プリンター徹底比較
2022年春時点のプリンター
〜エプソン・キャノン・ブラザーのプリンターを比較〜
(2022年9月9日公開)

プリンター比較の記事は、新製品が数多く発表される「年末」と「春」の2回に掲載しています。
古い記事も過去の情報として利用できると考え、新製品を掲載したものは、新たな記事として掲載していますので、現在この記事は既に古くなっている可能性があります。
プリンター比較を参考にされる方は、プリンター徹底比較の一覧ページより、最新のものをご覧ください。


ブラザーのA4複合機
 
 ブラザーのプリンターは、1機種を除いて全て複合機で、A4対応が6機種、A3対応が4機種となる。基本的な機能やデザインが似ている機種が多く、エプソンやキャノンほどバリエーションが豊かではないが、同じベースの製品から、様々なバリエーションを提供しようとしている。その中からA4複合機を比較する。エプソンとキャノンではカートリッジ式とタンク式、又はファクス機能のありなしで分けて比較しているが、ブラザーではそもそもタンク式がない(ファーストタンク方式は大容量のカートリッジ式)事と機種数が少ないことから、一括して比較している。そのためファックス機能ありとなし、従来サイズのカートリッジ式と、大容量カートリッジ式のファーストタンク方式が混在している。MFCから始まる4機種はファクス機能あり、DCPから始まる2機種はファクス機能無しだ。また、Jの後の数字が4桁の機種はファーストタンク方式、3桁の機種は従来サイズのカートリッジ方式の機種となる。細かく違いを見ていこう。

プリント(画質・速度・コスト)
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
実売価格(メーカーWeb/税込) 55,500円 49,500円 40,700円 30,800円 27,500円 24,200円
インク 色数 4色 4色 4色 4色 4色 4色
インク構成 ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成 ファーストタンク方式
(カートリッジ方式・各色独立)
ファーストタンク方式
(カートリッジ方式・各色独立)
ファーストタンク方式
(カートリッジ方式・各色独立)
ファーストタンク方式
(カートリッジ方式・各色独立)
各色独立 各色独立
顔料/染料系 顔料 顔料 顔料 染料(カラー)/顔料(黒)
(アルバム保存100年/耐光性50年)
染料(カラー)/顔料(黒)
(アルバム保存100年/耐光性50年)
染料(カラー)/顔料(黒)
(アルバム保存100年/耐光性50年)
インク型番 416XL(超・大容量)
416(大容量)
416XL(超・大容量)
416(大容量)
416XL(超・大容量)
416(大容量)
414 411 411
付属インク セットアップ用インクカートリッジ各色1本 セットアップ用インクカートリッジ各色1本 セットアップ用インクカートリッジ各色1本 セットアップ用インクカートリッジ各色1本 セットアップ用インクカートリッジ各色1本 セットアップ用インクカートリッジ各色1本
ノズル数 840ノズル 840ノズル 840ノズル 420ノズル 840ノズル 840ノズル
全色:各210ノズル 全色:各210ノズル 全色:各210ノズル ブラック:210ノズル
カラー:各70ノズル
各色210ノズル 各色210ノズル
最小インクドロップサイズ 2pl 2pl 2pl 1.5pl 2pl 2pl
最大解像度 1200×4800dpi 1200×4800dpi 1200×4800dpi 1200×6000dpi
(macOSでは1200×3600dpi)
1200×6000dpi 1200×6000dpi
高画質化機能
印刷速度 L判縁なし写真(メーカー公称) 14秒 14秒 14秒 28秒 14秒 14秒
A4普通紙カラー(ISO基準) 19.0ipm 19.0ipm 19.0ipm 9.0ipm 16.5ipm 16.5ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準) 20.0ipm 20.0ipm 20.0ipm 16.0ipm 17.0ipm 17.0ipm
ファーストプリント速度 A4普通紙カラー 5.9秒 5.9秒 5.9秒 N/A N/A 6.5秒
A4普通紙モノクロ 5.8秒 5.8秒 5.8秒 N/A N/A 6.0秒
印刷コスト
(税込)
L判縁なし写真 超・大容量:12.5円 超・大容量:12.5円 超・大容量:12.5円 16.2円 22.2円 22.2円
A4カラー文書 超・大容量:4.1円 超・大容量:4.1円 超・大容量:4.1円 5.5円 9.4円 9.4円
A4モノクロ文書 超・大容量:0.8円 超・大容量:0.8円 超・大容量:0.8円 0.9円 2.9円 2.9円
インク1本の印刷枚数
(カラー文書)
ブラック 超・大容量:6,000ページ
大容量:3,000ページ
超・大容量:6,000ページ
大容量:3,000ページ
超・大容量:6,000ページ
大容量:3,000ページ
2,500ページ 375ページ 375ページ
カラー 超・大容量:5,000ページ
大容量:1,500ページ
超・大容量:5,000ページ
大容量:1,500ページ
超・大容量:5,000ページ
大容量:1,500ページ
1,500ページ 500ページ 500ページ
インク1本の価格
(税込)
ブラック 超・大容量:4,400円
大容量:3,300円
超・大容量:4,400円
大容量:3,300円
超・大容量:4,400円
大容量:3,300円
2,200円 1,078円 1,078円
カラー 超・大容量:各5,500円
大容量:各2,750円
超・大容量:各5,500円
大容量:各2,750円
超・大容量:各5,500円
大容量:各2,750円
各2,310円 1,078円 1,078円

