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2020年末時点のプリンター 〜エプソン・キャノン・ブラザーのプリンターを比較〜 (2020年5月28日公開)
ファクス機能付きA4複合機の中で、従来のインクカートリッジ方式では無く、エコタンク・ギガタンクと呼ばれる、タンクを搭載した複合機、又はファーストタンクよ呼ばれる、タンク式に対抗する超大容量のカートリッジを採用した複合機を比較する。エプソン(エコタンク)からは、PX-M791FTとEW-M670FT、キャノン(ギガタンク)からはG7030、ブラザー(ファーストタンク)からはMFC-J1500Nの4機種となるが、EW-M670FTは49,980円、G7030は44,980円、MFC-J1500Nは39,500円と価格的にも近く比較しやすい一方、PX-M791FTは89,980円と圧倒的に高い。果たしてどのような違いがあるのか、近い価格帯の3製品のどれがオススメなのか見ていくと共に、PX-M791FTには価格差の価値があるのかも見ていこう。 |
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シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
シアン マゼンタ イエロー |
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(挿すだけ満タンインク方式・オフキャリッジ式) |
(挿すだけ満タンインク方式・オフキャリッジ式) |
(挿して注入・満タン自動ストップ・オフキャリッジ式) |
(カートリッジ方式・各色独立) |
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(DURABrite ET) |
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性2年) |
新顔料ブラック |
(アルバム保存100年/耐光性50年) |
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ハリネズミ(染料) |
3133(大容量) |
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インクボトル(ブラック)2本 |
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黒:400ノズル |
黒:640ノズル |
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(MSDT) |
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(ノズル自己診断システム搭載) |
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(税別) |
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大容量3,000ページ |
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大容量1,500ページ |
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(税別) |
大容量3,000円 |
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大容量2,500円 |
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まずはプリントの基本となる画質と速度、印刷コストから見ていこう。4機種ともブラック、シアン、マゼンダ、イエローの基本4色構成である点は同じだ。しかし染料インクか顔料インクかという点で異なっている。染料インクは様々な用紙に対応でき、写真用紙等に印刷した際に発色が良く、用紙本来の光沢感が出るため、写真印刷に向いている。一方で普通紙に印刷すると紙にしみこんで広がってしまうため、メリハリが弱くなる。その点で顔料インクならメリハリのある印刷が行え、小さな文字や中抜き文字も潰れずに印刷が可能なほか、耐水性も高いため濡れた手で触ったりマーカーを引いても滲まない。とは言え、全色を顔料インクとすると写真用紙などに印刷した際に発色が悪いほか、用紙の光沢感が薄れ半光沢のようになってしまったり、光沢年賀状をはじめとする一部の光沢紙やフィルム紙、アイロンプリント紙など使用できない用紙もある。つまりは染料インクと顔料インクは、用紙によって向き不向きがあるわけである。 PX-M791FTを除く3機種はブラックが顔料インク、カラー3色は染料インクである。顔料ブラックを搭載してるため普通紙への黒の印刷はメリハリがある印刷が行える。ただ顔料インクはブラックだけなので、黒色部分しかこの恩恵は得られない。また、黒と言っても、完全な黒ではないグレーの部分には染料のカラーインクを重ねて作り出す場合があり、染料インクと顔料インクを重ねられない事から、背景色があるなどカラーの中に黒が混ざっている場合も染料インクを使う場合があり、必ずしも全ての黒色部分で顔料インクの恩恵を受けられるわけではないが、コピーや文書印刷でそういった部分は結構多く、一部だけでも全体的に引き締まった印象となるのは確かだ。一方、カラーインクには染料インクを採用することで、普通紙以外への画質や、幅広い用紙への対応というメリットもある。とはいえ写真印刷に向いているかとなると、今度はブラックインクが顔料インクであるため使用できず、カラー3色を重ねて黒を表現する事になる。当然完全な黒にはならず、濃いグレーや濃い茶色になってしまうほか、影の中や夜の風景の表現など、黒の中の階調表現は苦手だ。そのため、染料の黒インクを搭載する機種と比べると画質は大きく劣る。普通紙もそれ以外の用紙も両方に対応できる構成とも言えるが、全部で4色ではどちらも中途半端になっているとも言える。 一方、普通紙印刷に特化したのがPX-M791FTだ。インクは全色顔料インクであるため、写真用紙などへの印刷は苦手で、一部非対応の用紙もあるが、普通紙への印刷時は、他の3機種とは異なり、カラー・モノクロ問わず高画質で高耐水の印刷が行える。レーザープリンターなどからの置き換えなどに適したインク構成と言えるだろう。 写真印刷という点で見ると、画質を左右する要因の一つとして、最小インクドロップサイズがある。これはドットの大きさで、大きいと全体にザラザラした感じの粒状感が出てしまう。EW-M670FTは3.3pl、MFC-J1500Nが1.5pl、残る2機種は非公表ながら海外の同機能のモデルを参考にすると、PX-M791FTは3.8pl、G7030は2plと思われる。これを見るとMFC-J1500Nが最も粒状感が少なく、G7030も悪くはないといえる。とはいえ、ファクス機能を搭載しないインクカートリッジ方式の機種では6色染料インクで、最小インクドロップサイズは1.5plという機種があり、エコタンク搭載のファクス機能を搭載しない上位機種では染料ブラックを含む5色や6色インクで、最小インクドロップサイズは同じく1.5plという機種がある。これと比べると、MFC-J1500Nは最小インクドロップサイズに関しては同等レベルとなっているが、やはり染料ブラックが無いので、そこまで高画質とは言えない。あくまでマシなのはMHC-J1500N、次いでG7030という程度だ。 一方の文書の印刷画質に関してはPX-M791FTとEW-M670FTはPrecisionCoreプリントヘッドを採用しており、普通紙への印刷解像度を従来の360dpiから600dpiに向上させているため、より鮮明な印刷が可能となっている。最小インクドロップサイズが大きめなので、文書中の写真やイラスト、グラフなどに若干の粒状感は出ると思われるが、PrecisionCoreプリントヘッドによる文字や地図や図面などの細かい線がしっかり表現される方が綺麗に見えるだろう。さらに、PX-M791FTは「ノズル自己診断システム」を搭載しており、ヘッドのドット抜けを印刷ジョブごとに自動検知して調整してくれる。何百枚も印刷したら、途中から筋が入ってやり直し……という無駄が軽減されるなど、より高性能になっている。PX-M791FTは全色顔料インクという点だけでなく、PrecisionCoreプリントヘッドとノズル自己診断システムで、普通紙印刷に関しては徹底的な高画質化が図られている。 もう一つ、インクの種類にも違いがある。もちろん発色などの面でも違いがある可能性はあるが、この点ははっきりと示されているわけではない。ただ、インクの耐保存性に違いがある。