Last Update: 1998.01.04.
まず、ノートPCでLinuxを使うなら、アスキーから出ている「Walking Linux」は必読です。いろいろ有益な情報が詰まっていますから、手元に一冊置いておくことをお勧めします。
さて、ご存知のように、Linuxのディストリビューションパッケージには様々ものがあります。私はこれまで Slackware を使ってきましたが、今回から Debian GNU/Linux を使うことにしました。ここで説明するのは、バージョン 1.3.1 です。LINUX JAPAN誌や、UNIX USER誌などの付録CD-ROMから入手することができます。(私はUNIX USER誌97年11月号の付録を使いました。)
Debianのインストール方法については、Debian JPのページに日本語で詳しく書かれています。
TP560へのインストールも、基本的にはこの方法に従いますが、一部異なる点があります。それを以下に解説します。
必要なものは次の通りです。
まず、インストール用のフロッピーを作成します。DebianのCD-ROMの中にある、以下のフロッピーディスクイメージを、ddまたはrawrite2.exeで書き込んでください。
注意!) これは、Debian標準のインストールディスクではありません。標準のRescue Diskを使うと、Linuxのロードの最中にリセットがかかってしまいます。代わりに、Toshiba Tecra用に作られたRescure/Driver Diskを使います。
次に、以下のファイルを、DOSまたはLinuxのファイルシステムにコピーします。
DOSのファイルシステムにコピーする場合、2と3はファイル名が長いので、適当にpcmciacs.deb、pcmciamd.debなどと縮めてください。
もし、利用可能なDOS or Linuxのファイルシステムがない場合は、1の代わりに
debian/bo/disks-i386/current/base-1.bin 〜 base-5.bin
までを、5枚のフロッピーに書き込んでください。pcmciacs.deb、pcmciamd.debについては、DOSフォーマットのフロッピーを作成し、そこにコピーしてください。
さて、コピーができたら、作成したフロッピーのうち、resc1440.bin をFDドライブに挿して、起動してください。すると、インストール用のメニューが立ち上がるので、キーボードの設定(とりあえず「us」でよいでしょう)、パーティションの設定、スワップの初期化、Linuxパーティションの初期化などを行います。
参考までに、私のパーティションの切り方を示します。
Disk /dev/hda: 128 heads, 63 sectors, 525 cylinders Units = cylinders of 8064 * 512 bytes Device Boot Begin Start End Blocks Id System /dev/hda1 1 1 100 403168+ 6 DOS 16-bit >=32M /dev/hda2 * 101 101 111 44352 83 Linux native /dev/hda3 112 112 149 153216 82 Linux swap /dev/hda4 150 150 525 1516032 5 Extended /dev/hda5 150 150 408 1044256+ 83 Linux native /dev/hda6 409 409 426 72544+ 83 Linux native /dev/hda7 427 427 525 399136+ 83 Linux native
/dev/hda1 Windows 95 (400MB) /dev/hda2 Linux root ファイルシステム (42MB) /dev/hda3 Linux swap パーティション (150MB) /dev/hda5 Linux usr ファイルシステム (1040MB) /dev/hda6 Linux var ファイルシステム (72MB) /dev/hda7 Linux home ファイルシステム (398MB)
あとは、Installing Debian GNU/Linux 1.3に従って進みます。ただし、以下の点に留意してください。
さて、基本システムのインストールまで進むと、基本システムのインストール元を聞いてくるので、準備しておいた Base System (base1_3.tgz) の場所を指定します。ここで、必要ならDOSパーティションをマウントしてください。フロッピーの場合は、そのように選んでください。
その後、ベースシステムの設定、ブートの設定、ブートフロッピーの作成などを行ない、システムをリブートします。
ここまですべてうまくいけば、ちゃんとシステムが再起動するはずです。少なくとも私のTP560ではうまくいきました。
リブートが完了すると、rootのパスワードと、最初のユーザ登録が要求されますので、従ってください。それが終わると、次のような画面になります。
Debian Linux `dselect' package handling frontend. 0. [A]ccess Choose the access method to use. 1. [U]pdate Update list of available packages, if possible. 2. [S]elect Request which packages you want on your system. 3. [I]nstall Install and upgrade wanted packages. 4. [C]onfig Configure any packages that are unconfigured. 5. [R]emove Remove unwanted software. 6. [Q]uit Quit dselect. Use ^P and ^N, cursor keys, initial letters, or digits to select; Press ENTER to confirm selection. ^L to redraw screen. Version 1.4.0.8 (i386 elf). Copyright (C) 1994-1996 Ian Jackson. This is free software; see the GNU General Public Licence version 2 or later for copying conditions. There is NO warranty. See dselect --licence for details.
