プリンター徹底比較
2019年末時点のプリンター
〜エプソンとキャノンのプリンターを比較〜
(2020年8月15日公開)
プリンター比較の記事は、新製品が数多く発表される「年末」と「春」の2回に掲載しています。
古い記事も過去の情報として利用できると考え、新製品を掲載したものは、新たな記事として掲載していますので、現在この記事は既に古くなっている可能性があります。
プリンター比較を参考にされる方は、プリンター徹底比較の一覧ページより、最新のものをご覧ください。
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A2プリント対応の単機能機としてはエプソンのSC-PX3V とキャノンのimagePROGRAF PRO-1000 がラインナップされる。それぞれ159,980円と159,800円とほぼ同価格となる2機種だが、その生い立ちは異なる。SC-PX3V はA3ノビ対応のSC-PX5VIIの上位モデルとしてラインナップされ、A2ノビまで対応する。一方imagePROGRAF PRO-1000 はPIXUS PRO-1の後継機種となる。PIXUS PRO-1は元々A3ノビより横幅の大きい半切用紙に対応しており、それならばさらに横幅を広げてA2まで対応という形となったた。当初はA2ノビには対応しなかったが、プリンタードライバーとファームウェアをアップデートによって対応した。それぞれどういった特徴があるのだろうか。
| プリント(画質・速度・コスト) |
| メーカー |
エプソン |
キャノン |
| 型番 |
SC-PX3V |
imagePROGRAF PRO-1000 |
| 製品画像 |
 |
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| 実売価格(メーカーWeb/税込み) |
159,980円 |
159,800円 |
| インク |
色数 |
9色(同時使用8色) |
12色 |
| インク構成 |
フォトブラック マットブラック グレー ライトグレー シアン ライトシアン ビビッドマゼンタ ビビッドライトマゼンダ イエロー (フォトブラックとマットブラックは同時使用不可・同時セット可能) |
マットブラック フォトブラック グレー フォトグレー シアン フォトシアン マゼンダ フォトマゼンダ イエロー レッド ブルー クロマオプティマイザー |
| カートリッジ構成 |
各色独立 |
各色独立 |
| 顔料/染料系 |
顔料 (UltraChrome K3) |
顔料 (LUCUA PRO) |
| インク型番 |
89番 |
1000番 |
| ノズル数 |
1440ノズル |
18432ノズル |
| 全色:各180ノズル |
全色:各1536ノズル |
| 最小インクドロップサイズ |
2pl(MSDT) |
4pl |
| 最大解像度 |
2880×1440dpi |
2400×1200dpi |
| その他の高画質化機能 |
論理的色変換システム「LCCS」 |
OIG System 動的色間補正 エアーフィーディングシステム 斜行補正機構 ノズルリカバリーシステム カラーキャリブレーション |
| 印刷速度 |
L判写真(フチなし・メーカー公称) |
63秒 |
55秒(写真用紙・光沢 ゴールド) 78秒(写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]) |
| A2写真(フチあり・メーカー公称) |
5分49秒 |
6分(写真用紙・光沢 ゴールド) 3分36秒(写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]) |
| A4普通紙カラー(ISO基準) |
N/A |
N/A |
| A4普通紙モノクロ(ISO基準) |
N/A |
N/A |
| 印刷コスト |
L判写真(フチなし) |
16.9円 |
18.2円(写真用紙・光沢 ゴールド) 32.1円(写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]) |
| A2写真(フチあり) |
N/A |
615.8円(写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]) |
| A4カラー文書 |
N/A |
N/A |
| A4モノクロ文書 |
N/A |
N/A |
