杁差岳−2/3

 ここからは花の写真を撮りながら登って行った。ニッコウキスやアザミ、ハクサンシャジンなどがいっぱい咲いていた。少し登るとチングルマの群落もあった。

 さらに登って行くとオヤマリンドウが咲いていた。そして、ついにイイデリンドウを見つける。しかし良く見ると、それはイイデリンドウではなく、何処にでもあるミヤマリンドウだった。


(オヤマリンドウ)

(ミヤマリンドウ)

(キンコウカ)

 這うようにしてやっと地神北峰へ着いた。遠くに小屋が見えたが、めざす頼母木小屋はあんなに遠いはずがない。あれは何という小屋なのだろうか。最近新しい小屋が出来たのだろうか。

 ちょうど登って来た御仁がいたので尋ねると、「あれは頼母木小屋ですよ」と言われ、つい、「あんなに遠いんですか〜!」と、ぼやいてしまった。


(地神北峰から見た頼母木小屋方面。左端のピーク上にチョコンと小屋が見える。)

 ここからは待望のイイデリンドウがいっぱい咲いていた。デジカメと一眼レフの2台で写真を撮った。

 頼母木山には標識とお地蔵さんが立っていた。

 ここからはもう下りだけなので、イイデリンドウをじっくり観察しながら下って行った。

イイデリンドウはミヤマリンドウやタテヤマリンドウよりも花弁がスッキリしている。5輪の花弁がほとんどだが、花弁が細長いものや丸っぽいもの、さらには花弁が6枚あるものもあった。どれが本当のイイデリンドウか分からないので、とにかく全種類を写真に収める。

【拡大して、じっくりご覧下さい】

(花弁が細長い。一番多かった)

(花弁が丸っぽい)

(花弁が6枚あった。突然変異か?)

 15時頃、やっと小屋へ辿り着くと、外にいた12、3人から、一斉に「お疲れさま〜!」との言葉がかかり、拍手で迎えられた。小屋の管理人が、「この小屋が出来てから拍手で迎えられたのは2人目だよ!」と言って笑う。

 元気のいいオバさんが、「まずは頭から水を被りなよ!」というので、ザックを放り投げ、小屋の前にあったホースの水を頭から被り、顔や腕などを洗ってから、目の前に浸してあった缶ビールを2本買った。1本を一気飲み。グビ、グビ、プア〜、うめぇなあ〜!最高だあ〜! これがあるから山は止められね−んだよなあ・・・。

 ビールを1本飲んだところで、寝床を確保し、再び外で飲み直す。ここにいる人達は、みんなバラバラのパーティーだが、かなり盛り上がっていた。私もビール3本に、持って行った日本酒を飲んで出来上がり。

 ボランティアの若いご夫婦が到着した時も、全員拍手で迎え、その後到着した人達も全員拍手で迎える。こういう酔っ払いは楽しくていい。

 ここは赤トンボが多くて驚いた。この辺はもうすっかり初秋のようだ。しかし、アブやブヨ、蚊なども多く、夕暮れ時の食事タイムは虫に刺されて大変だった。

  (小屋は、管理費1,500円、缶ビール700円、トイレはピカピカ、ただし使用後は自転車こぎがある)

(明日はいよいよ杁差岳へ)