 まずはプリントの基本となる画質と速度、印刷コストから見ていこう。ブラザーは4色インクの機種しかないため、6機種ともブラック、シアン、マゼンダ、イエローの基本4色構成である点は同じだ。ただし、全色が顔料インクの機種と、ブラックのみが顔料インクで、カラーが染料インクの機種に分かれる。前者はMFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nのファーストタンク方式の上位機種だ。後者はファーストタンク方式の下位機種DCP-J1200Nと、従来型カートリッジ方式MFC-J904NDCP-J926Nとなる。ここで、染料インクと顔料インクの話が出てきたが、どう言った違いがあるのだろうか。染料インクは写真用紙等に印刷した際に発色が良く、用紙本来の光沢感が出るため、写真印刷に向いているインクだ。一方で普通紙に印刷すると紙にしみこんで広がってしまうため、メリハリが弱くなる。その点で顔料インクは紙の表面で定着するため、普通紙にもメリハリのある印刷が行え、小さな文字や中抜き文字も潰れずに印刷が可能なほか、耐水性も高いため濡れた手で触ったりマーカーを引いても滲まない。とは言え全色を顔料インクとすると写真用紙などに印刷した際に発色が悪いほか、用紙の光沢感が薄れ半光沢のようになってしまう。また光沢年賀状をはじめとする光沢紙やフィルム用紙、アイロンプリント紙など一部に顔料インク非対応の用紙もある。つまりは染料インクと顔料インクは、用紙によって向き不向きがあるわけである。
 それでは写真印刷や年賀状印刷の画質を見てみよう。写真印刷といっても印刷内容が写真かどうかではなく、写真用紙に印刷するかどうかだ。それ以外にもインクジェットハガキや光沢紙、ファイン紙など普通紙以外に印刷する場合の画質である。残念ながら、6機種とも写真高画質という機種ではない。写真印刷には染料インクを使用するが、高画質に印刷するためには染料インクで4色揃っているのが最低条件だ。ところがそのような機種は存在しない。まず、DCP-J1200NMFC-J904NDCP-J926Nの場合、染料インクはカラー3色しか無い。そのため、黒色の表現はカラー3色を重ねて表現するが、どうしても完全な黒にはならず濃い茶色や濃いグレーになってしまう。全体にコントラストが低く感じられる他、夜景や影部分の表現など、暗い色の中の表現力は良いとは言えない。一方、MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nは全色顔料インクであるため、顔料インクで写真印刷を行う事になる。かなり発色が悪くなるため、コントラストが弱く沈んだ色になる他、用紙本来の光沢感もなくなる。ではどちらがマシかというと、まだ染料3色での印刷となるDCP-J1200NMFC-J904NDCP-J926Nがマシだ。カラーは発色の良い染料インクだし、写真用紙本来の光沢感も出るため、写真らしい印刷が可能だ。画質にはこだわらないが、とりあえず写真印刷も楽しみたいならDCP-J1200NMFC-J904NDCP-J926Nを選んだ方が良いだろう。
 ちなみに他にも違いがある。写真の画質を決める上でもう一つ重要なのが「最小インクドロップサイズ」だ。インクのドットの大きさで、小さいほどドットが目立たず、粒状感(ザラザラした感じ)の少ない滑らかなプリントとなる。ほとんどの機種は2plだが、なぜかファーストタンク方式の下位モデルだけ1.5plと小さくなっている。一方画質にはあまり影響は無いが、印刷解像度は、全色顔料の機種は1200×4800dpi、顔料ブラック+染料カラーの機種は1200×6000dpiと若干高くなる。結果、最も画質が良いのは、最小インクドロップサイズが1.5plで印刷解像度も高いDCP-J1200Nという事になる。とはいえ、目で見て分かるほどの差ではないだろう。一方写真の耐保存性には違いがある。顔料ブラック+染料カラーの機種は、アルバム保存100年、耐光性50年となっており、アルバムでの保存でも、飾る場合(=光が当たる場合)でも保存性は高い。一方、顔料4色の機種では耐保存性の表記はなく、これよりは劣る可能性が高い。写真印刷を考えれば、DCP-J1200NMFC-J904NDCP-J926Nが画質面でも耐保存性の面でも良いと言えるだろう。
 一方、文書の印刷画質を見てみよう。こちらも印刷内容が文書という意味ではなく、普通紙への印刷画質である。文書中の写真やイラストなどの画質もこちらとなる。普通紙への印刷は、前述の通り顔料インクが有利だ。MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nは全色顔料インクであるため、カラー、モノクロ問わず高画質で高耐水の印刷が可能だ。一方、DCP-J1200NMFC-J904NDCP-J926Nは顔料インクはブラックだけなので、黒色部分しかこの恩恵は得られない。また、モノクロプリントやコピーの場合でも、グレーの部分はブラックをまばらに打つと粒状感が強くなるため、カラーインクを重ねてグレーを表現する場合があり、その場合全色顔料のMFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nでは高画質だが、DCP-J1200NMFC-J904NDCP-J926Nでは画質が落ちてしまう。また、これらの機種では背景がカラーの上の黒文字も同じく顔料ブラックが使えない場合があるなど、必ずしも全ての黒色部分で顔料インクの恩恵を受けられるわけではない。本格的に文書を綺麗に高耐水に印刷したいなら、全色顔料のMFC-J4540NMFC-J4440N、DCP-J4140がオススメだ。
 続いて印刷速度を見てみよう。印刷速度はノズル数が大きく影響する。DCP-J1200Nを除く5機種はブラック、カラー共に各210ノズルとなっている。そのため、写真の印刷速度はいずれも14秒と同等だ。一方DCP-J1200Nはブラックは210ノズルだが、カラーは3色合わせて210ノズルなので各70ノズルと3分の1まで減る。そのため写真印刷は28秒と遅くなる。とはいえ、他のメーカーでは1分を超える機種も見られることを考えると、よほど印刷枚数が多くない限りDCP-J1200Nでも問題ないだろう。
 では、文書の印刷速度はというと、ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)で表し、数字が大きい方が高速だ。MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nはカラーが19.0ipm、モノクロが20.0ipmと非常に高速だ。これは家庭向けとしては最高速で、ビジネス向けとしても十分に高速なレベルだ。またノズル数がカラー、ブラック共に同等であるため、カラーとモノクロにほとんど差がない。一方、これらと同じノズル数のMFC-J904NDCP-J926Nはカラーが16.5ipm、モノクロが17.0ipmと若干遅くなる。カラーインクが染料インクであるため普通紙への印刷速度に制限が掛かっているのか、色の表現方法などに違いがあるのかは不明だが、15%程度遅くなる。とはいえ、これでも十分に高速なレベルだ。DCP-J1200Nは、カラーが9.0ipm、モノクロが16.0ipmとなっている。カラーのノズル数が少ないため、カラープリントは大きく速度を落としている一方、ブラックはノズル数が同じなので、モノクロプリントはほとんど速度が落ちていない。モノクロプリントに関しては十分高速だし、カラーも平均的な速度には達しているので、よほど印刷枚数が多くなければ問題ないだろう。
 続いて印刷コストを見てみよう。印刷コストはファーストタンク方式か従来型カートリッジ方式かが大きく関わっている。MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nはファーストタンク方式で、同じインクカートリッジを使用する。L判写真は12.5円、カラー文書は4.1円、モノクロ文書は0.8円となる。他社のタンク方式と比べるとやや高いが、家庭向けインクジェットプリンターでのカラー文書は9円〜17円程度で、ビジネス向けのインクジェットプリンターでも6円〜10円程度であるため、それでもかなり低印刷コストだ。また卓上レーザープリンターの場合、カラー文書は9円〜18円、モノクロ文書は1.6円〜4円なので、これらからの置き換えでも、かなり印刷コストの節約になる。ちなみにL判写真は写真用紙代(約4.3円)が含まれているため、インク代だけだと8.2円となる。インクカートリッジはかなり大容量で、新品のインクカートリッジでカラー文書を印刷した場合、ブラックインクは6,000ページ、カラーインクが5,000ページまで印刷可能となっている。大量印刷でもインク交換の手間が軽減される。DCP-J1200Nは同じファーストタンク方式だが、やや小容量のカートリッジとなるため、ブラックは2,500ページ、カラーは1,500ページまで印刷可能だ。小容量な分、割高になっており、印刷コストはL判写真は16.2円(用紙代除くと11.9円)、カラー文書は5.5円、モノクロ文書は0.9円となる。写真印刷やカラー文書で印刷コストが大きく上がっている一方、モノクロ文書は0.1円の差しかない。印刷速度面から見ても、モノクロプリントをメインで使うならデメリットは感じにくくなる。従来型カートリッジ方式のMFC-J904NDCP-J926NはL判写真は22.2円(用紙代除くと17.9円)、カラー文書は9.4円、モノクロ文書は2.9円となる。MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nと比べて、L判写真は2.18倍、カラー文書は2.29倍、モノクロ文書は3.63倍となる。これだけ見るとかなり高いが、インクジェットプリンターとしては平均的な印刷コストだ。印刷可能枚数はブラックインクが375ページ、カラー文書が500ページまでで、それぞれ16分の1と10分の1の印刷可能枚数で、ファーストタンク方式の印刷可能枚数の多さが分かるだろう。
 ちなみに、ファーストタンク方式はカートリッジ方式なのに「タンク」と名称が付いていることを不思議に思うだろう。実は、内部にサブタンクを搭載しているためで、こちらに約200枚分のインクを常に確保している。カートリッジからインクが無くなった時点で交換できるため、インクを買い忘れても少し余裕がある事や、大量印刷前にインク残量が少なくなっていても、カートリッジが空になってれば事前に交換できるというメリットがある。
 印刷コストに大きな差があるが、インクカートリッジの価格にも大きな違いがある。最も印刷コストの低いMFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nは、ブラックが4,400円、カラーが各5,500円となる。4色購入すると20,900円とかなりの金額だ。インクカートリッジを購入するときの一度の出費は大きくなる。ただそれ以上に印刷可能枚数が多いので、1枚あたりの印刷コストに換算すると低印刷コストになるわけだ。ちなみに、これは超・大容量カートリッジを使用した場合だ。容量が少ない「大容量カートリッジ」なら、ブラックが3,300円、カラーが各2,750円で、4色で11,550円に抑えられる。ただ、印刷可能枚数は、ブラックが半分の3,000ページ、カラーが30%の1,500ページとなるため、価格差以上に印刷可能枚数は少なく、印刷コストは上がってしまう。同じファーストタンク方式でも小容量のDCP-J1200Nは、ブラックが2,200円、カラーが各2,310円で、4色で9,130円となる。MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nの大容量カートリッジより安価なだけでなく、印刷可能枚数はカラーは同じでありながら16%安価で、ブラックは印刷可能枚数は17%少ないが、価格は33%安価で、いずれも割安だ。つまりMFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nで大容量カートリッジを使うのなら、DCP-J1200Nの方がお得になる事が分かる(もちろん機能面での違いがあるのでこれだけで機種を決められないが)。残る従来型カートリッジ方式のMFC-J904NDCP-J926Nだが、カラーもモノクロも各1,078円となり4色で4,312円となる。ファーストタンク方式と比べるとインク購入時の一度の出費は非常に小さい。印刷枚数がそれほど多くないなら、1回の購入で何千ページも印刷できるとしても多すぎる場合もあるだろう。そういったユーザーには印刷コストは高くても、インクカートリッジの価格が手頃な方が使いやすいと言える。印刷コストの安いファーストタンク方式が絶対的に良いという事は無く、使い方によって違ってくる事になる。

