2021年末時点のプリンター 〜エプソン・キャノン・ブラザーのプリンターを比較〜 (2022年2月25日公開)
低印刷コストをうたう「タンク方式」や「大容量カートリッジ」の複合機は、バリエーションが豊富で価格帯もバラバラであるため、同価格帯での比較が行いにくいだけでなく、価格は近くても全く方向性の違う機種を比較する事になる。そこで、価格帯別の比較と合わせて、同系統と製品での比較をしてみたいと思う。今回は、ビジネス向けで、文書印刷に特化した全色顔料の6機種を比較する。エプソン(エコタンク)からはPX-M791FT、キャノン(ギガタンク)からはGX7030とGX6030、ブラザー(ファーストタンク)からはMFC-J4540N、MFC-J4440N、DCP-J4140Nの計6機種となるが、実際には、キャノンの2機種はファクス機能の有無と前面給紙カセットの段数だけの違い、ブラザーの3機種も、MFC-J4440Nを基準に見ると、ファクス機能を省いたDCP-J4140Nと、前面給紙カセットを2段としたMFC-J4540のバリエーションがあるだけだ。そのため、エプソン、キャノン、ブラザーから1機種ずつとそのバリエーションという考え方も出来る。また価格もPX-M791FTが98,978円、GX7030が79,750円、GX6030が73,050円、MFC-J4540Nが55,550円、MFC-J4440Nが49,500円、DCP-J4140Nが40,700円と、エプソンが最も高く、キャノンがその次で、ブラザーが最も安いという分かれ方をしている。同じファクス付きでもPX-M791TとMFC-J4440Nでは倍の違いがある。当然価格によって機能に差が出るわけだが、使い方によって必要とする機能はユーザーによって異なるはずだ。細かく違いを見ていけば、どの価格の製品が必要なのかが分かってくるだろう。 |
型番 | エプソン | キャノン | キャノン | ブラザー | ブラザー | ブラザー | ||
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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実売価格(メーカーWeb/税込) | 98,978円 | 79,750円 | 73,050円 | 55,500円 | 49,500円 | 40,700円 | ||
インク | 色数 | 4色 | 4色 | 4色 | 4色 | 4色 | 4色 | |
インク構成 | ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
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カートリッジ構成 | エコタンク方式 (挿すだけ満タンインク方式・オフキャリッジ式) |
ギガタンク方式 (挿して注入・満タン自動ストップ・色ごとに形状変更・オフキャリッジ式) |
ギガタンク方式 (挿して注入・満タン自動ストップ・色ごとに形状変更・オフキャリッジ式) | ファーストタンク方式 (カートリッジ方式・各色独立) |
ファーストタンク方式 (カートリッジ方式・各色独立) |
ファーストタンク方式 (カートリッジ方式・各色独立) |
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顔料/染料系 | 顔料 (DURABrite ET) |
顔料 | 顔料 | 顔料 | 顔料 | 顔料 | ||
インク型番 | IT08番 | 36番 | 36番 | 416(大容量) |
416(大容量) |
416(大容量) |
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付属インクボトル | インクボトル各色1本 | インクボトル各色1本 | インクボトル各色1本 | セットアップ用インクカートリッジ各色1本 | セットアップ用インクカートリッジ各色1本 | セットアップ用インクカートリッジ各色1本 | ||
ノズル数 | 3200ノズル | 4352ノズル | 4352ノズル | 840ノズル | 840ノズル | 840ノズル | ||
全色:各800ノズル | カラー:各1024ノズル 黒:1280ノズル |
カラー:各1024ノズル 黒:1280ノズル |
全色:各210ノズル | 全色:各210ノズル | 全色:各210ノズル | |||
最小インクドロップサイズ | N/A(3.8pl(MSDT)?) | N/A | N/A | 2pl | 2pl | 2pl | ||
最大解像度 | 4800×1200dpi | 600×1200dpi | 600×1200dpi | 1200×4800dpi | 1200×4800dpi | 1200×4800dpi | ||
高画質化機能 | PrecisionCoreプリントヘッド(600dpi) ノズル自己診断システム |
− | − | − | − | − | ||
印刷速度 | L判縁なし写真(メーカー公称) | N/A | N/A | N/A | 14秒 | 14秒 | 14秒 | |
A4普通紙カラー(ISO基準) | 25.0ipm | 15.5ipm | 15.5ipm | 19.0ipm | 19.0ipm | 19.0ipm | ||
A4普通紙モノクロ(ISO基準) | 25.0ipm | 24.0ipm | 24.0ipm | 20.0ipm | 20.0ipm | 20.0ipm | ||
ファーストプリント速度 | A4普通紙カラー | 5.5秒 | 8.0秒 | 8.0秒 | 5.9秒 | 5.9秒 | 5.9秒 | |
A4普通紙モノクロ | 5.5秒 | 7.0秒 | 7.0秒 | 5.8秒 | 5.8秒 | 5.8秒 | ||
(税込) |
L判縁なし写真 | N/A | N/A | N/A | 超・大容量:12.5円 | 超・大容量:12.5円 | 超・大容量:12.5円 | |
A4カラー文書 | 2.2円 | 2.2円 | 2.2円 | 超・大容量:4.1円 | 超・大容量:4.1円 | 超・大容量:4.1円 | ||
A4モノクロ文書 | 0.9円 | 0.8円 | 0.8円 | 超・大容量:0.8円 | 超・大容量:0.8円 | 超・大容量:0.8円 | ||
(カラー文書) |
ブラック | 7,500ページ | 6,000ページ | 6,000ページ | 超・大容量:6,000ページ 大容量:3,000ページ |
超・大容量:6,000ページ 大容量:3,000ページ |
超・大容量:6,000ページ 大容量:3,000ページ |
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カラー | 各6,000ページ | 各14,000ページ | 各14,000ページ | 超・大容量:5,000ページ 大容量:1,500ページ |
超・大容量:5,000ページ 大容量:1,500ページ |
超・大容量:5,000ページ 大容量:1,500ページ |
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(税込) |
ブラック | 5,720円 | 4,730円 | 4,730円 | 超・大容量:4,400円 大容量:3,300円 |
超・大容量:4,400円 大容量:3,300円 |
超・大容量:4,400円 大容量:3,300円 |
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カラー | 各2,750円 | 各6,160円 | 各6,160円 | 超・大容量:各5,500円 大容量:各2,750円 |
超・大容量:各5,500円 大容量:各2,750円 |
超・大容量:各5,500円 大容量:各2,750円 |
まずはプリントの基本となる画質と速度、印刷コストから見ていこう。6機種ともブラック、シアン、マゼンダ、イエローの基本4色構成である点は同じだ。全色顔料インクとなっている。プリンターのインクには染料インクと顔料インクがあり、家庭用の機種では染料インクが主体だ。ただ、染料インクは普通紙に印刷した際に紙にしみこんで広がってしまうため、メリハリが弱くなる。その点で顔料インクならメリハリのある印刷が行え、小さな文字や中抜き文字も潰れずに印刷が可能なほか、耐水性も高いため濡れた手で触ったりマーカーを引いても滲まない。ただ、顔料インクは写真用紙などに印刷した際に発色が悪いほか、用紙の光沢感が薄れ半光沢のようになってしまうというデメリットもある。また、光沢年賀状をはじめとする一部の光沢紙やフィルム紙、アイロンプリント紙など使用できない用紙もある。全色顔料インクの構成は、普通紙印刷に特化していると言え、レーザープリンターからの置き換えにも適している。 全色顔料という点で同等の6機種だが、画質面で細かく見てみると、違いがある。まずPX-M791FTはPrecisionCoreプリントヘッドを採用しており、普通紙への印刷解像度を従来の360dpiから600dpiに向上させているため、より鮮明な印刷が可能となっている。また「ノズル自己診断システム」を搭載しており、ヘッドのドット抜けを印刷ジョブごとに自動検知して調整してくれる。何百枚も印刷したら、途中から文字や線が一部欠けていてやり直し……という無駄が軽減される。また、PX-M791FTはインク自体も、「DURABrite ET」という名称となっておりキャビネット保存で400年をうたっている。顔料インクは文書の長期保存に適したインクではあるが、PX-M791FTでは特に耐保存性を高めており、安心して長期保存が可能だ。このように同じ4色顔料インクながら、PX-M791FTは一歩上を行く画質と、安心機能を搭載しているといえる。 一方画質に影響のある最小インクドロップサイズで見ると、ブラザー以外は非公開ながら、PX-M791FTは海外の同機能のモデルから3.8plと予想される。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは2plとなっており、PX-M791FTより小さくなっている。写真の印刷ほど最小インクドロップサイズの影響は大きくないとはいえ、文書中の写真やグラフ、背景色などは、最小インクドロップサイズが小さい方がザラザラした感じを受けにくくなる。その点ではMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが最も高画質だが、PX-M791FTの3.8plでもそれほど問題にはなりにくく、逆に文字や線の鮮明度は、前述のPrecisionCoreプリントヘッドを採用するPX-M791FTの方が上となるため、総合の画質ではPX-M791FTの方が上だろう。一方、GX7030/GX6030の最小インクドロップサイズは海外モデルも含めて非公開だが、プリント機能のベースとなっていると思われるMAXIFYシリーズと同等なら、ブラックが5pl、カラーが11plとなる。同等だというのはあくまで予想だが、少なくとも印刷解像度が他機種より圧倒的に低い事から、最小インクドロップサイズは大きめである事は確実だ。GX7030/GX6030では、文書中の写真やグラフなどの粒状感が気になるかもしれない。 印刷速度にも差がある。PX-M791FTはカラーもモノクロも25.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)と非常に高速だ。これは卓上レーザープリンターにも匹敵するスピードで、卓上のインクジェットプリンターとしては最高速クラスだ。一方、GX7030とGX6030は、モノクロは24.0ipmとPX-M791FTとほぼ同等だが、カラーは15.5ipmと遅くなる。逆に、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140N は、モノクロは20.0ipmとやや劣るが、カラーは19.0ipmとGX7030/GX6030より高速だ。とはいえ、GX7030/GX6030やMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nでも、インクジェットプリンターとしては十分に高速といえる。後はどこまで速度を追求するかだ。例えば、モノクロで200枚印刷した場合、PX-M791FTが8分、GX7030/GX6030が8分20秒、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが10分となる。