家庭用の6色プリンターの場合、エプソンは「つよインク200」という名称で、アルバム保存300年、耐光性50年、耐オゾン性10年をうたっており、キャノンも「ChromaLife 100」という名称で、アルバム保存100年をうたっている。しかしEW-M670FTはアルバム保存こそ300年で同等だが、耐光性7年、耐オゾン性2年となっており「つよインク200」よりは大きく劣る。特に飾っておいた場合などに色あせが早いと言える。G7030に関しては耐保存性は非公開だが、ChromaLife 100には準拠しないという事なので、100年より短い可能性が高い。MFC-J1500Nは名称はないがアルバム保存100年、耐光性50年をうたっており、耐光性は最も高いと言える。一方、PX-M791FTは「DURABrite ET」と、インクに名称が付けられているが、これは写真の耐保存性では無く、文書の耐保存性をうたったものだ。キャビネット保存で400年となっており、印刷した文書を長期保存ができる。このあたりも文書印刷に特化した機種ならではといえよう。 ちなみに、印刷速度にも特色がある。まず写真印刷速度を見てみると、EW-M670FTが75秒、G7030が37秒、MFC-J1500Nが14秒と5倍以上の差がある。MFC-J1500Nの14秒は非常に高速で、家庭用の写真印刷向けの6色インクのプリンターの10〜18秒と比べても遜色ない。G7030の37秒もなんとか実用的なレベルではあるが、EW-M670FTでは枚数がある程度多いと相当根気強く待つ必要がある。エプソンの6色インクのプリンターではでは各色180ノズルで、Advanced-MSDTという5つのインクサイズのインクを打ち分ける機能を搭載しており、必要に応じて大きなインクサイズを打ち分ける事で高速化と高画質化を両立し、写真1枚13秒を実現している。EW-M670Fはカラーが各128ノズル、ブラックが400ノズルで、カラーはやや少ないものの、6分の1の速度になるほどでは無いように思える。Advanced-MSDTではなく3つのインクサイズを打ち分けるMSDT対応という点もやや速度に影響しそうだが、そこまでではない。EW-M670FTは文書印刷向けにチューニングされている可能性が高い。一方キャノンの6色インクのプリンターでは、シアンとマゼンダが各1536ノズル、イエローが512ノズル、グレーとブラックが各1024ノズルとなっており、18秒を実現している。一方、G7030はカラーが各384ノズル、ブラックが640ノズルなので、カラーは約24〜75%、ブラック約63%のノズル数しか無く、特にシアンとマゼンダのノズル数は大きく減っており、この点が純粋に影響したと思われる。PX-M791FTも非公表だが文書向けにチューニングされているのは確実でそれほど高速では無いだろう。写真印刷メインの機種ではないが、画質は妥協して写真印刷も行うというなら、MFC-J1500Nがストレス無く使えるだろう。 一方、文書の印刷速度は傾向が異なる。PX-M791FTは文書印刷特化だけあって、カラーもモノクロも25.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)と非常に高速だ。これは卓上レーザープリンターにも匹敵するスピードで、卓上のインクジェットプリンターとしては最高速クラスだ。ノズル数がブラックが800ノズルとEW-M670FTの倍で、さらにカラーも同じ各800ノズルであるため、この高速印刷が可能となっている。一方EW-M670FTはそれぞれ8.0ipmと15.0ipmであり、PX-M791FTと比べると遅く感じるが、十分に高速だ。特に顔料ブラックのノズル数が多いため、モノクロ印刷が高速だ。一方、写真印刷はEW-M670FTより速かったG7030は、カラーが6.8ipm、モノクロは13.0ipmとやや遅くなる。MFC-J1500Nも同じ傾向で、カラーが10.0ipm、モノクロが12.0ipmとなる。カラーはEW-M670FTより高速だがモノクロでは劣ってしまう。文書印刷がメインと思われる機種だけに、こちらの速度は重要と言える。枚数が少なければそれほど問題では無いが、印刷枚数が多い場合はそれなりの違いが出る。例えば100枚モノクロ印刷した場合、PX-M791FTは4分、EW-M670FTは6分40秒、G7030は7分42秒、MFC-J1500Nは8分20秒だ。カラー印刷ならそれぞれ4分、12分30秒、14分42秒、10分だ。この差をどう見るかが、機種を選ぶ一つの決め手になるだろう。 ちなみに、インクの方式だが、前述のようにエプソンとキャノンはタンク方式のエコタンク・ギガタンク、ブラザーは大容量カートリッジ方式のファーストタンクとなる。エコタンク・ギガタンク方式はインクボトルを購入し、プリンター本体内蔵のインクタンクにインクを補充する形となる。基本的にインクボトル1本が、まるまるインクタンクに補充できる。いずれも2世代目のインク補充方式となっており従来より便利になっている。1世代目の製品は、ボトル先端に対して大きな注入口が開けられており、ここに先端を挿し込み、ボトルを握るなどして目視で満タンまで注入する形であった。それに対して2世代目では、ボトルの先端を注入口に挿し込むと、注入が始まり、満タンになると自動ストップするようになっている。ボトルの先端からインクをこぼす心配や、インクをあふれさせる心配が無く、非常に手軽になった。さらにPX-M791FTとEW-M670FTでは「挿すだけ満タンインク方式」としており、先端の形状を色ごとに変えてあるため、間違えた色のタンクに注入してしまう危険性が無く、より安心感が増している。一方のG7030はこの機能はなく、先端の形状はすべて同じだ。その点でPX-M791FTとEW-M670FTはより安心感が高い事になる。このようにボトルから補充と言うと難しそうに感じるが、そう難しくは無い事が分かる。さらに、メリットもあり、インク切れ前でもインクを補充する事が出来るため、大量印刷前や時間に余裕のある時にインクを補充しておけば、印刷途中でインク切れで印刷が止まっていたという事態が防ぐ事が出来る。 一方、ファーストタンクのMF-J1500Nはカートリッジ方式だが、名称に「タンク」が付いている。これは内部にサブタンクを搭載しているためで、こちらに約200枚分の常に確保している。カートリッジからインクが無くなった時点で交換できるため、インクを買い忘れても少し余裕がある事や、大量印刷前にインク残量が少なくなっていても、カートリッジが空になってれば事前に交換できるというメリットがある。カートリッジ方式ながら、できるだけタンク方式のメリットも取り入れたのがファーストタンク方式となる。 エコタンク、ギガタンク、ファーストタンクはいずれも大容量なのが特徴だ。PX-M791FTとEW-M670FTは、インクボトル各1本でカラー文書を印刷した場合、ブラックインクは7,500ページ、カラーインクは各6,000ページ印刷できる。G7030はそれぞれ6,000ページと、各7,700ページで、カラーとブラックが逆になっているが同等と言える。MFC-J1500Nは超・大容量と大容量の2種類があり、超・大容量ではそれぞれ6,000ページと5,000ページ、大容量なら3,000ページと1.500ページとなる。他の3機種よりやや少ないが、超・大容量なら、カートリッジ方式ながら、タンク方式に近い印刷枚数を実現している。しかし、インクの価格には大きな差がある。EW-M670FTはブラックが2,150円、カラーが各1,150円なので、4本で5,600円、G7030はブラックが2,100円、カラーが1,400円なので、4本で6,300円と、この2機種は近い価格だ。それに対してPX-M791FTはブラックが5,200円、カラーが各2,500円なので、4本で12,700円と倍以上の価格となっている。MFC-J1500Nは更に高く、超・大容量はブラックが4,000円、カラーが各5,000円なので、4本で19,000円となる。大容量なら4本で10,500円となるが、それでもEW-M670FTやG7030よりは高く、印刷枚数が大幅に少なくなってしまう。 この点が印刷コストに表れている。A4カラー文書はPX-M791FTが2.0円、EW-M670FTが0.9円、G7030が0.9円、MFC-J1500Nが3.7円となる。EW-M670FTやG7030と比べてPX-M791FTは2倍、MFC-J1500Nは4倍となる。A4モノクロ文書もPX-M791FTが0.8円、EW-M670FTが0.4円、G7030が0.4円、MFC-J1500Nが0.7円となる。EW-M670FTやG7030と比べてPX-M791FTやMFC-J1500Nは約2倍となる。印刷コストを考えれば、EW-M670FTとG7030が絶対的にお得で、MFC-J1500Nは特にカラー印刷を行うなら差が大きいのが気になる。