第63回
デジタルビデオカメラ用ワイドコンバージョンレンズ
SONY VCL-HG0737C
(2008年12月3日購入・2009年6月7日公開)



HDR-SR11の弱点

 ロードテスト第56回で紹介したハイビジョンデジタルビデオカメラHandycam HDR-SR11をしばらく使っているが、非常に満足している。画質は最高に綺麗だし、液晶も見やすい。操作感も良く60GBハードディスクのおかげで録画時間を気にする必要もない。光学ズームも12倍と満足だし、顔認識や静止画撮影機能やナイトショットなどもおもしろい。しかし一つだけ気に入らない点がある。それは狭い所では撮影しにくいことだ。動画撮影時の焦点距離は、35mm換算で40〜480mmとなっている。最近のデジカメでは室内でも広く取れる事を売りにして広角側の焦点距離が28mm以下の機種も数多く出ている中で、40mmとなるとかなり狭いのだ。乗り物の中や飲食店の中、ホテルの部屋の中など後ろに下がれない場所では結構撮りにくいのである。
 実は私は2世代前のHi-8ビデオカメラ用のワイドコンバージョンレンズを持っている。フィルター径も37mmと同じであるため、ダメ元で取り付けてみた。撮影してみると、一見綺麗そうに見えるが、取り付けていない場合と比べてみると、全体的に解像感が無くなっている上に、周辺部はかなりぼけた感じになってしまった。周辺部にある比較的大きな時計の針や文字すら読み取れなくなってしまった。せっかくの高画質のビデオカメラなのにこれでは意味がない。前回のスタンダード画質のDCR-SR62の時と違い、数年で買い換える事はないと思われるため、今回はワイドコンバージョンレンズを購入して、より使い勝手をアップしてみるとしよう。

ワイドコンバージョンレンズ「VCL-HG0737C」

 今回選択したのは、SONY純正の「VCL-HG0737C」である。倍率は0.7倍であるため、40mm×0.7で28mmと大幅にワイドになる。周辺解像度を大幅に向上したハイグレードモデルで、ハイビジョンにも対応しているということで、画質面でも安心である。定価は18,900円で、ネットで確認しても18,000円前後までしか下がらない様なので、あきらめてヨドバシカメラマルチメディア梅田に買いに行った。すると、セールで15,800円になっているではないか。こういった専用オプション品が安売りされるのは珍しい。これはラッキーと早速購入した。15,800円で10%ポイント還元であった。

「VCL-HG0737C」の使い勝手は?

 早速「VCL-HG0737C」を取り付けてみる。「VCL-HG0737C」には両面にレンズキャップが取り付けられているため、これを取り外して取り付けることとなる。特別気にすることはなく、HDR-SR12のレンズ部分の溝に合わせて回して取り付けるだけである。特に設定することもなく、これで広角になる。
 さて使ってみた感覚だが、非常に良好である。次の写真を見ていただきたい。

※クリックすると実サイズ(1920×1080ドット)で表示します。
HDR-SR12を固定して、ワイドコンバージョンレンズ「VCL-HG0737C」を取り付けた場合と取り付けない場合で動画を撮影し、HDR-SR12本体で静止画に切り出したものである。左の取り付けていない場合に比べて、右の取り付けた場合はかなり広く写っている。取り付けても画質は低下していないように思える。

 HDR-SR12を固定し、「VCL-HG0737C」を取り付けていない状態(写真左)と、取り付けた状態(写真右)で動画を撮影し、HDR-SR12本体の静止画切り出し機能で静止画にしたものである。「VCL-HG0737C」を取り付けた方がかなり広角になり、広く映せていることが分かる。このような風景だと分かりにくいが、実際に乗り物の中や室内では、人の顔がアップになりすぎることなく撮影できたり、ホテルの部屋の中を撮る際に、全体像が撮りやすかったりとかなり便利である。また、ハイビジョン対応を謳っているだけあって、「VCL-HG0737C」を取り付けても画質は落ちていないように感じる。これなら安心して使う事が出来る。
 ちなみに撮影する際だが「VCL-HG0737C」を取り付けると思いの外前にバランスが傾くのを感じる。「VCL-HG0737C」の重量は165g。HDR-SR12の撮影時重量は640gであるため、それほどではないように見えるが、HDR-SR12よりも前方に伸びる形で165gのものがくっつくので、少しバランスが崩れる。といってもすぐに慣れるものなので、それよりも広角になる便利さの方が上回る。
 ちなみに、「VCL-HG0737C」を使う上でいくつか注意点もある。一つは、ナイトショットライトが「VCL-HG0737C」でふさがるために、ナイトショット使用時にナイトショットライトが利用できなくなる事である。また、同じ理由で写真撮影時に内蔵フラッシュも使えなくなる。また私は使わないが、リモコン受光部もふさがるために、リモコンがききづらくなる点も注意が必要である。また、HDR-SR12本体のレンズカバーは電源を入れると自動で開くので問題ないが、「VCL-HG0737C」付属のカバーは手動で取ってやらないといけない。
 ちなみに、巾着型のキャリングポーチが付属しているので、使わない時は安全に運ぶことが出来る。

HDR-SR12に「VCL-HG0737C」を取り付けた所である。かなり前面に飛び出てバランスも前に傾くが、デザイン的には悪くないように思う。

HDR-SR12に「VCL-HG0737C」を取り付けた所を前から見た所である。ナイトショットライト、フラッシュ、リモコン受光部が塞がれるため、これらが使えなくなる点は注意が必要だ。

 「VCL-HG0737C」を購入したことで格段に撮影がしやすくなった。15,800円というのは決して安くはないが、HDR-SR12が狭い所では使いにくいと少しでも感じている人には、劇的に改善するためぜひオススメのオプションと言える。


(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
VCL-HG0737Cのページ http://www.sony.jp/handycam/products/VCL-HG0737C/index.html
SONY http://www.sony.co.jp/



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