まずはインクを見てみよう。SC-PX3V は「UltraChrome K3インク」と呼ばれる顔料インクを搭載している。これはビジネス向けのインクジェットプリンターや家庭用複合機の下位機種が採用していた「つよインク200X」とは異なる顔料インクである。また、A3ノビ対応の下位モデルのSC-PX7VIIの採用する顔料インクとも異なる。そもそも、顔料インクは色の安定性が高く、また色の定着が早いため、印刷後にしばらくしてから色味が変わるということがない点で扱いやすい。「UltraChrome K3インク」では、それらの特徴を持ちつつ、インクを樹脂で包むことで、顔料インクながら高い光沢感が得られるという特徴がある。光の乱反射を押さえ、光源や見る角度によって色味が違ってみてる「ブロンジング」が押さえられる効果もある。また、インク構成を見てみると、9色搭載で8色同時使用となっている。黒系インクを4種類搭載し、用紙によってフォトブラックまたはマットブラックを切り替え、加えてグレー、ライトグレーの3色を使用するため、モノクロ印刷の表現力が高いのはいうまでもなく、カラー印刷でも表現できる領域が広がっている。また「UltraChrome K3」インクでは、フォトブラックではインクを包む樹脂に従来の1.5倍の密度で顔料の色材を配合することで黒濃度が向上、マットブラックでは顔料の色材が、より用紙表面で定着するため重厚感のある黒となり、結果さらに色域が広く、色つぶれのしない細やかな階調表現が可能になった。これらの黒系インクに加えて、シアン、ライトシアン、ビビッドマゼンタ、ビビッドライトマゼンタ、イエローという構成となっており、マゼンダ系が高濃度のビビッドマゼンダになっているのも色域の拡大に一役買っている。もちろん各色独立インクであるため、なくなった色だけ交換が可能だ。ちなみに、耐保存性は、アルバム保存で200年、耐光性は60年、耐オゾン性は60年と、こちらも非常に高くなっている。最小インクドロップサイズは2plと、複合機の最上位モデルほどではないものの非常に小さく、遠くからみる大判プリントだけでなく、小さな用紙への写真印刷や年賀状印刷などでも粒状感を感じさせない印刷が可能だ。また、3種類のインクサイズを打ち分けるMSDTに対応しているため、べた塗り部分には大きなインクで対応するため、ムラが出にくいという特徴もある。残念なのは、同時に使用できる色が8色というだけでなく、プリントヘッドが8色分しか無い事だ。つまり、フォトブラックとマットブラックでプリントヘッドを共用している事になる。そのため使用するインクを切り替えると、プリントヘッドにわずかに残るこれまで使っていたインクを排出するために、新たに使用する方のインクが消費されてしまう。頻繁に切り替えると、それだけでインクがかなり消費されてしまうのは勿体ない。
一方、imagePROGRAF PRO-1000 は12色と、SC-PX3V を超える色の数となっている。構成としてはブラック系が4色でフォトブラック、マットブラック、グレー、フォトグレーとなっており、これにシアン、フォトシアン、マゼンダ、フォトマゼンダ、 イエロー、レッド、ブルーのカラー7色、さらに後述のクロマオプティマイザーとなっている。インクも、顔料系の「LUCIA PROインク」となっている。インク自体は、樹脂で包んで光沢感を出したUltraChromeK3インクほど凝ったものではないが、顔料インクならではの色安定性と、短時間での色の定着という特徴がある。そしてSC-PX3V と比べてブラック系インクが1色多い4色であるため、モノクロ印刷時の階調表現がよりスムーズで高精細な印刷が行える。また、フォトブラックインクを新規素材としダイナミックレンジを拡大している。一方カラー系のインクは、シアン、フォトシアン、マゼンダ、フォトマゼンダ、イエローに関してはSC-PX3V と同じ構成だが、これに加えてレッドとブルーインクを搭載しているのが特徴だ。ブルーインクは青系の色域の拡大に、レッドインクはくすみがちな赤系の色を鮮やかに表現する事に効果を発揮し、広い色域を表現できる。また、これに加えて透明の「クロマオプティマイザー」インクもおもしろいインクだ。顔料インクは紙の表面で定着するため、その分わずかながら高さがあり、インクのある箇所と無い箇所で段差ができてしまい、そこに光が当たることで反射光が不均一になってしまう。結果、光沢感にムラができ、色が浮き出ているような違和感を覚えたり、本来とは違う色味が見えてしまう「ブロンズ現象」が発生してしまう。そこでインクを打たない、又は少ない箇所に、透明の「クロマオプティマイザー」を打つことで、インクの段差が軽減され、これらの現象も改善される。ちなみにLUCIA PROインクはアルバム保存200年、耐光性60年、耐ガス性60年とSC-PX3V と同じ耐保存性となっており、かなり高くなっている。最小インクドロップサイズは4plとSC-PX3V の倍となる。大判プリントで遠くからみるなら問題ないレベルだし、インクの色数が多い分粒状感は抑えられるが、箇所によっては粒状感を感じる場合もあるだろう。
