烏帽子岳(えぼしだけ)

(1,337m、熊本県)


草千里から見た烏帽子岳。

〔3泊4日〕
羽田−宮崎空港−延岡−高千穂(泊)−北谷登山口〜(風穴コース)〜祖母山〜(黒金尾根)〜尾平−緒方−宮地(泊) −阿蘇駅−草千里〜烏帽子岳往復−阿蘇駅−宮地(泊) −仙酔峡〜阿蘇高岳〜中岳〜仙酔峡−宮地−肥後大津−熊本空港−羽田

2002年5月1日(水)

宮地−阿蘇駅−草千里〜烏帽子岳往復−阿蘇駅−宮地(泊)

 今日は阿蘇の最高峰である高岳と中岳を登る予定だったが、朝から雷がなる豪雨のため休養日に当てた。
 昨夜、夕食の時一緒だった日野市から来たという人も、「明日は尾平まで行きたいが、雨だったら緒方へ泊まる」と言っていたが、まだ出発していない。こんな雨では駅へ行くまでにズブ濡れになってしまう。

 11時近くなって、彼が雨の中を出かけて行くのが見えた。
 私も12時近くなって雨が小降りになったので、たとえ雨でも烏帽子岳を往復して来ようと思い、急いで荷造りをして出発した。

 雨は阿蘇駅へ着いた途端に止んだ。
 阿蘇の駅前は観光地のように開けているかと思ったが、宮地と変わらず素朴な町だった。
 駅のすぐ隣にあったバスターミナルで、外国人に英語で質問され、返答にあせる。阿蘇は外国人が多いようだ。

 草千里の展望台からは、烏帽子岳はもちろん、煙を吹き上げる中岳やどっしりとした山容の高岳まで見えた。そして、待望の青空も広がってきた。

(写真:手前が中岳、奥が阿蘇の最高峰である高岳)

 博物館の前でバスを降り、レストランでラーメンを食べて、13時ジャストに出発。
 まずは池まで真っ直ぐに行って写真を撮った。牧草の中に盛っこりと立ちあがったピラミッドのような烏帽子岳が絵になった。

 ここから登山道へ出るには、一端車道へ戻って、博物館の前にある小さな尾根を行くか、ここから牧草地を進んで尾根へ出るかであるが、私は後者を選んでそのまま牧草地を進んで行った。

 しかし、雨上がりの牧草地は水をたっぷり含んでおり、歩くたびに水しぶきが飛んだ。足元にはスミレや青い花が咲いていた。水たまりを除け、花や牛糞を踏みつけないように注意しながら歩いて行った。

 草原から河川の土手を登るような感じで小さな尾根へ出た。やっと縦走路、いや散策路へ出た。いつの間にか烏帽子岳にはガスが流れ出していた。

 散策路を登って行くと、すぐに分岐があった。13時21分着。

 この分岐を左手へ折れて進んで行くと、アッという間にガスに覆われてしまい何も見えなくなってしまったが、ここは膝よりも低い草と笹、そしてミヤマキリシマの中に付けられた道なので迷うようなことはい。

 10分も歩くとキリシマの群落があったが、まだ蕾だった。

 今日は雨上がりなので湿度が高く、少し歩いただけで汗だくだった。まるでサウナにでも入っいているようだっだ。

 台形状の山頂へ14時ジャストに到着。
 畳10枚分くらいの山頂だった。たとえ視界が利かなくても、阿蘇五岳(ごがく)の一つである烏帽子岳の山頂に立てたことが嬉しかった。

 三角点に腰を下ろし、ガスが切れるのを待ったが、いっこうに切れる気配はなかった。せめて雨に降られなかったことを良しとして潔く下山することにした。

 14時15分下山。
 ここの標識には、「登山道」ではなく、「遊歩道」となっていた。遊歩道にしては道は良くない。雨の日は窪んだ登山道が排水溝になってしまうだろう。足元が滑りそうで何とも心許ない。一歩一歩慎重に下った。

 分岐点近くなって、突然、眼下の視界が開けてきた。少しでも烏帽子岳の一部にいるという実感を味わいたかったので、荷物を下ろしてガスが切れるのを待った。草千里と池を見下ろしながらその実感を味わっていたが、烏帽子岳の山頂はついに顔を出さなかった。

 分岐着14時53分。
 ここからは尾根伝いに国道へ出た。

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