これはdselectという、パッケージのインストール/デインストール用のプログラムですが、ここでは一時中断(Quit)して、つぎのことを行います。
あらかじめ用意しておいた、pcmcia-cs_2.9.6-3_i386.deb および pcmcia-modules_2.0.29-7_2.9.6-3_i386.deb のあるファイルシステムを、/mnt などにマウントします。
mount -t msdos /dev/hda1 /mnt (DOSファイルシステムの場合)
mount /dev/hda7 /mnt (Linuxファイルシステムの場合)
mount -t msdos /dev/fd0 /floppy (DOSフロッピーの場合)
そして、ファイルのあるディレクトリに移動し、
# dpkg -i pcmcia-cs_2.9.6-3_i386.deb
# dpkg -i pcmcia-modules_2.0.29-7_2.9.6-3_i386.deb
注) ファイル名を縮めている場合は、そちらの名前を指定してください。
を実行します。これは、PCMCIAのカードシステムとモジュールを、システムに組み込んでいるのです。
ここで、一旦リブートします。
# shutdown -r now
リブートが完了すれば、PCMCIAのカード類が使えるようになっているはずです。
以下は、Adaptek AHA1460 を用いた、SCSI CD-ROMによるインストールを想定します。もうここまでくれば、PCMCIAのネットワークカードも使えますから、NFS経由でインストールすることもできます。
では、先ほど中断したdselectコマンドを実行します。
まず「Access Choose the access method to use.」ですが、インストール元のメディアを選択します。
例えば、DebianのCD-ROMがあらかじめ/cdromにマウントされているとすると、最初に「mounted」を選択し、次にdebianのトップディレクトリとして、「/cdrom/debian」を指定します。あとは、数度Enterを叩いてメインメニューに戻ります。
あとは、メインメニューの上から順番に選択していきます。
問題は、「Select Request which packages you want on your system.」すなわちパッケージの選択ですが、好きなように選んでください。あまり欲張らなくても、後からなんぼでも追加できますから、最初は必要最小限のパッケージを選ぶことをお勧めします。Debianのパッケージ(拡張子「.deb」)はよくできていて、パッケージ相互の依存関係を検出して、他のパッケージが必要だったり、コンフリクトしたりする場合には警告、というか、最善策を勧告してくれます。
参考までに、私が最初のインストール時に選択したパッケージを示します。
man-db-ja
xforms-dev
xforms0
kernel-headers (2.0.30)
kernel-sources (2.0.30)
tk42-dev-ja
tk42-ja
tcl76-ja
doc-debian-jp
doc-linux-ja
manpages-ja
mule-wnn4
tm-mule
metamail
xloadimage
fortune-mod
fortunes
tgif-ja
gawk
mh-ja
gnuplot
kernel-package
ghostview
gs
gsfonts
libpaper
spell
bash-builtinsjless
kon2
kinput2-wnn
wnn
kterm
xbase
xfntbase
xfnt100
xfnt75
xfntbig
xfntscl
xserver-svga
xlib6-dev
xmanpages
xmarufont
xpm4.7
xpm4.7-dev
xscreensavers
xdaliclock
fvwm2-ja
apmd
grep-ja
sed-ja
gawk-ja
sendmail
samba
xman-ja
XFree86の設定は、とりあえず置いておきましょう。詳しくは次のページで。
TP560のいろいろな機能を使いこなすためには、カーネルを自分のシステムにあわせてチューニングする必要が有ります。たとえば、APMやサウンドは、標準のカーネルのままでは使えません。ここでは、TP560にあったカーネルの作り方を説明します。
実はAPMというのは、メーカごとの実装に微妙な差があるようで、Linuxで問題がでることがあります。TP560では、サスペンドキー(Fn+F4)を押しても、サスペンドステートに移行できないことがあります。原因はよくわかりませんが、floppy driverとの相性が悪いなどの説があります。そこで、floppy driver は通常はカーネルに組み込まず、必要なときに組み込むモジュールとして構築することにします。