カラーで200枚印刷した場合、PX-M791FTは同じく8分、GX7030/GX6030は12分54秒、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは10分32秒となる。モノクロプリントでの差は小さいが、カラーではある程度の差がある。カラープリントを頻繁に使うかどうかが、機種を選ぶ上でのポイントの一つとなりそうだ。ちなみに、連続でプリントする速度も重要だが、1枚だけ印刷する場合に素早く印刷できるかが重要な場合もあるだろう。ファーストプリント速度と呼ばれ、PX-M791FTがカラー、モノクロ共に5.5秒、GX7030/GX6030は、カラーが8.0秒、モノクロが7.0秒、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはカラーが5.9秒、モノクロが5.8秒だ。GX7030/GX6030が他機種より遅く、PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはほとんど差が無いと言える。1、2枚のプリントを頻繁に印刷する使い方の場合は、PX-M791FTやMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nの方が便利かもしれない。 ちなみに、インクの方式だが、エプソンとキャノンはタンク方式のエコタンク又はギガタンク、ブラザーは大容量カートリッジ方式のファーストタンクとなる点で大きく異なる。エコタンク・ギガタンク方式はインクボトルを購入し、プリンター本体内蔵のインクタンクにインクを補充する形となる。基本的にインクボトル1本が、まるまるインクタンクに補充できる。いずれも第2世代のインク補充方式となっており従来より便利になっている。第1世代の製品は、ボトル先端に対して大きな注入口が開けられており、ここに先端を挿し込み、ボトルを握るなどして目視で満タンまで注入する形であった。それに対して第2世代では、ボトルの先端を注入口に挿し込むと、注入が始まり、満タンになると自動ストップするようになっている。ボトルの先端からインクをこぼす心配や、インクをあふれさせる心配が無く、非常に手軽になった。さらにPX-M791FTでは「挿すだけ満タンインク方式」としており、GX7030/GX6030は名称こそ無いが、3機種とも先端の形状を色ごとに変えてあるため、間違えた色のタンクに注入してしまう危険性が無く、より安心感が増している。このようにボトルから補充と言うと難しそうに感じるが、そう難しくは無い事が分かる。さらに、メリットもあり、インク切れ前でもインクを補充する事が出来るため、大量印刷前や時間に余裕のある時にインクを補充しておけば、印刷途中でインク切れで印刷が止まっていたという事態が防ぐ事が出来る。 一方ファーストタンク方式はカートリッジ式だが、名称に「タンク」が付いている。これは内部にサブタンクを搭載しているためで、こちらに約200枚分の常に確保している。カートリッジからインクが無くなった時点で交換できるため、インクを買い忘れても少し余裕がある事や、大量印刷前にインク残量が少なくなっていても、カートリッジが空になってれば事前に交換できるというメリットがある。カートリッジ方式ながら、できるだけタンク方式のメリットも取り入れたのがファーストタンク方式となる。 印刷コストを重視するエコタンク・ギガタンク・ファーストタンク方式だけに、一般的なカートリッジ方式と比べると非常に安くなっている一方で、機種による差はある。PX-M791FTはA4カラー文書が2.2円、A4モノクロ文書が0.9円となる。GX7030/GX6030はそれぞれ2.2円と0.8円となり、ボトル式である3機種はほぼ同等と言える。モノクロだけ0.1円違うとはいえ、1万枚印刷して1,000円の差なので、気にするほどの差ではないだろう。一方大容量カートリッジ方式のMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは、モノクロ文書は0.8円と同等となっているが、カラー文書は4.1円と倍近い印刷コストとなっている。カラープリントが多いというユーザーは要注意だ。ただ、家庭向けインクジェットプリンターでのカラー文書は9円〜17円程度で、ビジネス向けのインクジェットプリンターでも6円〜10円程度であるため、非常に安い事が分かる。また卓上レーザープリンターの場合、カラー文書は9円〜18円、モノクロ文書は1.6円〜4円なので、6機種とも印刷コスト面では圧倒的に有利である事に変わりは無い。 インクボトル各1本(満タンまでインク補充した状態)又はインクカートリッジ各1本での印刷可能枚数と、インクボトル/インクカートリッジの価格には違いがある。A4カラー文書を印刷した場合、PX-M791FTは、ブラックが7,500ページ、カラーが各6,000ページプリント可能だ。それに対してGX7030/GX6030はブラックは6,000ページとやや少ないが、カラーは各14,000ページと倍以上となっている。ただ、ブラックインクの価格はPX-M791FTが5,720円に対して、GX7030/GX6030は4,730円、カラーインクはPX-M791FTが各2,750円に対して、GX7030/GX6030は6,160円と、印刷できる枚数が多いとその分価格は高くなっている。結果、1枚あたりの印刷コストに換算すると、ほぼ同等となる。GX7030とGX6030の方がカラーインクの交換回数が少なくすみ手間は軽減されるが、1度の出費額は大きくなる。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは、超・大容量カートリッジ使用で、ブラックは6,000ページ、カラーは各5,000ページと、PX-M791FTと比べて全体にやや少ない程度で、ブラックインクはGX7030/GX6030と同等の印刷枚数となっている。カートリッジ方式だからといって、印刷枚数が少ないというわけではない。価格はブラックインクは4,400円と印刷枚数がやや少ない分、価格も安く設定されている。一方カラーインクは各5,500円と、PX-M791FTより印刷可能枚数はやや少ないにもかかわらず倍の価格、またはGX7030/GX6030より10%ほど安いが印刷可能枚数は3分の1強しかない。結果、モノクロの印刷コストが他機種と同等で、カラーの印刷コストが高くなるといえる。量の少ない「大容量カートリッジ」なら価格は安くなるとは言え、カラーインクはPX-M791FTど同価格にしかならず、ブラックインクは25%安いだけだ。そのわりに印刷可能枚数はカラーは30%に、ブラックは半分になるため、1枚あたりの印刷コストは更に高くなってしまう。カラープリントの印刷コストを重視するならPX-M791FTかGX7030/GX6030の方が良いだろう。 ちなみにPX-M791FTやGX7030/GX6030の同梱するインクボトルは、別売りのインクボトルと同じとなっている。つまり同梱のインクで、インクタンクが満タンにする事が出来る。ただし、3機種ともインクタンクが固定され、プリントヘッドとはチューブでつながっているオフキャリッジ方式であるため、初期設定時の充填でチューブの長さ分だけさらにインクを消費する事になり、かなりのインクを消費する事になる。とはいえ、タンクが大容量であるため、ある程度の量が残る。3機種とも非公表ながら、PX-M791FTは海外の同機能のモデルでは、ブラックインクが4,500ページ、カラーインクが2,800ページ印刷可能としている。GX7030とGX6030は海外モデルでも非公表だが、特にカラーインクは多い事から、ある程度は残ると予想される。それに対して、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが同梱するのは、超・大容量ではなく、大容量カートリッジとなる。そこから同じく初期充填でインクを消費するため、同梱インクでの印刷可能枚数は、PX-M791FTやGX7030/GX6030より少ないと予想される。同梱インク分は印刷コストがかからないわけで、その分、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nの本体価格の割安感はやや薄れるといえる。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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対応用紙サイズ | 定型用紙 | L判〜A4 (用紙幅64mmまで対応) |
L判〜A4 (フチ無し印刷非対応) |
L判〜A4 (フチ無し印刷非対応) |
L判〜A4 | L判〜A4 | L判〜A4 | |
長尺用紙 | 長さ6,000mmまで | 長さ1,200mmまで | 長さ1,200mmmmまで | 長さ355.6mmまで | 長さ355.6mmまで | 長さ355.6mmまで | ||
給紙方向 (セット可能枚数(普通紙/ハガキ/写真用紙)) |
○ L判・64mm幅〜A4 (50枚・20枚・20枚) |
○ (100枚/40枚/20枚) |
○ (100枚/40枚/20枚) |
○手差し (1枚/1枚/1枚) (0.52mm厚紙対応) |
○手差し (1枚/1枚/1枚) (0.52mm厚紙対応) |
○手差し (1枚/1枚/1枚) (0.52mm厚紙対応) |
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前面 | 【カセット上段】 L判〜A4 (250枚/65枚/50枚) 【カセット下段】 A4〜A5 普通紙のみ (250枚/−/−) |
【カセット上段】 普通紙のみ A5/B5/A4/レター(250枚/−/−) 【カセット下段】 普通紙のみ・A4/レター (250/−/−) |
【カセット】 普通紙のみ A5/B5/A4/レター(250枚/−/−) |
【カセット上段】 (150枚/50枚/20枚 【カセット下段】 普通紙のみ A4〜A5 (250/−/−) |
【カセット】 (150枚/50枚/20枚) |
【カセット】 (150枚/50枚/20枚) |
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その他 | − | − | − | − | − | − | ||
排紙トレイ自動伸縮 | ○ | − | − | − | − | − | ||
用紙種類・サイズ登録 | ○(カセット収納(前面)/用紙セット(背面)連動) 用紙サイズ自動検知機能搭載 |
○(カセット収納(前面)/用紙セット(背面)連動) | ○(カセット収納(前面)/用紙セット(背面)連動) | >○(カセット収納連動) | ○(カセット収納連動) | ○(カセット収納連動) | ||
用紙幅チェック機能 | ○(印刷時) | − | − | − | − | − |
