第46回
AIR-EDGE用CF型通信カード
SII AX420S
(2008年6月1日公開)



AIR-EDGE通信速度向上計画

 私のAIR-EGDE環境は第39回で4X対応カードに対応したが、その後新規格が登場した。それがW-OAMと呼ばれる規格である。W-OAMに対応した基地局と通信カードを使用することで『電波状態に応じた最適な変調方式が自動的に選択され、対応エリアではさらに高速なデータ通信が可能となるとともに、電波状態が不安定な場合でも、安定性の高い通信に切り替わるため、電波到達度が向上する(公式ページ)』との事である。通信速度は最大で1.6倍になるという。そしてその後、W-OAMをさらに高速化した「W-OAM typeG」も提供している。こちらは最大2倍になるという。対応した基地局は大都市圏中心という事であるが、W-OAM対応カードやW-OAM tyeG対応カードを用意するだけで、料金等は一切変更なしでスピードアップするという。通信速度は次の通りである。

通常W-OAMW-OAM typeG
2Xパケット方式64kbps102kbps128kbps
4Xパケット方式128kbps204kbps256kbps
8Xパケット方式256kbps408kbps512kbps

 せっかく料金が変わらず通信速度が向上するので、対応カードに買い換えてみるとしよう。私の場合、ザウルスで使える事という条件があるため、CFカード型を選択しなければならない。CFカード型ではW-OAM typeGに対応した機種はなかったが、W-OAMに対応した機種は2機種があった。それがNEC Infrontia製のAX420NとSII製のAX420Sである。どちらもザウルスに対応しているだけでなく、4XのW-OAM対応という事も同等である。今回はヨドバシカメラマルチメディア梅田で在庫のあったAX420Sに機種変更を行った。機種代金6,800円+機種変更手数料となる。

 1時間ほど待って機種変更が終了した。早速家に帰って設定してみる。パソコンでの設定は非常に簡単であり、ザウルスSL-C3200でも比較的簡単に設定が完了した。ただしザウルスで設定する際、接続設定アシストを使用する際に「AIR-EDGE [AH-S405C]」を選択する必要がある。自動認識が行えないのはSL-C3200の発売後にAX420Sが発売されたためだろうか。
 ちなみに何の変哲もないCFカード型の端末であり、アダプタに付ければPCカードスロットに挿し込める。一点おもしろいところとして、アンテナがある。棒状のアンテナではなく、カードの横幅いっぱいのアンテナとなっており、アンテナそのものの側面を押すと自動的にアンテナが立ち上がるようになっている。

アンテナを立ち上げた状態のAX420Sである。最上部の写真と比べていただきたい。独特のアンテナ形状である。右側は付属のPCカードアダプタである。

ビデオカメラを買い換えよう

 ではどのくらいの通信速度なのだろうか。ロードテスト第39回AH-S405Cで計測した時と同じ条件で通信速度を計測してみた。なお計測した場所は大阪の中心に近い場所であり、W-OAMに対応していると思われる場所である。


 まずは受信速度である。残念ながら1.6倍のスピードアップとはいかないようだが、若干のスピードアップが見られた。実際の使用感は数値以上で、ホームページの表示が速くなったように感じられる。


 さて、送信速度である。こちらも確実に向上しており、Radish Network Speed Testingでは73%も向上している。60Mbpsを超え、送信に関しても実用レベルに達したように感じる。

 このように端末をW-OAM対応のものに変えるだけ、つまり毎月の支払額は変わらず1回の出費だけで通信速度が向上できるのはすばらしい。全てのエリアで対応しているわけではないが、比較的都心部で使用することが多く、一時的な出費が行える人は是非端末をW-OAMやW-OAM typeG対応のものへの切り替えを検討していただきたい。

(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
    WILLCOM  http://www.willcom-inc.com/ja/index.html 

今回紹介した商品や、その他のハードやソフトの
ご購入はコチラでどうぞ!