2日目:2010年7月21日(水)
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昨夜の天気予報で、『今日は曇りのち晴れ』と報じていたので、ゆっくり出発しようと思っていたが、やはり天気が気になって4時に目が覚めてしまった。
外は雨こそ降ってないが、濃いガスが流れ、昨日と変わらなかった。5時までボーと空を眺めていた。 |
5時半になると、ガスが少しずつ切れ出して来た。視界も100m位利くようになって来た。「ヨシ!これなら行ける」と急いで支度をして、6時に出発。
宿の御主人から、「熊鈴は付けた方がよい」とのアドバイスを受け、ガランガランと熊鈴を鳴らしながら階段を登って行った。 硫黄の匂いが鼻を突いた。 |
5分もすると普通の登山道になり、ブナ林になった。すると雫がポタポタと落ちて来た。大粒の雨が降って来たのと変わらない。今日は雨具を持って来なかったので降られては困るのだ。雨具は昨日ドロだらけになってしまったので置いて来てしまったのだ。今日は天気が悪ければコマクサを見てすぐ引き返すつもりなので、雨具も必要あるまい。
途中で肩からカメラザックのようなものを掛けたオジさんに追いついた。コマクサを撮るカメラマンだろうと思った。
「お〜、クルマユリだあ〜!」、道端に咲いていた一輪のクルマユリと挨拶を交わし、元気をもらう。 | |
心配していた急登もなく、アッという間に横長根の分岐へ着いた。やっとここからがお花見紀行である。休憩なんてしていられない。 | |
ここからは平坦な道を歩いて行く。山の上にどうしてこんな平らな所があるのだろうと思うほど平らな道だ。視界は30mぐらいだろうか。いや、50mぐらいあるかも知れない。
ヨツバヒヨドリやヤマハハコ、シラネニンジンなどには目もくれない。今日はコマクサだけが目的なのだ。 今日はコマクサ以外は写真も撮らないと思いながらも、花が咲いているとついシャッターを押してしまう。 |
(ハクサンシャクナゲ) |
(ベニバナイチヤクソウ?) |
(ミヤマハンショウヅル) |
さっきの分岐から15分も歩くと開けた所へ出た。ポツンと腰掛けにもってこいの石があったのでそこに座り込んで一服。
まだまだ平らな道が続く。道端にミヤマハンショウズルがあった。
第二展望台へ7時22分着。ここは晴れていれば秋田駒の全景が見えるに違いないが、今は何も見えない。
ここからはハイマツとクマザサになった。風は強いが昨日よりはましだ。足元も砂礫になり、花畑が広がって来た。強風の中で必死に踏ん張って写真を撮った。
(ハクサンシャジン) |
(花畑が広がって来た) |
ガスの中からボンヤリと標識が見えた。いよいよここからがコマクサロードと言われる馬場ノ小路、通称ムーミン谷への道である。
(写真左が横岳と馬場ノ小路の分岐) 標識から5、6歩下ると、何とコマクサが咲いているではないか。だがコマクサが風にあおられて大きく揺らぎ、写真が撮れるかどうか分からないが、とにかくシャッターを押した。 |
ここは樹木がないので風をもろに受けた。風が唸っていた。写真を撮るにも風上の花は無理だ。風下にある花だけシャッターを押したが本当に映るかどうかは分からない。
コマクサは斜面一面に咲いていた。しかし、密度という点では北燕岳や草津白根山の方が濃いと思った。ここはとにかくスペースというかコマクサが咲いている面積では、やはり日本一に違いないと思った。
それにしても、これだけのコマクサが咲いていながら、少し離れるとガスで見えなくなってしまうのが残念だ。ここは晴れたら最高だろう。
今はコマクサを見るよりも風を避ける方が先だ。どんどん下って行った。
コマクサ街道はすぐに終わり、草原の木道になった。チングルマの咲き殻を見ながら進んで行くと、あった!チングルマがまだ咲いていた。
木道を進むにしたがって、ますますチングルマの群落になってきた。とにかく凄い。山の斜面がチングルマで真っ白だ。だが、遠くはガスって見えない。
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