これら2機種はインクそのものだけでなく、インクの組み合わせやその量などの制御方式も、一般的なプリンターとは一線を画すものとなっている。SC-PX3V の場合、論理的色変換システム「LCCS」を搭載する。8色インクの場合、表現できる色の数は1,840,000,000,000,000,000通りになるが、その中から階調性、色再現域、粒状性、光源依存性がバランスよく制御される様に、インク配分を論理的に算出してプリントする。一方、imagePROGRAF PRO-1000 も「OIG System」を使用する。一つの色を表現する際に、12色のインクの組み合わせから、色の再現性だけでなく、階調性・黒濃度・粒状性・光沢均一性・ブロンズ・メタメリズムを考慮して適正な組み合せを選択するというシステムである。このほかにもキャリッジの位置によって着弾がズレることで生じる色ずれを、プリント中に補正する「動的色間補正」や、ノズルの目詰まりを検知して別のノズルつで代替する「ノズルリカバリーシステム」、カラー濃度センサーにより個体差や経年変化による色のばらつきを抑える「カラーキャリブレーション」機能も搭載している。用紙の給紙に関しても、斜行補正機構を採用し、さらに穴から空気を吸引することで用紙を吸着しながら搬送するため、厚手の用紙も安定して搬送できるようになっている。このように、両機種とも、価格に見合うだけの高度な最新技術を惜しみなく搭載し、プロ用途にも耐えうる画質と再現性を手に入れているが、特にimagePROGRAF PRO-1000 では、通常なら印刷ミスとなる様な着弾位置ずれやノズルの目詰まり、用紙の斜行を自動的に補正する機能が搭載されているのは安心だ。
このあたりの機種では印刷スピードは機種を選ぶ上であまり意味をなさないとも言えるが、一応見ておこう。L判写真フチなしはSC-PX3V が63秒、imagePROGRAF PRO-1000 が55秒(キャノン写真用紙・光沢・ゴールド使用時、光沢 プロ[プラチナグレード]使用時は78秒)となる。家庭向け複合機では13秒という機種もある事を考えると遅く感じるが、画質優先のこれら2機種としては十分高速だ。また、SC-PX3V は画質設定を「高詳細」として計測しているため、「標準」設定の家庭向け複合機とは比較できないとも言える。A2フチありプリントではSC-PX3V が5分49秒、imagePROGRAF PRO-1000 が3分36秒(キヤノン写真用紙・微粒面光沢 ラスター使用)又は6分(キヤノン写真用紙・光沢 プロ[プラチナグレード]使用)となる。imagePROGRAF PRO-1000 は用紙による差が大きく、比較は難しい。とはいえ、両機種ともA2サイズが6分以内に印刷が出来るので、それほど待たされることは無いだろう。
印刷コストは、L判写真フチなしでSC-PX3V が16.9円、imagePROGRAF PRO-1000 が18.2円(キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド使用時)となる。A2フチありはimagePROGRAF PRO-1000 しか公開していないが、615.8円(キヤノン写真用紙・ 光沢 プロ[プラチナグレード]使用)となる。
インクカートリッジは、ヘッド上に搭載して印刷時にインクカートリッジも左右に動く「オンキャリッジ」方式ではなく、固定されたインクカートリッジからチューブでヘッドにつながれており、ヘッド部分だけが左右に動く「オフキャリッジ」方式となる。印刷時に左右に移動するとどうしても重量に制限が出るが、固定されているため、かなり大容量のインクカートリッジが搭載できる。A2サイズを印刷しても安心なようになっている。また前面から交換ができるメリットもある。ちなみにSC-PX3V のインクは89番で各4.505円なので1セットそろえると40,545円、imagePROGRAF PRO-1000 は1000番で各4,800円なので1セットそろえると57,600円となる。インクカートリッジの価格もプロ向けという感じだ。
| プリント(給紙・排紙関連) |
| 型番 |
SC-PX3V |
imagePROGRAF PRO-1000 |
| 製品画像 |
 |
 |
| 対応用紙サイズ |
L判〜A2ノビ |