続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。使用できる用紙は6機種とも最大がA4、最小がL判と共通だが、細かな違いがある。まず、PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはフチなし印刷に対応するが、GX7030/GX6030は非対応だ。写真印刷向けの機種ではないとはいえ、フチなしデザインのハガキや、背景色や背景デザインが全面にある文書などを印刷する場合は、フチなし印刷機能が必要となる。また、PX-M791FTは用紙幅はL判の89mmより小さい64mmまで対応している。このサイズは、B6ハーフサイズのプライスカードに用いられ、小売店などで重宝されそうだ。長尺印刷に関しては、PX-M791FTが6,000mm(6m)まで対応しており、こちらは長尺のPOPや垂れ幕や横断幕などの印刷にも使用できる。GX7030/GX6030も1,200mm(1.2m)まで対応しているが、長尺印刷を行いたい場合は、どの程度の長さが必要か確認した方が良いだろう。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは355.6mmまでで、日本では馴染みがないがリーガルサイズと呼ばれる定型サイズまでとなる。 給紙に関しては6機種とも前面給紙+背面給紙となっているが細かく見ていくと大きな違いがある。前面給紙はカセット式となっており、用紙をセットしたままでもホコリが積もりにくく、常時セットしておくのに向いている。PX-M791FTとGX7030/GX6030はカセット1段に普通紙を250枚までセット可能で、PX-M791FTとGX7030はこのカセットが2段、GX6030は1段となっている。PX-M791FTとGX7030は、A4とA5という風に異なる用紙を250枚ずつセットする事も可能だし、上下段とも同じ用紙をセットして500枚使用する事もできる。その場合、上下段は連続して使用可能だ。一方のブラザーの3機種は、MFC-J4540Nが2段、MFC-J4440NとDCP-J4140Nは1段となる。ただし、FC-J4440NとDCP-J4140NとMFC-J4540Nの上段のセット可能枚数は150枚とエプソン、キャノンより少なくなる。MFC-J4540の下段は、PX-M791FTやGX7030同様250枚までセット可能なので、合計は400枚となる。このように給紙枚数に違いはあるが、いずれにしても家庭用の機種よりも給紙枚数は多く、大量印刷に向いていると言える。 ただし、それぞれの機種に制限がある。PX-M791FTの場合、上段は様々な用紙の様々なサイズに対応するが、下段は普通紙のみで、A4〜A5サイズに限定される。MFC-J4540Nの上段およびMFC-J4440N/DCP-J4140Nは、様々な用紙の様々なサイズに対応するが、MFC-J4540Nの下段はPX-M791FT同様A4〜A5サイズの普通紙に限定される。GX7030/GX6030は更に制限が厳しく、前面給紙カセットは普通紙のみ対応となる。ハガキやファイン紙など普通紙以外をセットする場合は、後述の背面給紙となってしまうが、背面給紙ではセットしたままだとホコリが積もってしまい、その状態で給紙されると良くないため、印刷が終わったら残りは取り除くのが望ましい。普通紙以外の用紙を常時セットしておきたい場合は、PX-M791FTかMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが便利だ。またGX6030やGX7030の上段はA5、B5、A4、レターサイズに対応するが、GX7030の下段はA4とレターサイズのみだ。つまりB5用紙を2段とも入れたり、B5とA5というような組み合わせは出来ない。そのため、下段にA4以外の用紙をセットしたい場合もPX-M791FTやMFC-J4540Nが便利だ。ちなみにPX-M791FTの前面給紙カセット上段は、ハガキは65枚、写真用紙は50枚まで、MFC-J4540Nの上段およびMFC-J4440N/DCP-J4140Nは、ハガキが50枚、写真用紙は20枚までセット可能と、こちらにも差がある。 背面給紙は、PX-M791FTが普通紙を50枚、GX7030/GX6030が100枚と、GX7030/GX6030の方が多いが、前面給紙カセットと比べると少なめだ。基本は前面給紙カセットで使用しつつ、普段使わない用紙を一時的に使う場合に背面給紙を利用するという使い方となるだろう。ハガキの場合、PX-M791FTは20枚、GX7030/GX6030は40枚まで、写真用紙の場合3機種とも20枚までセット可能だ。一方MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nの背面給紙は手差し給紙となる。本体上面の後方ではなく、本当の「背面」を開くことで、1枚ずつ給紙出来る簡易的なトレイが現れる。使わないときは閉じておけばコンパクトに使える反面、2枚以上セットするとエラーとなるため、1枚ずつセットする必要がある。基本は前面給紙で使いつつ、数枚だけ違う用紙を使用する場合や、前面給紙カセットからでは使いにくい用紙を使用する場合に使うという形となるだろう。また通常は前面給紙でも背面給紙でも0.3mm厚程度の用紙が限界だが、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nの背面手差しは0.52mm厚まで対応できるので、厚手の用紙や封筒などの印刷に便利だろう。 前面給紙+背面給紙の給紙枚数でいうと、A4普通紙の場合、PX-M791FTは550枚(前面上段250枚+前面下段250枚+背面50枚)、GX7030は600枚(前面上段250枚+前面下段250枚+背面100枚)、GX6030は350枚(前面250枚+背面100枚)、MFC-J4540Nは400枚(前面上段150枚+前面下段250枚・背面は手差しなので除く)、MFC-J4440N/DCP-J4140Nは150枚(前面150枚のみ)まで給紙出来る。ハガキの場合、PX-M791FTは85枚(前面上段65枚+背面20枚)、GX7030/GX6030は40枚(背面40枚)、MFC-J4540Nは50枚(前面上段50枚)、MFC-J4440N/DCP-J4140Nは50枚(前面50枚)となる。普通紙印刷の場合はPX-M791FTとGX7030が、ハガキ印刷の場合はPX-M791FTが便利だ。 ちなみにPX-M791FTは 排紙トレイの自動伸縮機能を搭載している。印刷が実行されると自動的に排紙トレイが伸張するため、トレイを引き出し忘れて印刷物が床に散らばってしまう心配が無い。逆に電源を切るときは自動的に排紙トレイが収納される。 6機種とも用紙の種類とサイズを登録しておく機能が搭載されている。液晶ディスプレイでメニューから登録も可能だが、前面給紙カセットの場合、PX-M791FTとGX7030/GX6030はカセットを挿し込む、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはカセットを取り出すと、背面給紙の場合は用紙を挿し込むと自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。さらにPX-M791FTは用紙サイズ自動検知機能を搭載しているため、用紙をセットすると自動的にサイズが設定されているため、手間が軽減されている。そして、この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。また、PX-M791FTはこの設定内容を利用して、用紙が無くなった際に同じ用紙設定のカセットやトレイに自動的に切り替えて印刷を継続することも出来る。また、PX-M791FTは印刷時に用紙幅のチェック機能を搭載しており、用紙幅が設定より小さい場合でも、用紙外にインクを打ってしまい、プリンター内部を汚さないよう工夫されている。 このように、64mm幅や6mの長尺、フチなし対応というだけでなく、セット可能な用紙の制限の少なさや排紙トレイの自動伸縮や、用紙サイズ自動検知など、PX-M791FTは他よりワンランク上の機能を搭載していると言える。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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自動両面印刷 | ○(普通紙のみ・1枚目反転と同時に2枚目印刷) | ○(普通紙のみ・A4/レターのみ) | ○(普通紙のみ・A4/レターのみ) | ○ | ○ | ○ | ||
自動両面 印刷速度 |
A4カラー文書 | 21.0ipm | 10.0ipm | 10.0ipm | 10.0ipm | 10.0ipm | 10.0ipm | |
A4モノクロ文書 | 21.0ipm | 13.0ipm | 13.0ipm | 11.0ipm | 11.0ipm | 11.0ipm | ||
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷 | − | − | − | − | − | − | ||
写真補正機能 | ○(オートフォトファイン!EX) | − | − | − | − | − | ||
特定インク切れ時印刷 | − | − | − | ○(クロだけ印刷・最大30日) | ○(クロだけ印刷・最大30日) | ○(クロだけ印刷・最大30日) | ||
自動電源オン/オフ | −/○(指定時間操作無し) | ○(印刷実行/時刻指定)/○(指定時間操作無し/時刻指定) | ○(印刷実行/時刻指定)/○(指定時間操作無し/時刻指定) | −/− | −/− | −/○(USB接続・単体使用時) | ||
廃インクタンク交換 | ○(メンテナンスボックス交換可) | ○(メンテナンスカートリッジ交換可能) | ○(メンテナンスカートリッジ交換可能) | − | − | − | ||
フチなし吸収材エラー時の対応機能 | ○(フチあり印刷継続可) | − | − | − | − | − |
その他、プリントの付加機能を見てみよう。自動両面印刷機能は6機種とも搭載している。ただし、PX-M791FTとGX7030/GX6030は普通紙のみの対応なのに対して、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはハガキの自動両面印刷にも対応している。ハガキの通信面と宛名面を一度で印刷したいなら、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが便利だ。また、普通紙の場合も、PX-M791FTはA4、B5、A5、レターサイズに加えて、148×210〜215.7×297mmの間のユーザー定義サイズに対応し、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140NもA4、B5、A5、B6、レターサイズに対応するが、GX7030/GX6030はA4とレターサイズのみ対応だ。B5をはじめとするA4サイズ以外の用紙に自動両面印刷を行う場合は注意が必要だ。 ちなみに、自動両面印刷を行う場合、まず表を印刷した後、そのまま用紙は逆方向に進み、もう一度プリンター内に吸い込まれ、前面給紙の場合と同じくプリンター後方で180度方向転換することで裏返し、裏面を印刷するのが一般的だ。しかし、この裏返し動作に時間がかかってしまい、両面印刷時は片面印刷に比べて印刷速度が低下してしまう。また印刷する内容によっては表面の印刷後に乾燥時間も必要になる。そこで自動両面印刷時の速度を見てみると、PX-M791FTはカラー、モノクロ共に21.0ipmなのに対して、GX7030/GX6030はカラーが10.0ipm、モノクロが13.0ipm、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nもそれぞれ10.0ipmと11.0ipmとなっている。片面印刷ではGX7030/GX6030はカラーは遅いもののモノクロはPX-M791FTとほぼ同じ速度だったが、自動両面印刷では大きな差になっており、片面印刷がやや遅いMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nも差が広がっている。片面からの比率でいうと、PX-M791FTは84%の速度が出ているが、GX7030/GX6030はカラーが64.5%、モノクロが54.1%となり、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはカラーが52.6%、モノクロが55%となり、PX-M791FTに比べて低下率が大きい。その理由として、PX-M791FTは「両面高速紙送り機構」を採用しているためだ。PX-M791FTでは表を印刷した用紙を、裏返し動作時のために本体後方への送るルートを、印刷時に用紙が通るルートの下に別に用意することで、1枚目表の印刷時に2枚目を続けて給紙しておき、1枚目を裏返している間に2枚目表を印刷する事が可能となっている。そして、1枚目裏を印刷している間、2枚目を裏返すという方式をとることで、用紙を裏返す際の時間を無駄にしないようにしている。両面印刷を多用するなら、PX-M791FTが便利と言えるだろう。 写真印刷向きの機種ではないが、PX-M791FTは「オートフォトファイン!EX」というの自動補正機能を搭載している。逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる高性能なものなので、画質にこだわらなければ手軽に写真印刷が可能だ。 自動電源オン機能はGX7030/GX6030が搭載している。自動電源オンというと、一般的には印刷が実行されると自動的に電源がオンになる機能だ。無線LANや有線LANでのネットワーク接続ができるようになり、プリンターから離れた場所のパソコンやスマートフォンから印刷を実行することが増えたが、そういった際にわざわざプリンターの電源を入れに行く手間が省ける。