プリント(給紙・排紙関連)
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
対応用紙サイズ 定型用紙 L判〜A4 L判〜A4 L判〜A4 L判〜A4 L判〜A4 L判〜A4
長尺用紙 長さ355.6mmまで 長さ355.6mmまで 長さ355.6mmまで 長さ355.6mmまで 長さ297mmまで 長さ297mmまで
給紙方向
(セット可能枚数(普通紙/ハガキ/写真用紙))
背面
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.52mm厚紙対応)
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.52mm厚紙対応)
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.52mm厚紙対応)
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.52mm厚紙対応)
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.52mm厚紙対応)
○手差し
(1枚/1枚/1枚)
(0.52mm厚紙対応)
前面 【カセット上段】
(150枚/50枚/20枚
【カセット下段】
普通紙のみ
A4〜A5
(250/−/−)
【カセット】
(150枚/50枚/20枚)
【カセット】
(150枚/50枚/20枚)
【カセット】
(150枚/50枚/20枚)
【カセット下段】A4〜A6/ハガキ
(100枚/40枚/20枚)
【カセット上段】
L判/ハガキ/ポストカードのみ
(−/20枚/20枚)
手動切り替え
【カセット下段】A4〜A6/ハガキ
(100枚/40枚/20枚)
【カセット上段】
L判/ハガキ/ポストカードのみ
(−/20枚/20枚)
手動切り替え
その他
排紙トレイ自動伸縮
用紙種類・サイズ登録 ○(カセット取り出し連動) ○(カセット取り出し連動) ○(カセット取り出し連動) ○(ボタン選択式) ○(カセット取り出し連動・下段のみ) ○(カセット取り出し連動・下段のみ)
用紙幅チェック機能

