2.タックル
ウィリーのこませしゃくり釣法は、一日中竿を手に持ってしゃくりながら釣る
ため、相当 にハードで疲れる釣りです。したがって、タックル類は軽いに越したことはありません。 また、釣り人の技量も必要な釣りですが、タックルに依存するところも大です。新規に釣 り道具を揃えようとする方は、十分吟味したタックルの購入をお薦めします。 下記の文章には、説明の必要上、メーカー名、製品名を実名で書いていますが 、これがベ ストという意味でもなく、書かれていないものが不適と云うわけでもありませ ん。釣具店 での評判や、雑誌や新聞などの情報、釣友などの意見を参考にしてください。 |
(1)竿
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こませしゃくり釣法の最大のポイントは、竿をスー ッとしゃくり上げたときに振り出されたこませの中 に、遅れて戻る竿先により引っ張られたウィリーバ ケが、フワッと誘うように踊り、ハナダイに対して 十分アピールすることが大切です。 このため、この釣りに使用する竿はビシの重さに対 して、かなりオモリ負けする竿を使用します 置き竿釣法のようにロッドキーパーを使用するので はなく終日しゃくり続けても疲労が少ないカーボン 短竿で小さな動作で確実にこませが振る出せる胴に 張りのある7:3調子で、加えてこの誘いの効果を 最大限に生かすためにしゃくった後にワンテンポ遅 れて竿先が戻り、ウィリーバケ仕掛けの動きが減速 して、こませの中をゆっくりと通過させることがで きる調子といえます。 相模湾で一般的に使用されるビシは60号です。 60号のオモリに対してオモリ負けをする竿という と、指定オモリよりも2ランクほど下の30号程度 のオモリ負荷表示の竿が適していると思います。 また、東京湾では80号のビシを使用します。 以前はオモリ負荷50号程度の竿を使用することが 多かったのですが、最近はより軟らかい30号負荷 程度の竿を使用する人が多いようです。 さらに千葉県房総方面では50号のビシを使用し ているところもあり、厳密にはすべての釣り場を1 本の竿でカバーすることについては異論もあるでし ょうがここではやはり30号負荷の竿が最適という ことで話を進めます。 |
過去の雑誌記事などでは、こませしゃくり釣法に適した代表的な竿として、「
シマノ・A RGOSスペシャル30−240,210」、「ダイワ・CWPM剣崎30− 240,21 0」と「シドニー(横浜物流FC)・シャクリ230,210」がよく紹介さ れていまし た。 カワハギ釣りなどで使用される極端な先調子の竿は、この釣りには不向きです 。船釣り用 と呼ばれる竿で、オモリを負荷したときに7:3位の先調子、魚が掛かると6 :4位の胴 調子になる竿が使いやすいと思います。 最近はこませしゃくり用と銘打って発売されている竿もたくさんありますので 、この中か ら選べば無難でしょう。 ここに過去の雑誌記事や釣り具店で使用できるとされている竿を一覧にしてお きましたの で参考にしてください。 オモリ負荷は30号、竿の長さは、2.4メートルか2.1メートルが適当な長さで、軽 量なカーボンロッドが最適です。短い竿は、一日中シャクルには疲れなくてよ いのですが 、対象魚がハナダイ・マダイということで強い引き込みに耐え、早く魚を浮か すには長い 方が楽です。特に細いハリスを使用する場合は、竿は長い方がタメが利いて安 全です。女 性が2.4メートルを1日中振り回すのはかなり重労働です。2.1メール程 度が適して いると思います。 常にしゃくり動作を繰り返しているため、ガイドに加わる負荷も相当なもの だと思いま す。磨耗性に優れ、かつ熱伝導性に優れている、SiCガイドを使用した竿を お勧めしま す。 |
(2)リール&道糸
相模湾のこませしゃくりのポイントは、腰越沖や江ノ島沖の水深30〜40メ
ートル位を 狙います。深場のヒラモン根辺りは70メートル位ありますがこの深さまでが 限度でしょ う。東京湾でも久里浜〜下浦沖などは40〜60メートル、剣崎の深い箇所で も70メー トル位です。したがって、使用する道糸は新素材系の4号から8号を、150〜200メ ートルも巻いておけば十分です。 もちろん、タナを確認するのに便利なように1メートル毎のマーク付の道糸が 便利です。 したがって使用するリールはこの道糸量に応じた中型両軸リールということに なります。 リールは竿と同様に軽量であることが大切です。この釣りは、一旦海底に着底 させ、底か ら15メートル位までを探る釣りです。したがって、リールの水深計はとくに 必要ありま せん。リールの回転数や、道糸のメートル毎の表示で十分わかります。とは云 っても、ア タリダナを確認したり、底立ち、船ベリアラームなどの点で、水深計はあれば 便利です。 水深計が無いリールの場合、参考までにメーカーの実名を紹介しますが、AB Uの600 0シリーズから7000シリーズ、シマノのカルカッタ小船1000あたりが 適している でしょう。水深計付のリールを使用する場合は、なるべく小型で表示計測用の ローラーな どが無い、通称ローラーレスと呼ばれているタイプのリールが手返しが早くて 便利です。 稀に電動リールを使っている人を見かけますが、この釣りには電動リールは不 向きです。 リールのドラグ性能は重要です。擬似餌(ウィリーバケ)を使用するシャクリ釣りの場 合は、通常のこませダイよりもワンランク以上も細いハリスを使用します。2 号3メート ルという細く短いハリスに30センチ長のクッションゴムでは大型のハナダイ が掛かると 、かなりスリリングがヤリトリになります。こんなとき、ドラグ機能を十分に 使って、ハ リスに負担を掛けないようにして浮かします。 |