GX7030/GX6030はこの印刷実行での電源オンに加えて、指定時刻の電源オンが可能だ。オフィスの始業時間や店舗の開店時間に合わせて自動的に電源を入れておくことが出来る。一方、自動電源オフはGX7030/GX6030に加えて、PX-M791FTとDCP-J4140Nも搭載しているが、一般的な指定した時間、プリントやスキャン、本体の操作が無いと自動的に電源がオフになる機能は4機種とも対応だが、GX7030/GX6030はこれに加えて指定時刻に電源オフにすることができる。電源のオン・オフの機能は、GX7030/GX6030の方が使う環境に合わせて設定できて便利だ。一方、DCP-J4140Nの自動電源オフ機能は、USB接続時又は単体での使用時のみで、無線LAN/有線LAN接続時だけでなく、これらの機能を有効にしているだけでも使用不可となる。 PX-M791FTとGX7030/GX6030が便利なのが、廃インクタンクをユーザーが交換できる機能だ。廃インクタンクはクリーニングの際に排出されるインクを貯めておくタンクで、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nをはじめとする多くの機種は満タンになるとメッセージが表示され修理に出して交換するまで一切のプリントが止まってしまう。一方、これら3機種はインクカートリッジなどと一緒に交換用メンテナンスボックスが売られており(PX-M791FT用は2,618円、GX7030/GX6030用は2,640円)、交換すれば印刷が再開できる。安くすむだけでなく、プリンターが手元に無い期間が無くなるため便利だ。一方、フチなし吸収材(フチなし印刷時は用紙サイズより少し大きめにプリントする事で実現しており、その際に用紙からはみ出したインクを吸収させるもの)が満タンになった場合は、こちらも多くの機種は修理対応となるが、PX-M791FTは満タンになっても、フチなし吸収材にインクが落ちることがない「フチあり」印刷に関しては印刷を継続できるようになっている。フチなし印刷はできないとはいえ、フチなし印刷はとりあえず置いておいて、急を要するフチあり印刷を行い、余裕のあるときに修理に出すという事ができるわけだ。 |
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型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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最大スキャンサイズ | A4 (216×297mm) |
A4 (216×297mm) |
A4 (216×297mm) |
A4 (215.9×297mm) |
A4 (215.9×297mm) |
A4 (215.9×297mm) |
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読み取り解像度 | 1200dpi (1200×2400dpi) |
1200dpi (1200×1200dpi) |
1200dpi (1200×1200dpi) |
1200dpi (1200×2400dpi) ADF使用時は1200×600dpi |
1200dpi (1200×2400dpi) ADF使用時は1200×600dpi |
1200dpi (1200×2400dpi) ADF使用時は1200×600dpi |
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センサータイプ | CIS | CIS | CIS | CIS | CIS | CIS | ||
原稿取り忘れアラーム | − | ○ | ○ | − | − | − | ||
ADF | 原稿セット可能枚数 | 50枚 | 50枚 | 50枚 | 20枚 | 20枚 | 20枚 | |
原稿サイズ | A4/B5/A5/レター/リーガル | 216×356mm〜148×148mm | 216×356mm〜148×148mm | 215.9×355.6mm〜148×148mm | 215.9×355.6mm〜148×148mm | 215.9×355.6mm〜148×148mm | ||
両面読み取り | ○ | ○(同時両面) | − | − | − | − | ||
読み取り速度 | カラー | 9.0ipm | N/A (22.6ipm(両面時)?) (22.1ipm(片面時)?) |
N/A (16.9ipm?) |
N/A (7.0ipm?) |
N/A (7.0ipm?) |
N/A (7.0ipm?) |
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モノクロ | 27.5ipm | N/A (23.2ipm(両面時)?) (22.1ipm(片面時)?) |
N/A (22.2ipm?) |
N/A (17.0ipm?) |
N/A (17.0ipm?) |
N/A (17.0ipm?) | MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140N
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スキャンデーターのメモリーカード保存 | ○(JPEG/PDF) | ○(JPEG/PDF) | ○(JPEG/PDF) | ○(JPEG/PDF/TIFF) | ○(JPEG/PDF/TIFF) | ○(JPEG/PDF/TIFF) |
続いて、スキャナー部を見てみよう。読み取りサイズはA4(216×297mm又は215.9×297mm)で同等だ。解像度も6機種とも1200dpiとなっており差は無い。家庭用の機種にはもっと高解像度の機種があるが、実際には紙などの反射原稿しかスキャンできないことを考えると1200dpiでも十分だ。というのも、一般的には文書なら200〜300dpi、写真なら300〜600dpi程度で、よほど綺麗に保存したい場合や拡大して印刷する場合に1200dpiでスキャンすると言った程度だ。実際、L判写真を1200dpiで取り込むと約4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当なので十分きれいだといえる。逆にスキャナー解像度が高いセンサーでは1ドットあたりの光の取り込み量が減り、スキャン速度が低下したりノイズが発生したりするため、バランスを取って1200dpiとしていると思われる(もちろんコストの関係もあると考えられるが)。また、PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは1200×2400dpi、GX7030とGX6030は1200×1200dpiと微妙に異なっている。前の方の数字は、主走査といって短辺側の解像度で、読み取りセンサーの解像度と言える。一方、後の方の数字は、副走査といって、長辺側の解像度、つまりセンサーの移動方向の解像度となる。つまり、6機種とも読み取りセンサーの解像度は1200dpiで同じだが、センサーの移動の精度がPX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは2400dpi、GX7030/GX6030は1200dpiという違いがある。実際には主走査の解像度以上でスキャンする事はあまりなく、1200dpi設定でのスキャン(つまり1200×1200dpiでのスキャン)となる上に、前述のようにそもそも1200dpiでスキャンする事も稀なので、実用上の差は無いと言える。なお、CISセンサーであるため、分厚い本など浮いてしまう原稿は苦手で、ピントが合わずぼけたような画像となってしまう点も共通だ。なお、GX7030/GX6030は原稿取り忘れアラームを搭載しているのが便利だ。 6機種ともビジネス向けである事に加え、GX6030とDCP-J4140Nを除く4機種はファクス機能を搭載してる事もあって、ADFを搭載している。ADFは原稿を複数枚セットすると、順番にスキャンしてくれる機能で、複数原稿のコピーやファクス時に重宝する。とはいえ、細かく見ていくと、機能には違いがある。まず、PX-M791FTとGX7030/GX6030は50枚まで、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは20枚までセット可能となっており、セット可能な枚数には大きな違いがある。スキャンやコピー、ファクス送信の枚数が多い場合は、この点も注目だ。原稿サイズは、PX-M791FTがA4/B5/A5/レター/リーガルサイズで、GX7030/GX6030が216×356mm〜148×148mm、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが215.9×355.6mm〜148×148mmとなる。リーガルサイズは216×356mmなので、最大サイズは6機種とも同等、A5サイズが148×210mmなので、最小サイズも幅は同等と言え、大きな差は無いと言える。一方、両面原稿に対しては機能の差がある。最も高性能なのがGX7030で、フラットベッド部と共通のCISセンサーとは別に、裏側にADF専用のCISセンサーを搭載し、同時両面スキャンが可能だ。次に高性能なのがPX-M791FTで、フラットベッド部と共用のCISセンサーしか搭載しないが、自動で裏返す機能を搭載するため、自動的に両面スキャンが可能だ。ただ、片面ずつのスキャンなので、時間は倍以上かかることになる。残る4機種は片面スキャンにしか対応していない。とはいえ両面原稿を扱うかどうかによって、この機能が必要かどうかは違ってくる。 ADFのスキャン速度を見てみよう。PX-M791FTは速度が公表されているが、他の5機種は公表されていない。ただし海外の同機能のモデルでは公表されており、これを参考に比較してみよう。まず片面スキャンから見てみると、PX-M791FTはカラーは9.0ipm、モノクロは27.5ipmで、モノクロスキャンが特に高速だ。コピーやファクスでモノクロスキャンが多用されるため、こちらの速度を重視したと思われる。GX7030はカラー、モノクロ共に22.1ipmで、カラースキャンが多い場合は重宝する。対してモノクロスキャンはPX-M791FTよりやや劣る事になる。GX6030はカラーが16.9ipm、モノクロが22.2ipmで、GX7030と比べてモノクロは同等だが、カラーはやや遅い。とはいえPX-M791FTよりはかなり高速だ。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは、カラーが7.0ipm、モノクロが17.0ipmで、全体的に他の3機種より遅いといえる。カラースキャンなら、GX7030、GX6030、PX-M791FTの順に、モノクロスキャンならPX-M791FTが便利だ。では両面スキャンならどうだろうか。同時両面スキャンが行えるGX7030はカラーが22.6ipm、モノクロが23.2ipmとなっている。ここで重要なのが、単位が「ipm」である事だ。ipmはimage per minuteの略で、1分あたりの「面数」である。つまり、同時両面スキャンの場合、1回スキャンすると2面となる。GX7030が片面と同じ速度で両面スキャンできるなら、ipm値は2倍の44.2ipmとなるはずである。ところがGX7030ではカラーが22.6ipm、モノクロが23.2ipmと片面時とほぼ同じ速度となっている。つまり、1枚のスキャン速度は半分になっているといえる。画像処理に時間がかかるのか、それともADF専用のCISセンサーが、フラットベッド部と共用のCISセンサーよりスキャンが遅いためなのかは不明だ。一方、PX-M791FTは反転動作がある分速度は落ちるが、片面ずつの速度なので、スキャン自体の速度は落ちない。片面よりやや時間がかかる程度と考えられる。モノクロスキャンの場合、PX-M791FTは27.5ipmから少し低下、GX7030は23.2ipmなので、大きな差は無いと考えられる。GX7030は同時両面スキャン対応だが、同時である事に速度的なメリットはあまりないと言える。ちなみに、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140NはADF使用時の読み取り解像度が1200×600dpiに制限される。ADFの場合は読み取りセンサーは固定され、原稿の方が移動することでスキャンする。前述のように1200dpiのセンサーを搭載しているため、センサー方向(短辺)は1200dpiでスキャンできるが、原稿送りの精度が600dpiしかないといえる。とはいえADFを利用する場合は、対応する用紙厚の関係から、文書に限定されると思われるため、600dpiでも十分で、実用上は問題ないだろう。 その他の機能として、6機種とも本体だけでスキャンしてUSBメモリーに保存する機能を搭載している。解像度やスキャンサイズなどの選択肢は限定されるが、パソコンやスマホを使わず、サッとスキャンして持ち出せるのは便利だろう。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