とはいえ、4機種とも低印刷コストを特徴としている機種なので、全体から見れば非常に低印刷コストだ。家庭向けインクジェットプリンターでのカラー文書は9円〜17円程度で、ビジネス向けのインクジェットプリンターでも6円〜10円程度であるため、比較すると高く見えるMFC-J1500Nでも十分安い。また卓上レーザープリンターの場合、カラー文書は9円〜18円、モノクロ文書は1.6円〜4円なので、それと比べても安い事がわかる。低印刷コストをうたっているだけに、一般的なインクジェットプリンターやレーザープリンターよりは圧倒的に安いが、さらにどこまで求めるかによって機種選びの決め手の一つになるだろう。ちなみに写真印刷の印刷コストはEW-M670FTとMFC-J1500Nしか公表していないが、EW-M670FTが5.9円、MFC-J1500Nが10.0円となる。いずれもメーカー純正の写真用紙代(エプソンは約4.3円、ブラザーは約3.8円)が含まれているため、純粋なインク代だと、それぞれ1.6円と6.2円となる。カラー文書と同じく4倍近い差となっている。 ちなみにエコタンク・ギガタンク方式の機種が同梱するインクボトルは、別売りのインクボトルと同じとなっている。つまり同梱のインクで、インクタンクが満タンにする事が出来る。G7030はこれに加えてブラックがもう1本同梱される。一般的なインクカートリッジ方式の機種と同様、初期充填でインクを消費するが、PX-M791FT、EW-M670FT、G7030はいずれもインクタンクが固定され、プリントヘッドとはチューブでつながっているオフキャリッジ方式であるため、チューブの長さ分だけさらにインクを大量に消費する。とはいえ、タンクが大容量であるため、ある程度の量が残る。EW-M630Tはその量を公表しており、3,600枚以上の印刷が可能としている。PX-M791FTは非公表となっているが、PX-M791FTは海外の同機能のモデルでは、ブラックインクが4,500ページ、カラーインクが2,800ページ印刷可能としている。G7030も非公表だがある程度は残ると予想される上に、ブラックインクは更に1本同梱するため、残った量+6,000ページは印刷可能だ。一方のMFC-J1500Nは同梱するセットアップ用インクカートリッジは超・大容量タイプでは無く、大容量タイプとなる。ブラックが3,000枚、カラーが各1,500枚印刷できるカートリッジから、さらに充填を行うので減ってしまう。公表はされていないが、ブラックが2,200〜2,300ページ程度、カラーが1,000ページ程度印刷できると言われている。PX-M791FTやEW-M630Tと比べると少なめだ。同梱インクで印刷できる分は印刷コストがかからないわけで、その分は本体価格がお得とも考えられる。 | ||||||
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(用紙幅64mmまで対応) |
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(セット可能枚数(普通紙/ハガキ/写真用紙)) |
L判・64mm幅〜A4 (50枚・20枚・20枚) |
名刺〜A4 (100枚/40枚/20枚) |
(1枚/1枚/1枚) (0.52mm厚紙対応) |
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L判〜A4 (250枚/65枚/50枚) 【カセット下段】 A5〜A4 普通紙のみ (250枚/−/−) |
L判〜A4 (250枚/30枚/20枚) |
A5〜A4 普通紙のみ (250枚/−/−) |
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用紙サイズ自動検知機能搭載 |
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続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。使用できる用紙は、最大サイズは4機種ともA4までで共通だが、最小サイズはG7030を除く3機種がL判、G7030は更に小さい名刺サイズに対応している。G7030は名刺サイズの用紙に直接印刷できるため、少量の印刷にも便利な他、フチなしデザインも作りやすい。一方、PX-M791FTは用紙幅はL判の89mmより小さい64mmまで対応している。このサイズは、B6ハーフサイズのプライスカードに用いられ、小売店などで重宝されそうだ。長尺印刷に関しては、PX-M791FTが6,000mm(6m)まで対応しており、こちらは長尺のPOPや垂れ幕や横断幕などの印刷にも使用できる。EW-M670FTも1,200mm(1.2m)まで対応しており重宝しそうな一方、G7030は676mmまで、MFC-J1500Nは355.6mmまでとなっている。 給紙に関しては前面給紙だけ、又は前面給紙+背面給紙となっているが、細かく見ると各機種に特色がある。前面給紙は4機種とも対応する。カセット式となっており、用紙をセットしたままでもホコリが積もりにくく、常時セットしておくのに向いているのも同じだ。カセット1段にMFC-J1500Nを除く3機種は250枚、MFC-J1500Nは150枚までセットが可能だ。文書印刷がメインで印刷枚数も多いと予想される機種だけに、家庭向けの機種の100枚より多くセットできるようになっている。PX-M791FTはこのカセットが2段となっており、A4とA5という風に異なる用紙を250枚ずつセットする事も可能だし、上下段とも同じ用紙をセットして500枚使用する事もできる。その場合、上下段は連続して使用可能だ。ただし、下段に関してはA4〜A5サイズの普通紙に限定される。他の3機種はカセットが1段となる。またG7030の前面給紙カセットも、A4〜A5サイズのの普通紙のみ対応という制限がある。PX-M791FTと異なり、唯一の前面給紙カセットが普通紙のみであるため、ハガキやファイン紙、写真用紙などは全て背面給紙からとなる。普通紙以外を常時セットしておきたい場合は、不便と言える。ちなみのハガキの給紙枚数は、PX-M791FTが65枚、EW-M670FTが30枚、MFC-J1500Nが50枚となる。 では、背面給紙というと、EW-M670FT以外が対応する。PX-M791FTとG7030はトレイ式、MFC-J1500Nは手差し給紙となっている。トレイ式は複数枚の用紙をセットできるため便利だ。PX-M791FTは普通紙なら50枚、ハガキなら20枚、G7030はそれぞれ100枚と40枚までセット可能だ。PX-M791FTはやや少ないが十分に実用的だ。それに対して、MFC-J1500Nは1枚ずつしかセットできず、複数枚セットするとエラーとなる。前面給紙カセットにセットした用紙以外を数枚印刷したい場合や、前面給紙からでは扱いにくい厚紙や封筒などの印刷に利用する形となるだろう。位置も、通常の背面給紙の上面の後部ではなく、背面を開いたところにあるため、上からのぞき込まないとセットしにくい。その分、使用しない時は完全に収納できるため、省スペースという点では有利だ。ちなみに、厚みに関しては、一般的に前面給紙も背面給紙も通常の写真用紙やハガキに用いられる0.3mm厚程度までは対応できる。しかし、MFC-J1500Nの背面手差し給紙は0.52mmまで対応できるため厚めの封筒や用紙にも印刷できて便利だ。 複雑なのでまとめると、PX-M791FTは前面2段+背面トレイ、EW-M670FTは前面1段のみ、G7030は前面1段(普通紙のみ)+背面トレイ、MFC-J1500Nは前面1段+背面手差しとなる。一度にセット可能な枚数で見ると、普通紙はPX-M791FTが550枚(前面上段250枚+前面下段250枚+背面50枚)、EW-M670FTが250枚(前面250枚のみ)、G7030が350枚(前面250枚+背面100枚)、MFC-J1500Nが150枚(前面150枚のみ)となり、PX-M791FTが圧倒的に多いが、G7030も比較的多い。ハガキはPX-M791FTが85枚(前面上段65枚+背面20枚)、EW-M670FTが30枚(前面30枚のみ)、G7030が40枚(背面40枚のみ)、MFC-J1500Nが50枚(前面50枚のみ)と、やはりPX-M791FTが多いが、MFC-J1500Nも多めだ。PX-M791FTが普通紙もハガキもセット可能枚数は圧倒的だが、価格の近い他の3機種で言うと、普通紙への印刷が多いならG7030が、ハガキへの印刷が多いならMFC-J1500Nが便利だ。 ちなみにPX-M791FTは 排紙トレイの自動伸縮機能を搭載している。印刷が実行されると自動的に排紙トレイが伸張するため、トレイを引き出し忘れて印刷物が床に散らばってしまう心配が無い。逆に電源を切るときは自動的に排紙トレイが収納される。 4機種とも用紙の種類とサイズを登録しておく機能が搭載されている。液晶ディスプレイでメニューから登録も可能だが、前面給紙カセットを挿し込む、または背面給紙の場合はPX-M791FTは用紙を挿し込むと、G7030は給紙口カバーを閉じると、自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。さらにPX-M791FTは用紙サイズ自動検知機能を搭載しているため、用紙をセットすると自動的にサイズが設定されているため、手間が軽減されている。そして、この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。また、PX-M791FTはこの設定内容を利用して、用紙が無くなった際に同じ用紙設定のカセットやトレイに自動的に切り替えて印刷を継続することも出来る。また、PX-M791FTとEW-M670FTは印刷時に用紙幅のチェック機能を搭載しており、用紙幅が設定より小さい場合でも、用紙外にインクを打ってしまい、プリンター内部を汚さないよう工夫されている。 このように、対応用紙から給紙機能の豊富さ、排紙トレイの自動伸縮や、用紙サイズ自動検知など、PX-M791FTは他よりワンランク上の機能を搭載していると言える。 | ||||||
