天上の楽園・アヤメ平と花の名山・笠ヶ岳

鳩待峠〜笠ヶ岳(2058m)


(手前が小笠、奥が笠ヶ岳)


1日目
   2020年8月6日(木)

   鳩待峠〜アヤメ平・往復


      (鳩待山荘泊)

2日目
   2020年8月7日(金)

   鳩待峠〜笠ヶ岳・往復

2020年8月7日(金)

鳩待峠640〜832オヤマ沢田代分岐845〜857悪沢岳〜956小笠分岐〜1044笠ヶ岳分岐〜1102笠ヶ岳(昼食)1135〜1158笠ヶ岳分岐〜1235小笠分岐〜1238小笠〜1241小笠分岐〜1353オヤマ沢田代分岐1400〜1524鳩待峠

 尾瀬といえばミズバショウで有名な尾瀬ヶ原や、日本百名山である燧ケ岳、至仏山などが思い浮かぶが、「笠ヶ岳」というと、「そんな山あったかな?」という方も多いかも知れない。

 そこで、燧ケ岳から見た笠ヶ岳を紹介しよう。

(写真右:手前が尾瀬ヶ原、正面のボッテリした山が至仏山、その左が小至仏山、左のトンガリが笠ヶ岳)


 こうして見ると、笠ヶ岳もまんざらマイナーな山とは言えまい。山屋ならあのトンガリに立ってみたいと思うに違いない。

 朝起きると、窓越しに至仏山の山頂が朝日に輝いていた。今日もいい天気になりそうだ!

 隣の部屋の女性3人組も笠ヶ岳へ行くとのことで、朝食も摂らずに出かけって行った。我々は、ゆっくりと朝食を頂いてから出発。

 まずは至仏山登山口から登って行く。この道は至仏山を登った時に2回下っているが、登るのは初めてだ。

 15分も歩くと木道になりホッとする。

 道端に咲いている白くて小さい花は何だろう? 初めて見たような気がする。

 花の写真を撮りながら歩いて行く。



(ケナツノタムラソウ)

(ミヤマシシウド)

(オトギリソウ)

(オオバギボウシ)

 約1時間ほど歩いた時、左手に待望の笠ヶ岳が見えて来た。思わず歓声を上げた。
 
 8時ジャストに尾瀬ヶ原が見える場所へ出た。展望を楽しんでいると、登って来た単独のオジさんが、、「どちらへ?」と訊いてきた。
「笠です」と答えると、
「笠ですか! 笠はいいですよ・・・、花が多くてね・・・。私は毎年行ってますよ!」という。

 笠は花の名山と聞いているが、どんな花が見られるのか楽しみだ。

 道端に咲いているシモツケソウやウスユキソウなど、写真を撮りながら登って行った。


 開けた湿原へ出た。ここがオヤマ沢田代だろう。正面に至仏山(小至仏山?)が見えるが、近すぎて迫力がない。

 ここでも花の撮影タイム。


 オヤマ沢田代分岐で休憩

 ここからは左手後方へ下って行く。

 10分ほどで悪沢岳の標識があった。南アルプスの悪沢岳と同じ名前なので親近感を覚える。

 ここからわずかに下ると笠ヶ岳と小笠が並んで見えた。

 途中にクサリ場があった。
 そのクサリを下った所にハクサンフウロ(写真左)が咲いていた。久しぶりに見るハクサンフウロに感激!

 さらによく見ればホソバコゴメグサ(写真右)やタテヤマリンドウが沢山咲いているではないか。
 
 笠と小笠を見ながら下って行く。

 小笠との鞍部付近は樹林帯で、倒木やぬかるみで苦戦する。幸いここ数日は雨が降っていないようなので何とか歩けるが、雨後は水溜まりになって歩くのも難儀だろう。

 ここは国立公園だと思うが、なぜ整備しないのだろうか。

 やっと倒木やぬかるみから解放され、岩ぽい小笠を登って行く。そして山頂近くで左へトラバース。

 小笠分岐には、山頂へ行く道にロープが張られていた。通行止めなのか?
「まぁ、帰りに寄ろう!」ということで笠ヶ岳へ向かって行った。

 ここから花が俄然多くなって来た。写真ばかり撮っていて前へ進まない。


 笠ヶ岳も山頂直下から左へトラバースして行く。

 やっと笠ヶ岳の分岐へ着いた。その分岐の手前に初めて見る黄色い花が咲いていた。家へ帰って調べたらキンロバイだった。

 キンロバイを初めて見ることが出来て嬉しい。

 この分岐から右へ90度に曲がって登って行く。ここは下りの時に真っすぐ下ってしまう可能性があるので気を付けなくてはいけない。

 山は一気にアルペン的になって来た。

 私は花の写真を撮りながらゆっくり登って行った。


 途中でミヤマアズマギクだと思って撮った写真は、至仏山と谷川岳に分布するジョウシュウアズマギクだったようだ。

 またシコタンソウを発見!と胸をときめかせたが、残念ながらホソバツメクサだったようだ。

 登山道の真ん中で、立ち止まって休んでいるオバさんがいた。休むなら登山道から避けてほしいが、かなりヘバッているようだった。

 山頂には数人の先客がいた。弁当を広げていたオバさんが、山頂から見える湖を「奥只見湖」だと教えてくれた。

 しかし私は、ここから奥只見湖が見えるハズがないと思った。(実際は水上町のならまた湖だったようだ)

 実はこのオバさん、鳩待山荘へ泊った3人組の1人だった。弁当を食べ終わっても途中でヘバっていた仲間が登って来ないのであせっていた。
 結局、あのヘバっていたオバさんは、ギブアップしたようで、山頂にいたオバさんが急いで下って行った。


 私達も山頂で昼食にした。

 帰りは小笠の分岐に荷物を置いて、私一人で山頂までピストンした。

 笠ヶ岳の山頂直下でヘバっていたオバさんは、どうしたのだろう。必ず途中で追い着くと思っていたが、オヤマ沢田代分岐まで来ても追い着かない。そんなに早く元気になったのだろうか。

 鳩待峠へ着いても彼女達の姿は見えなかった。

 鳩待山荘へ預かってもらっていた荷物を取りに行くと、彼女達も荷物を預けているが、まだ取りに来ていないとのこと。もしかしたら間違えて湯の小屋の方へ下ってしまったのではないか、と心配になった。
 (山荘のご主人が3人組のリーダーと携帯で連絡を取るとのこと。遭難でなければいいのだが・・・。)

 笠ヶ岳は、やっぱり花が多い山だった。しかし、何の花が多かったか?と訊かれると困ってしまう。30種類以上もの花が咲き乱れていたからだ。

 今回一番嬉しかったのはキンロバイを初めて見たことだった。その他、久しぶりに見た花も多く、まさに花の名山という名にふさわしい山だった。
 「花の山」のページには、キンロバイで載せておこう。

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