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ダイレクトプリント | メモリーカード | メモリーカードリーダー対応 | − | − | − | − | − | |
USBメモリー | ○ (外付けHDD対応) |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
赤外線通信 | − | − | − | − | − | − | ||
対応ファイル形式 | JPEG/TIFF/PDF(スキャン to 外部メモリー機能で作成したPDFのみ) | JPEG/TIFF/PDF(本機でスキャンしてUSBメモリーに保存した/本機で受信したファクスを保存した/Canon IJ Scan Utilityで作成したPDFのみ) | JPEG/TIFF/PDF(本機でスキャンしてUSBメモリーに保存した/Canon IJ Scan Utilityで作成したPDFのみ) | JPEG | JPEG | JPEG | ||
色補正機能 | フチあり/フチなし 赤目補正 |
− | − | フチあり/フチなし 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) |
フチあり/フチなし 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) |
フチあり/フチなし 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) |
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手書き合成 | − | − | − | − | − | − | ||
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ | −/− | −/− | −/− | −/− | −/− | −/− | ||
PictBridge対応 | − | − | − | − | − | − | ||
各種デザイン用紙印刷 | − | 定型フォーム印刷(レポート用紙/原稿用紙/スケジュール用紙/方眼紙/チェックリスト/五線譜/漢字練習用紙/アルファベット練習用紙) 組み込みパターンペーパー |
定型フォーム印刷(レポート用紙/原稿用紙/スケジュール用紙/方眼紙/チェックリスト/五線譜/漢字練習用紙/アルファベット練習用紙) 組み込みパターンペーパー |
− | − | − |
ダイレクト印刷を見てみよう。とはいえ、家庭向けの機種とは異なり写真印刷が主な目的ではない。そのため、SDカードなどのメモリーカードリーダーは搭載せず、6機種ともUSBポートのみだ。ここにUSBメモリーを挿して使う事になる。ただしPX-M791FTは、パソコン用のUSB接続のメモリーカードリーダーを接続する事で、各種メモリーカードに対応する他、外付けハードディスクにも対応する。対応形式はPX-M791FTとGX7030/GX6030はJPEGとTIFFに加えてPDFに対応する。とはいえ、PDFは前述のスキャンしてメモリカードに保存する機能で作成したPDFと、GX7030/GX6030はパソコン用ソフトウェアのCanon IJ Scan UtilityでスキャンしてPDF形式で保存したもの、さらにGX7030は受信したファクスをPDF形式で保存したもののみだ。つまり、3機種とも本体でスキャンするなどして画像データー化されたものをそのままPDFにまとめただけのPDFファイルにしか対応しない。WordやExcelなどをPDF化したものや、ネット上のPDFファイルをUSBメモリーに入れてプリントという事はできない。逆に言うと、一度これらの機種でデジタル化しておいたもの、もしくは別の場所でデジタル化したものを、再印刷するのが目的と言える。一方、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140NはJPEG形式にしか対応しない。スキャンしてメモリーカードに保存する際にJPEG形式で保存しておけば、再度印刷する事も可能だが、PDFと異なり、1ページずつファイルが分かれてしまい、印刷時に選びづらい。実用的なのは、PDF形式に対応する、PX-M791FTとGX7030/GX6030と言えるだろう。 PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは写真印刷向けの機能も搭載されているため、画質面でも問題を無視すれば、写真印刷にも十分に使用できる。液晶に表示される一覧から選んでプリントができるため、家庭用のプリンターと同じ操作方法で印刷が可能だ。PX-M791FTはフチあり/フチなしの切り替えの他、赤目補正程度しかできないが、自動で写真を補正する「オートフォトファイン!EX」も利用できるため、簡単な写真印刷なら問題ないだろう。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは同じくフチあり/フチなしの切り替えの他、明るさとコントラストを5段階で調整が可能だ。一方、GX7030/GX6030はレポート用紙、原稿用紙、スケジュール帳、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳が印刷できる「定型フォーム印刷」と、はカラフルなパターンを印刷してスクラップブックの台紙やブックカバーなどに使える「組み込みパターンペーパー」も印刷できる。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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スマートフォン連携 | アプリ | メーカー専用 | Epson Smart Panel (EPSON iPrintにも対応) |
Canon PRINT Inkjet/SELPHY | Canon PRINT Inkjet/SELPHY | Brother Mobile Connect | Brother Mobile Connect | Brother Mobile Connect |
AirPrint | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
対応端末 | iOS 11.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 13.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 13.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 13.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 13.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 13.0以降 Android 5.0以降 |
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スマートスピーカー対応 | ○(Alexa/Googleアシスタント) | N/A | N/A | − | − | − | ||
Wi-Fiダイレクト接続支援機能 | ○(QRコード読み取り(iOS・iPadOS)/アプリ上で選択して本体で許可(Android)) | ○(QR(iOS・iPadOS)) | ○(QR(iOS・iPadOS)) | ○(NFC(Android)) | ○(NFC(Android)) | ○(NFC(Android)) | ||
写真プリント | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
ドキュメントプリント | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ||
Webページプリント | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
スキャン | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ||
クラウド連携 | プリント | アプリ経由/本体 | ○/− | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ |
オンラインストレージ | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/google classroom) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ||
SNS | ○(Instagram/Facebook・コメント付き可) | ○(Facebook・コメント付き可) | ○(Facebook・コメント付き可) | − | − | − | ||
写真共有サイト | − | ○(googleフォト/image.canon) | ○(googleフォト/image.canon) | − | − | − | ||
スキャン | アプリ経由/本体 | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | |
スキャンしてオンラインストレージにアップロード | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/google classroom) (OneDrive/google classroomはアプリからのみ) |
○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom) (OneDrive/google classroomはアプリからのみ) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/OneDrive/google classroom) (OneDrive/google classroomはアプリからのみ) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ||
メールしてプリント | ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文) | − | − | ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) | ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) | ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) | ||
LINEからプリント | ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint) | − | − | − | ||
リモートプリント | ○(リモートプリントドライバー) | ○(ファイルアップロード・Windows 11/10のみ) | ○(ファイルアップロード・Windows 11/10のみ) | − | − | − | ||
スキャンしてリモートプリント | ○ | − | − | − | − | − |
