今年の夏山は、日本200名山最後の一座である北海道・日高のカムエクを登って「日本200名山完登」と意気込んでいたが、林道が通行止めとのことで予約していた航空券やレンタカーをキャンセルした。 しばらくの間はどこか別の山へ行こうなどという気にもなれなかったが、次第に以前から気になっていた「妙高山の再登と天狗ノ庭でハクサンコザクラを見るのも悪くないなあ」、という気になって来た。 もっともハクサンコザクラはもう遅いかもしれないが、妙高山は一等三角点がある北峰へは立ったものの雨で視界が利かなかったこともあって最高点である南峰を踏んでいなかったことが悔やまれてならないからだ。 そんな訳で急遽決めた火打山と妙高山である。ハクサンコザクラが咲いていれば申し分ないが、まずは晴れた妙高山の最高点に立つことを目的に出かけて行った。 |
昨夜は妙高高原のプチホテル・ビィーケンに投宿。夕食は炉端焼きで美味いビールを飲んだ。 (宿では登山口まで送迎してくれるそうです) |
妙高高原の宿−517笹ケ峰駐車場533〜627黒沢橋635〜804富士見平(分岐)815〜908高谷池ヒュッテ921〜天狗ノ庭(散策・昼食)〜1035分岐〜1108茶臼山〜1141黒沢池ヒュッテ(泊) |
朝食を4時半にお願いし、5時前に宿を出た。 一車線のR39を登って行く。朝が早いので対向車もない。 |
笹ケ峰の駐車場へ着いて驚いた。4、50台も置けそうな駐車場はほぼ満車状態で、かろうじて2台分の空きスペースがあった。私はブービー賞で駐車できた。しかし良く見ると30mほど先にも駐車場があり、そちらはまだ余裕があった。 身支度を整え、登山届を出して出発。 |
木道を登っていると、後ろから熊鈴の音でせかされた。最近流行りのトレイルランの恰好をしているので、てっきり若者かと思ったが、70歳を優に超えていそうなオッサンだった。 このオッサンは今日中に火打山を登って笹ケ峰から車で燕温泉へ移動し、明日、妙高を登るという。 途中で薄手の長袖シャツを脱いだ。その間に3人が登って行った。さすがは火打・妙高だけあって登山者が多い。 |
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小一時間で黒沢橋へ着いた。しかし昔の面影はない。昔はこんな立派な橋はなく河原で湯を沸かしてコーヒーを飲んだ覚えがある。 |
いよいよ、ここからが十二曲りである。気合を入れて行こう。 木段を登って行くと、所々に標識があった。しかし、ここはつづら折りになっている訳でも凄い急登でもない。標識が無ければここが「十二曲り」とは気付かないかも知れない。 十二曲りを過ぎ、岩がゴロゴロした所を登ると道も緩やかになり、林相もダケカンバからシラビソになった。 |
それにしてももう1時間以上も歩いているのにまだ富士見平へ着かない。黒沢橋から1時間半もかかってやっと富士見平へ着いた。 (実は下りのコースタイム1時間と勘違いしていた。登りのコースタイムは1時間40分だった) ここで水分を補給して一服。地図には、ここから『黒姫山の上に富士山が見える』と書いてあるが、黒姫さえガスって見えない。 |
また木道になり、正面のボッテリした山を左から巻いて行くと、三角屋根の |
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木道から今度はドロンコ道を下って行く。そして平坦な木道になると分岐は近い。 火打山・高谷池ヒュッテの分岐から20mほど左手に高谷池ヒュッテがあった。 小屋の庭先にあったベンチでしばし休憩。 |
(ハクサンコザクラ1) |
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(ハクサンコザクラ2) | |
(ハクサンコザクラ3) |
(ハクサンコザクラ4) |
30分ほどでボッテリした茶臼山のテッペンへ着いた。そこからわずかに下った所から眼下に黒沢池がボンヤリと見えた。「よし!ここで休憩だ!」と座り込む。とにかく火打山をパスしてしまったので時間が有りすぎるのだ! 一服している間にガスが切れ、黒沢池と池塘群がバッチリ見えた。 |
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下っている途中でクルマユリの群落があった。 しばらくするとガスが流れ出し、冷たいものが混じって来た。ピッチを上げた。 |
黒沢池ヒュッテへ11時41分着。 まずは缶ビールのロング缶を買い、宿泊のお願いをすると、「手続きは15時からです。それまでは外で待っていて下さい。雨が降って来れば入ってもらいますが・・!」とのこと。山小屋でチェックインが15時なんて初めてだ。 |
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再びヒュッテへ戻り、ビールを買って飲み直し。 何をするでもなく、ただボーとしている。時々流れるガスを見ながら、せめて明日は晴れてほしいと願う。 ツアー客と山談義をしている時、大きな蝶が私の指先へとまった。アサギマダラというらしい。私は蝶には興味はないがせっかくなので写真を撮った。 |
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