォンからスキャンしてアップロードすることもできる(OneDriveはスマートフォン用アプリ経由)。アプリをわざわざ立ち上げなくても、サッとスキャンしてアップロードできるため便利だ。
 さらにネットワークを利用したプリント機能として、PX-M780F/PX-M680Fは、印刷したい写真や文書を本機にメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、LINE上でプリンターを友達登録し、トーク画面から写真を送信すると印刷される「LINEからプリント」、スキャンした画像を離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」、パソコンやスマートフォンから通常のプリントと同じ操作で、外出先など離れた場所から自宅のこれら機種で印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。一方のMAXIFY MB2730こういった機能は一体搭載していない。リモートプリント機能はPX-M780F/PX-M680Fが圧倒的だ。

コピー機能
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
等倍コピー
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
○(25〜400%)
○(25〜400%)
オートフィット
定型変倍
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
割り付け(2面/4面)
○/○
○/○
○/○
その他のコピー機能
プレビュー
濃度調整
プレビュー
濃度調整
プレビュー
濃度調整
バラエティコピー
IDコピー
影消しコピー
パンチ穴消しコピー
ソート(1部ごと)コピー
IDコピー
影消しコピー
パンチ穴消しコピー
ソート(1部ごと)コピー
ページ順コピー
枠消しコピー
IDコピー
コピー予約

 コピー機能を見てみよう。単純なコピー機能としては、3機種とも単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」機能や、原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「定型変倍」機能、さらに25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載した高性能な物だ。また、3機種とも2枚又は4枚の原稿を1枚に縮小してコピーする機能にも対応する。
 その他、濃度調整機能は3機種とも搭載する。また、プレビューも3機種とも行え、コピー前に原稿を確認できるため失敗が少なくなるほか、プレビュー画像を見て拡大・縮小率を調整できる。
 その他、PX-M780F/PX-M680Fは免許証などの裏表をそれぞれスキャンして1枚の用紙に並べて印刷する「IDコピー」、原稿の周囲や、冊子のとじ目部分などの影を消してくれる「影消しコピー」、パンチ穴を写らないようにコピーする「パンチ穴消しコピー」に対応する。ADFを利用した機能として、複数ページの複数部をコピーするときに1部ずつまとめてコピーする「ソート(1部ごと)コピー」機能も搭載している。またADFを利用した際にMAXIFY MB2730も複数ページの原稿を、1部ずつコピーする「ページ順コピー」、原稿の周囲や、冊子のとじ目部分などの影を消してくれる「枠消しコピー」、「IDコピー」の他、コピー中でも、次の原稿に入れ替えてコピーを予約できる機能も搭載する。それぞれ機能は異なるが、複合機単独で様々なコピーが行えるよう工夫されている。

ファクス機能
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
通信速度
33.6kbps
33.6kbps
33.6kbps
画質設定
モノクロ
8dot/mm×3.85本/mm(標準)
8dot/mm×7.7本/mm(精細)
8dot/mm×15.4本/mm(高精細)
16dot/mm×15.4本/mm(超高精細)
8dot/mm×3.85本/mm(標準)
8dot/mm×7.7本/mm(精細)
8dot/mm×15.4本/mm(高精細)
16dot/mm×15.4本/mm(超高精細)
8dot/mm×3.85本/mm(標準)
8dot/mm×7.7本/mm(ファイン)
300×300dpi(ファインEX)
カラー
200×200dpi
200×200dpi
200×200dpi
送信原稿サイズ
A4/B5/A5
A4/B5/A5
N/A
記録紙サイズ
A4/A5/リーガル/レター
A4/A5/リーガル/レター
A4/リーガル/レター
受信ファクス最大保存ページ数
180枚/100件
180枚/100件
250枚/30件
データー保持(電源オフ/停電)
○/○
○/○
○/−
ワンタッチ
アドレス帳
100件
100件
100件
グループダイヤル
99宛先
99宛先
99宛先
順次同報送信
100宛先
100宛先
101宛先
自動リダイヤル
発信元記録
ポーリング受信/送信/予約
○/−/−
○/−/−
−/−/−
ファクス/電話自動切替
見てから送信
見てから印刷
受信ファクスを
メール送信
共有フォルダ保存
外部メモリー保存
○(USBメモリー)
○(USBメモリー)
○(USBメモリー)
PCファクス
送受信
送受信
送信のみ