L判〜A2ノビ A2ノビはドライバー・ファームウェアのアップデートで対応 |
| フチなし用紙対応用紙 |
A2/A3ノビ/A3/A4/四切/六切/2L判/KG/L判/ハガキ |
A2/A3ノビ/A3/A4/半切/四切/六切/2L判/KG/L判/ハガキ/レター/17”×22” |
| 給紙方向 |
背面連続給紙 |
○(A2ノビ対応) |
○(A2ノビ対応) |
| セット可能枚数 |
普通紙(A4) |
120枚 |
150枚 |
| 普通紙(A2) |
50枚 |
20枚 |
| 写真用紙(L判) |
30枚(クリスピア20枚) |
20枚 |
| 写真用紙(2L判) |
30枚(クリスピア20枚) |
10枚 |
| 写真用紙(A4/六切) |
30枚(クリスピア20枚) |
10枚 |
| 写真用紙(A3/四切) |
10枚 |
10枚 |
| 写真用紙(A2/半切) |
1枚 |
1枚 |
| ハガキ |
50枚 |
40枚 |
| 前面連続給紙 |
− |
− |
| その他 |
前面手差し(A2ノビ/1.5mm厚紙対応) ロール紙(A3ノビ〜A2ノビ幅・オプション) |
背面手差し(A2ノビ/0.7mm厚紙対応) |
| 排紙トレイ自動開閉 |
− |
− |
| 用紙種類・サイズ登録 |
○ |
○ |
| 用紙幅チェック機能 |
○ |
− |
対応用紙にもそれぞれこだわりがある。基本的には背面給紙となる。最小サイズはL判で、最大サイズはA2ノビとなる。imagePROGRAF PRO-1000 は当初はA2までの対応だったが、プリンタードライバーをVer.1.02以上、本体のファームウェアをver1.1.0以上にアップデートすることで、用紙長の最大が594mmから647.7mmに変更され、A2ノビサイズを設定できるようになった。ただし、プリンタードライバーや本体の液晶内には、A2ノビの選択肢はなく、カスタム用紙サイズとして設定する必要がある。その点ではA2ノビを使う場合はSC-PX3V の方が便利だ。
フチなし印刷が可能な用紙はA2からL判まで多種だが、imagePROGRAF PRO-1000 の方がやや多く、半切、レーター、17”×22”用紙にも対応する。これらの用紙のフチなし印刷をする場合は注意が必要だ。ちなみに両機種とも最大サイズのA2ノビではフチなし印刷はできない。セットできる枚数は、普通紙の場合はSC-PX3V は120枚、imagePROGRAF PRO-1000 が150枚と、imagePROGRAF PRO-1000 の方が大量給紙ができそうに見える。しかし、A2サイズの場合は、それぞれ50枚と20枚となり、大判用紙を使う場合はSC-PX3V の方が大量給紙出来る。また、写真用紙の場合、L判ではSC-PX3V は30枚(写真用紙クリスピアの場合20枚)、imagePROGRAF PRO-1000 は20枚となる。2LやA4、六つ切りの場合はSC-PX3V が30枚(写真用紙クリスピアの場合20枚)、imagePROGRAF PRO-1000 が10枚だ。A3や四切の場合は、両機種とも10枚、A2や半切用紙は1枚のみとなる。大判の印刷なら差は無いが、L判や2L判程度のスナップ写真も印刷する場合は、SC-PX3V の方が用紙の入れ替えの手間は少ない。
SC-PX3V は前面からの手差し給紙により、通常のプリンターの5倍となる1.5mm厚の用紙に印刷することが可能だ。排紙トレイを開いた内部にもう一段開けるようになっており、そこが手差し部分となる。前面からの手差しで直線的に給紙が可能であるため、厚紙印刷が可能というわけである。各種ファインアート紙などもこちらから給紙する形になる。印刷した写真を壁に掛ける場合などにも便利だろう。さらに、背面からのオプションのロールペーパーユニットを取り付けると、A3ノビからA2ノビ幅のロール紙印刷にも対応する。純正用紙に長さが30mのロール紙があるため、432mm幅で長さは1117.6mm(プリンタードライバー上は3276.7mmまで設定可能)まで対応している。そのため、パノラマ写真の印刷も可能になっている。また、ロール紙のプレミアムサテンキャンバスやプレミアムマットキャンバスといった用紙も販売されている。一方imagePROGRAF PRO-1000 も手差し給紙に対応するが、背面からとなる。背面の給紙トレイの下に手差しトレイがあるため、用紙のセットがやや不便なほか、手差しトレイが斜めになっているため、用紙が内部で曲がる必要があり、対応する厚さは0.7mmまでとなっている。一般的なプリンターの倍以上の厚みの用紙に対応しているとも言えるが、SC-PX3V の1.5mmと比較すると劣るのは残念だ。
