安平路山−2/2


 斜面がなだらかになると、左正面に槍穂連峰が薄っすらと見えて来た。しかし、デジカメで撮るのは難しいかも知れない。

 少し下ってわずかに登り返した所が展望台だった。そして、我々を待っていたのはすばらしい展望だった。左正面に中央アルプスがドガーンと並び立って見えた。まさに中央アルプスのオールキャストである。右から越百山、仙涯嶺、南駒ケ岳、空木岳から宝剣岳、木曽駒ケ岳まで見えた。今日は展望は諦めていたので感激だ。サイコー!!


【中央アルプス・オールキャスト】

【越百山から空木岳までのズームは→こちら


 摺古木山へ向かって登っている時、左手(西)に乗鞍岳と御嶽山が見えた。乗鞍岳はかなり遠いが、御嶽山は雪渓までハッキリと見えた。


(御嶽山)

(乗鞍岳)

 そして、摺古木山(2169m)へ立つと、今度は右手(東)に南アルプス南部の主脈がお出迎え。最初は何が何だか分からなかったが、最初に山座同定が出来たのが聖岳だった。あの独特の山容から聖を同定すれば、手前に赤石岳、荒川三山が同定できる。荒川三山の悪沢岳(東岳)も峻峰で目を惹く。

 左手のピラミダルな山は塩見岳だろう。ここからは北岳は見えないようだが、これだけ見えれば言うことはない。


(南アルプス・南部主脈)

 正面に中央アルプスを見ながら、シラビソ山へ向かって下って行く。わずかなアップダウンはあるが、全体的には大したことはない。

 シラビソ山へあと10分か15分という所で休憩。シラビソ山は薄暗く休憩などする気にならないと聞いていたからだ。ササが刈られた明るい所で一服。時々、薄日が差すようになって来た。

 シラビソ山は、「標識がないとどこが山頂か分からない」と聞いていたが、まさにその通り。標識を見落さないように注意しながら歩いて行く。
 シラビソ山は、一昨年の夏まではヤブコギが強いられたそうだ。ブログには「シラビソ山というより、ササヤブ山だ!」というのがあったが、今はササも刈られ快適な道になっていた。

 シラビソ山(2263m)の標識には、「安平路山1時間、摺古木山1時間」と書いてあった。私が持っている地図では、ここから避難小屋までが50分、そこから安平路までが50分、合計1時間40分となっている。この標識はちょっと怪しいのではないか。

 良く踏まれた道を下って行くと、倒木が多くなって来た。迂回したり潜ったりしながら進んで行く。
 シラビソ林から抜け出すと、安平路避難小屋とその奥に待望の安平路山が見えた。ネットで何度も見た構図ではあるが、やはりこうして目の当たりにすると嬉しい。

 避難小屋は、1週間前に登ったという方のブログに、「ドアが開かなかった」と書いてあったので、飯田市役所へ問い合わせると、「建付けが悪くなっただけで、鍵などを掛けているわけではない」とのことだった。しかし、ここへ泊まるつもりで来た人がドアが開かなかったら一大事である。

 我々も交代で開けようとしたが開かない。やっとNさんが開けた。
 小屋の中は囲炉裏があり、その奥がフローリングになっていた。二階もあった。ここなら快適な一夜を過ごせるだろう。
 後から来る人のためにドアを少し開けておいた。

 さて、山頂へ行こう。ここからわずかに下ると登りになる。水場まで10分と聞いていたが14分もかかった。ここまで水汲みに来るのは大変だろう。水場の標識の右手10mほど下に沢が見えた。水は豊富のようだ。

 森林地帯の窪地を登って行く。雨が降ればたちまち沢になってしまうだろう。メチャクチャな急登ではないが、それなりにシンドイ。

 足元には白い花がいっぱい咲いていた。最初はミツバオウレンかと思ったが、3枚葉ではなく5枚葉である。何だろう?
 (後で調べたらバイカオウレンだったようだ)

 道が良くなり普通の登りになると山頂の一角へ出た。なだらかに進んで行くと、Nさんが道端に座り込んでいた。そして、そこにポツンと山頂の標識が立っていた。ついに山頂へ到着。9時47分。休憩舎から4時間57分だった。

 ここはシラビソとササに覆われて展望は全くないが、ここで昼食にすることにした。途中で雨に降られると昼食どころではないからだ。

 昼食を済ませ往路を戻る。避難小屋まで約30分。

 シラビソ山で水分を補給。ここからは倒木も少なく、アップダウンも少ないのでルンルンである。
 摺古木山へのわずかな登りを登れば、展望の良い摺古木山である。しかし中央アルプスも南アルプスも雲に隠れていた。

 ここからは直登コースを下って行く。「え?、これが直登コース」と思うような、なだらかな道だ。
 それに、昨日の5人組は、「シャクナゲは展望コースにあり、直登コースにはない」と言っていたが、沢山あるではないか!
 確かに咲いているのは無かったが、大きく膨らんだ蕾が沢山あった。

 すぐに展望が開ける。林相もカラマツとササになり、アザミ岳が見えた。カラマツの新緑が眩しい。

  分岐へ13時10分着。
 途中の沢で缶ビールを回収し、水を汲んで行く。
 摺古木休憩舎へ13時55分着。まだ充分帰れる時間帯ではあるが、飲んべいは帰ることよりも飲む方を優先する。

 早速、登頂を祝って乾杯!
「グビグビ〜プア〜!」 キンキンに冷えたビールが旨い。最高!!

 15時になるのを待って本格的な宴会を始める。今日は焼き肉である。これもNさんが持って来たものである。Nさん、ゴチになりま〜す!

 今日は車は一台もない。天気が崩れると報じていたので登って来る人もいないのだろう。
 宴会が始まってすぐに雨が降り出した。我々は雨に降られずラッキーだった。
 夜中に屋根をたたく雨音で何度も目が覚めた。

 翌朝(6月17日)は小降りになっていた。傘を差しながら林道を下る。ここは乗用車では腹を擦るかも知れないが、これぐらいの林道なら他にもある。

 (一番悪い所でこの程度。やっぱ腹を擦るかな?)

 ロープがあった所まで来ると、ロープは切られていた。次に通る車はここがゲートだとは知らずに通り過ぎてしまうかも知れない。
 摺古木休憩舎からここまで1時間10分だった。