シロヤシオ紀行B
檜洞丸(ひのきぼらまる)

(神奈川県)


下山者が、「今日一日見て来た中で一番素晴らしい」、と言っていた「今日一」のシロヤシオ


2019年(令和元年)5月26日(日)

日蔭沢橋〜犬越路〜矢駄尾根分岐〜(矢駄尾根)〜日蔭沢橋


自宅−R413−801日蔭沢橋815〜1020犬越路1035〜1138昼食1205〜1409矢駄尾根分岐1421〜1640日蔭沢橋

 久しぶりに檜洞丸へシロヤシオを見に行くことにした。

 実は二週間前に、栃木県鹿沼市にある「井戸湿原」へミツバツツジを見に行ったが、時期が早過ぎて蕾ばかりだった。今回はそのリベンジでもある。今度こそシロヤシオとミツバツツジが満開であってほしいと願いながら出かけて行った。

 日蔭沢橋の駐車場はすでに満車状態だった。さらに進んで行くと路肩駐車が4台あったが、まだ空きスペースあり、車を止めることが出来た。今日は日曜日なので皆さんシロヤシオを見に来ているのだろう。
 前回は、ここから矢駄やた尾根を登ったが、今日は逆コースで犬越路いぬごえじから登ることにした。前回、矢駄尾根の登りがキツかったからだ。

 薄手の長袖シャツを脱いでTシャツに着替える。まだ5月だというのに一昨日から真夏日になり、今日も真夏日になるという。

 右手に日蔭沢を見ながら林道を登って行く。風がさわやかで心地よい。

 しかし、10分も歩くともう額から汗が流れて来る。犬越路への道も楽ではないようだ。

 25分ほど歩くと「犬越路1.4Km」の標識が現れ、日蔭沢の木の橋を渡って対岸へ。

 すると、一気の階段の登りになった。沢からドンドン離れて行く。

 左手からは砂防提から落ちる沢の音が心地よい。しかし、こんなキツイ登りは久しぶりだ!ここで休憩だ!

 沢まで降りると「犬越路1.0Km」の標識があった。涼しい風が吹き渡る。

 橋を渡り返すと、ガレた道になった。沢の最後の詰め。全身汗だくになって登って行く。

 遠くの絶壁に山ツツジが咲いていた。上はもっと咲いているだろうと期待が膨らむ。

「犬越路0.6Km」の標識から、右側の枯れ沢へ移るが、ガレで危ない。せめてロープでも付けてくれればいいのに・・・!とグチが出た。

 足元には白い花が沢山咲いていた。他の山では余り見かけない気がするが、何という花だろうか?
(どうもクワガタソウらしい)

 やっと避難小屋の屋根が見えて来た。しかし、道は右へ回り込んで避難小屋から遠ざかって行く。

 再び小屋の下を通ってやっと峠の犬越路へ着いた。

 外のベンチは暑いので、避難小屋で休憩。

 犬越路から見える大きな山が檜洞丸かと思ったが、大笄おおこうげだったようだ。
「犬越路0.5Km、檜洞丸3.2Km」の標識から2分ほど歩いた時、右手に富士山がバッチリ見えた。やはり富士山が見えると嬉しい。
「まだシロヤシオもミツバツツジも一本もないナァ・・!」と嘆いていると、ミツバツツジが現れた。しかし、葉が出て散りかけている。

 10年も前に見た、樹木全体が紫色に染まったミツバツツジはどこへ行ってしまったのだろうか。
(右の写真は10年前に見たミツバツツジ)
   

 新緑の尾根を登って行くと、生き生きしたミツバツツジも現れるようになって来た。

 しかし、葉が出てしまっては魅力が半減してしまう。
 最初のクサリ場が現れた。女性が下りて来るのを待った。

 登り上げたピークから富士山を眺め、下って行くとトラバースぎみの第二のクサリ場が現れた。

 さらに幾つかのクサリ場を越えて行く。

 途中から振り向くと大室山(写真)が大きく見えた。

 そして、ついに待望のシロヤシオが現れた。犬越路を出て30分も経っていた。思わず、「あったぞ〜、シロヤシオが〜!」と歓声を上げた。
 しかし、花は少なく、グッタリしている。ここ2、3日の猛暑で花ビラが日焼けしてしまったようだ。

(写真は元気な花を選んで撮ったモノ)

 ここからは、ポツン、ポツンとシロヤシオとミツバツツジが現れる。

 大笄おおこうげらしいピーク(写真左)を登って行くと、頭上に覆いかぶさるようなシロヤシオがあった。



「凄いなあ〜!」と歓声を上げながらシャッターを何枚も切った。すると下って来たパーティーが、「今日一だね!」と仲間に言いながら、さかんにシャッターを押していた。このグループは西丹沢からゴーラ沢、ツツジ新道、檜洞丸と歩いて来た中で、一番素晴らしいシロヤシオだと言う。


 私もこのシロヤシオを見ただけで満足だ。来た甲斐があった。


 このピークから下り始めると、眼下に「矢駄尾根の分岐」のベンチが見えた。

 そして、右手の茂みに小動物がいた。急いでカメラを向けたが、全く逃げる気配はない。

 この動物は一体何だろう? キツネ、タヌキ、アナグマ、アライグマ、ハクビシン?
 どれも違うような気がする。やっぱ、ライオンかなぁ〜!

 矢駄尾根分岐のベンチに腰を降ろして休んでいると、20代の若いカップルが隣のベンチへ腰を下す。

 二人に、山頂付近のシロヤシオについて尋ねると、ほとんど無かったというので、山頂まで行くのを諦めた。時間も予定よりはるかにオーバーしているので、このまま矢駄尾根を下ることにした。
 矢駄尾根は、新緑のブナ林が美しかった。

 しかし、この尾根は登った時もキツかったが、下りも決して楽ではなかった。やっぱり丹沢はどこを登ってもシンドイようだ。

(シロヤシオは今年は裏年だったそうだ)
 
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