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印刷速度 |
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その他、プリントの付加機能を見てみよう。自動両面印刷機能は4機種とも搭載している。ただし、PX-M791FTとG7030は普通紙のみ対応だが、EW-M670FTとMFC-J1500Nは普通紙だけでなくハガキにも対応するため、年賀状で通信面と宛名面を用紙の差し替え無しで印刷できるなど、便利である。一方、PX-M791FTは1枚目表の印刷時に2枚目を給紙しておき、1枚目を裏返している間に2枚目表を印刷、2枚目を裏返している間に1枚目裏を印刷するという「両面高速紙送り機構」を採用している。自動両面印刷の場合、表を印刷した後、そのままもう一度プリンター内に吸い込まれ、プリンター後方で180度方向転換することで、裏返しているわけだが、これに時間がかかってしまい、両面印刷時は印刷速度が極端に低下してしまう。また印刷する内容によっては表面の印刷後に乾燥時間も必要になる。PX-M791FTでは、この裏返すのに時間がかかる間、もしくは乾燥待ちの間に2枚目の表を印刷することで、時間を無駄にしないという手法だ。そのため、自動両面印刷速度を見てみると、PX-M791FTはカラー、モノクロ共に21ipmと、片面印刷の25ipmと比べてもほとんど低下していない。一方、EW-M670FTはカラー4.5ipm、モノクロ6.5ipmと大きく低下する。片面の印刷速度にも差があるが、両面印刷だと更に差が開く格好だ。G7030はカラーが2.8ipm、モノクロ2.9ipm、MFC-J1500Nは、カラー・モノクロ3.0ipmとさらに遅い。ipmは「image」per minuteなので、片面を1と数える事から、この2機種は、1分間に1.5枚しか印刷できない事になる。両面原稿をメインで考えるなら、PX-M791FTがベストだが、EW-M670FTまでなら何とか使えるレベルだ。G7030とMFC-J1500Nは数枚なら良いが、数十枚となるとかなり時間がかかってしまう。 写真の自動補正機能としては、PX-M791FTとEW-M670FTは「オートフォトファイン!EX」、G7030は「自動写真補正」と名称は違うものの、逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる高性能なものを搭載している。写真印刷向きのプリンターではないが、こういった機能もしっかり搭載している。 自動電源オン機能はG7030のみ搭載している。印刷が実行されると自動的に電源がオンになる機能だ。無線LANや有線LANNでのネットワーク接続ができるようになり、プリンターから離れた場所のパソコンやスマートフォンから印刷を実行することが増えたが、そういった際にわざわざプリンターの電源を入れに行く手間が省ける。ただし、操作パネルを閉じた状態だと印刷は実行されないため、操作パネルは持ち上げて少し開いておく必要がある。一方、指定した時間が経つと自動的に電源がオフになる機能はPX-M791FT、EW-M670FT、G7030の3機種が搭載している。 PX-M791FTとEW-M670FTが持つ便利な機能が、廃インクタンク(メンテナンスボックス)をユーザーが交換できる機能だ。廃インクタンクはクリーニングの際に排出されるインクを貯めておくタンクで、G7030やMFC-J1500Nを含む多くの機種は満タンになるとメッセージが表示され修理に出して交換するまで一切のプリントが止まってしまう。一方、PX-M791FTとEW-M670FTはインクカートリッジなどと一緒に交換用メンテナンスボックスが売られており(PX-M791FT用は2.380円、EW-M670FT用は1,800円)、交換すれば印刷が再開できる。安くすむだけでなく、プリンターが手元に無い期間が無くなるため便利だ。一方、フチなし吸収材(フチなし印刷時は用紙サイズより少し大きめにプリントする事で実現しており、その際に用紙からはみ出したインクを吸収させるもの)が満タンになった場合は、4機種とも修理対応となる。ただしPX-M791FTは、満タンになってもフチなし吸収材にインクが落ちることがない「フチあり」印刷に関しては印刷を継続できるようになっている。フチなし印刷はできないとはいえ、フチなし印刷はとりあえず置いておいて、急を要するフチあり印刷を行い、余裕のあるときに修理に出すという事ができるわけだ。 | ||||||
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(216×297mm) |
(216×297mm) |
(216×297mm) |
(215.9×297mm) |
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ADF使用時は1200×600dpi |
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続いて、スキャナー部を見てみよう。読み取りサイズはA4(216×297mm又は215.9×297mm)で同等だ。解像度も4機種とも1200dpiとなっており差は無い。インクカートリッジ方式の上位機種にはもっと高解像度の機種があるが、実際には紙などの反射原稿しかスキャンできないことを考えると1200dpiでも十分だ。というのも、一般的には文書なら200〜300dpi、写真なら300〜600dpi程度で、よほど綺麗に保存したい場合や拡大して印刷する場合に1200dpiでスキャンすると言った程度だ。実際、L判写真を1200dpiで取り込むと約4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当なので十分で、600dpiでも2,100×3,000ドットなので、L判サイズに印刷したり、スマートフォンの画面で見る分には十分きれいだといえる。逆にスキャナー解像度が高いセンサーでは1ドットあたりの光の取り込み量が減り、スキャン速度が低下したりノイズが発生したりするため、バランスを取って1200dpiとしていると思われる(もちろんコストの関係もあると考えられるが)。なお、CISセンサーであるため、分厚い本など浮いてしまう原稿は苦手で、ピントが合わずぼけたような画像となってしまう点も共通だ。 4機種ともファクス機能を搭載してる事もあって、ADFを搭載している。ADFは原稿を複数枚セットすると、順番にスキャンしてくれる機能で、複数原稿のコピーやファクス時に重宝する。PX-M791FTは50枚、EW-M670FTとG7030は30枚、MFC-J1500Nは20枚までセットできる。対応サイズはA4はもちろん、4機種ともリーガルサイズ(215.9×355.6mm)に対応するため、原稿台からのスキャンより長い原稿に対応できる。一方EW-M670FTとG7030はA4より小さい原稿には対応しないが、PX-M791FTはB5とA5サイズに、MFC-J1500Nは148×148mmまでのサイズに対応する。A4より小さい用紙を使いたい場合は注意が必要だ。 このADFは、PX-M791FTは両面スキャンに対応しているのもポイントだ。片面のスキャン後にもう一度給紙し、裏面をスキャンする形となるため、時間はかかるが、両面原稿のスキャンやコピー、ファクス送信に便利だ。また、速度にも違いがある。PX-M791FTはカラーが9.0ipm、モノクロが27.5ipmと、特にモノクロスキャンが高速だ。スキャンだけでなく、コピー時にもこの速度は重要だ(後述)。一方EW-M670FTはカラー、モノクロ共に5.0ipmとなるため、枚数が多いと気になるだろう。G7030とMFC-J1500Nは速度を公表していない。また、MFC-J1500NはADF使用時は1200×600dpiに制限される。副走査が2400dpiから600dpiに低下するが、これはつまり、センサー側を移動させるフラッドベッドスキャナ時は2400dpiの精度が出せるが、用紙を移動させるADFでは600dpiの精度しかない事になる。とはいえ大きな差ではないだろう。 その他の機能として、PX-M791FTとMFC-J1500Nは、本体だけでスキャンしてUSBメモリーまたはSDカード(MFC-J1500Nのみ)に保存する機能を搭載している。解像度やスキャンサイズなどの選択肢は限定されるが、パソコンやスマホを使わず、サッとスキャンして持ち出せるのは便利だろう。 | ||||||
