編笠山(2,524m)〜権現岳(2,715m)〜三ツ頭(2,580m)・・3/3


 東ギボシの岩場をトラバースしながら登って行き、鎖場を幾つか越えると黒部渓谷にある水平歩道のミニ版のような道になった。

 東ギボシを巻いて稜線へ出ると、もう小屋と権現岳が目の前だ。感激!


(権現岳が正面に!)

 小屋の前を素通りして縦走路の分岐へ立つと、赤岳がすさまじい山容でそそり立っていた。躍動感ある山容はさすがに八ケ岳の主峰だ。
 右手の権現岳には、山頂の岩に山ガールが座っているではないか。私も早くあそこまで行きたい。

 振り向けば東ギボシを登って来る人達が見える。あの人達が来る前に権現岳へ登ろう。


(赤岳、阿弥陀方面)

(権現の山頂に山ガールが!)

(東ギボシの登山者)

 山頂部には大きな岩が3つあり、山ガールがいる一番奥の岩が最高点のようだ。私が登って行くと、山ガールの一人が、「写真を撮ってあげましょうか」と言ってくれた。私は岩場の途中に荷物を置いて標識と刀剣がある所で写真を撮ってもらい、さらに岩のテッペンへ登ってバンザイした。「テッペンへ立ったぞ〜!」


(権現岳のテッペンへ立ったゾ−!)

 単独行は自分の写真が少ないので、いい記念写真になった。

 テッペンの岩から下りて来ると、単独行の御仁が登って来た。この御仁と入れ替わるように山ガールが下って行った。
 この御仁は、昨夜はキレット小屋へ泊まったという。御仁がテッペンへ登るのを待ってシャッターを押してやった。

 この岩場から下った縦走路で一服。この時のために持って来た缶コーヒーでコーヒータイム。下山は三ツ頭を周って観音平へ下る予定だが、ここから見る三ツ頭は余り魅力がない。ここから青年小屋へ戻って編笠を登って帰ろうかという思いがよぎる。
 しかし、同じ道を戻るのはつまらない。先ほどの旦那さんも三ツ頭へ行くというので一緒に行くことにした。


 急な岩場を下った所に祠があった。「なんでこんな所に?」と思いながら手を合わせる。後から地図を見ると「桧峰神社」と書いてあった。

 下るにしたがって、三ツ頭(写真右)が恰好良くなって来た。

 三ツ頭の登り返しがシンドそうに見えたが、元気な旦那さんに付いて行くと、あっけなく山頂へ着いた。ここでしばし休憩。

 ここから、ガスの切れ間から権現岳が垣間見える。しかし、なかなかシャッターチャンスがない。ガスが切れるまで粘ろう。

 やっとガスが切れると、尖がった権現岳が見えた。あんな尖がった山頂に立ってバンザイしたなんて信じられない。


(三ツ頭からの権現岳は尖って見える。私はあのテッペンへ立ったのだ!)

 三ツ頭から下り出して2、3分で前三ツ頭との分岐へ着いた。「え、もう着いたの」と驚く。
 ここで甲斐大泉へ下るという旦那さんと分かれ、私は右手の観音平を目指して下って行った。

 ここからはシラビソとシャクナゲの急坂を下って行く。この下りもシャクナゲが多い。
 ここは前にも後ろにも人陰はなく、寂しい位だ。

 樹林帯から抜け出すと、ガスの切れ間から編笠山と青年小屋が見えた。

 静まり返った林の中は熊が出て来そうで怖い。熊鈴がないので歌を歌いながら下って行った。
 途中にハナイカリとイブキジャコウソウの群落があった。

 木戸口公園へ9時52分着。ここは公園と言っても何もない。なぜここが公園なんだろう。でも、せっかくなので一服して行こう。
 ここは樹林帯で薄気味悪く、休憩していても落ち着かない。すぐに出発。

 なだらかな道を下って行くと、ササが多くなって来た。この辺は「笹すべり」と言うらしい。

 ここは編笠山のように登りぱなし、または下りぱなしではなく、普通の尾根なので変化があっていい。私は富士山や編笠山のような「登りっぱなし」の山は苦手だ。

 やがて林相が変わり、落葉樹が混じって来るとホッとする。
 ボチボチ休憩しようかと思った時、ベンチがあった。ラッキー!。そこに標識があり「延命水」と書いてあった。近くに水場があるようだが、標識には「飲用不適です」と書いてあった。

 この延命水から10分で八ケ岳横断歩道へ出た。ここからは広い歩道を歩き、観音平へ11時41分着。予定よりも早く着いた。
(注意:1週間後にこの八ヶ岳横断歩道に熊が出たそうです)