 続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。使用できる用紙は6機種とも最大がA4、最小がL判と共通だ。ただし、長さに関しては、ファーストタンク方式の4機種は355.6mmまで、つまり日本では馴染みが薄いが、リーガルサイズまで対応するのに対して、従来型カートリッジ方式の2機種は297mmまでと、A4縦までの対応となる。大きな違いではないが、普段使用している用紙のサイズには注意したい。
 給紙に関しては、前面給紙+背面手差し給紙という点では6機種とも共通だ。前面給紙はカセット式となっており、用紙をセットしたままでもホコリが積もりにくいため、入れたままにしておくのに向いている他、背面にスペースが不要というメリットがある。ただし、前面給紙カセットについては、その仕様に違いがある。最もシンプルなのはMFC-J4440NDCP-J4140NDCP-J1200Nだ。カセットは1段となっており、1種類の用紙をセットできる。A4普通紙なら150枚までと、一般的な家庭用よりやや多く、印刷枚数が多いと思われるファーストタンク方式に合っているといえる。ハガキは50枚、写真用紙は20枚までセットできる。従来型カートリッジ方式のMFC-J904NDCP-J926Nは、前面給紙カセットを取り出すと上下2段になっており、2種類の用紙がセットできる。下段はA4〜A6サイズとハガキサイズに対応、上段は小型になっており、L判、ハガキ、ポストカーサイズのみとなる。つまり、どちらにもセットできるのはハガキサイズのみで、例えば同じ写真用紙でもL判は上段、2L判は下段となる。下段は普通紙が100枚と、2段になっている分MFC-J4440NDCP-J4140NDCP-J1200Nより少なくなる。ハガキは40枚、写真用紙は20枚までだ。上段はハガキが20枚、写真用紙が20枚となる。下段にA4用紙、上段にL判写真用紙という風にセットしておき使い分けが出来るため便利だ。ただし、上下段の切り替えは手動となる。上段のカセットは下段カセット上に乗っており、一緒に取り出す形となるが、上段を奥にセットすると上段から、手前にセットすると下段から給紙される。切り替えミスをすると間違った用紙を給紙してしまう点では注意が必要だ。残るMFC-J4540Nも同じく前面給紙カセットが2段だが、MFC-J904NDCP-J926Nとは異なる。上下段は完全に独立しており、上段はMFC-J4440NDCP-J4140NDCP-J1200Nと同じく普通紙150枚、ハガキ50枚、写真用紙20枚まで給紙可能なカセットとなっているが、その下に、A4〜A5サイズの普通紙専用のカセットがもう一段搭載されている。下段は普通紙が250枚までと上段より多くなっている。また上下段ともA4用紙をセットして、400枚までの連続給紙に対応することも出来るし、上段にB5普通紙やファイン紙、ハガキなどを、下段にA4普通紙と言った風に2種類セットして使い分ける事も可能だ。切り替えは自動で行われるので、印刷時にカセットを指定するか、自動にしておけばセットされている用紙情報を元に適切な方から給紙される。
 一方、背面手差し給紙は、「手差し」の名の通り、1枚ずつ用紙を挿し込む必要がある給紙方法だ。一般的なインクジェットプリンター用の用紙のほとんどは前面給紙からでも問題ないが、前面給紙で前面排紙なので、プリンター後方で方向転換が必要で、用紙が曲げられることになる。そのため、封筒のような二重の紙や、ラベル用紙、厚紙や硬い紙、滑りやすい紙など、前面給紙では上手く給紙出来ない場合もあるだろう。そういった場合に背面手差し給紙を利用する事になる。実際、前面給紙は0.25mm厚までとされているため、それ以上の用紙は背面手差し給紙となるが、こちらは0.52mmまで対応できるため、かなり自由度は高い。またそれ以外の用途として、前面給紙カセットは用紙幅と奥行きを調整する必要があり、サイズの違う用紙をセットする場合、それなりに手間が掛かる。1、2枚程度の印刷であれば、前面給紙カセットはそのまま、背面手差し給紙を利用する事で、入れ替えの手間を省くことも出来る。背面手差し給紙は、一般的な背面給紙のような上面の後方ではなく、本体の背面にある。カバーを開くと、小型の給紙トレイとなっており、さらに細い用紙サポーターを引き出せるだけの簡易的な構造だ。1枚ずつしかセットできないでこれで十分で、使用しないときは閉じておけば、背面と一体になり場所を取ることはない。いざという時に便利な機能だ。
 6機種とも用紙の種類とサイズを登録しておく機能が搭載されている。DCP-J1200Nを除く5機種は、液晶ディスプレイから登録も可能だが、前面給紙カセットを取り出すと、自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。そして、この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。ただし、MFC-J904NDCP-J926Nは下段のみとなっており、さらに上下段の切り替えミスも検知されない点は注意が必要だ。液晶を持たない(後述)DCP-J1200Nは「A4」と「ハガキ」のLEDランプがあるだけだ。ボタンを押すことによってLEDの点灯が切り替わる形で選択でき、用紙のセットとは連動していない。「A4」はA4サイズの普通紙、「ハガキ」はハガキサイズのその他光沢紙となる。そして、両方のLEDが点灯した状態は「カスタム」となっており、あらかじめスマホ向けのアプリ「Brother Mobile Connect」を利用して登録することで、もう一種類の用紙サイズと種類を利用できる形となっている。本体の液晶で自由な組み合わせで設定が出来る他の5機種と比べると、決められた3種類からしか選べないのは、複数の用紙を使用する人には不便と言えるだろう。

プリント(付加機能)
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
自動両面印刷 ○(普通紙・ハガキ) ○(普通紙・ハガキ) ○(普通紙・ハガキ) ○(普通紙・ハガキ) ○(普通紙・ハガキ)
自動両面
印刷速度
A4カラー文書 10.0ipm 10.0ipm 10.0ipm 5.5ipm 5.5ipm
A4モノクロ文書 11.0ipm 11.0ipm 11.0ipm 5.5ipm 5.5ipm
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能
特定インク切れ時印刷 ○(クロだけ印刷・最大30日) ○(クロだけ印刷・最大30日) ○(クロだけ印刷・最大30日) ○(クロだけ印刷・最大30日) ○(クロだけ印刷・最大30日) ○(クロだけ印刷・最大30日)
自動電源オン/オフ −/− −/− −/○
(USB接続・単体使用時のみ)
−/○
(USB接続・単体使用時のみ)
−/− −/○
(USB接続・単体使用時のみ)
廃インクタンク交換
フチなし吸収材エラー時の対応機能

 その他、プリントの付加機能を見てみよう。自動両面印刷機能はDCP-J1200Nを除く5機種が搭載している。いずれも普通紙とハガキの自動両面印刷にも対応している。ハガキの通信面と宛名面を一度で印刷できて便利だ。ちなみに、自動両面印刷を行う場合、まず表を印刷した後、そのまま用紙は逆方向に進み、もう一度プリンター内に吸い込まれ、前面給紙の場合と同じくプリンター後方で180度方向転換することで裏返し、裏面を印刷するのが一般的だ。しかし、この裏返し動作に時間がかかってしまい、両面印刷時は片面印刷に比べて印刷速度が低下してしまう。また印刷する内容によっては表面の印刷後に乾燥時間も必要になる。そこで自動両面印刷時の速度を見てみると、MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nはカラー文書が10.0ipm、モノクロ文書が11.0ipmとなる。片面印刷と比べるとカラーが52.6%、モノクロが55%となる。一方、MFC-J904NDCP-J926Nの場合、カラー文書、モノクロ文書共に5.5ipmと、MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nの半分程度の速度となる。片面印刷の速度でも差が付いているが、半分と言うほど遅くはなく、実際に片面印刷時の速度と比べ得ると、カラーが33%、モノクロが32%の速度となり、低下率が大きい。染料インクを使用するため乾燥時間を長めに設定しているのか、それとも機構自体に違いがあるのかは不明だが、自動両面印刷を多用したいなら、MFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nの方がストレスなく使えるだろう。
 CD/DVD/Blu-rayのレーベル面への印刷機能は、MFC-J904NDCP-J926Nの従来型カートリッジ方式の機種のみ対応する。レーベル印刷を多用するので、ファーストタンク方式でインク代を抑えるという事は残念ながらできない。レーベル印刷用のトレイは、スキャナーの原稿押さえのすき間に収納できるようになっており、未使用時でも無くす心配がない。ただし、印刷時にはトレイが一端後方に飛び出るため、本体後方に10cmのスペースが必要になる。
 「クロだけ印刷」は全機種が搭載しているが、これはカラーインクが無くなっても、モノクロ印刷が継続できる機能だ。ただし、前述のようにモノクロでもグレーの部分などにカラーインクを使うことで高画質化しているため、ブラックインクだけでは画質は低下する。また、本体に負担がかかるため、最大30日間で、空のカートリッジを外したり、コンセントを抜くと使用できなくなる。つまり、モノクロ印刷しかしないので、常にカラーインクを外した状態で使用するという事はできない。
 自動電源オフ機能は、指定時間がたつと自動的に電源が切れる機能だが、これはファクス機能を搭載しないDCP-J4140NDCP-J1200NDCP-J926Nのみ搭載する。ファクス機能を搭載している場合、自動で切れるとファクス受信が出来ないという考えからなのか分からないが、機能をオン、オフできるのだから、機能そのものを削減しなくてもよいと思うのだが。