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(外付けHDD対応) |
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赤目補正 |
明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) |
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ダイレクト印刷を見てみよう。とはいえ、機能を搭載しているのはPX-M791FTとMFC-J1500Nのみだ。PX-M791FTはUSBポートを、MFC-J1500NはSDカードリーダーとUSBポートを備えている。つまり標準状態では、PX-M791FTはUSBメモリーに、MFC-J1500NはSDカードとUSBメモリーに対応していることになる。ただし、PX-M791FTのUSBポートにパソコン用のメモリカードリーダーを接続すればSDカードをはじめとする各種メモリーカードに対応できる。また外付けHDDにも対応しているため、PX-M791FTの方が幅広く対応できるとも言える。 対応形式は、MFC-J1500NがJPEGのみなのに対して、PX-M791FTはJPEGとTIFFに加えて、PDF形式にも対応する。PDFは前述のスキャンしてメモリカードに保存する機能で作成したPDFに限定されるが、この形式の違いは目的の違いによるものだと思われる。MFC-J1500NはSDカードからの写真印刷を目的としている。画質的にはそれどほ高画質ではないとはいえ、染料インクで写真印刷も可能だ。一方PX-M791FTは画質上、写真印刷向けとは言いがたい。この機能も、スキャンしてデジタル化していたデーターを再度印刷するのが目的と言える。 ちなみに、PX-M791FTも写真印刷向けの機能も搭載されているため、画質面でも問題を無視すれば、写真印刷にも十分に使用できる。液晶に表示される一覧から選んでプリントができるため、家庭用のプリンターと同じ操作方法で印刷が可能だ。フチあり/フチなしの切り替えと、赤目補正程度しかできないが、自動で写真を補正する「オートフォトファイン!EX」も利用できるため、簡単な写真印刷なら問題ないだろう。一方のMF-J1500Nも、フチあり/フチなしの切り替えの他、明るさとコントラストを5段階から調整できるなど、やや写真印刷向けの機能を搭載している。 | ||||||
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EPSON Smart Panel |
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Android 5.0以降 (EPSON Smart Panel使用時のiOSは11.0以降) |
Android 5.0以降 |
Android 4.4以降 |
Android 4.03以降 |
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(OneDriveはアプリからのみ) |
(OneDriveはアプリからのみ) |
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本体でのプリント操作必要 |
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スマートフォンとの連携機能も4機種とも搭載しており、iOSとAndroid端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。写真とドキュメント印刷、スキャンに対応しており、様々な内容をプリント可能だ。写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。ドキュメント印刷は、PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もでき便利だ。また、4機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データーをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。新聞や雑誌、手書きの情報などをスマートフォンに電子化するといった使い方ができるため便利だろう。なお、iPhoneやiPadの場合、AirPrintを利用したプリントも可能だ。 スマートフォンとの接続は、無線LAN(Wi-Fi)で行うが、無線LANルーターを経由する方法と、ダイレクトに接続する「Wi-Fiダイレクト」(キヤノンはダイレクト接続)が選べる。無線LANルーターを経由する方が、機能面でも制限が無く、印刷する度にプリンターと接続と切断を繰り返すのWi-Fiダイレクトと比べると便利なので、こちらを利用するのがお勧めだが、無線LANルーターが無い環境で使用する場合や、一時的に同じネットワークに入っていない他人にプリンターを使わせる場合にWi-Fiダイレクトは便利だ。Wi-Fiダイレクトの接続設定は手動でもそれほど難しくは無いが、EW-M670FTを除く3機種は手軽に接続出来る工夫がなされている。iOS用の接続支援機能に対応しているのはPX-M791FTのみだ。PX-M791FTの場合、本体の液晶に表示されるQRコードを、標準カメラアプリで読み込めば接続が完了し、セキュリティーキーの入力などは不要で非常に簡単だ。一方Androidの接続支援機能は3機種とも搭載するが、いずれも機能が異なる。PX-M7191FTの場合、Wi-Fiを受信しているプリンターの一覧がアプリ上に表示されるので、PX-M791FTを選ぶと、本体の液晶にメッセージが表示されるので接続の許可を選べば接続が完了する。こちらも非常に簡単だ。MFC-J1500NはNFCを使用しており、NFCに対応したスマートフォンを液晶左のNFCマークにタッチすれば接続が完了する。スマートフォンがNFCに対応している必要がある分、機種はやや限定されるが、こちらも非常に簡単だ。一方のG7030はBluetoothを利用した接続支援機能が提供される。Bluetoothで直接印刷データーを送信するのではなく、接続自体はWi-Fiだが、あらかじめBluetoothでペアリングしておけば、Wi-Fiダイレクトの設定が簡単に行えるというものだ。ただし、事前にペアリング設定が必要で、Bluetoothの接続設定とWi-Fiの接続設定の2段階となり使い勝手は劣るためか、本体とスマホ用アプリ上の両方で設定メニューはかなり奥にあり、メーカー側でも積極的に機能を薦めているわけではないようだ。iOSならPX-M791FTが、AndroidならPX-M791FTかMFC-J1500Nが簡単と言える。 また、MFC-J1500Nを除く3機種はスマートスピーカーに対応している。AlexaとGoogleアシスタント対応端末に対応しており、声だけでテンプレートを印刷させることができる。エプソンの3機種は、デザインペーパー、フォトプロップス、カレンダー、ノート、方眼紙、五線譜などのエプソン独自のものと、Alexaに登録された買い物リスト、やることリストなどの印刷に対応する。G7030はナンプレ、ぬりえ、レポート用紙、チェックリスト、五線譜などキャノン独自のもの印刷と、プリンターの状態の確認が行える。 クラウドとの連携機能も4機種とも搭載している。プリントの場合、各種オンラインストレージにアクセスして、ファイルを印刷する事が可能だ。ここで大きな違いは、MFC-J1500N以外の3機種はスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、MFC-J1500Nはスマートフォン上だけでなくプリンター本体の操作でも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、プリンター本体だけで手軽にプリントする方法が選べる点ではMC-J1500Nは便利だ。