 ファクス機能も基本はほぼ同等だが、細かなところで違いが出ている。3機種ともスーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーファクスを行う事が出来る。ADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒となる。また読取走査線密度はモノクロで8dot/mm×3.85本/mmの標準モード、8dot/mm×7.7本/mmの精細(ファイン)モードは全機種が備えている。加えてPX-M780F/PX-M680Fはさらに高画質な8dot/mm×15.4本/mmの高精細モードと、16dot/mm×15.4本/mmの超高精細モードを、MAXIFY MB2730も。より高画質な300×300dpiのファインEXモードを選択できる。多少の違いはあるが大きな差ではないだろう。カラーは200×200dpiだ。受信したファクスの印刷はPX-M780F/PX-M680FがA4かA5、MAXIFY MB2730はA4なので、A5用紙に印刷できるという点ではPX-M780F/PX-M680Fが優れているが、一般的にはA4用紙で問題ないだろう。受信したファクスはPX-M780F/PX-M680Fが180枚又は100件分、MAXIFY MB2730が250枚又は30件分となる。保存できる件数はPX-M780F/PX-M680Fが、保存できる枚数はMAXIFY MB2730が多いという事で、優劣付けがたい。ここで大きな違いは、MAXIFY MB2730は電源オフ時は受信したファクスが保持されるが、停電時やコンセントが抜けた場合には保持されないのに対して、PX-M780F/PX-M680Fはそういった場合でも受信した内容が保持される点だ。使い方によっては、電気が供給されなくても受信内容が保持される方が便利だろう。ダイヤル機能としては、3機種ともアドレス帳に100件登録できる他、グループダイヤル、順次同報送信、自動リダイヤルなどの基本的な機能を搭載している。PX-M780F/PX-M680Fはボーリング受信に対応しているほか、送信するファクスを液晶で確認してから送信する「見てから送信」と、受信したファクスの内容を液晶で確認した上で印刷するか決めることで用紙を節約できる「見てから印刷」機能も備える。3機種とも受信したファクスをUSBメモリーに保存する機能を搭載しているが、加えてMAXIFY MB2730は受信したファクスを共有フォルダに保存する機能を搭載しており、情報共有が行いやすい。さらに、パソコン内のデーターを直接ファクスできる「PCファクス」機能自体は3機種とも搭載している。ただしMAXIFY MB2730は送信(パソコン上のデーターを画像として送信)のみ対応だが、PX-M780F/PX-M680Fは送信だけでなく受信(パソコン上にファクスのデーターを受信)することもできる。なお、3機種ともファクス機能だけで受話器がないため通話機能は無いが、モジュラージャックのインとアウトを備えており、アウトに電話機を接続すると通話が可能となる。その際、PX-M780F/PX-M680Fはファクス/電話自動切り替え機能にも対応しているのも便利だ。このように3機種は基本的な機能は似ているが、細かな点ではややPX-M780F/PX-M680Fが便利に作られていると言えるだろう。


操作パネル/インターフェース/本体サイズ
型番
PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730
製品画像
液晶ディスプレイ
2.7型
(角度調整可)
2.7型
(角度調整可)
3.0型
操作パネル
タッチパネル液晶
(角度調整可)
タッチパネル液晶
(角度調整可)
タッチパネル液晶+物理ボタン
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト接続対応)
有線LAN
100BASE-TX
100BASE-TX
100BASE-TX
対応OS
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/8/7/Vista SP2
MacOS 10.8.5〜
耐久枚数
10万枚
8万枚
N/A
外形寸法(横×奥×高)
425×378×249mm
425×378×249mm
463×389×320mm
(前面給紙カセット伸張時463×459×320mm)
重量
9.2kg
8.7kg
12.1kg
本体カラー
ホワイト
ホワイト
ブラック