他にも、dgaudetさんの IBM ThinkPad 560 のページに、
などのTP560特製カーネルパッチがありますので、ついでに当てておきましょう。
さて、カーネルのコンフィグは、/usr/src/linuxの下で、make menuconfig を実行することで行います。カーネルに組み込む機能を、メニュー形式で選択することができます。とはいえ、いきなりでは難しいと思うので、私の使っているカーネルのコンフィギュレーションファイルを以下に公開しますので、これを/usr/src/linux/.configにコピーしたのちに、make menuconfig してください。
追加したり削除したいドライバがある場合は、メニューから選択して所望の操作を行ってください。すべてOKなら、メニューを終了してください。
続いて、
# make-kpkg clean
# make-kpkg --zimage --revision tp560-1 kernel-image
を実行すると、カーネルがコンパイルされます。--zimage オプションを忘れると、次回からブートできなくなりますから気を付けて。インストールは、/usr/srcで
# dpkg -i kernel-image-2.9.30_tp560-1_i386.deb
とします。つまり、再構築したカーネルさえも、DEBパッケージになっているんですね!
おっと、リブートは待ってください。PCMCIAも再構築してしまいましょう。
PCMCIAのソースは、いまはdebianのものより新しくなっています。そこで私は、最新のpcmcia-cs-2.9.11.tar.gzを使うことにしました。
/usr/src/modulesに行って、pcmcia-cs-2.9.11.tar.gz を展開します。そして、/usr/src/modules/pcmcia-cs-2.9.11に移り、make config して、カーネルの設定をソースツリー(/usr/src/linux)から参照するように設定します。続いて、
# make all
# make install
を実行します。
※ 私のところでは、make all でなぜかエラーがでました。とりあえず応急処置として、
/usr/src/modules/pcmcia-cs-2.9.11/cardmgr/Makefile
のCPPFLAGSに、-I/usr/X11R6/include/X11 を足しました。いままでこんなことはなかったので、私の環境が悪いのかもしれません。
これで、PCMCIAのインストールは完了です。
まだまだ、リブートはまだですよ!
もしカーネルの構築に失敗していると、次回からブートできなくなってしまいます。そこで、ブートローダであるLILOの設定をいじって、万が一の場合には、前回のカーネルで起動できるようにしておきましょう。
/etc/lilo.conf を、例えば次のように書き換えてください。
boot=/dev/hda2 root=/dev/hda2 #compact prompt install=/boot/boot.b map=/boot/map vga=normal delay=20 image=/vmlinuz label=Linux read-only image=/vmlinuz.old label=old read-only other=/dev/hda1 label=win95 table=/dev/hda
これは、ブートプロンプトで「Linux」を入力すれば最新のカーネルを、また「old」とすれば以前のカーネルを起動できるような設定になっています。また、この例では「win95」とすれば、/dev/hda1にあるWindows95を起動できるようになっています。
もし、TP560のメモリを64MB以上に増設している人は、
append="mem=xxM"
の行を追加してください。もちろん、「xx」の部分には、実メモリ量を書きます。(Ex. append="mem=72M")
LILOのインストールは、liloコマンドで行います。
# lilo
さあ、これでリブートの準備は完了です。あなたの神様に祈りながら、shutdown -r now してください。
うまく立ち上がれば万歳!
立ち上がらなければ...俺ら知らね。:-p
'98年1月現在、私が現在使っているカーネルイメージと、PCMCIAカードサービス/モジュールを以下に置きます。必ずしも動作保障はできませんが、APM、サウンドなど、必要なものは組込んであります。
よろしければお使いください。
インストールするには、順番に、
# dpkg -i kernel-image-2.0.30_tp560-2_i386.deb
# dpkg -i pcmcia-cs_2.9.12-1_i386.deb
# dpkg -i pcmcia-modules-2.0.30_2.9.12-1_i386.deb
を実行します。