一方、MFC-J1500N以外の3機種はSNSの写真をコメント付きで印刷する事ができる。またG7030は写真共有サイトからの印刷も可能だ。 スキャンの場合、スキャンしてオンラインストレージへアップロードできる。こちらはプリントとは異なり、MFC-J1500Nに加えて、PX-M791FTとEW-M670FTも本体の操作でアップロードまで行うことができる(もちろんスマートフォンからスキャンしてアップロードすることもできる)。アプリをわざわざ立ち上げなくても、サッとスキャンしてアップロードできるため便利だ。G7030はスキャンしてクラウドにアップロードする機能自体を搭載していない。 さらにネットワークを利用したプリント機能として、PX-M791FTとEW-M670FTは、印刷したい写真や文書を添付してこれらの機種にメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、LINE上でプリンターを友達登録し、トーク画面から写真を送信すると印刷される「LINEからプリント」、スキャンして離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」、パソコンやスマートフォンから通常のプリントと同じ操作で、外出先など離れた場所から自宅のこれらの機種で印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。MFC-J1500Nもエプソンのメールプリントに似た「メール添付印刷」機能を搭載するが、メール本文のプリントには対応していない他、PX-M791FTとEW-M670FTはメールが届くと自動的にプリントされるのに対して、MFC-J1500Nは本体操作で送信元を選択しないとプリントされない点では手間がかかる。一方のG7030はこれらの機能は一切搭載しない。ネットワークを利用した各種プリント機能はPX-M791FTとEW-M670FTが圧倒的に豊富だと言える。 | ||||||
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濃度調整 背景除去機能 コントラスト調整 鮮やかさ調整 色調補正(レッド・グリーン・ブルー個別) シャープネス調整 色相調整 |
地色除去コピー 裏写り除去コピー インク節約モードコピー |
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影消しコピー パンチ穴消しコピー ソート(1部ごと)コピー |
影消しコピー パンチ穴消しコピー |
枠消しコピー IDコピー コピー予約 |
ブックコピー 透かしコピー ソートコピー ポスターコピー(3×3/2×2/1×2) |
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コピー機能を見てみよう。4機種とも単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」機能や、原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「定型変倍」機能、さらに25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載した高性能な物を搭載している。さらに、2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2面割り付けにも対応する。EW-M670FT以外の3機種は、4枚の原稿を1枚に縮小する4面割り付けにも対応している。その他、濃度調整機能は4機種とも搭載する。PX-M791FTはそれに加えて、プレビュー機能にも対応し、コピー前に原稿を確認できるため失敗が少なくなるほか、プレビュー画像を見て拡大・縮小率を調整できる。さらに、背景色を白にして見やすくする「背景除去機能」の他、コントラスト、鮮やかさ、色調、シャープネス、色相の調整が可能だ。色調調整は、レッド・グリーン・ブルーを個別に調整できる。かなり高度な色の調整が可能で、好みの色に調整したり、原本に近い色合いに調整したりと言ったことができる。一方、MFC-J1500Nは、裏面が透けて写るのを除去する「裏写り除去コピー」、インクを節約できる「インク節約モードコピー」に対応する。「インク節約モード」は全体に色を薄くするのでは無く、文書の文字はそのまま残しつつ、見出しなどの大きな文字や、グラフ、色囲みなどは、輪郭だけを残して内側の色を薄くすることで、見やすさを落とさずにインク使用量を減らすことができる。 バラエティコピー機能を見てみよう。免許証などの両面の小さな原稿の裏面と表面を、1枚の用紙に並べてコピーできる「IDコピー」又は「2in1IDカードコピー」機能は、4機種とも搭載している。周囲や綴じ目部分にできる影を消す「影消しコピー」又は「枠消しコピー」又は「ブックコピー」も共通の機能だ。ADFを使用したコピーで、複数ページの複数部をコピーするときに、1部ずつまとめてコピーする「ソート(1部ごと)コピー」又は「ページ順コピー」「ソートコピー」といった機能もEW-M670FT以外の3機種が搭載している。それ以外に、PX-M791FTはパンチ穴を消す「パンチ穴消しコピー」機能を搭載している。G7030はコピー実行中でも次の原稿の読み取り操作ができる「コピー予約」が可能だ。MFC-J1500Nは、すかし文字を入れてコピー出来る「透かしコピー」と、1枚の原稿を、2枚、4枚、9枚に分割してプリントし、貼り付ける事で大判コピーが行える「ポスターコピー」機能を搭載する。「透かしコピー」は「重要」「COPY」「社外秘」といった5種類から選べ、位置やサイズ、回転角度や透過度、文字の色も指定できる。それぞれ機能は異なるが、複合機単独で様々なコピーが行えるよう工夫されている。 ちなみにADFを利用して複数枚の原稿をコピーする場合、その速度には大きな差がある。PX-M791FTではモノクロコピーの場合は、スキャナーが27.5ipm、プリントが25ipmなので、理論上はプリントスピードを十分に発揮できる。カラーはスキャナーが9.0ipmであるため、プリントスピードよりは遅いが、理論上9.0ipmでコピーができる。それに対して他のEW-M670FTはADFの速度は5.0ipmとプリント速度より明らかに遅いため、5.0ipmが最高となる。G7030やMFC-J1500NのADFは速度が非公表であるためなんとも言えないが、PX-M791FTほど高速では無いだろう。。ADFを利用したコピーを多用するなら、PX-M791FTが圧倒的に使いやすく、残り3機種の中では、まだEW-M670FTが実用的な速度と公表されているだけ安心感がある。 | ||||||
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8dot/mm×7.7本/mm(精細) 8dot/mm×15.4本/mm(高精細) 16dot/mm×15.4本/mm(超高精細) 全モードで原稿種類を「文字」「文字・写真」「写真」から選択可 |
8dot/mm×7.7line/mm(精細) 8dot/mm×7.7line/mm(写真) |
8dot/mm×7.7本/mm(ファイン) 8dot/mm×7.7本/mm(写真) 300×300dpi(ファインEX) |
8dot/mm×7.7line/mm(ファイン) 8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン) 8dot/mm×7.7line/mm(写真) |
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(電話帳200宛先+手入力50宛先) |