スキャン
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
最大スキャンサイズ A4
(215.9×297mm)
A4
(215.9×297mm)
A4
(215.9×297mm)
A4
(215.9×297mm)
A4
(215.9×297mm)
A4
(215.9×297mm)
読み取り解像度 1200dpi
(1200×2400dpi)
ADF使用時は1200×600dpi
1200dpi
(1200×2400dpi)
ADF使用時は1200×600dpi
1200dpi
(1200×2400dpi)
ADF使用時は1200×600dpi
1200dpi
(1200×2400dpi)
1200dpi
(1200×2400dpi)
ADF使用時は1200×600dpi
1200dpi
(1200×2400dpi)
ADF使用時は1200×600dpi
センサータイプ CIS CIS CIS CIS CIS CIS
原稿取り忘れアラーム
ADF 原稿セット可能枚数 20枚 20枚 20枚 20枚 20枚
原稿サイズ 215.9×355.6mm〜148×148mm 215.9×355.6mm〜148×148mm 215.9×355.6mm〜148×148mm 215.9×355.6mm〜148×148mm 215.9×355.6mm〜148×148mm
両面読み取り
読み取り速度 カラー N/A
(7.0ipm?)
N/A
(7.0ipm?)
N/A
(7.0ipm?)
N/A N/A
モノクロ N/A
(17.0ipm?)
N/A
(17.0ipm?)
N/A
(17.0ipm?)
N/A N/A
スキャンデーターのメモリーカード保存 ○(JPEG/PDF/TIFF) ○(JPEG/PDF/TIFF) ○(JPEG/PDF/TIFF) ○(JPEG/PDF/TIFF) ○(JPEG/PDF/TIFF)

 続いて、スキャナー部を見てみよう。読み取りサイズは最大A4(215.9×297mm)で同等だ。解像度も6機種とも1200dpiとなっており差は無い。他のメーカーや単体のスキャナーにはもっと高解像度の機種があるが、実際には紙などの反射原稿しかスキャンできないことを考えると1200dpiでも十分だ。というのも、一般的には文書なら200〜300dpi、写真なら300〜600dpi程度で、よほど綺麗に保存したい場合や拡大して印刷する場合に1200dpiでスキャンすると言った程度だ。実際、L判写真を1200dpiで取り込むと約4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当なので十分きれいだといえる。逆にスキャナー解像度が高いセンサーでは1ドットあたりの光の取り込み量が減り、スキャン速度が低下したりノイズが発生したりするため、バランスを取って1200dpiとしていると思われる(もちろんコストの関係もあると考えられるが)。
 また、DCP-J1200Nを除く5機種ではADFを搭載しているのが特徴だ。ADFは原稿を複数枚セットすると、順番にスキャンしてくれる機能だ。いずれも片面スキャンとなっており、自動で裏返す機能も搭載されていない、必要最低限の物だが、複数原稿のコピーやファクス時に重宝する。セット可能な原稿枚数は20枚で、最小は148×148mmなので、定型用紙だとA5サイズ以上、最大は215.9×355.6mmなので、A4サイズの210×297mmはもちろん、日本では馴染みがないが、215.9×279.4mmのレターサイズや、215.9×355.6mmのリーガルサイズにも対応できる。レターやリーガルサイズでなくても、A4よりやや長い原稿にも対応できるのは便利だろう。ちなみにADF使用時は、読み取り解像度が1200×600dpiに制限される。フラットベッドスキャナー時は原稿をガラス面に置いて、読み取りセンサーの方が移動してスキャンするが、ADFの場合は読み取りセンサーは固定され、原稿の方が移動することでスキャンする。センサー自体は1200dpiの解像度のものを搭載しているため、センサー方向(短辺)は1200dpiでスキャンできるが、原稿送りの精度が600dpiしかないといえる。とはいえADFを利用する場合は、対応する用紙厚の関係から、文書に限定されると思われるため、600dpiでも十分で、実用上は問題ないだろう。
 ちなみに、DCP-J1200Nを除く5機種は、本体だけでスキャンしてUSBメモリーやSDカード(対応機種のみ)に保存する機能を搭載している。解像度やスキャンサイズなどの選択肢は限定されるが、パソコンやスマホを使わず、サッとスキャンして持ち出せるのは便利だろう。

ダイレクト印刷
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
ダイレクトプリント メモリーカード SD SD
USBメモリー
赤外線通信
対応ファイル形式 JPEG JPEG JPEG JPEG JPEG
色補正機能 フチあり/フチなし
明るさ調整(5段階)
コントラスト調整(5段階)
フチあり/フチなし
明るさ調整(5段階)
コントラスト調整(5段階)
フチあり/フチなし
明るさ調整(5段階)
コントラスト調整(5段階)
フチあり/フチなし
明るさ調整(5段階)
コントラスト調整(5段階)
フチあり/フチなし
明るさ調整(5段階)
コントラスト調整(5段階)
手書き合成
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ −/− −/− −/− −/− −/− −/−
PictBridge対応
各種デザイン用紙印刷

 ダイレクト印刷を見てみよう。DCP-J1200Nを除く5機種が搭載しているが、従来型カートリッジ方式の機種では、SDカードとUSBメモリーに、ファーストタンク方式の機種ではUSBメモリーにのみ対応する。方式で区別したと言うよりは、染料インクを搭載する機種では写真を印刷する可能性があるため、SDカードにも対応しており、全色顔料の機種では文書印刷のみと言うことでUSBメモリーのみの対応になったと考えるのが自然だろう。
 ただし、対応形式はJPEGのみで、PDF等には対応しない。つまりあくまで画像の印刷と言うことになる。MFC-J904NDCP-J926Nは写真の印刷という事が考えられるためJPEGでも良いが、文書印刷が目的のMFC-J4540NMFC-J4440NDCP-J4140Nは不思議に思えるだろう。もちろん画質にこだわらなければUSBメモリーに写真を入れておけば印刷も出来るが、一般的には、スキャナーの項目で説明した「本体でスキャンしてUSBメモリーに保存」した文書の再印刷だろう。使い道は余り多くはないが、いざといときには便利と言える。
 ちなみに写真印刷を考えて、5機種とも、フチあり/フチなしの切り替えの他、撮影日を入れたプリントが可能だ。また明るさとコントラストを5段階で調節が可能なので、多少の画質調整が可能だ。これらはSDカードの対応・非対応によって機能差はない。

スマートフォン/クラウド対応
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
スマートフォン連携 アプリ メーカー専用 Brother Mobile Connect Brother Mobile Connect Brother Mobile Connect Brother Mobile Connect Brother Mobile Connect Brother Mobile Connect
AirPrint
対応端末 iOS 13.0以降
Android 5.0以降
iOS 13.0以降
Android 5.0以降
iOS 13.0以降
Android 5.0以降
iOS 13.0以降
Android 5.0以降
iOS 13.0以降
Android 5.0以降
iOS 13.0以降
Android 5.0以降
スマートスピーカー対応
Wi-Fiダイレクト接続支援機能 ○(NFC(Android)) ○(NFC(Android)) ○(NFC(Android)) ○(NFC(Android))
写真プリント
ドキュメントプリント ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン ○(PDF/JPEG) ○(PDF/JPEG) ○(PDF/JPEG) ○(PDF/JPEG) ○(PDF/JPEG) ○(PDF/JPEG)
クラウド連携 プリント アプリ経由/本体 ○/○ ○/○ ○/○ ○/− ○/○ ○/○
オンラインストレージ ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote)
SNS
写真共有サイト
スキャン アプリ経由/本体 ○/○ ○/○ ○/○ ○/− ○/○ ○/○
スキャンしてオンラインストレージにアップロード ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote)
メールしてプリント ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文)
LINEからプリント
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント

 スマートフォンとの連携機能も6機種とも搭載しており、iOSとAndroid端末に対応している。いずれも、専用のアプリ「Brother Mobile Connect」を無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。写真とドキュメント印刷、スキャンに対応しており、様々な内容をプリント可能だ。写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。ドキュメント印刷は、PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もでき便利だ。また、6機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データーをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。新聞や雑誌、手書きの情報などをスマートフォンに電子化するといった使い方ができるため便利だろう。なお、iPhoneやiPadの場合、AirPrintを利用したプリントも可能だ。
 スマートフォンとの接続は、無線LAN(Wi-Fi)で行うが、無線LANルーターを経由する方法と、ダイレクトに接続する「Wi-Fiダイレクト」が選べる。無線LANルーターを経由する方が、機能面でも制限が無く、印刷する度にプリンターと接続と切断を繰り返すのWi-Fiダイレクトと比べると便利なので、こちらを利用するのがお勧めだが、無線LANルーターが無い環境で使用する場合や、一時的に同じネットワークに入っていない人がプリンターを使いたい場合などにWi-Fiダイレクトは便利だ。Wi-Fiダイレクトの接続設定は手動でもそれほど難しくは無いが、DCP-J1200NDCP-J926Nを除く4機種はNFCを利用した簡単接続に対応している。液晶左にNFCマークがあり、ここにスマートフォンをタッチするだけで接続が完了し、セキュリティーキーの入力などは不要で非常に簡単だ。ただし、Androidに限定される他、スマートフォンがNFCに対応している必要があり、対応機種はやや少なくなる。
 クラウドとの連携機能も6機種とも搭載している。プリントの場合、各種オンラインストレージにアクセスして、ファイルを印刷する事が可能だ。ここで大きな違いは、DCP-J1200Nはスマートフォンのアプリ上からクラウドにアクセスしてプリントするのに対して、他の5機種はスマートフォン上だけでなくプリンター本体の操作でも印刷ができる点が上げられる。実際の操作性はスマートフォンからの方が上だが、操作性の良いアプリ上でプリントする方法と、プリンター本体だけで手軽にプリントする方法が選べる点ではこれら5機種は便利だ。
 スキャンの場合、スキャンしてオンラインストレージへアップロードできる。こちらもプリントと同じくDCP-J1200Nはアプリ上からのスキャンとアップロードになるが、DCP-J1200N以外はアプリ上と、本体操作の両方でスキャン・アップロードが可能となる。これら5機種は、アプリやパソコンをわざわざ立ち上げなくても、簡単にクラウドで情報共有や、持ち出しが出来るため便利と言えるだろう。
 さらにリモートプリント機能として、6機種とも「Eメールプリント」機能に対応する。メールに画像や文書などを添付して、プリンターのメールアドレスに送信すると、自動的にプリントされる機能だ。外出先から自宅のプリンターで印刷が出来る他、他の人のプリンターへメールを送る事で、簡易ファクスのようにも使うことが出来る。メール本文も同時にプリントすることも可能だ。
 スマートフォンやクラウド関連の機能はDCP-J1200NDCP-J926NがNFCに非対応だったり、DCP-J1200Nが本体からのクラウドアクセスに非対応である他は、5機種とも機能面で差は無いと言える。

コピー機能
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
等倍コピー ○(A4普通紙/光沢ハガキ/カスタムサイズのみ・フチありのみ)
【アプリ上から】
○(各種サイズ・用紙対応/フチあり・フチなし対応)
拡大縮小 倍率指定 ○(25〜400%) ○(25〜400%) ○(25〜400%)
【アプリ上から】
○(25〜400%)
○(25〜400%) ○(25〜400%)
オートフィット
【アプリ上から】
定型変倍
【アプリ上から】
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
割り付け(2面/4面) ○/○ ○/○ ○/○ −/−
【アプリ上から】
○/○
○/○ ○/○
その他のコピー機能 濃度調整
地色除去コピー
濃度調整
地色除去コピー
濃度調整
地色除去コピー

【アプリ上から】
濃度調整
地色除去コピー
濃度調整
地色除去コピー
濃度調整
地色除去コピー
バラエティコピー 2in1IDカードコピー
ブックコピー
透かしコピー
ソートコピー
ポスターコピー(3×3/2×2/1×2)
2in1IDカードコピー
ブックコピー
透かしコピー
ソートコピー
ポスターコピー(3×3/2×2/1×2)
2in1IDカードコピー
ブックコピー
透かしコピー
ソートコピー
ポスターコピー(3×3/2×2/1×2)

【アプリ上から】
2in1IDカードコピー
ブックコピー
透かしコピー
ポスターコピー(3×3/2×2/1×2)
2in1IDカードコピー
ブックコピー
透かしコピー
ソートコピー
ポスターコピー(3×3/2×2/1×2)
2in1IDカードコピー
ブックコピー
透かしコピー
ソートコピー
ポスターコピー(3×3/2×2/1×2)

 コピー機能を見てみよう。DCP-J1200Nは特殊なので、別途説明するとして、それ以外の5機種を説明しよう。5機種とも単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」機能や、原稿と印刷する用紙サイズの組み合わせを指定して拡大縮小コピーが行う「定型変倍」機能、さらに25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載しており、高性能になっている。さらに、2枚又は4枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2面割り付け、4面割り付けにも対応する。その他、濃度調整機能や、背景色を白にして見やすくし、インクを節約できる「地色除去コピー」機能を搭載している。
 バラエティコピー機能としては、免許証などの両面の小さな原稿の裏面と表面を、1枚の用紙に並べてコピーできる「2in1IDカードコピー」機能、周囲や綴じ目部分にできる影を消す「ブックコピー」機能、コピー文書に透かし文字を入れられる「透かしコピー」機能、ADFを使用したコピーで、複数ページの複数部をコピーするときに、1部ずつまとめてコピーする「ソートコピー」機能、1枚の原稿を、2枚、4枚、9枚に分割し、貼り付ける事で大判コピーが行える「ポスターコピー」機能を搭載する。「透かしコピー」は「重要」「COPY」「社外秘」といった5種類から選べ、位置やサイズ、回転角度や透過度、文字の色も指定できる。様々な機能を搭載しており、いざという時に便利だろう。
 一方DCP-J1200Nは液晶を搭載しないことから、非常に簡易的なコピー機能だけとなる。セットした用紙を登録するLEDランプを利用した設定となる。「普通紙」「ハガキ」の表示とそれぞれにLEDランプがあり、ボタンを押すことでLEDの点灯が切り替えられるので、これを利用してコピーサイズを指定する。「普通紙」はA4サイズの普通紙、「ハガキ」はハガキサイズのその他光沢紙で、等倍のフチありコピーに限定される。さらに、両方が点灯した状態は「カスタム」となっており、スマートフォン用アプリ「Brother Mobile Connect」を利用して、好きな用紙サイズと種類を登録しておける。3種類の用紙サイズは設定できるが、拡大縮小はおろか、濃度調整もできない。コピーする枚数だけコピーボタンを押すことで複数枚コピーが行える他、2秒長押しで最高品質でのコピーとなるが、液晶を見て設定できる他の5機種と比べると、機能面でも操作性の面でも大きく劣る。ただし、DCP-J1200Nでも他機種のような機能を使う方法がないわけではない。実は「Brother Mobile Connect」上からコピー操作を行う事が可能で、その場合は様々なコピーが行える。各種サイズや種類の用紙が使用できる他、等倍コピーだけでなくオートフィットや定型変倍、25〜400%の倍率を指定した拡大縮小が可能だ。コピー枚数や品質、濃度調整はもちろん、2面・4面割付機能も利用できる。「2in1IDカードコピー」「ブックコピー」「透かしコピー」「ポスターコピー」機能も利用可能だ。普段は等倍コピーを行う程度で、いざという時はスマートフォン経由で行うというのであればあまり問題にはならないだろう。