両機種とも本体に搭載した液晶により、セットした用紙種類や用紙サイズを登録できる機能がある。印刷を実行した際に、印刷設定した用紙と、登録した用紙が異なる場合、警告メッセージができる仕組みだ。A3やA2など用紙が大きくなると、1枚の失敗でも用紙やインクの損失が大きいため、こういった機能があれば無駄を減らすことができる。SC-PX3V はこれに加えて、用紙幅をセンサーでチェックする機能もあり、用紙サイズが小さい場合にもプリンター内部を汚さないようになっている。
| プリント(付加機能) |
| 型番 |
SC-PX3V |
imagePROGRAF PRO-1000 |
| 製品画像 |
 |
 |
| 自動両面印刷 |
− |
− |
| CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷 |
− |
− |
| 写真補正機能 |
○(オートフォトファイン!EX/デフォルトはオフ) |
○(自動写真補正) |
| 特定インク切れ時印刷 |
− |
− |
| 自動電源オン/オフ |
−/○ |
○/○ |
| PictBridge対応 |
− |
○(Wi-Fi) |
| 廃インクタンク交換/フチなし吸収材エラー時の印刷継続 |
○/− |
○/− |
そのほかの機能をみてみると、CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷機能や、自動両面印刷機能は両機種とも非対応だ。一方、指定した時間がたつと自動的に電源がオフになる機能は両機種とも搭載する。さらに、imagePROGRAF PRO-1000 は自動電源オフだけでなく、印刷が実行されると自動的に電源がオンになる機能も備える。無線/有線LAN接続ができるようになり、プリンターから離れた場所のパソコンやスマートフォンから印刷を実行することが増えたが、そういった際にわざわざプリンターの電源を入れに行く手間が省ける。また、imagePROGRAF PRO-1000 はPictBridgeに対応しているが、USB接続方式とWi-Fi方式の内、Wi-Fi方式のみ対応する。対応するデジタルカメラは極限られているため、需要があるかは微妙だ。
写真の自動色補正機能も両機種とも備える。SC-PX3V は「オートフォトファイン!EX」、imagePROGRAF PRO-1000 は「自動写真補正」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる高性能なものだ。ただし、プロ向けの製品と言うことで、ユーザー自身で好みの色に補正する場合が多いと考えてか、SC-PX3V ではデフォルトでは「オートファイン!EX」はオフになっている。
さらに、両機種とも廃インクタンクをユーザー自身で交換できるようになっている。両機種ともメンテナンスカートリッジという名称だ。ヘッドクリーニングなどで排出されたインクを吸収するもので、これが一杯になると交換するまでプリントが一切ストップしてしまう。多くの機種では、修理対応となるが、プリンターが手元に無い期間が発生してしまう上に、費用もそれなりにかかってしまう。SC-PX3V とimagePROGRAF PRO-1000 はユーザー自身での交換に対応しており、インクカートリッジなどと共に店頭で売られている(両機種とも2,000円)。インク残量と共に、メンテナンスカートリッジの残量も見られるため、少なくなったら購入しておけば、交換して即座に印刷を再開できるわけだ。
| スマートフォン/クラウド対応 |
| 型番 |
SC-PX3V |
imagePROGRAF PRO-1000 |
| 製品画像 |
 |
 |
| スマートフォン連携 |
アプリ |
メーカー専用 |
EPSON iPrint |
Canon PRINT Inkjet/SELPHY |
| AirPrint |
○ |
○ |
| 対応端末 |
iOS 10.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 11.0以降 Android 4.4以降 |
| スマートスピーカー対応 |
− |
○(Alexa/Googleアシスタント) |
| Wi-Fiダイレクト接続支援機能 |
− |
− |
| 写真プリント |
○ |
○ |
| ドキュメントプリント |
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) |