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ファクス機能は搭載している機能はほぼ同等だが、細かなところで違いが出ている。4機種ともスーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーファクスを行う事が出来る。ADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒となる。また読取走査線密度はモノクロで8dot/mm×3.85本/mmの標準モード、8dot/mm×7.7本/mmの精細モード/ファインモードは4機種共通だ。PX-M791FTはさらに高画質な8dot/mm×15.4本/mmの高精細モード、16dot/mm×15.4本/mmの超高精細モードを選択できる。一方G7030も300×300dpiのファインEXモードを、MFC-J1500Nも8dot/mm×15.4本/mmのスーパーファインモードに対応しているなど、高画質に送信が可能だ。また、EW-M670FT、G7030、MFC-J1500Nは、解像度は精細モード/ファインモードと変わらないが、写真が含まれた原稿に適した写真モードを選べる。しかし、PX-M791FTは全てのモードで、原稿種類を「文字」「文字・写真」「写真」から選ぶ事ができ、画質設定に関わらず、様々な原稿を綺麗に送信が可能だ。カラーは200×200dpi又は203×196dpiでほぼ共通だ。 送信原稿サイズはPX-M791FT以外はA4に限定されるが、PX-M791FTはB5とA5にも対応する。受信したファクスの印刷も、EW-M670FTやG7030はリーガルとレターを除くとA4に限定されるが、PX-M791FTはA5に対応、MFC-J1500Nはセットした用紙の登録が行えるサイズ全て(A4/B5/A5/B6など)なので、A4用紙以外にも印刷できる点でやや便利だが、一般的には大きなA4用紙で問題ないだろう。 受信したファクスはPX-M791FTが550枚又は200件、EW-M670FTが100枚または100件、G7030が50枚又は20件、MFC-J1500Nが180枚(件数不明)となる。最も多いのはPX-M791FTだが、EW-M670FTとMFC-J1500Nも家庭で使う分には十分な枚数だ。一方、G7030はかなり少ないため、気をつけないとすぐに一杯になってしまう。枚数、件数には大きな差があるため、受信件数が多い場合は注意が必要だ。また、G7030は電源オフ時は受信したファクスが保持されるが、停電時やコンセントが抜けた場合には保持されないのに対して、PX-M791FT、EW-M670FT、MFC-J1500Nはそういった場合でも受信した内容が保持される。ただしMFC-J1500Nは2〜3日に制限される。使い方によっては、電気が供給されなくても受信内容が保持される方が便利だろう。 ダイヤル機能としては、4機種ともアドレス帳機能を搭載、PX-M791FTは200件、EW-M670FTは100件、G7030は20件、MFC-J1500Nは電話番号を2つ利用でき、1番号あたり100件登録できる。PX-M791FTの件数が多いが、よほど件数が多くなければEW-M670FTとMFC-J1500Nでも問題ないだろう。ただG7030の20件はかなり少ないため、使い方によっては不足する場合もあるだろう。その他、グループダイヤル、順次同報送信、自動リダイヤルなどの基本的な機能は4機種とも搭載している。また、G7030を除く3機種は送信するファクスを液晶で確認してから送信する「見てから送信」と、受信したファクスの内容を液晶で確認した上で印刷するか決めることで用紙を節約できる「見てから印刷」機能も備える。表にはないが、G7030以外の3機種は、指定した時間にファクスを送信する「時間指定送信」又は「タイマー送信」に対応しており、さらにPX-M791FTとMFC-J1500Nは同じ宛先の文書をまとめて送信する「バッチ送信」又は「とりまとめ送信」機能も搭載している。PX-M791FTとEW-M670FTはポーリング受信にも対応している。さらに、PX-M791FTのみ搭載している機能として、ポーリング送信や、送信失敗文書の保存機能をなども搭載している。 機能が豊富なPX-M791FTは、受信したファクスに対して様々な操作を自動で行え、指定したメールアドレスに送信したり、共有フォルダに保存したり、USBメモリーやメモリーカード(要カードリーダー)に保存する事ができる。ファクスの共有が行いやすいため、多人数で使う場合に便利だろう。MFC-J1500Nはメールアドレスに送信とクラウド上にアップロードすることが可能だが、EW-M670FTやG7030はこういった機能は搭載していない。 さらに、パソコン内のデーターを直接ファクスできる「PCファクス」機能自体は4機種とも搭載しているものの、G7030は送信(パソコン上のデーターを画像として送信)のみ対応だが、残る3機種は送信だけでなく受信(パソコン上にファクスのデーターを受信)することもできる。なお、4機種ともファクス機能だけで受話器がないため通話機能は無いが、モジュラージャックのインとアウトを備えており、アウトに電話機を接続すると通話が可能となる。その際、PX-M791FT、EW-M670FT、MFC-J1500Nはファクス/電話自動切り替え機能にも対応しているのも便利だ。このように4機種は基本的な機能は似ているが、保存件数や様々な便利な機能をに細かな差がある。PX-M791FTが最も高性能である事は確かだが、EW-M670FTとMFC-J1500Nも基本的な機能では大きな差では無いく、受信ファクスの転送機能などを使わなければ問題ないだろう。一方、G7030はかなり簡易的だと言えるため、とりあえずファクス機能があれば便利というくらいなら問題ないが、ある程度ファクス機能もよく使うという場合は、PX-M791FT、EW-M670FT、MFC-J1500Nの方が良いだろう。 | ||||||
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(角度調整可) |
(角度調整可) |
(90度角度調整可) |
(角度調整可) |
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(角度調整可) |
(角度調整可) |
(90度角度調整可) |
(度角度調整可) |
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5GHz対応 (Wi-Fiダイレクト対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
(ダイレクト接続対応) |
(Wi-Fiダイレクト対応) |
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MacOS 10.6.8〜 |
MacOS 10.6.8〜 |
Mac OS 10.11.6〜(AirPrint利用) |
Mac OS 10.11.6〜 |
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液晶ディスプレイと操作パネルを見てみよう。4機種とも本体前面に取り付けられ、液晶ディスプレイだけでなく操作パネル全体を持ち上げて角度調整が可能となっている。G7030は最大90度まで、エプソンの3機種もかなりの角度まで起こすことができるので、垂直から水平まで見やすい角度で操作ができるよう工夫されている。MFC-J1500Nは40〜50度程度までしか調整できないが、真上からと言うのでなければ問題ないだろう。4機種とも、低い位置に設置しても高い位置に設置しても使いやすいだろう。 しかし、操作パネルと液晶ディスプレイには大きな差がある。PX-M791FTは4.3型のカラー液晶を搭載しており、しかもタッチパネル液晶となっている。液晶の左に「ホーム」と「排紙トレイ収納」、右に「ヘルプ」ボタンを用意する以外は、全てタッチパネル操作となっている。それらのボタンもタッチセンサー式なので、見た目は非常にスッキリしている。メニューや設定項目、各種ボタンが液晶内に表示されるので、直に項目をタッチして操作ができるため直感的に操作できる。ちなみにファクス用のテンキーも液晶内に表示されるため、押した感触が無いため電話番号が押しにくいと感じる場合はあるだろう。EW-M670FTも同じくタッチパネル液晶となっている。2.4型とPX-M791FTと比べると大きくは無いが、ギリギリ操作性を損ねるほどでは無いだろう。電源ボタン以外は、液晶左の「ホーム」と右の「ヘルプ」ボタンだけが物理ボタンとなる。もちろんテンキーも液晶内に表示される。MFC-J1500Nもタッチパネル液晶で、2.7型となる。液晶サイズはEW-M670FTより一回り大きいが、輝度が低く、視野角も狭いため、正面でないと見にくくなってしまう。電源ボタン以外は本体右に「戻る」「ホーム」「取り消し」が物理ボタンで用意され、テンキーは液晶内表示だ。液晶サイズや見やすさに違いはあるが、この3機種はタッチパネルが基本となっており、表示されたボタンを直接タッチできるため直感的に操作しやすいのは同じだ。3機種ともカラー液晶でグラフィカルな表示が行われるので分かりやすく、またバックライトのある液晶内なので、暗いところでも操作しやすい。 一方G7030は他の3機種と比べるとかなり劣る。液晶は2行文字表示のモノクロ液晶だ。サイズは実測値でEW-M670FTと比べても幅は同じくらいだが、高さが3分の1ほどで、かなり小さい。漢字表示はできるが、文字情報だけなので分かりにくくなってしまう。