ファクス機能
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
通信速度 33.6kbps 33.6kbps 33.6kbps
画質設定 モノクロ 8dot/mm×3.85line/mm(標準)
8dot/mm×7.7line/mm(ファイン)
8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン)
8dot/mm×7.7line/mm(写真)
8dot/mm×3.85line/mm(標準)
8dot/mm×7.7line/mm(ファイン)
8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン)
8dot/mm×7.7line/mm(写真)
8dot/mm×3.85line/mm(標準)
8dot/mm×7.7line/mm(ファイン)
8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン)
8dot/mm×7.7line/mm(写真)
カラー 203×196dpi(標準・ファイン) 203×196dpi(標準・ファイン) 203×196dpi(標準・ファイン)
送信原稿サイズ N/A N/A A4
記録紙サイズ A4 A4 A4
受信ファクス最大保存ページ数 180枚/N/A件 180枚/N/A件 −/− −/− 200枚/N/A件 −/−
データー保持(電源オフ/停電) ○/○ ○/○ −/− −/− ○/○ −/−
ワンタッチ
アドレス帳 100件(1件あたり2番号登録可) 100件(1件あたり2番号登録可) 100件(1件あたり2番号登録可)
グループダイヤル 198宛先 198宛先 198宛先
順次同報送信 250宛先
(電話帳200宛先+手入力50宛先)
250宛先
(電話帳200宛先+手入力50宛先)
250宛先
(電話帳200宛先+手入力50宛先)
自動リダイヤル
発信元記録
ポーリング受信/送信 −/− −/− −/− −/− −/− −/−
ファクス/電話自動切替
見てから送信
見てから印刷
受信ファクスを メール送信
共有フォルダ保存 −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote対応) −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote対応) −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote)
外部メモリー保存
PCファクス 送受信 送受信 送受信

 ファクス機能は型番は「MFC」から始まる、MFC-J4540NMFC-J4440NMFC-J904Nが対応するが、これら3機種に機能差はほぼ無い。スーパーG3に対応しており、モノクロ、カラーファクスを行う事が出来る。ADFを搭載しているため、複数枚の原稿の送信も便利である。33.6Kbpsで通信可能であり、その場合の伝送速度はモノクロで約3秒となる。また画質設定は、「標準」「ファイン」「スーパーファイン」の3段階と、ファインと同じ解像度だが写真を含む原稿に適した「写真」が選べる。受信したファクスの保存件数だけ違いがあり、MFC-J4540NMFC-J4440Nは180枚まで、MFC-J904Nは200枚までとなる。電源オフや電気が供給されなくても受信したファクスは保持される。アドレス帳は100件で、1件あたり2番号まで登録できる。グループダイヤルは198件、同じ内容を次々にダイヤルして送信する「順次同報送信」はアドレス帳+手入力50宛先まで指定可能だ。自動リダイヤルや発信元記録にも対応する。送信するファクスを液晶で確認してから送信する「見てから送信」と、受信したファクスの内容を液晶で確認した上で印刷するか決めることで用紙を節約できる「見てから印刷」機能も備えるのは便利だ。また、3機種ともファクス機能だけで受話器がないため通話機能は無いが、モジュラージャックのインとアウトを備えており、アウトに電話機を接続すると通話が可能となる。その際、ファクス/電話自動切り替え機能にも対応している。受信したファクスは自動的に指定したメールアドレスへの送信と、クラウドへのアップロードが可能なので、情報共有もしやすい。また、パソコンで作ったデーターをファクスする場合、一度プリントして、ファクス送信時に読み込ませるのは無駄が大きいが、3機種はパソコン内のデーターを直接ファクスできる「PCファクス」にも対応している。送信だけでなく受信にも対応しているので、受信したファクスを直接パソコンで見ることも出来る。このように、家庭用ファクスよりかなり高性能となっているが、3機種に差は無いため、機種を選ぶ上でのポイントにはならない。ファクス機能は十分な機能が搭載されていることだけ分かっていれば良いだろう。

操作パネル/インターフェース/本体サイズ
型番 MFC-J4540N MFC-J4440N DCP-J4140N DCP-J1200N MFC-J904N DCP-J926N
製品画像
液晶ディスプレイ 2.7型
(角度調整可)
2.7型
(角度調整可)
2.7型
(角度調整可)
2.7型
(角度調整可)
2.7型
(角度調整可)
操作パネル タッチパネル液晶+物理ボタン
(度角度調整可)
タッチパネル液晶+物理ボタン
(度角度調整可)
タッチパネル液晶+物理ボタン
(度角度調整可)
物理ボタン タッチパネル液晶+物理ボタン
(角度調整可)
タッチパネル液晶+物理ボタン
(度角度調整可)
インターフェイス USB他 USB2.0×1 USB2.0×1 USB2.0×1 USB2.0×1 USB2.0×1 USB2.0×1
無線LAN IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
有線LAN 100BASE-TX 100BASE-TX 100BASE-TX 100BASE-TX 100BASE-TX
対応OS Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint使用)
Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint使用)
Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint使用)
Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint使用)
Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint使用)
Windows 11/10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.14.6〜
(AirPrint使用)
耐久枚数 10万枚 10万枚 10万枚 N/A N/A N/A
外形寸法(横×奥×高) 435×355×250mm 435×343×180mm 435×343×180mm 435×359×161mm 400×341×172mm
レーベル印刷時は後方に10cm以上のスペースが必要
400×341×172mm
レーベル印刷時は後方に10cm以上のスペースが必要
重量 10.4kg 8.8kg 8.8kg 6.1kg 8.4kg 8.4kg
本体カラー ホワイト ホワイト ホワイト ホワイト ブラック ホワイト
ブラック