 操作パネルを見てみよう。3機種ともタッチパネル液晶を採用している。液晶サイズもPX-M780F/PX-M680Fが2.7型、MAXIFY MB2730が3.0型とほぼ同じだ。それほど大きくはないものの、操作性を損なうほどではないサイズとなっている。タッチパネル液晶を採用するためボタン数が減り、また、モードボタンや設定項目などでは、表示された選択肢そのものをタッチして操作できる事に加えて、使わないボタンが表示されることも無いため、非常に分かりやすい。液晶内に表示されると、バックライトが入っているため、薄暗い場所でも操作がしやすいというメリットもある。ただし、どこまでをタッチパネル液晶に集約するかは異なっている。PX-M780FPX-M680Fでは、物理ボタンは電源ボタンだけで、ほとんどの操作をタッチパネル液晶に集約しており、テンキーやスタートボタンも全て液晶内に表示される。一部よく利用すると思われる機能はタッチセンサー式ボタンで液晶周囲に配置される。液晶の左にホームボタン、右にヘルプボタン、上に消耗品情報表示、ネットワーク接続状況表示、機器出力音設定画面表示、お気に入りの設定一覧表示のボタンとなる。操作パネルと液晶ディスプレイは本体前面に取り付けられ、90度まで起こして角度調整が可能だ。設置する高さに応じて見やすいように調整が可能なので、非常に使いやすいと言える。
 一方、MAXIFY MB5130は基本はタッチパネル液晶を利用するが、電源ボタンの他に、「ホーム」「戻る」「カラースタート」「モノクロスタート」「ストップ」の各ボタンは物理ボタンで用意している。PX-M780F/PX-M680Fと比べると、スタートボタンやストップボタン、戻るボタンも物理ボタンで用意している他、ホームボタンもタッチセンサー式では無い。ただ、これに関してはどちらが良いとは言いがたい。物理ボタンの方がボタン自体は大きく、押した感触もあるため使いやすいという人と、タッチパネルだけで操作が完結しない点や、暗いところで見えにくい点を不便だと感じる人がいるためだ。しかしMAXIFY MB2730の問題点は液晶ディスプレイと操作パネルの位置だ。本体前面から上面にかけて大きく面取りされた部分に埋め込まれており角度調整は出来ない。斜めを向いているためどの方向からでも見えるようには工夫されているが、本体自体に高さがあるため、低い位置からの操作はしにくい可能性がある。操作性では、PX-M780FPX-M680Fの方が良いと言えるだろう。
 インターフェースは3機種ともUSB2.0に加えて、ネットワーク接続に対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルーターで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人にはネットワーク接続機能によりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。無線LANだけでなく有線LANにも対応しているため、ルーターが近い場合や、壁にLANコネクタが用意されている場合、無線LANでは不安定な場合などにも安心だ。一方、無線LANはWi-Fiダイレクト(キャノンでは名称はダイレクト接続)に対応しているため、無線LANルーターの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっているのも便利な点だ。
 対応OSはPX-M780F/PX-M680FがWindows 10/8.1/8/7/Vista/XPに対応しているのに対して、MAXIFY MB2730はWindows XPには非対応となる。MacOSの対応も、PX-M780F/PX-M680Fは10.6.8以降、MAXIFY MB2730は10.8.5以降と違いがあるため、使用するパソコンのOSには注意したいところだ。耐久枚数はPX-M780Fが10万枚、PX-M680Fは8万枚をうたっており、一般的な家庭用プリンターが1万〜1万5000枚である事を考えるとかなり高耐久に作られている安心感がある。MAXIFY MB2730もビジネス向けをうたっているため、ある程度高耐久である事は予想されるが具体的な数値は出ていない。
 本体サイズを見てみよう。コンパクトさが追求される家庭向けプリンターと比べて、ビジネスプリンターは速度や給紙枚数の多さ、高耐久性が求められるため、大型になりがちだ。家庭用複合機の上位機種EP-882Aの場合349×340×142mmとなっており、これと比較してみよう。PX-M780FPX-M680Fは全く同じサイズで、見た目からは型番表記以外での差が見つからないほどだ。サイズは425×378×249mmと全体的にEP-882Aよりは大きい。前面給紙トレイのセット可能枚数が250枚と多い事とADFを搭載していることもあって高さが大きくなっており、存在感がある。しかし、設置面積は意外と大きくはなく、横幅は一昔前の家庭用複合機より小さく、奥行きもEP-882Aより4cmも変わらない。ADFと250枚給紙を考えると十分コンパクトだと言えるだろう。一方、MAXIFY MB2730は463×389×320mmとPX-M780Fと比べてもかなり大柄な印象だ。しかも、このサイズは前面給紙カセット縮めた状態で用紙をセットする事ができない。A4用紙をセットした状態で置いておくとすると、奥行きは459mmになってしまう。しかも、ADFの原稿トレイが収納式なので、ADF使用時だと高さは358mmになる。つまりA4用紙をセットしADFを展開すると、463×459×358mmとなる。他の機種と違い前面に液晶などが搭載されておらず完全な「面」になっているのも圧迫感がある一因だ。比較的コンパクトなPX-M780F/PX-M680Fと比べると、MAXIFY MB2730はサイズ面では不利となる。