その上、バックライトを搭載していないため、暗いところでの操作ができないという以上に、薄暗いだけでも視認性が極端に悪くなってしまうのもデメリットだ。操作パネルを見てみると、液晶が小さいこともあって機能を選択するトップ画面が無いため、「コピー」「スキャン」「ファクス」「セットアップ」といった各機能にダイレクトに入れるボタンが液晶左に並んでいる。代わりに液晶内の操作は、設定画面を表示する「メニュー」ボタンの他、「左右カーソル」と「OK」「戻る」と最低限のボタン数となっている。上下カーソルが無いため操作が分かりにくく、階層も深くなってしまい操作が煩雑になってしまう。これらボタンに加えて、Wi-Fi設定時に使う「ワイヤレスコネクト」や、「カラースタート」「モノクロスタート」「ストップ」、さらにファクスと用のテンキーが並ぶ。電源ボタン以外はタッチセンサーボタン3つしかなかったPX-M791FTや、物理キーが3個しかなかったEW-M670FTやMFC-J1500Nに対して、G7030は26個も並び、液晶が小さいこともあってボタンだらけという印象で、この点も操作する上で分かりにくくなっている。操作性は圧倒的にPX-M791FT、EW-M670FT、MFC-J1500Nが上で、本体での操作が多いならG7030はかなり辛いと言えるだろう。 インターフェースは4機種ともUSB2.0に加えて、ネットワーク接続に対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、無線LAN(Wi-Fi)ルーターで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。その場合、プリンターを無線LANルーターに接続しておけば、家庭内のどのパソコンでもプリント可能となり非常に便利だろう。またスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またWi-Fiダイレクト(キヤノンは名称はダイレクト接続)に対応しているため、無線LANルーターの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も共通の便利な点だ。ネットワーク接続に関しては、無線LANに加えて、有線LAN接続にも対応する。無線LANの電波が届きにくい、壁にLANコネクターがある、手軽に接続したいなどの理由で有線LAN接続を使用する事も可能だ。さらに、PX-M791FTの無線LANはIEEE80.211ac/aにも対応し、5GHz帯にも対応する。IEEE802.11acは、他の3機種のIEEE802.11nと比べると通信速度が圧倒的に速いため、無線LAN接続時でも待たされる心配が無い。さらに、IEEE802.11ac/n/a通信時は、5GHz帯の電波を使用できる。他機種の2.4GHz帯は、Bluetoothや電話の子機と同じ帯域で、電子レンジなどの影響も受けやすいが、5GHz帯は無線LAN専用といえるので、通信が安定する。 対応OSは差が大きい。PX-M791FTとEW-M670FTはWindows XP SP3以降は全て対応する。MacOSもダウンロード対応とはなるが10.6.8以降に対応する。マイクロソフトのサポートの終了したWindows XPやVistaにも対応するのは安心だ。一方、G7030とMFC-J1500NはWindows 7 SP1以降の対応だ。両機種ともWindows XPやVistaに対応しないが、加えてG7030はWindows 8も非対応である点は注意が必要だ。MacOSも10.11.6以降となっており、エプソンより比較的新しいバージョンのみたいうする。またG7030は、ドライバーはキヤノンからは提供されず、AirPrintを使用する方法となっているため、インク残量確認や一部の印刷設定、本体の動作設定ができない点でWindowsで利用する場合に比べて不便になっている。 本体サイズを見てみよう。PX-M791FTは425×500×350mmで大柄だ。横幅はそれほど大きくは無く、高さも前面給紙カセットが2段である事を考えると仕方が無いと思えるが、奥行きが意外と大きい。エコタンクの飛び出した部分を含んでいるとはいえ、350mm前後の機種が多い中で500mmはかなりの大きさだ。設置スペースは気をつける必要がある。一方、EW-M670FTは375×347×231mmで、高さはADFを搭載することと前面給紙カセットが大型である事もあって、やや大きいが、幅と奥行きは家庭用のインクカートリッジの機種と比べても引けを取らないコンパクトさだ。しかも奥行きに関しては、エコタンクと前面給紙カセット部分だけが出ているデザインなので、全体的にはサイズ以上に小さく見える。G7030は403×369×234mmで、高さはEW-M670FTとほぼ同じだが、幅が28mm、奥行きが22mm大きく、全体に一回り大きいという印象だ。MFC-J1500Nは435×341×195mmとなる。幅は4機種中最も大きいが、奥行きと高さは最も小さい。なお、EW-M670FT以外は背面給紙を利用する場合は、後方にさらにスペースが必要でだ。特に、普通紙以外が背面給紙からとなるG7030は、背面給紙の使用がほぼ必須である点は注意が必要だ。設置スペースだけで見ると、EW-M670FTは優秀だと言える。 耐久枚数はPX-M791FTが20万枚、EW-M670FTが5万枚、G7030が6万枚となっており、家庭向けの機種が1万〜1万5000枚である事を考えると、強化されている。一方MFC-J1500Nは、家庭向けの機種とデザインが共通しており、耐久性は同等の可能性が高い。また、高耐久の3機種の間にも差がある。プリンターの場合5年が寿命と言われているため、5年間で割ると、PX-M791FTが月3333枚、EW-M670FTが月833枚、G7030が月1000枚が目安となる。 4機種の中で異質なのはPX-M791FTだ。唯一全色顔料インクを採用し、他の3機種より圧倒的に高性能だ。印刷速度、給紙枚数、自動両面印刷、ADF、コピー機能、FAX機能、操作性、無線LAN、耐久性のどれをとっても優秀である。弱点と言えば、他機種よりも印刷コストが高い事と本体サイズが大きいことだが、前者はカートリッジ方式のプリンターやレーザープリンターと比べれば十分に安価なので大きな問題では無いだろう。文書印刷がメインで、速度や機能、操作性にこだわるという場合や、多人数で使う場合などにはPX-M791FTがオススメだ。 残る3機種は価格的にも近く、機能面でも近いため、悩みどころだろう。しかし、この中で万人にお勧めできるのはEW-M670FTだ。言い換えれば、弱点が少ないといえる。印刷コストはG7030と並んで最も安価で、インクの補充方式も最も簡単だ。印刷速度はPX-M791FTに次いで速く、両面印刷速度やADFも比較的速く、長尺印刷やネットワーク印刷にも対応、タッチパネル式のカラー液晶を搭載し、それでいてコンパクトだし、コピー機能やファクス機能も基本を抑えている。本体の耐久性も高く、メンテナンスボックスも交換可能で、印刷枚数が多くても安心だ。唯一弱点らしいのは、前面給紙カセット1段のみであること、ダイレクト印刷機能を一切搭載していない事だ。とはいえ、普通紙印刷がメインであれば1種類で問題ないし、画質的にもダイレクト印刷が必要という人は限られるだろう。またスマートフォンからの印刷は可能なので、大きな弱点にはならない。EW-M670FTを選んでおけば、とりあえずどの点にも不満無く使えるだろう。それに対して、G7030に優れている点があるとすると、前面+背面の2方向給紙だ。2種類の用紙がセットできる点は便利な場合もあるだろう。反面弱点も多く、印刷速度や自動両面印刷速度の遅さはまだしも、肝心のファクス機能が他の3機種よりかなり貧弱である事と、操作性がかなり劣る点がある。また2方向給紙という点も、普通紙以外は背面給紙という点で、普通紙以外を常用する場合は逆に不便となる。ファクス機能は付いていれば良いというレベルで、コピーなど本体操作はしないが、それよりも2方向給紙に魅力がある場合はG7030もありだろう。ではMFC-J1500Nの優れている点はと言うと、まずは価格だ。カートリッジ方式なので印刷コストは高いが、本体価格は安い。それでいて印刷速度やコピー機能、ファクス機能などは劣っていない。また、唯一SDカードスロットを搭載しており、画質にこだわらなければ写真のダイレクト印刷が可能である点は他機種にないメリットだ。そこまで究極に低印刷コスト求めず、それよりも本体価格が安い方が良いという場合や、写真のダイレクト印刷機能に魅力を感じるならMFC-J1500Nもありだろう。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
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