 液晶ディスプレイと操作パネルを見てみよう。DCP-J1200N以外の5機種から見てみよう。これら5機種は操作性では差が無い。いずれも2.7型のカラー液晶を搭載しており、タッチパネル式であるため、タッチ操作が可能だ。メニューや設定項目、各種ボタンが液晶内に表示されるので、直に項目をタッチして操作ができるため直感的に操作できる。またバックライトがあるため、暗いところでも操作しやすいのも利点だ。5機種とも本体前面に取り付けられ、液晶ディスプレイだけでなく操作パネル全体を持ち上げて40〜50度程度の角度調整が可能となっている。高い位置に設置しても、低い位置に設置しても使いやすいだろう。液晶サイズは、それほど大きくないため、液晶左に、「戻る」「ホーム」「取り消し」ボタンを物理ボタンで用意している。頻繁に使うボタンは液晶外に用意することで、液晶内の表示がシンプルになるように工夫されている。
 一方のDCP-J1200Nは、液晶ディスプレイ自体を搭載しない。操作パネルも本体上面の左手前に搭載されており、角度調整できないため高い位置に設置した場合操作しにくそうだ。ボタン配置もシンプルで、上から「用紙」「Wi-Fi」「ストップ/電源」「モノクロコピー」「カラーコピー」の5つだけだ。加えていくつかのLEDランプがあるため、これによって状態の確認や、コピー時の用紙設定を行う事になる。単純なコピーなら、「用紙」ボタンを押して使用する用紙を選択した後「モノクロコピー」か「カラーコピー」を押すだけなので何とか分かるが、それ以上の各種操作を行う際にはマニュアル無しでの操作はほぼ不可能だ。例えばヘッドクリーニングは、「ストップ」と「用紙」を同時に押し、「インク」LEDが点滅し始めたら、「カラーコピー」ボタンを押すと4色全て、「モノクロコピー」を押すとブラックインクのみクリーニングが行われる。Wi-FiにWPSを利用して接続する場合はワンプッシュ方式なら「Wi-Fi」ボタンを3回、PIN方式なら5回押す。ネットワーク設定リストを印刷するなら「Wi-Fi」と「モノクロコピー」を同時に押す。こうなると、本体での操作は、せいぜいが等倍コピーのみで、各種設定やメンテナンスはパソコンやスマートフォンから行うというのがメインの使い方となるだろう。
 インターフェースは6機種ともUSB2.0に加えて、ネットワーク接続に対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、無線LAN(Wi-Fi)ルーターで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。その場合、プリンターを無線LANルーターに接続しておけば、家庭内のどのパソコンでもプリント可能となり非常に便利だろう。またスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またWi-Fiダイレクトに対応しているため、無線LANルーターの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も共通の便利な点だ。ネットワーク接続に関しては、無線LANは6機種とも対応するが、有線LAN接続はDCP-J1200N以外の5機種が対応する。無線LANの電波が届きにくい、家庭内にLAN配線がある、手軽に接続したいなどの理由で有線LAN接続を使用したい場合は注意が必要だ。
 対応OSは同メーカーと言うことで違いは無い。Windowsは11/10/8.1/7に対応する。Windows 7はSP1が必須となる。Windows XPやVistaなど古いOSには対応しない他、Windows 8も非対応である点は注意が必要だ。MacOSも10.14.6以降となっており、比較的新しいバージョンのみの対応となる。またMacOS用ドライバーはブラザーからは提供されず、AirPrintを使用する方法となっているため、一部の印刷設定、本体の動作設定ができない点でWindowsで利用する場合に比べて不便になっている。
 本体サイズを見てみよう。従来型カートリッジ方式のMFC-J904NDCP-J926Nは、400×341×172mmとなっており、比較的コンパクトだ。ただしレーベル印刷時は後方に10cm以上のスペースが必要となる。また、サイズは同等だが、スキャナ部のデザインに違いがあり、DCP-J926NはADFのカバーがあり、天板はフラットになっている。カバーを開けると原稿台となる。それに対してMFC-J904Nはカバーがなく、ADFの原稿差し込み口がそのまま見えている。構造上はほとんど同じだが、ホコリや見栄えの面ではDCP-J926Nの方が良いといえる。ファクス機能を搭載したMFC-J904Nでは、ADFの使用頻度が高いため、カバーが無い利便性を重視したのかもしれない。これらに対してファーストタンク方式の機種を見ると、MFC-J4440NDCP-J4140Nは435×343×180mmとなっており、一見すると、従来型カートリッジ方式の機種と同じデザインに見えるが、やや大きくなっている。これは、本体前面右側にあるインクカートリッジ取り付け部が、大型のカートリッジに合わせて飛び出しているためで、それ以外の箇所はMFC-J904NDCP-J926Nと同じく400mm幅となる。ただし、高さが8mmだけ、奥行きが2mmだけ大きくなっている他、前面給紙カセットの持ち手部分が飛び出ているという違いがある。また、ファクス機能を搭載しないDCP-J4140Nも、ADF部はカバーがないMFC-J904Nタイプとなっている。前面給紙カセットが2段のMFC-J4540Nは435×355×250mmとなっている。カセットが増えた分、高さが70mm増えているのは当然として、給紙機構が上下段に必要になったためか、奥行きも12mm大きくなっている。最後にDCP-J1200Nは、ファーストタンク方式だがインクカートリッジ部が右に飛び出ないデザインとなっている。とはいえ、435×359×161mmとなっており、横幅が小さいわけではない。インクカートリッジ取り付け部より上部も同じ横幅とし、スキャナーを右に寄せることで、左側に操作パネルのスペースを用意した形だ。高さはADFが無い分小さくなっている。
 これを見ると、サイズに若干の違いはあるが、カセットが2段のMFC-J4540Nの高さを除けば、大きな違いは無いと言える。いずれも前面給紙カセットで使用する分には後方にスペースは不要というのも同じだ。
 ちなみに、本体カラーは、ファーストタンク方式の4機種はホワイトのみ、MFC-J904Nは逆にブラックのみ、DCP-J926Nのみホワイトとブラックが選べるようになっている。



 ブラザーの6機種は、基本が似ているために選びやすいといえる。カセットが2段のMFC-J4540Nと機能面で特殊なDCP-J1200Nを除くと特に分かりやすい。印刷枚数がそれほど多くないので従来型カートリッジ方式が良いなら、ファクス機能が必要ならMFC-J904N、不要ならDCP-J926Nだ。印刷コストを重視するならファーストタンク方式で、ファクス機能が必要ならMFC-J4440N、不要ならDCP-J4140Nとなる。そして、機能面ではMFC-J4440Nが合っているが、さらに2種類の用紙を使い分けたい、又は大量給紙がしたいなら、MFC-J4540Nとなる。ファクス機能が不要でも、2段カセットの必要性が高いならMFC-J4540Nを選ぶという手もある。では、残るDCP-J1200Nはどう言ったユーザー向けと言えるだろうか。印刷コストは重視したいが、DCP-J4140Nでは本体価格が高いというユーザーや、DCP-J926Nほど高性能でなくて良いので、その分を印刷コストの低さに回したいというユーザー向けだ。いずれもパソコンやスマートフォンからのプリントやスキャンがほとんどで、本体でのスキャンやクラウドアクセスは行わず、コピーなどは等倍コピー程度という使い方ならDCP-J1200Nでも良いだろう。ただ、DCP-J4140Nよりカラープリント時の印刷コストと印刷速度が大きく劣る他、自動両面印刷なども搭載しないため、カラー印刷やコピーがメインだったり、自動両面印刷を行いたいという場合は、DCP-J4140Nの方が何かと便利だろう。


(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/
キャノンhttp://canon.jp/


MFC-J4540N
MFC-J4440N
DCP-J4140N
DCP-J1200N
MFC-J904N
DCP-J926N-W
(ホワイト)
DCP-J926N-B
(ブラック)