岳沢小屋602〜732カモシカの立場740〜935雷鳥広場940〜1015紀美子平1030〜1130前穂高1140〜1235紀美子平(昼食)1255〜1520南稜ノ頭〜1532奥穂高1540〜1635穂高岳山荘(泊) |
重太郎新道は、20代のころ3回下っているが、登るのは初めてである。ここを下った時は、いつも「こんな急登は登りたくない!」と思ったものだ。 そもそも重太郎新道は、穂高岳山荘の創設者、今田重太郎さんが、あの急峻な岩場をシカが通るのを見て、シカが歩けるなら人間だって歩けるだろう、と道を切り開いたという。 その重太郎新道を登ろうというのである。ここから前穂の山頂まで標高差920mを一気に登る。私は這ってでも行くつもりだ。 |
朝食を済ませ、外へ出ると、ちょうど西穂高の稜線が朝日に輝いていた。今日は絶好の登山日和になりそうだ。
6時2分出発。
テントサイトを過ぎ、ダケカンバの森林帯を15分も登ると、パッと開けた草原へ出た。夏なら高山植物が咲いているに違いない。
涸れた沢沿いの石がゴロゴロした所を登って行く。
途中から西穂の稜線が綺麗に見えた。今回の目的は涸沢の紅葉を見ることもあるが、前穂から西穂の並び立った岩稜を見ることも目的の一つである。こうして西穂が見えて来ると嬉しい。
道は一層険しくなり、両手を使って岩場を登って行くと、長い連結梯子が現れた。
後ろから追いかけられ、休もうと思っても、急峻な岩場が連続して休めない。 やっと休めそうな所へ出た。そこが「カモシカの立場」だった。ここから見るロバノ耳とジャンダルムがいい。 |
8時6分、やっと日差しを浴びた。
途中で厚手のシャツを脱ぎ、ストックをしまい、両手両足の四駆で岩場を登って行く。
小1時間も登ると展望が良くなって来た。奥穂から西穂まで丸見えだ! それに、眼下には岳沢小屋の赤い屋根が見える。ここまでいかに垂直に登って来たかが分かる。シンドイ訳だ!
たぶん、ここが「岳沢パノラマ」だったに違いない。(岳沢パノラマの標識に気付かなかった)
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2、3分ほど登ると前方に前穂らしきピークが見えた(写真右奥のピーク)。しかし、まだまだ遠い。 途中で道を間違えた。正規のコースへ戻るため、少々、ハイマツを漕ぐ。 |
雷鳥広場へ9時35分着。もう、クタクタだ。 ここから見る奥穂や、西穂もいいが、反対側(右手後方)の明神岳の岩峰群も素晴らしい(写真右)。 |
あと少しで紀美子平だ!ガンバロウ! と気合を入れて歩き出すと、目の前に梯子が掛かった嫌らしい岩が現れた。ジャンダルムのウマノセのような感じだ。 |
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ここからも、嫌らしい岩場が続く。そして鎖も現れた。今まで鎖はほとんどなく、フリーハンドで登って来た。この辺が核心部なのだろう。 |
やっとの思いで紀美子平へ着いた。時に10時15分着。小屋から4時間13分。ちなみにコースタイムは3時間である。 紀美子平には弁当を広げている人が大勢いた。また前穂をピストンするためデポしてあるザックも多い。やっと座る場所を見つけて一息ついた。 昼食は前穂をピストンしてからにしよう。 |
10時30分、水だけを持って前穂へ向かって出発。 登って行くにしたがって、吊尾根の鞍部から涸沢岳や涸沢槍?が顔を出して来た。奥穂へ続く重太郎新道も見える。 さらに登って行くと、北穂や槍まで見えて来た。バンザーイ! |
(工事現場のオジさん、前穂高山頂NOW!) |
(奥穂高。大勢いるのが山頂だろうか?↓) |
(人が見えますか?) |
(眼下に岳沢小屋が見える) |
(涸沢を覗き込む) |
ガスの中から尖ったピークが現れた。あれが奥穂だろうか? その尖ったピークを稜線近くから左へ巻いて行くと、さらに奥にピークが見えた。ガグッと力が抜けた。 |
ついに奥穂へ到着。奥穂はもう何十回も登っているので、特に感動はないが、アルプス屈指の急登といわれる重太郎新道を無事に登って来られたことに安堵した。 |
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