さらに進んで行くと、ガスでの中から、次々と新しい光景が展開された。木道の周りもチングルマでいっぱいだ。「あ〜あ、MさんとAさんに見せたいなあ〜」
(ハクサンチドリ) |
(シナノキンバイ) |
(駒池?) |
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ここはチングルマだけではない。エゾツツジやヒナザクラ、ハクサンチドリなども咲いていた。秋田駒が花の名山といわれる訳が納得できた。これを見ずして秋田駒は語れまい。昨日、あのまま帰らなくて良かったと思った。天気は良くないがこれだけの花々を見れば来た甲斐があったというものだ。
宿の主人からは、「天気が良くないようなら池から引き返す方がいい」と言われたが、ここまで来たからには横岳を周って帰りたい。
池を過ぎると周りが一変し、シシウドのような大きな葉が木道を塞ぐ。しかし、それもすぐに終わり、わずかな登りになった。そして、ついにガスの中に冷たいものが混じって来た。
男岳への登りは、今日初めての急登である。岩や石が多くなって来た。視界が利かないため、同じような登りが続く。
男岳と横岳の分岐へ8時45分着。ここは昨日来た所である。何か親しみを感じる。昨日見たニッコウキスゲをまた見ることができた。
ここで一服していると、ガスの中から人の声が聞こえて来た。阿弥陀池から登って来た人達だろう。「こんちは〜」と声を掛けたが、風で聞こえなかったようだ。
ここで宿の主人の言葉を思い出す。天気は最悪である。風が唸っているが、ここから引き返すよりは横岳を周った方が時間的には早い。
結局、横岳へ向かって出発。横岳まで25分のコースである。
ここは馬の背といわれる所で、大きな岩がゴロゴロしたヤセ尾根である。一気にアルペン的になって来た。風でバランスを崩さないように、また岩で足を滑らせないように注意しながら登って行った。道端にはハクサンフウロがいっぱい咲いていた。
標識がいっぱい立った横岳の山頂へ着いた。何かホッとするものがあった。
(馬ノ背の岩場−1) |
(馬ノ背の岩場−2) |
(横岳山頂) |
ここからは大焼砂を下るだけなので楽勝かと思ったが甘かった。大焼砂へ出ると猛烈な風にあおられてバランスを崩し、2回もすっ転んでしまった。
しかし、ここから見るコマクサが凄かった。馬場ノ小路から見た時よりも凄かった。さかんにシャッターを押した。
写真はうまく撮れなくても、しっかりと目に焼き付けたので満足だった。いつの日か晴れた日にまた来ればいい。
もう心残りはない。一気に国見温泉へ下ろう。
大焼砂を下り森林帯へ近づくと、エゾシオガマやシャクナゲが咲いていた。「シャクナゲよ、さらば〜!」
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登山口へ10時40分着。
昨夜泊まった森山荘の黄緑色の温泉で汗を流し、ラーメンを食べてから帰路に就いた。
秋田駒はさすがに花の名山だと思った。視界が利かずボンヤリと霞んで見えたコマクサやチングルマだったが、いずれも凄いの一言だった。今度は晴れた日に「温泉&花紀行」と行きたいものだ。
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