ハクサンコザクラ紀行・・2/2
A火打山(天狗ノ庭)・妙高山
天狗ノ庭からの続き

妙高高原から見た妙高山(昔、バスの中から撮ったもの)


笹ヶ峰〜天狗ノ庭〜黒沢池ヒュッテ(泊)〜妙高山〜笹ヶ峰

2013年8月4日(日)

黒沢池ヒュッテ503〜529大倉乗越〜607長助池分岐615〜744山頂〜752最高峰(妙高大神)758〜山頂820〜915長助池分岐925〜1015大倉乗越1020〜1040黒沢池ヒュッテ(昼食)1100〜1155富士見平〜1308黒沢橋1315〜1350笹ケ峰

 朝3時に目が覚めた。外へ出てみると満天の星だった。今日は最高の登山日和になりそうだ。
 黒沢池ヒュッテの朝食は5時からの予定だったが4時半からになって助かった。しかし朝食はクレープで私の口には合わず、薄っぺらなものを一枚食べるのがやっとだった。また、コーヒーもアメリカン×2乗のような極薄で飲めなかった。これなら朝食を頼まずに持って来た予備食で済ませれば良かったと思った。

 素早く身支度を整え、5時3分に出発。
 登山口から10mほど登ると三ツ峰との分岐があった。そこを直進して大きな岩がゴロゴロした涸沢を登って行く。そして岩が無くなると木の根が張り出した急坂だ。
 ここは虫が多く、途中で防虫スプレーを全身にかけた。


 30分弱で大倉乗越へ着いた。しかし天気がイマイチで、眼下に長助池(写真左)は見えるものの、肝心な妙高山(写真右)の頂部は見えない。
 ここから、あの長助池まで下るのかと思うとガッカリする。実際は池を左手に見ながらこの外輪山をトラバースしながら下って行くのだが、ザレ場あり、ロープあり。そう簡単には本峰へ近づけてくれない。

 途中にイワシャジン?が咲いていた。花に励まされながら下って行く。
 雪渓を渡ると長助池との分岐があった。ちょうどご夫婦が出かけるところだった。空いたベンチに座って一服タイム。

 ここからが、いよいよ本峰の登りになる。この登りは半端ではなく、かなりシンドかった記憶がある。心して行こう。
 岩がゴロゴロした涸沢を一直線に登って行く。

 沢が細くなっても急登が続く。そこを両手両足の四駆に気合つきで登って行く。誰かのHPに、『ここは修行道だ』と書いてあったが、まさにそんな感じがする。

 1時間ほど登った時、右手にボンヤリと岩塊が見えた。後から登って来た人に「あれが山頂ですかねぇ?」と聞かれたが自信はない。期待を込めて「きっとそうでしょう!」と応える。

 ロープ場を攀じ登ってやっと稜線へ出た。といってもここは痩せ尾根でルンルン歩ける訳ではない。すぐに大岩の下に祠があった。

 その岩を登ると三角点や標識が立った山頂(北峰)へ飛び出した。前回登った時も雨で何も見えなかったが、今日もガスで展望は利かない。

 ここでは写真を一枚撮っただけですぐに最高峰である南峰へ向かった。北峰からピストンしている人が多い。

 大きな岩を巻いて行く。日本岩と書かれた所に、「妙高大神まで400m、妙高山頂まで100m」というプレートがあった。
 そしてついに南峰へ立った。岩を積み重ねた上に「高山大神?」と書かれていたが、これは妙高山大神の「妙」の字が欠けてしまったようだ。

 そしてその後ろに「将軍地蔵」があった。これは1942年大東亜戦争時代に戦勝祈願に建てられたとあった。

 そもそもが、この山は上杉謙信ともゆかりがあり、越中出陣の際、五穀豊穣所領安全を祈願して上杉謙信がここへ登ったという。将軍地蔵とは戦勝をもたらす神のことだそうだ。

 視界は全く利かないが、最高点へ立てて満足だった。写真を撮っただけで再び三角点がある北峰へ戻って一服。

 山頂から下り出してすぐに昨日ヒュッテのベンチで山談義をしたツアー客に会った。「あと5分で山頂ですよ!」と声を掛けた。しかし16人が登り切るまで待つのはツライ。

 さらに20人位の団体さんが登って来た。下るにしたがって続々と登って来る。みんなシンドそうだ。

 鞍部の長助池分岐の手前で、ついに雨が降って来た。分岐のベンチで雨具を着込む。

 ドーム型の黒沢池ヒュッテへ10時40分着。雨はいつの間にか止んでいた。ここで持って来たパンと缶コーヒーで昼食。

 デポしていた荷物をザックに詰め込んで、11時ジャストに下山。
 ヒュッテからわずかに登ると平坦な木道になり、右手に池塘が広がった。標識には「笹ヶ峰7Km」とあった。

 木道の周りにはクルマユリやヨツバシオガマなどが咲いていた。尾瀬よりもはるかに花が多い。写真を撮りながらルンルン気分で歩いて行く。


(木道の周りは花畑)

 シオガマの群落がありシオガマ・ロードだと思ったら、今度はハクサンフウロのロードになった。こんな素晴らしい花畑を見るのは久しぶりだ。

(ヨツバシオガマ)


(ハクサンフウロ)

 花を存分に楽しんでから、右手の森林地帯を登って行く。花や池塘ともサヨナラだ。

 道はすぐになだらかになった。そしてやっと薄日が差して来た。心貧しい私は、つい「今頃になって晴れて来やがって!」とグチが出た。
 左手遠方にかすかに見える山は黒姫山だろうか。

 富士見平は登りで休憩している人が多く、座る場所もないのでそのまま素通りする。

 ここからは木道とドロンコ道の繰り返し。十二曲りまで来てやっとドロンコ道から解放された。
 笹ケ峰へ13時50分着。

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