 この3機種は、機能面では思いの外似ている事が分かる。文書向けの4色顔料インクで、高速印刷、前面給紙カセットで、自動両面印刷にも対応、スキャナーは片面ADF付きでファクス機能にも大きな差は無い。その点では非常に選びにくいと言える。まず、同じ価格のPX-M780FMAXIFY MB2730で考えてみると、印刷コストと印刷速度をどの程度重視するかという選び方がある。印刷コスト重視、又はカラーもモノクロも高速な方が良いならPX-M780F、モノクロプリントがとにかく高速な方が良いならMAXIFY MB2730という事である。また前面給紙カセットが2段の方が良いならMAXIFY MB2730が良いだろう。ただ、全体で見るとMAXIFY MB2730はクセが強い。普通紙印刷向けとは言え最小インクドロップサイズが非常に大きい事やフチなし印刷が出来ない事、本体サイズが非常に大きく、操作性でも劣るなど、優れている点と劣っている点がハッキリしている。そのため、なかなかオススメしにくいといえる。前面給紙カセットが1段で良いなら、機能面で少し劣るが下位モデルのMAXIFY MB2130や、価格は上がるが印刷コストが下がる上位モデルMAXIFY MB5130という手はあるが一般的にオススメできるかと言われると疑問だ。一方PX-M780Fは比較的コンパクトで操作性も良く、印刷コストはMAXIFY MB2730より安く、フチなし印刷も可能など弱点が少ない。モノクロプリントの速度ではMAXIFY MB2730に劣るとは言え、20ipmは十分高速なので問題ないだろう。特にMAXIFY MB2730に気に入った機能があると言うので無ければPX-M780Fをオススメしたい。また、逆に前面給紙カセットが2段で無いと困るという場合は、PX-M780Fの2段版であるPX-M781Fも併せて検討すると良いだろう。最期に2,000円安価なPX-M680Fだが、見た目や操作性、プリント以外の機能はほぼ同じなので、大きな違いは印刷コストと印刷速度になる。しかし、A4カラー文書で約4円、A4モノクロ文書で1円の差は結構大きく、本体の価格差がカラーなら500枚、モノクロでも2,000枚で意味を無くしてしまう。その上カラーの印刷速度は半分だ。また交換式メンテナンスボックスも便利な機能である事を考えると、PX-M780Fの方がオススメと言えるだろう。
 

(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/
キャノンhttp://canon.jp/


PX-M780F
PX-M680F
MAXIFY MB2730