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) |
| Webページプリント |
○ |
○ |
| クラウド連携 |
プリント |
アプリ経由/本体 |
○/− |
○/− |
| オンラインストレージ |
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive) |
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom) |
| SNS |
○(Instagram/Facebook・コメント付き可) |
N/A |
| 写真共有サイト |
− |
N/A |
| メールしてプリント |
− |
− |
| LINEからプリント |
− |
− |
| リモートプリント |
− |
− |
| スキャンしてリモートプリント |
− |
− |
スマートフォントの連携機能も両機種とも搭載している。iOSとAndroid端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリントが行える。メインで使用すると思われる写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もでき便利だ。なお、iPhoneやiPadの場合、AirPrintを利用したプリントも可能だ。
スマートフォンとの接続は、無線LAN(Wi-Fi)で行うが、無線LANルーターを経由する方法と、ダイレクトに接続する「Wi-Fiダイレクト」(imagePROGRAF PRO-1000 の名称はダイレクト接続)が選べる。無線LANルーターを経由する方が、機能面でも制限が無く、印刷する度にプリンターと接続と切断を繰り返すのWi-Fiダイレクトと比べると便利なので、こちらを利用するのがお勧めだが、無線LANルーターが無い環境で使用する場合や、一時的に同じネットワークに入っていない他人にプリンターを使わせる場合にWi-Fiダイレクトは便利だ。
imagePROGRAF PRO-1000 はスマートスピーカーに対応している。AlexaとGoogleアシスタント対応端末に対応しており、声だけでテンプレートを印刷させることができる。2019年12月現在でナンプレ、ぬりえ、レポート用紙、チェックリスト、五線譜などキャノン独自のものと、プリンターの状態の確認が行える。
クラウドとの連携機能も両機種とも搭載されている。オンラインストレージにアクセスしてファイルを印刷する事ができる。またSC-PX3V はSNSの写真をコメント付きで印刷する事ができる。imagePROGRAF PRO-1000 のSNSおよび写真共有サイトからの印刷に関しては不明だ。両機種とも、スマートフォンのアプリ上からの操作となり、一部の機種の様にプリンター本体のみでクラウドからプリントしたりはできない。
| 操作パネル/インターフェース/本体サイズ |
| 型番 |
SC-PX3V |
imagePROGRAF PRO-1000 |
| 製品画像 |
 |
 |
| 液晶ディスプレイ |
2.7型(角度調整可) |
3.0型 |
| 操作パネル |
タッチパネル液晶+物理ボタン |
物理ボタン |
| インターフェイス |
USB他 |
USB2.0×1 |
USB2.0×1 |
| 無線LAN |
IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
IEEE802.11n/g/b (ダイレクト接続対応) |
| 有線LAN |
100BASE-TX |
100BASE-TX |
| 対応OS |
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP1 MacOS 10.6.8〜 |
Windows 10/8.1/8/7/Vista SP2 MacOS 10.7.5〜 |
| 外形寸法(横×奥×高) |
684×376×250mm |
732×433×285mm |
| 重量 |
19.5kg |
32.0kg |
| 本体カラー |
ブラック |
ブラック |