スマートフォンとの連携機能も6機種とも搭載しており、iOSとAndroid端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。写真とドキュメント印刷、スキャンに対応しており、様々な内容をプリント可能だ。写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定(GX7030/GX6030を除く)まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。ドキュメント印刷は、PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もでき便利だ。また、6機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データーをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。新聞や雑誌、手書きの情報などをスマートフォンに電子化するといった使い方ができるため便利だろう。なお、iPhoneやiPadの場合、AirPrintを利用したプリントも可能だ。 スマートフォンとの接続は、無線LAN(Wi-Fi)で行うが、無線LANルーターを経由する方法と、ダイレクトに接続する「Wi-Fiダイレクト」(キヤノンはダイレクト接続という機能名)が選べる。無線LANルーターを経由する方が、機能面でも制限が無く、印刷する度にプリンターと接続と切断を繰り返すのWi-Fiダイレクトと比べると便利なので、こちらを利用するのがお勧めだが、無線LANルーターが無い環境で使用する場合や、一時的に同じネットワークに入っていない人がプリンターを使いたい場合などにWi-Fiダイレクトは便利だ。Wi-Fiダイレクトの接続設定は手動でもそれほど難しくは無いが、6機種とも手軽に接続出来る工夫がなされている。まず、iOSの場合はPX-M791FTとGX7030/GX6030が対応しており、本体の液晶に表示されるQRコードを、標準カメラアプリで読み込めば接続が完了し、セキュリティーキーの入力などは不要で非常に簡単だ。一方、Androidの接続支援機能はPX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nが搭載している。PX-M791FTはWi-Fiを受信しているプリンターの一覧がアプリ上に表示されるので、PX-M791FTを選ぶと、本体の液晶にメッセージが表示されるので接続の許可を選べば接続が完了する。こちらも非常に簡単だ。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140NはNFCに対応し、液晶左にあるNFCマーク上にタッチするだけで接続が完了し、こちらも非常に簡単だ。ただし、スマートフォンがNFCに対応している必要があり、対応機種はやや少なくなる。これを見ると、iOSとAndroidの両方に対応し、スマートフォン側に特定の機能を必要としないPX-M791FTが最も便利と言える。 また、PX-M791FTはスマートスピーカーに対応している。AlexaとGoogleアシスタント対応端末に対応しており、声だけでデザインペーパー、フォトプロップス、カレンダー、ノート、方眼紙、五線譜などのエプソン独自のものと、Alexaに登録された買い物リスト、やることリストなどの印刷が可能だ。 クラウドとの連携機能も6機種とも搭載している。プリントの場合、各種オンラインストレージにアクセスして、ファイルを印刷する事が可能だ。ここで大きな違いは、PX-M791FTはスマートフォンのアプリとして搭載しているのに対して、他の5機種はスマートフォン上だけでなくプリンター本体の操作でも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、操作性の良いアプリ上でプリントする方法と、プリンター本体だけで手軽にプリントする方法が選べる点ではこれら5機種は便利だ。PX-M791FTとGX7030/GX6030はSNSの写真をコメント付きで印刷する事ができる。またGX7030/GX6030は写真共有サイトからの印刷も可能だ。 スキャンの場合、スキャンしてオンラインストレージへアップロードできる。こちらはプリントとは異なり、6機種とも本体の操作でアップロードまで行うことができる(もちろんスマートフォンからスキャンしてアップロードすることもできる)。アプリをわざわざ立ち上げなくても、サッとスキャンしてアップロードできるため便利だ。 さらにリモートプリント機能として、PX-M791FTは、印刷したい写真や文書を添付してPX-M791FTにメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、LINE上でプリンターを友達登録し、トーク画面から写真を送信すると印刷される「LINEからプリント」、スキャンして離れた場所の対応複合機で印刷できる「メールdeリモート印刷」、パソコンやスマートフォンから通常のプリントと同じ操作で、外出先など離れた場所から自宅のこれらの機種で印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。一方のGX7030/GX6030はLINEのトーク画面から印刷する「PIXUSトークプリント」と、パソコン上のファイルをリモートプリントする「PIXUSでリモートプリント」機能を搭載する。ただし、「PIXUSでリモートプリント」は通常のプリント操作のままリモートプリントが出来るのでは無く、ファイルをアップロードする方式で、Windows 10でEdge又はChromeからしか利用できず、ファイル形式もPDF/Word/Excel/PowerPointに限定される。特別な操作が必要なく、プリントできるソフト上からなら形式を問わないPX-M791FTと比べると使いにくい印象だ。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはメールに添付して送信するとプリントできる「Eメールプリント」機能のみ対応する。「クラウドからのプリント機能はPX-M791FTを除く5機種が、各種リモートプリント機能はPX-M791FTの方が豊富だと言える。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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等倍コピー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
拡大縮小 | 倍率指定 | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | |
オートフィット | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
定型変倍 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー | − | − | − | − | − | − | ||
写真焼き増し風コピー | − | − | − | − | − | − | ||
割り付け(2面/4面) | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ||
その他のコピー機能 | プレビュー 濃度調整 背景除去機能 コントラスト調整 鮮やかさ調整 色調補正(レッド・グリーン・ブルー個別) シャープネス調整 色相調整 |
プレビュー 濃度調整 |
プレビュー 濃度調整 |
濃度調整 地色除去コピー |
濃度調整 地色除去コピー |
濃度調整 地色除去コピー |
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バラエティコピー | IDコピー 影消しコピー パンチ穴消しコピー ソート(1部ごと)コピー |
部単位コピー 枠消しコピー IDコピー コピー予約 |
部単位コピー 枠消しコピー IDコピー コピー予約 |
2in1IDカードコピー ブックコピー 透かしコピー ソートコピー ポスターコピー(3×3/2×2/1×2) |
2in1IDカードコピー ブックコピー 透かしコピー ソートコピー ポスターコピー(3×3/2×2/1×2) |
2in1IDカードコピー ブックコピー 透かしコピー ソートコピー ポスターコピー(3×3/2×2/1×2) |
コピー機能を見てみよう。6機種とも単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」機能や、原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「定型変倍」機能、さらに25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載しており、高性能になっている。さらに、2枚又は4枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2面割り付け、4面割り付けにも対応する。その他、濃度調整機能は6機種とも搭載する。PX-M791FTとGX7030/GX6030はプレビュー機能にも対応し、コピー前に原稿を確認できるため失敗が少なくなるほか、プレビュー画像を見て拡大・縮小率を調整できる。一方PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは背景色を白にして見やすくする「背景除去機能」又は「地色除去コピー」機能を搭載している。さらに、PX-M791FTは、コントラスト、鮮やかさ、色調、シャープネス、色相の調整が可能だ。色調調整は、レッド・グリーン・ブルーを個別に調整できる。かなり高度な色の調整が可能で、好みの色に調整したり、原本に近い色合いに調整したりと言ったことができる。 バラエティコピー機能を見てみよう。免許証などの両面の小さな原稿の裏面と表面を、1枚の用紙に並べてコピーできる「IDコピー」又は「2in1IDカードコピー」機能は、6機種とも搭載している。周囲や綴じ目部分にできる影を消す「影消しコピー」又は「枠消しコピー」又は「ブックコピー」も共通の機能だ。ADFを使用したコピーで、複数ページの複数部をコピーするときに、1部ずつまとめてコピーする「ソート(1部ごと)コピー」又は「部単位コピー」又は「ソートコピー」といった機能も6機種とも搭載している。それ以外に、PX-M791FTはパンチ穴を消す「パンチ穴消しコピー」機能を搭載している。GX7030/GX6030はコピー実行中でも次の原稿の読み取り操作ができる「コピー予約」が可能だ。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nはコピー文書に透かし文字を入れられる「透かしコピー」、1枚の原稿を、2枚、4枚、9枚に分割し、貼り付ける事で大判コピーが行える「ポスターコピー」機能を搭載する。「透かしコピー」は「重要」「COPY」「社外秘」といった5種類から選べ、位置やサイズ、回転角度や透過度、文字の色も指定できる。これを見ると、機能は異なるが、それぞれ便利な機能を搭載している。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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通信速度 | 33.6kbps | 33.6kbps | − | 33.6kbps | 33.6kbps | − | ||
画質設定 | モノクロ | 8dot/mm×3.85本/mm(標準) 8dot/mm×7.7本/mm(精細) 8dot/mm×15.4本/mm(高精細) 16dot/mm×15.4本/mm(超高精細) 全モードで原稿種類を「文字」「文字・写真」「写真」から選択可 |
8dot/mm×3.85本/mm(標準) 8dot/mm×7.7本/mm(ファイン) 8dot/mm×7.7本/mm(写真) 300×300dpi(ファインEX) |
− | 8dot/mm×3.85line/mm(標準) 8dot/mm×7.7line/mm(ファイン) 8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン) 8dot/mm×7.7line/mm(写真) |
8dot/mm×3.85line/mm(標準) 8dot/mm×7.7line/mm(ファイン) 8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン) 8dot/mm×7.7line/mm(写真) |
