立 岩 (たついわ)

(1,265m、群馬県)


大上集落の背後に聳える立岩。右が東立岩、左が西立岩(山頂)


2012年5月24日(木)
線ケ滝〜東立岩〜西立岩〜威怒牟畿不動〜線ケ滝

自宅445−605川越IC−下仁田IC−(R254−R45−R93−R201)−754線ケ滝駐車場810〜815分岐〜853ベンチ休憩900〜923稜線〜942東立岩945〜958稜線〜1036山頂(昼食)1110〜1207威怒牟畿不動1215〜1242立岩分岐〜1246駐車場

 今回は群馬県の立岩たついわである。立岩は「西上州のドロミテ」と言われているそうだ。私は本場(イタリア)のドロミテは知らないが、「西上州のドロミテ」とは一体どんな山なのだろうか。
 この山も前回の二子山と同じ岩山なので、少々緊張するがスリルと展望が楽しめそうだ。

 朝4時45分に自宅を出発。
 まずはR16で川越ICから関越道に乗り、下仁田ICを目指して行く。
 上信越道へ入ると、右前方に妙義山が見えて来た。いやが上にも目が引き付けられる。見るからに地獄の針の山だ。写真を撮りたいが1人では写真も撮れない。
 下仁田ICを降りると、今度は正面にゴツン、ゴツンとした2つのコブ山が見えて来た。鹿岳かなたけのようだ(写真左)。あの山も、どうしても登りたい山の一つである。途中で車を止めて写真を撮った。

 下仁田からは南牧なんもくを目指して行く。

 途中で槍のように尖った2つの岩峰が見えて来た。あれは何だろう。写真を撮りたかったが道幅が狭く駐車が出来ない。せめて山の名前だけでもと思ったが、尋ねようにも人がいない。そうしている内に山は見えなくなってしまった。(この山は大岩と碧岩だったようだ)


 道はさらに狭くなり、1車線の両脇に軒を連ねるようになった。こんな山奥に集落があることが信じられない。対向車に注意しながら「線ケ滝」の標識に従って登って行く。

 やっと立岩が見えて来た。凄い迫力だ。垂直の壁は荒船山の艫岩のように見える。あれが東立岩だから、登山口はもう少し左へ進むのだろう。

 すぐに星尾橋があった。ガイドブックに『ここを左に登って行くと立岩の展望が良い』と書いてあったので、私も左側の細い道を登って行った。すぐに民家があって驚いた。こんな急斜面に民家が・・・。車を止めて外へ出ると、ネットで何度も見たことがある「西上州のドロミテ」と言われる風景がまさに目の前にあった。


(西上州のドロミテと言われている風景)

(立岩をズーム)

 私は、民家の背後にそそり立った岩峰を見て、いつか写真で見たチロルに似ていると思った。ネットでは、「西上州のドロミテでは本場のドロミテに申し訳ない」という声もあったが、「日本の〜」でも「上州の〜」でもなく、「西上州の」というローカルな名だから許されるだろう。

 ここから見る立岩は、大きな山、いや大きな岩がドカン、ドカンと置いてあるようで完全な双耳峰に見える。右が東立岩で左が西立岩である。私は右手のテーブルマウンテンのような山頂へも絶対に立ちたいと思った。
 左手の西立岩は山頂の本峰の他に、幾つかのピークがあるようだ。

 いつまでも眺めていたい風景ではあるが、早くあのテンペンへ立とう。サア、出陣だ!
 車をバックさせて星尾橋まで戻り、線ケ滝へ向かって行った。

 線ケ滝の東屋を過ぎた先に駐車場があった。ここが林道の行き止まりで登山口になっている。先客の横浜ナンバーの車が1台止まっていた。そして、私が準備をしている間にもう1台入って来た。茨城から来たという男女5人のグループだった。

(写真は林道終点から林道と駐車場を見たモノ)

 8時10分発。
 駐車場の奥に登山ポストがあり、その周りには「クマ出没」や「クマ出没注意」の看板がやたらと目立つ。
 登山ポストのすぐ裏の橋を渡って、5、6mも行くと地蔵があり、星尾峠との分岐になっていた。地蔵さんは、「登山者守り地蔵」と書かれていたので山の安全を願って手を合わせ、分岐を右の「威怒牟畿いぬむき不動」方面へ進んで行った。

