大崩山−3/4

 10分ほどで中和久塚の基部へ着いた。ここもロープを伝って登り、そこからはフリーで登れそうな岩を登って行った。そして、下に見えた青年とカメラマンに「ヤッホー〜」と大きな声で手を振った。
 ここはだいぶ高度があるので、周りの岩峰も最初に見た時ほどの迫力はなくなった。

 中和久塚のテッペンを10時10分発。先ほどの青年とカメラマンが私と入れ違いに登って来た。

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(中和久塚がだいぶ近づいて来た)

(ロープで攀じ登る)

(中和久塚から下和久塚を見下ろす)

(中和久塚からの上和久塚)

 基部からは梯子やロープで下る。さらに岩場の絶壁に架かったステンレス製?の橋を渡り、さらにどんどん下って行く。こんなに下っていいのだろうかと不安に思った頃、やっと眼下に青色の標識が見えた。10時27分着。

 ここで一服していると青年が下って来た。「凄くいい山ですねぇ〜。巻道をしないで付いて来てよかったですよ」と感謝された。私も昨夜大崩の茶屋で情報を得ておいて良かったと思った。彼には先に行ってもらった。

 10時40分発。今度は急な斜面を登って行く。岩や木の根っこに掴まりながら登って行った。

 上和久塚展望台の標識へ11時ジャストに到着。かなり広くなった所に大きな岩があり、そこに梯子とロープがぶらさがっていた。ちょうど青年が降りて来たところだった。私もザックを置いて登り出す。

 梯子を登り、ロープに掴まって、チムニーになった岩の割れ目に靴を入れて攀じ登る。最上部まで登り詰めると、何と頭上には大きな岩が! 岩と岩の隙間からすり抜けるのに一苦労。やっとそこを抜け出して岩上へ立った。これで下・中・上和久塚と3つのピークに登ったぞ〜!


(上和久塚からの展望)

 再びロープを伝って下る。とにかく必死だ。これから登ろうとしている人が見えた。「落石があるから待ってくれ!」と怒鳴り、全神経を使って下った。あ〜あ、疲れた。
(このチムニーの写真を撮り忘れたのが痛い。とにかく必死だったので余裕がなかったのだろう。このチムニーを登らなくても裏側から登れるらしい)

 ここで昼食を摂っている人が2人いたが、私はそのまま進んで行った。11時20分発。
 上和久塚のピークハントをして疲れてしまったせいか、ペースが落ちる。少し下って登り返した所から、今登って来たばかりの上和久の岩峰が見えた。

 りんどうが丘分岐へ11時31分着。
 先ほどの上和久のピークハントのせいか、今まで忘れていた左足に痛みを覚える。しかし、大したことはない。ゆっくり行こう。

 11時54分、坊主尾根との分岐へ到着。ここで昼食にしよう。もうシャリバテだ。
 大崩の茶屋で作ってくれた弁当がうまい。普通は弁当はなかなか食が進まないが、今日は全部たいらげてしまった。大崩の茶屋さん、ありがとう。

 食後の一服をしていると、途中まで一緒だった青年が山頂から下って来た。こんな所でウロウロしている自分が恥ずかしかった。彼は今日中に福岡まで帰るといって下って行った。が、慌てて「お〜い、坊主尾根はそっちじゃねぇぞぉ〜」と怒鳴ってやった。彼は和久塚コースを下ってしまったのだ。

 彼はすぐに引き返し、「坊主はこっちですか〜」と礼を言って下って行った。

 12時20分、分岐発。
 いよいよ大崩山の山頂をめざして行く。ササに覆われた道を1分も歩くと、やっと稜線らしくなって来た。左正面に見えるボッテリした山が山頂だろうか。余りにも平凡過ぎるので山頂でないことを祈る。山頂は凛としていてほしいから・・・。

 ほとんどアップダウンがない道を行くと、岩塊があった。これが石塚だろうか。ここからはササの中を潜るようにして進んで行くと、5分ほどで開けた所へ出た。そこが山頂だった。平凡で展望は利かないが、とにかく大崩の山頂へ立てただけで嬉しかった。

 石塚まで戻り、ここから振り返れば山頂が見えるかも知れないと思ったが、ボッテリした山が樹木の間から見えるだけで、どれが山頂かは分からなかった。

 ここからは霧島や尾鈴、祖母、傾などが見えるらしいが、ボンヤリしていて分からなかった。

 石塚を過ぎた時、突然、ヒョウが降ってきた。空は晴れているのに、どうなってんだろう! 雨具を着るほどでもないのでそのまま分岐へ戻り、坊主尾根を下って行った。