− | |
カラー | 200×200dpi | 200×200dpi | − | 203×196dpi(標準・ファイン) | 203×196dpi(標準・ファイン) | − | ||
送信原稿サイズ | A4/B5/A5 | N/A | − | N/A | N/A | − | ||
記録紙サイズ | A4/A5/リーガル/レター | A4/リーガル/レター | − | A4 | A4 | − | ||
受信ファクス最大保存ページ数 | 550枚/200件 | 250枚/30件 | −/− | 180枚/N/A件 | 180枚/N/A件 | −/− | ||
データー保持(電源オフ/停電) | ○/○ | ○/− | −/− | ○/○ | ○/○ | −/− | ||
ワンタッチ | − | − | − | − | − | − | ||
アドレス帳 | 200件 | 100件 | − | 100件(1件あたり2番号登録可) | 100件(1件あたり2番号登録可) | − | ||
グループダイヤル | 199宛先 | 99宛先 | − | 198宛先 | 198宛先 | − | ||
順次同報送信 | 200宛先 | 101宛先 | − | 250宛先 (電話帳200宛先+手入力50宛先) |
250宛先 (電話帳200宛先+手入力50宛先) |
− | ||
自動リダイヤル | ○ | ○ | − | ○ | ○ | − | ||
発信元記録 | ○ | ○ | − | ○ | ○ | − | ||
ポーリング受信/送信 | ○/○ | −/− | −/− | −/− | −/− | −/− | ||
ファクス/電話自動切替 | ○ | − | − | ○ | ○ | − | ||
見てから送信 | ○ | − | − | ○ | ○ | − | ||
見てから印刷 | ○ | − | − | ○ | ○ | − | ||
受信ファクスを | メール送信 | ○ | − | − | ○ | ○ | − | |
共有フォルダ保存 | ○ | ○ | − | −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote対応) | −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote対応) | − | ||
外部メモリー保存 | ○(USBメモリー/メモリーカード(カードリーダー接続)) | ○(USBメモリー) | − | − | − | − | ||
PCファクス | 送受信 | 送信のみ | − | 送受信 | 送受信 | − |
ファクス機能はPX-M791FT、GX7030、MFC-J4540N、MFC-J4440Nが搭載しており、GX6030とDCP-J4140Nは非搭載だ。ファクス機能を搭載する4機種では、搭載している機能はほぼ同等だが、細かなところで違いが出ている。4機種ともスーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーファクスを行う事が出来る。ADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒となる。また読取走査線密度はモノクロで8dot/mm×3.85本/mmの標準モード、8dot/mm×7.7本/mmの精細モード/ファインモードは4機種共通だ。PX-M791FTはさらに高画質な8dot/mm×15.4本/mmの高精細モード、16dot/mm×15.4本/mmの超高精細モードを選択でき、GX7030も300×300dpiのファインEXモードを、MFC-J4540N/MFC-J4440Nも8dot/mm×15.4本/mmのスーパーファインモードを選択できるなど、高画質に送信が可能だ。また、GX7030とMFC-J4540N/MFC-J4440Nは、解像度はファインモードと変わらないが、写真が含まれた原稿に適した写真モードを選べる。しかし、PX-M791FTは解像度設定とは独立して、原稿種類を「文字」「文字・写真」「写真」から選ぶ事ができるため、どの画質でも綺麗に送信が可能な点で一歩上回る。カラーは200×200dpi又は203×196dpiでほぼ共通だ。 受信したファクスの印刷は、日本では一般的ではないリーガルとレターを除くとGX7030とMFC-J4540N/MFC-J4440NはA4に限定されるが、PX-M791FTはA5に対応している。保存件数もPX-M791FTが550枚又は200件なのに対して、GX7030が250枚又は30件、MFC-J4540N/MFC-J4440Nが180枚(件数不明)と少なめだ。とはいえ、そこまでハードな使い方をしなければ十分な保存枚数とも言える。また、電源オフ時にも保存したファクスは保持されるが、停電時やコンセントが抜けた場合にも保持されるのはPX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440Nとなる。基本的にはGX7030やMFC-J4540N/MFC-J4440Nでも問題ないといえるが、使い方によっては、PX-M791FTの方が便利な場合もあるだろう。 ダイヤル機能としては、4機種ともアドレス帳機能を搭載、PX-M791FTは200件、GX7030は100件、MFC-J4540N/MFC-J4440Nは100件で1件あたり2番号登録が可能だ。その他、グループダイヤル、順次同報送信、自動リダイヤル、発信元記録などの基本的な機能は4機種とも搭載している。加えて、PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440Nは送信するファクスを液晶で確認してから送信する「見てから送信」と、受信したファクスの内容を液晶で確認した上で印刷するか決めることで用紙を節約できる「見てから印刷」機能も備える。さらに、これら3機種は、表にはないが指定した時間にファクスを送信する「時間指定送信」又は「タイマー送信」と、同じ宛先の文書をまとめて送信する「バッチ送信」又は「とりまとめ送信」にも対応する。PX-M791FTはポーリング受信と送信の他送信失敗文書の保存機能をなども搭載しているなど、本格的なビジネス用途にも使える高性能なものとなっている。 受信したファクスを、別の場所に保存・送信する機能も4機種とも搭載する。指定したメールアドレスへの送信はPX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440Nが対応、同じネットワーク上の共有フォルダに保存したり、USBメモリーやメモリーカード(PX-M791FTのみ/要カードリーダー)に保存する機能はPX-M791FTとGX7030が、クラウド上に保存する機能はMFC-J4540N/MFC-J4440Nが対応している。ファクスの共有が行いやすいため、多人数で使う場合に便利だろう。 さらに、パソコン内のデーターを直接ファクスできる「PCファクス」機能自体は4機種とも搭載しているものの、GX7030は送信(パソコン上のデーターを画像として送信)のみ対応だが、PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440Nは送信だけでなく受信(パソコン上にファクスのデーターを受信)することもできる。なお、4機種ともファクス機能だけで受話器がないため通話機能は無いが、モジュラージャックのインとアウトを備えており、アウトに電話機を接続すると通話が可能となる。その際、PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440Nはファクス/電話自動切り替え機能にも対応しているのも便利だ。このように4機種は基本的な機能は似ているが、画質設定や、受信ファクスやアドレス帳の保存件数、細かな機能ではPX-M791FTが最も高性能だ。GX7030とMFC-J4540N/MFC-J4440Nは、PX-M791FTと比べると一部非搭載の機能があり、その搭載しない機能は異なっているが、ファクス/電話自動切り替えや見てから送信・受信、停電時のデーター保存など、MFC-J4540N/MFC-J4440Nの方がやや便利だ。とはいえ、4機種とも、家庭用ファクスよりかなり高性能となっており、凝った使い方をしなければ問題ないはずだ。GX7030やMFC-J4540N/MFC-J4440Nでも問題ないのか、PX-M791FTの機能が必要なのかは見極める必要がある。 |
型番 | PX-M791FT | GX7030 | GX6030 | MFC-J4540N | MFC-J4440N | DCP-J4140N | ||
製品画像 | ![]() |
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液晶ディスプレイ | 4.3型 (角度調整可) |
2.7型 (角度調整可) |
2.7型 (角度調整可) |
2.7型 (角度調整可) |
2.7型 (角度調整可) |
2.7型 (角度調整可) |
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操作パネル | タッチパネル液晶+タッチセンサーボタン (75度角度調整可) |
タッチパネル液晶+物理ボタン (角度調整可) |
タッチパネル液晶+物理ボタン (角度調整可) |
タッチパネル液晶+物理ボタン (度角度調整可) |
タッチパネル液晶+物理ボタン (度角度調整可) |
タッチパネル液晶+物理ボタン (度角度調整可) |
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インターフェイス | USB他 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | |
無線LAN | IEEE802.11ac/n/a/g/b 5GHz対応 (Wi-Fiダイレクト対応) |
IEEE802.11n/a/g/b 5GHz帯対応 (ダイレクト接続対応) |
IEEE802.11n/a/g/b 5GHz帯対応 (ダイレクト接続対応) |
IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
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有線LAN | 100BASE-TX | 100BASE-TX | 100BASE-TX | 100BASE-TX | 100BASE-TX | 100BASE-TX | ||
対応OS | Windows 11/10/8.1/8/7/Vista/XP SP3 MacOS 10.6.8〜 |
Windows 11/10/8.1/7 SP1 Mac OS 10.12.6〜(AirPrint利用) | Windows 11/10/8.1/7 SP1 Mac OS 10.12.6〜(AirPrint利用) | Windows 11/10/8.1/7 SP1 Mac OS 10.14.6〜 (AirPrint使用) |
Windows 11/10/8.1/7 SP1 Mac OS 10.14.6〜 (AirPrint使用) |
Windows 11/10/8.1/7 SP1 Mac OS 10.14.6〜 (AirPrint使用) |
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耐久枚数 | 20万枚 | 15万枚 | 15万枚 | 10万枚 | 10万枚 | 10万枚 | ||
外形寸法(横×奥×高) | 425×500×350mm | 399×410×314mm | 399×410×254mm | 435×355×250mm | 435×343×180mm | 435×343×180mm | ||
重量 | 18.3kg | 13.0kg | 11.6kg | 10.4kg | 8.8kg | 8.8kg | ||
本体カラー | ホワイト | ホワイト&ブラック | ホワイト&ブラック | ホワイト | ホワイト | ホワイト |