 すぐに丸太の橋を渡って対岸へ渡り、沢沿いのスギ林の中を登って行く。3、4分も登ると「イヌムキ不動」との分岐があった。ここも右の「中級者向(直登)」の方を登って行った。

 杉林の中をエッコラ、エッコラ20分も登ると、杉と赤松、そして落葉樹の混生林になって来た。
 足元ばかり見ながら登っていると、突然、目の前に大きな岩が現れて驚く。

 この辺はいたる所に小動物が掘った穴があった。見るからに熊やイノシシではなさそうだが、いい気はしない。

 途中にベンチがあったので休憩する。登山口から40分位歩いたのでちょうど水分補給にいい。
 ここまでは花はほとんど無かった。ヒトリシズカがあったが、花は咲いていなかった。

 歩き出すと、すぐにブナ林になった。やはりブナはいい。新緑が眩しいようだ。ブナ林の中の朽ちた階段を登って行く。
 道端にヒトリシズカの蕾があった。二子山より開花が遅いようだが、日当たりが悪いせいだろう。


 前方に岩壁が見えて来た。凄い。まるで城塞のようだ。その岩壁に一歩一歩近づいて行く。凄い迫力だ。

 岩壁と岩壁の間を登って行く。右が東立岩の岩壁で左が西立岩の岩壁だ。

 昔、西穂高の天狗沢を下ったことがあるが、あの時は畳岩と天狗岩の間のガレ場を下ったが、ここは迫力や高度差はないものの、あの天狗沢を登っているような感じさえする。

 鎖がぶら下がったガレ場を登って行く。鎖は使わずとも登れるが、足元の石を落とさないように気を使う。もっとも登山者は私以外にはいないのだが・・・。

 左右の壁が狭まって来た。あの正面の岩場を攀じ登るのだろうか、と思った時、右手に噂に聞くバンド(岩壁の中断にある段差で、横に長く続いている)の鎖場があった。この山の最大の難所だという。しかし、道幅もあり鎖があるので全く問題はない。この程度のスリルなら歓迎だ。

(え、あれを攀じ登るのか?)

(右手に鎖が! 下からは鎖が見えない)

 このバンドを登り切ると、すぐに稜線へ出た。そして右手に東立岩が見えた。私は迷わず東立岩へ行くことにした。東立岩へのコースは地図には載っていないが、踏み跡程度の道があると聞いていたからだ。

 まずは、ササヤブの中にあった獣道のような踏み跡をたどってササを掻き分けて行く。ササはすぐに無くなった。
 そして岩(写真)の右側を木に掴まりながら登ると痩せた稜線へ出た。ここからは、もう散りかけたミツバツツジの花を見ながら、わずかなアップダウンを繰り返えしながら左へ進んで行く。

(この岩の左側にもルートがあり、すぐに合流する)

 ツツジなどが多い急登を登り詰めると山頂らしき岩場(写真)へ出た。しかし、何の標識もない。
 
ここから見る西立岩の絶壁が凄い。前回の二子山の東岳から西岳を見た感じに似ているが、樹木が多く全景が見えないのが残念だった。

 さらに道が続いていたので進んでみた。10mほど行くと少し低いが平坦で開けた所があった。10人位なら座って休めそうだ。ここからは絶壁になっていた。眼下に集落が見えた。     

(東立岩からの西立岩、山頂は右奥)

 再び山頂へ戻って写真を撮り、下山にかかる。
 途中で稜線を巻く踏み跡があったので、その道を下ると大きな石の所で合流した。

 東立岩について、ある方のブログに「最初は背丈ほどもあるヤブコギで、(略)攀じ登って山頂へ」と書いてあったが、ササが道に覆いかぶさっているので払い分ける必要はあるが、踏み跡はしっかりしている。ササも20〜30mで無くなる。
 山頂も攀じ登るような所はなく、二足歩行で登れる。こんな安全な道なのに、なぜ地図に載っていないのか不思議である。実にもったいない気がする。