操作パネルは両機種とも単機能プリンターとしては珍しく本格的なものを搭載している。まず液晶ディスプレイは、SC-PX3V が2.7型、imagePROGRAF PRO-1000 が3.0型となっており比較的大きめだ。SC-PX3V は液晶パネルがタッチパネルとなっており、液晶右にタッチ式上下カーソルボタン、左に物理ボタン式の電源や戻るといった4つのボタンが並んでおり、それらと併せて操作する。液晶パネルと操作パネルは本体前面に搭載されており、全体を持ち上げて角度調整が可能となっている。imagePROGRAF PRO-1000 は物理ボタン操作で液晶ディスプレイの右側にボタンが配置される。本体前面から上面にかけて面取りされた部分に内蔵されており、斜めになっているのでどの角度からでも比較的見やすいが角度調整はできない。タッチパネルで角度調整できるSC-PX3V の方が視認性、操作性では一歩上と言える。いずれにしても、液晶ディスプレイを内蔵することでインク残量確認や用紙登録、各種設定が簡単に行え、スマートフォンやタブレットとWi-Fiダイレクトを使用して接続する場合の設定もこちらで行える。またエラー内容が一目でわかるなど、非常に使いやすくなっている。
インターフェースはいずれもUSB2.0に加えてネットワーク接続に対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、ルーターで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。そんな人には有線LAN/無線LANによりどのパソコンでもプリントできるのは非常に便利だろう。またネットワーク接続をすればスマートフォンやタブレットからの印刷も便利になる。またWi-Fiダイレクト(imagePROGRAF PRO-1000 はダイレクト接続という名称)に対応しているため、無線LANルーターの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も両機種共通の便利な点だ。さらに、両機種とも無線LANと有線LANの両方に対応している。無線LANはケーブルが不要で便利だが、環境や距離の面で無線LANでは不安定だったり、接続設定などなく簡単に接続したい場合、壁にLANのつなぎ口がある場合など、有線LAN接続が便利な場合もあるだろう。
本体サイズは、SC-PX3V が684×376×250なのに対して、imagePROGRAF PRO-1000 は732×433×285mmとなる。全体的にSC-PX3V が小さくなっている。どちらにしても設置面積は大きいため、店頭で一度確認した方が良さそうだが、とくにimagePROGRAF PRO-1000 の威圧感は大きい事は確かだ。ちなみに、SC-PX3V は前面からの手差しによる厚紙印刷に対応しているが、厚紙の場合は内部で曲げることが出来ないため、用紙の長さに近い長さが一度後方に飛び出すことになる点は注意が必要だ。前面給紙を行う場合は、SC-PX3V では後方に430mm以上のスペースを確保することがマニュアルに書かれている。また、SC-PX3V のロール紙も本体後部に取り付けるため、スペースが必要だ。一方、imagePROGRAF PRO-1000 は前述のように背面からの手差しである。斜めにではあるが、用紙の長さ分のスペースがないと用紙が挿し込めないためこちらも後方のスペースはかなり必要である。いずれの場合も手差し印刷を使用する場合は注意した方が良さそうだ。
どちらの機種から選ぶかということについては非常に難しい。画質面では色数や色の制御などの面で、両機種ともかなり高機能であり、画質的にはプロ向けの最上位機種にふさわしいものとなっている。逆に言えばそこでの差は付きにくいこととなる。とはいえ、インク色数ではimagePROGRAF PRO-1000 が多いし、ノイズルカバリーシステムやカラーキャリブレーション機能、斜行補正機構など、より画質にこだわっていると言えるだろう。一方、細かく見ていくと、SC-PX3V が便利である事が分かる。imagePROGRAF PRO-1000 は0.7mmの厚紙までだが、SC-PX3V は1.5mmの厚紙に対応しており、さらにロール紙にも対応している。本体での操作性も上で、一方で本体はimagePROGRAF PRO-1000 より小さい。幸か不幸か価格では同等である2機種なので、可能なら実際に画質を比べてみてimagePROGRAF PRO-1000 が気に入ったというので無ければ、SC-PX3V の方が様々な用紙に印刷ができおすすめと言えるだろう。
(H.Intel)
【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/
キャノンhttp://canon.jp/
| SC-PX3V |
imagePROGRAF PRO-1000 |
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