小仙丈岳でしばらく展望を楽しんだ。
ここから見る仙丈ケ岳がすばらしい。初めて見る光景に感動。(前回来た時はガスで見えなかった) |
鋸岳 | 甲斐駒ヶ岳(左後方は八ケ岳) |
そういえば、今日は甲斐駒にこだわり過ぎて北岳の存在を忘れていた。北岳はここから見ると単なる一つのピークにしか見えず、貫禄を感じない。その北岳の奥に富士山が見えた。
また、北岳と間ノ岳の右奥に鉄兜のような山容をした塩見岳が見える。さらにその奥に隠れるように荒川岳まで見えた。甲斐駒の後方には小さく八ケ岳まで見えるではないか!
富士山と北岳 | 塩見岳、その奥に荒川岳 |
小仙丈を7時40分発。
ここからはシャクナゲの木が多くなったが、花はすでに終わっていた。
しかし、1、2分も歩いて行くと、そのシャクナゲが咲いていた。ラッキーとばかりに写真を撮っていると、下って来た中年の女性ばかり5、6人のパーティーの一人が、
「そこにライチョウの親子がいますよ!」と興奮気味に教えてくれた。
「どれどれ、ライチョウはどこにいる?」と中年のオジさんはすぐその気になってしまう。
10mほど進んで、「この辺ですか」と聞くと、もっと先だというので、さらに3、40mほど進んでもう一度聞いてみると、もっと先だという。山屋が言う「すぐそこ」とか、「あとちょっと」なんていう言葉は本当にアテにならない。
結局、ライチョウには会えなかったが、そもそもライチョウは天気が悪い時や崩れる時に姿を現すことが多いので、会わなくてよかったという思いもあった。
この辺から紫色のオヤマノエンドウと白いイワウメが見られるようになって来た。イワウメは最初はチョウノスケソウかと思ったが、どうも葉っぱが違う。オヤマノエンドウは八ケ岳の横岳で見た群落とまではいかないが、全く期待していなかっただけに感激だった。赤や白、黄色の花が多い中で紫色は一際目を惹く。
オヤマノエンドウ |
イワウメ |
ハクサンシャクナゲ |
チングルマ |
アオノツガザクラ |
ミヤマキンバイ |
オヤマノエンドウ |
イワツメクサ |
ミヤマシオガマ |
お花畑 |
やっと花紀行になって来た。ここは「花の百名山」なのだから、こうでなくてはいけない。
実は昨日、長衛荘のベンチでビールを飲みながら、仙丈を登って来たという中年のオジさん6、7人のパーティーと談笑した際、
「花は咲いていましたか?」と尋ねると、
「う〜ん、咲いてたねぇ〜」と言い、
「どんな花が咲いてました?」と聞くと、
「たしかイワカガミだったなあ〜」と言い、
「どの辺に咲いてました?」と聞くと、ちょっと迷惑そうに、
「山全体だよ。全体に咲いてたよ」とのことだった。
そんな会話をしたが、人によって山の登り方も違うが、花の見方もこんなに違うものかと驚いた。
ここからは山頂に立っている人達が小さく見えた。私は花の写真ばかり撮っているので、一向に前へ進まない。山頂にいる人達に笑われそうなので少しピッチを上げよう。カメラをポケットへ入れて山頂へ向かった。仙丈ケ岳、8時53分着。
山頂からの展望は抜群だった。念願だった甲斐駒も少しずつ逆光が解消され、魔利支天と山頂が明るく光っていた。しかし、ここからは今登って来た小仙丈への稜線が少々邪魔になる。
仙丈ケ岳山頂 |
甲斐駒は小仙丈への稜線が邪魔になる。 |
大仙丈岳 |
ここで昼食を摂り、9時25分、馬ノ背ヒュッテを目指して下る。山頂から10mも下ると、歓声を上げたくなるようなお花畑が広がっていた。そして、シャクナゲが多くなった。
ミヤマシオガマ |
イワベンケイ |
オヤマノエンドウ |
キバナシャクナゲ |
頂上直下にある仙丈小屋は、昔の避難小屋を知っている者にとっては驚きだった。あのボロ小屋が今は立派な建物になり、屋根にはソーラー、庭先には風車が何機もあった。一度は泊まってみたいと思った。
ここから馬ノ背ヒュッテをめざして下って行った。 |
雪渓を幾つか下って馬ノ背ヒュッテへ10時17分着。道端の日陰に腰を下ろして一服していると、さっき一緒にシャクナゲの花を撮った四国から来たという御仁が下って来たので、ここから一緒に下ることにした。
大きな雪渓へ出ると、そこが藪沢コースとの分岐になっていたが、藪沢コースは通行止めになっていた。(この時期は雪が腐って危険なためだという)
ここからも雪渓あり、沢ありで変化に富んでいた。その道を二人で飛ばして行った。馬ノ背ヒュッテから五合目の分岐まで50分のところを25分で着いた。アレ、もう着いちゃったの?という感じだった。
北沢峠へ11時53分に到着。約1時間待ちで一本早いバスに乗った。
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