液晶ディスプレイと操作パネルを見てみよう。PX-M791FTとMFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは真ん中に、GX7030/GX6030は左に寄った配置だが、6機種とも本体前面に取り付けられ、液晶ディスプレイだけでなく操作パネル全体を持ち上げて角度調整が可能となっている点では同等だ。PX-M791FTは75度、GX7030/GX6030は70〜80度程度まで、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nも40〜50度程度まで角度調整が可能なので、見やすい角度で操作ができるよう工夫されている。液晶は6機種ともタッチパネルとなっており、メニューや設定項目、各種ボタンが液晶内に表示されるので、直に項目をタッチして操作ができるため直感的に操作できる。またバックライトがあるため、暗いところでも操作しやすいのも利点だ。液晶のサイズはPX-M791FTが4.3型、残る5機種が2.7型となる。また、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは明るさや視野角の面で他機種よりやや劣っている。視認性やタッチパネル操作に差があるといえる。6機種とも液晶外に、いくつかのボタンを用意しているのも同等だ。PX-M791FTは電源ボタンの他は、液晶の左に「ホーム」と「排紙トレイ収納」、右に「ヘルプ」ボタンを用意する。電源ボタン以外はタッチセンサー式で、使用できないときは消灯しているので、見た目は非常にスッキリしている。GX7030/GX6030は液晶の左右に3ボタンずつで、左が上から「電源」「ホーム」「戻る」、右が上から「キャンセル」「モノクロスタート」「カラースタート」となる。液晶がPX-M791FTより小さいため、使用頻度の高いボタンは別途用意した形だ。タッチセンサー式では無く、物理的なボタンなのでスッキリさでは劣るが、ボタン数が少ないため操作が煩雑になるという事は無い。MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは液晶左に、「戻る」「ホーム」「取り消し」ボタンを物理ボタンで用意している。ちなみに、ファクス機能を搭載する4機種は、いずれもファクス用のテンキーも液晶内に表示される。押した感触が無いため電話番号が押しにくいと感じる場合はあるだろうが、使用しないときも常にテンキーがあると分かりにくいという意見もあり、どちらが良いとは言えない。 インターフェースは6機種ともUSB2.0に加えて、ネットワーク接続に対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、無線LAN(Wi-Fi)ルーターで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。その場合、プリンターを無線LANルーターに接続しておけば、家庭内のどのパソコンでもプリント可能となり非常に便利だろう。またスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またWi-Fiダイレクト(キヤノンは機能名はダイレクト接続)に対応しているため、無線LANルーターの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も共通の便利な点だ。ネットワーク接続に関しては、無線LANに加えて、有線LAN接続にも対応する。無線LANの電波が届きにくい、家庭内にLAN配線がある、手軽に接続したいなどの理由で有線LAN接続を使用する事も可能だ。さらに、一般的にプリンターが対応する無線LAN規格はIEEE802.11n/g/bだが、PX-M791FTはこれに加えてIEEE802.11ac/aに、GX7030/GX6030もIEEE802.11aに対応する。一般的なプリンターが使用するのは2.4GHz帯で、これはBluetoothや電話の子機と同じ帯域で、電子レンジなどの影響も受けやすい。それに対してこの3機種は、5GHz帯の無線LANも使用できるのがポイントだ。5GHz帯は無線LAN専用といえるので、通信が安定する。さらにPX-M791FTだけが対応するIEEE802.11acは、IEEE802.11nなどと比べると通信速度が圧倒的に速いため、無線LAN接続時でも、高速なプリントや高速なADFスキャン使用時に待たされる心配が減ることになる。 対応OSは差が大きい。PX-M791FTはWindows XP SP3以降は全て対応する。MacOSもダウンロード対応とはなるが10.6.8以降に対応する。マイクロソフトのサポートの終了したWindows XPやVistaにも対応するのは安心だ。一方、他の5機種はWindows 7 SP1以降の対応だ。両機種ともWindows XPやVistaに対応しない他、Windows 8も非対応である点は注意が必要だ。MacOSもGX7030/GX6030は10.12.6以降、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは10.14.6以降となっており、比較的新しいバージョンのみの対応となる。またMacOS用ドライバーはキヤノン・ブラザーからは提供されず、AirPrintを使用する方法となっているため、一部の印刷設定、本体の動作設定ができない点でWindowsで利用する場合に比べて不便になっている。 本体サイズを見てみよう。PX-M791FTは幅425×奥行500×高さ350mmで大柄だ。横幅はそれほど大きくは無く、高さも前面給紙カセットが2段である事を考えると仕方が無いと思えるが、奥行きが意外と大きい。ただし、エコタンクの飛び出した部分を含んでいるので、これ以外の場所は450mm程度となる。GX7030は幅399×奥行410×高さ314mmで、同じ前面給紙カセット2段でADF付きでありながら一回り小さい。横幅は26mm、奥行きは90mm、高さは36mm小さい。奥行きはPX-M791FTのエコタンク部分を除くと40mmの差だが、それでもGX7030が小さいことに変わりは無い。大きな差ではないが、少しでも設置スペースを小さくしたいという人にはGX7030の方が良いだろう。GX6030はGX7030の前面給紙カセットが1段となったデザインなので、幅と奥行きは同等で、高さだけが254mmと小さくなる。GX7030との比較で60mm、PX-M791FTと比較すると96mmも小さくなるため、圧迫感はかなり低くなる。ちなみにGX7030/GX6030は液晶部の飛び出しを含まないサイズだが、これは15mm程度である。MFC-J4540Nは幅435×奥行355×高さ250mmで、幅は最も大きいが、高さと奥行きは、同じ前面給紙カセット2段の3機種の中では最も小さい。前面給紙カセットの上段が150枚とやや小さいとは言え、カセット1段のGX6030より小さいため、設置したときの圧迫感はかなり小さくなる。そして前面給紙カセットが1段のMFC-J4440NとDCP-J4140Nは更に小さく、幅435×奥行343×高さ180mmとなる。家庭向けの機種と共通のデザインであるため、コンパクトさではかなり優秀と言える。 耐久枚数はPX-M791FTが20万枚、GX7030/GX6030が15万枚、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nは10万枚となっており、家庭向けの機種が1万〜1万5000枚である事を考えると、非常に高耐久に作られている。耐久性に差があるとは言え、プリンターの場合5年が寿命と言われているため、PX-M791FTで年間4万枚、GX7030/GX6030で年間3万枚、MFC-J4540N/MFC-J4440N/DCP-J4140Nでも年間2万枚となり、よほどでなければ問題ないだろう。本体カラーはビジネス向けということでホワイトが基調となっているが、PX-M791FTはエコタンク部の前面だけ、GX7030とGX6030は液晶回りとADFの原稿トレイ、排紙トレイをブラックとしてアクセントとしている。 6機種から選ぶ中で、まずファクス機能が必要ならPX-M791FT、GX7030、MFC-J4540N、MFC-J4440Nから選ぶ事になる。その中で、とにかく高性能な機種を希望するならPX-M791FTだ。印刷速度が高速なだけでなく、自動両面印刷も高速で、画質面でもPrecisionCoreプリントヘッドとノズル自己診断システムで、画質もワンランク上だ。文書の耐保存性も高く、64mm幅の用紙や、6mの長尺用紙などに魅力を感じる場合もあるだろう。GX7030が対応しない「フチなし印刷」や「前面給紙カセットに普通紙以外をセット」にもしっかり対応する。ADFによるモノクロスキャンも高速で、両面読み取りも対応、スマホとの接続も簡単で、リモートプリント機能も豊富、コピー機能もファクス機能も、他機種より高性能だ。液晶が大きく操作性も良く、Wi-Fiの接続も強力だ。価格は最も高いが、それに見合う性能を有している。また、PX-M791FTをリモート監視したり設定を変更出来る他、ユーザーごとに利用できる機能を制限したり、パネル操作や、USBポート、パソコンとのUSB接続を制限するなどの管理者設定も可能だ。また、プリント時にパスワード設定をすることで、プリンターの操作パネルでパスワードを入力するまでプリントしないようにでき、セキュリティーを高める事もできるなど、多人数での使用にも適していると言える。印刷は普通紙のみでモノクロが多いならGX7030でも問題ない。前面給紙カセットは普通紙ならPX-791FT同様セットでき、モノクロプリントはほぼ同じ速度だ。印刷コストもPX-M791FT同様安い。印刷画質ではやや劣るが文書印刷なら大きな問題にはならないだろう。指定時間の電源オン・オフや同時両面スキャン、本体でのクラウドアクセスはPX-M791FTにも無い機能だ。PDFからのダイレクトプリントや基本的なファクス機能も問題なく、操作性はPX-M791FTより劣るとは言え、十分使いやすい。ややコンパクトなのも利点だろう。ビジネス向けの高性能さが必要だが、PX-M791FTだけの機能にはあまり必要性がないなら、ややコンパクトで価格も安いG7030がオススメだ。逆に顔料4色の機種が欲しいが、そこまで高性能でなくても良いならMFC-J4540N/MFC-J4440Nでも十分だ。同じ前面給紙カセット2段のMFC-J4540Nでも、PX-M791FTより4万4000円以上、GX7030より2万4000円以上安い。とはいえ、印刷速度はそこまで劣らず、カラーはGX7030より高速だ。自動両面印刷も十分高速で、コピーやファクス機能も高性能で、操作性も悪くない。基本機能はしっかり搭載しつつ、自動電源オン機能や廃インクタンクユーザーによるの交換、ADFの両面スキャン、PDFファイルのダイレクトプリントなどを省略し、ADFのセット可能枚数や、Wi-Fi機能でも他機種より機能を落とすことで低価格化している。特に、印刷コスト面では、モノクロプリントはまだしも、カラープリントは高く、給紙枚数もやや少なく、耐久枚数でもPX-M791FTやGX7030より劣る。そのことから小規模オフィスや店舗、自宅など、印刷枚数が極端に多くない環境で、基本的な機能が搭載されていれば良いというなら、価格も安く、非常にコンパクトでオススメと言える。2種類の用紙を同時にセットしたいならMFC-J4540N、1種類で良いならMFC-J4440Nだ。 ではファクス機能が不要ならどうだろうか。ファクス機能が無いのはGX6030とDCP-J4140Nだが、ファクス機能付きの機種で、ファクス機能を使わないという手もある。特に前述のように、PX-M791FTは他機種と比べて圧倒的に高性能なので、それらの機能が必要ならPX-M791FTがオススメだ。PX-M791FTほど高性能でなくても良い、又はモノクロプリントがメインならGX6030でも良いが、前面給紙カセットが2段の方が良い又はADFの両面スキャンが必要ならGX7030を選ぶのも手だろう。印刷枚数が極端に多くないなら、DCP-J4140Nがオススメだ。カラープリントの印刷コストがやや高く、給紙枚数も少なく、耐久枚数も少ないが、基本機能は十分高性能である一方、価格が安く、サイズもコンパクトなのはメリットだ。こちらも前面給紙カセットが2段の方が良いならMFC-J4540Nという手もある。 結局の所、価格に差がある分、性能にも差がある。どこまでの機能が必要なのかを考えていけば、おのずと機種は決まってくるだろう。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/ |
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