第127回
デジタルカメラ用急速充電器
SONY BC-TRN
(2011年7月8日購入・2012年1月4日著)



充電器が故障した

 ロードテスト第101回で購入したデジタルカメラ「Cyber-shot DSC-HX5V」の充電器が壊れた様だ。少し前から時々充電できなくなっていたが、ついに何度充電池をセットし直しても、エラーを意味する充電ランプの点滅が起きてしまう。もちろん充電池の故障と言うことも考えられるが、予備の充電池でも症状が変わらないことからみて充電器の故障の可能性が高いだろう。「Cyber-shot DSC-HX5V」の充電池は「Gタイプ」と呼ばれる充電池だ。この前の機種「Cyber-shot DSC-T77」では「Dタイプ」を、その前の「Cyber-shot DSC-T50」では「Rタイプ」を使っていた。「Dタイプ」は「Rタイプ」に比べてかなり薄くなっていたが、縦横のサイズは変わらず端子の位置も同じであったため、充電池は同じ物が流用できた。実際、「Cyber-Shot DSC-T77」の充電器が故障した時に、「Cyber-Shot DSC-T50」の充電器を使う事ができた。しかし、今回の「Gタイプ」は厚みだけでなく、縦横のサイズや端子の位置まで全く異なるため、過去の充電器が流用できないのだ。
 そこで、充電器を買い換えることを考えたのだが、ふと「急速充電器」が販売されていたことを思い出した。旅行などでは充電池を2つとも消費してしまう事が多かったが、ホテルに戻ってから翌日までの間に2本を充電するのは時間的に厳しい時があった。急速充電器ならばその不安が解消される。価格差によっては急速充電器を購入したほうが良さそうだ。「Gタイプ」の充電池に対応した急速充電器は「BC-TRN」の型番で販売されている。そこで、価格を調べてみると、「BC-TRN」は店頭価格で5,300円前後である一方、付属の充電器「BC-CSGD」は付属品の取り寄せという形になるが4,800円前後と言われた。つまりたった500円しか価格差がないのだ。これならば急速充電器を購入しない理由はない。ソニーストア梅田にて5,292円の所を、10%OFFクーポンと5%OFFクーポンを使用し、4,498円で購入した。

「BC-TRN」を付属の充電器と比較する

 急速充電器「BC-TRN」は真っ白で、「Cyber-shot DSC-HX5V」付属の充電器が真っ黒であった事と正反対だ。安っぽいイメージだが、区別は付きやすい。付属の充電器と比べてみると、厚みはかなり増しており、縦横は小さくなっている。どちらも背面に電源プラグが収納されており、立たせてコンセントに挿す。このあたりは旅行などの持ち運びで邪魔にならず便利だ。

左が今回購入した急速充電器「BC-TRN」で、右が「Cyber-shot DSC-HX5V」付属の充電器である。色が異なるほかサイズもかなり小さくなっている事が分かる。

左が今回購入した急速充電器「BC-TRN」で、右が「Cyber-shot DSC-HX5V」付属の充電器である。厚みは急速充電器「BC-TRN」の方がある。

急速充電器「BC-TRN」の裏側である。持ち運ぶ際は、写真左のように電源プラグをしまっておき、使用時だけ写真右のように起こす事が出来るため便利だ。

 さて、この「BC-TRN」は実は「Gタイプ」の充電池専用の急速充電器ではない。実は「Dタイプ」「Rタイプ」「Nタイプ」「Tタイプ」にも対応しており、計5種類の充電池が充電できる。確かに、それぞれに急速充電器を用意するよりは、メーカーとしては1つの充電器だけにすることでラインナップが複雑にならないというメリットが、ユーザー側からは複数のデジタルカメラでも共用できるというメリットがある。しかし「Dタイプ」と「Rタイプ」といえば、前述のカメラ「Cyber-Shot DSC-T77」と「Cyber-Shot DSC-T50」に付属していた充電池である。そして、これらの充電池に付属していた充電器では「Gタイプ」は充電できない(どころか充電池をセットすることすらできない)のに、この「BC-TRN」ではどう対応しているのか、不思議である。
 ここで、「BC-TRN」本体を見てみると、充電池を挿し込むためのくぼみの部分に「N」「D」「T」「R」と書かれているのが見えた。しかし、肝心の「G」の文字はどこにもない。試しに「Gタイプ」の充電池をはめてみようとしたが、はめられない。まさか間違った製品を買ってしまったかと驚いたが、確かにパッケージには「Gタイプ」にも対応していると書かれている。そこでマニュアルを見てみると、なんと、充電池のはめ込む部分の横にレバーが付いており、これで充電池をはめ込むくぼみの底の部分を折り返して、裏表逆にする事ができるのだ。すると、そこには「G」の文字が書かれていた。これにより段差が逆になるようである。「Gタイプ」だけ特殊すぎて、こういった切り替え機構を持たせて何とか対応した様だ。これで無事に「Gタイプ」の充電池をセットすることができた。

左が「Dタイプ」「Rタイプ」「Nタイプ」「Tタイプ」の充電池を充電する時の状態、右が「Gタイプ」の充電池を充電するときの状態だ。よく似ているが、左側のレバーを動かすことにより、底面の板が折り返され裏返る事で、段差が逆になっている。

「Gタイプ」の充電池をセットした状態である。しっかりとホールドできている。「SONY」ロゴの下には「CHARGE」ランプもある。


 さて、肝心の充電時間だが、「Cyber-shot DSC-HX5V」付属の充電器では、実用充電270分、満充電330分だったところが、「BC-TRN」では実用充電135分、満充電195分にまで高速化される(いずれもマニュアル記載の値)。「倍速」という表現を使用しているとおり、実用充電時間は半分になっているから驚きだ。実用充電の時点で充電ランプは消えるが、その後1時間充電することでさらにもう少しだけバッテリ駆動時間を延ばせる状態が「満充電」だが、この「1時間」は急速充電器でも同じようだ。しかし実用充電まで充電すれば問題ないと言える。これまでは4時間30分もかかっていたため、旅行先でホテルや旅館に入ってから寝るまでに充電が完了しないことが多く、予備のバッテリの充電が行えなかったが、2時間15分なら、寝る前に充電が完了し、予備のバッテリに交換できそうだ。充電時間が長いだけに、半分になるとかなりの時間短縮になるのはうれしいところだ。



 今回は充電器の故障を機に、急速充電器を購入してみた。充電の速さは、付属の充電器とは一線を画すもので、旅行先などで充電時間がとれない時などに重宝しそうだ。充電時間に特別苦労している人はもちろんすぐに購入しても便利だし、そうでないという人も付属の充電器が故障した際は是非、急速充電器を購入していただきたい。


(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
SONY http://www.sony.jp/
Cyber-Shotアクセサリのページ http://www.sony.jp/cyber-shot/lineup/acc.html