ポータブル外付けハードディスク バッファロー HD-PF250U2 (2008年10月3日購入・2009年6月29日公開)
ロードテスト第57回で2.5インチハードディスクケース「NV-HS210UB」に余った80GBの2.5インチハードディスクを内蔵した。しばらく使ってみた結果、USBケーブル1本で動作し、本体も小さなポータブルハードディスクは、ノートパソコンに接続してもそれほど邪魔にならず、むしろ80GBの容量が使える事が非常に便利である事が判った。 ところで、今回2週間ほど家を離れてホテルに滞在することになった。ホテルでは暇なので家で貯まっているドラマや映画、漫画などを見て時間をつぶしたい。ところが今回持っていくノートパソコンのVGN-SZ94Sのハードディスクにはそれほど空きがない。ドラマや映画を入れて持っていくだけでなく、滞在先で撮影した写真や動画もパソコンに移さなければいけない。そう考えると2.5インチハードディスクケース「NV-HS210UB」に入れた80GBハードディスクでも容量不足ではないかと思われる。そもそも、自分で外付けケースに入れたハードディスクは耐久性に不安があるため、持ち出して使うのは心配だ。そこでより容量が大きく、耐衝撃性のあるポータブル外付けハードディスクを購入する事にした。
さて、今回は購入するポータブルハードディスクは今持っている80GBより大きい機種、できれば160GB以上が欲しい所だ。また、それほど高性能でなくてよいので、耐衝撃性がある中で最も安価な機種を選びたい。そこで、店頭で価格を確認すると、160GBで9,500円前後、250GBで11,000円前後、320GBで16,000円前後となっていて、GB単価はそれぞれ59円、44円、50円と250GBモデルが圧倒的によい。また、その中でもバッファローの「HD-PF250U2」が10,800円で20%ポイント還元と特に安かった。この価格でも「HD-PF250U2」は耐衝撃ボディとなっているだけでなく、バッファロー独自の転送速度高速化技術「TurboUSB」にも対応している。またケーブルを本体に巻き付けることが出来るなど、携帯時の利便性も考えられている。USBケーブル一本でバスパワー動作するが、電力が不足した際にはもう一つのUSB端子からも電源供給ができるUSB-DCケーブルも付属するなど万全である。より高価な機種ではハードウェアによるデータの暗号化が行え、中のデータをより安全に持ち運べるという違いがあるが、今回の目的では「HD-PF250U2」レベルで十分と言うことで、この機種を選んだ。ホワイトとブラックモデルがあるが、ブラックモデルを選択した。
早速パソコンに取り付けてみる。本体は耐衝撃ボディのためか若干厚めだが、131×83×22mmと全体的には十分コンパクトである。重量も225gと持ち運んでも問題ないレベルだ。付属品は、USBケーブルと、USB-DC給電ケーブル、ユーティリティCD-ROMのみでありシンプルだ。付属のUSBケーブルは、端子の形状は一般的で、パソコン側かA端子、「HD-PF250U2」側がミニB端子となっている。しかし、このケーブルはよく考えられており、「HD-PF250U2」側は、端子に対して直角にケーブルが出ており、本体からケーブルが飛び出ることなく側面に沿いやすくなっている。さらに「HD-PF250U2」本体の4つの角には溝があるため、そこにケーブルを通せるようになっている。そしてパソコン側の端子には裏側にツメがあり、ケーブルを「HD-PF250U2」に巻き付けていくと側面にツメを引っかけられるようになっているのである。これにより持ち運ぶ際にケーブルが全く邪魔にならないように工夫されている訳である。 さて便利さはさておき、実際にノートパソコンVGN-SZ94Sに接続してみる。接続すると自動的にドライバがインストールされ、使えるようになった。USBケーブル1本でのバスパワー動作も問題なさそうである。ただし、ここで注意が必要なのがTurboUSBを使う場合である。TruboUSBは転送速度が上がるために是非とも使用したい所だが、そのためには付属のユーティリティCD-ROMからTruboUSBのユーティリティをインストールし、さらに「有効」ボタンを押さなければならない。少々手間だが、1度行うだけでよいので、転送速度向上のために行うのがオススメである。 使用してみると、それほど遅いとは感じなかった。また、動作音はきわめて静かなので、外付けだからと行って音が気になることはない。またうれしい点として電源兼アクセスLEDが従来の緑色・橙色のLEDであることだ。「NV-HS210UB」は青色LEDだったのだが、高輝度すぎて眩しく、パソコン画面を見ていても気になってしまうほどだった。その点、「HD-PF250U2」は問題ない明るさである。また耐衝撃ボディという事だが、わざわざ衝撃を与えて実験するのは怖いため、行っていない。
それでは性能を測るためにベンチマークテストを実行してみた。今回購入した「HD-PF250U2」に加えて、ロードテスト第57回で行ったノートパソコンVGN-S72PBから取り出した2.5インチハードディスクを「NV-HS210UB」に内蔵したもの、そしてノートパソコンVGN-SZ94S内蔵のハードディスクと、我が家で最も新しいノートパソコンである母のパソコンVGN-FZ92S内蔵のハードディスクでテストを行った。VGN-FZ92S内蔵のハードディスクはその機種で、それ以外は実際に接続して使用するパソコンVGN-SZ94Sに接続して行った。また「HD-PF250U2」はTurboUSBをオンにした場合とオフにした場合での差も計測している。詳しいスペックは以下の通りである。
これら5機種のテスト結果が以下の通りである。
まずは「HDBENCH」のハードディスク関連のテスト結果からである。まず分かることは、TurboUSBの効果は高いと言うことである。HD-PF250U2のTurboUSBをオフにした状態では、NV-HS210UBより若干高速ではあるものの、ほとんど差がない状態である。また、VGN-SZ94S内蔵ハードディスクと比べても遅めである。しかしTurboUSBをオンにすると転送速度が大きく向上し、VGN-SZ94S内蔵ハードディスクと遜色ないレベルに達している。向上率はReadで15.5%、Writeで28.7%となりかなりのものである。さすがにVGN-SZ94Sより新しいVGN-FZ92Sに内蔵されたハードディスクには負けるが、USB接続でありながら少し前のパソコンの内蔵ハードディスクと同等レベルに達しているのは驚きである。実際に使用していても内蔵ハードディスクに比べて遅いとは感じなかった。これが安価な機種で実現されていることはうれしい事である
続いて、もう一つ「Crystal Disk Mark」のテスト結果である。こちらでも先程のHDBENCHと同様の結果が見られるが、特にHD-PF250U2でTurboUSBをオンにした場合、わずかではあるがVGN-SZ94Sの転送速度をSequential Read、Sequential Write共に上回っている事が判る。TurboUSBをオンにする場合の向上率は、Sequential Readで16.0%、Sequential Writeで24.7%と大きい。TurboUSBの効果の大きさが分かる結果であった。また、同時に安価な機種でも125GBプラッタという、比較的プラッタ容量の大きいハードディスクが内蔵されており、内蔵ハードディスク自体の性能も悪くないと言うことも、この良い結果を出した一因と言えよう。 このように今回は安価なポータブル外付けハードディスクを購入したわけだが、耐衝撃性やケーブルを巻き付けられるなどの使い勝手の面でも、転送速度の面でも非常に満足いくレベルであった。ノートパソコンでハードディスクの容量不足に悩まされている人は、外付けハードディスクを接続してみてはいかがだろうか。 (H.Intel) ■今回の関係メーカー・ショップ
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