C 岩の殿堂・剱岳(3回目の登頂)・・2/3

 平蔵のコルには、昨日、剣山荘で一緒にビールを飲みながら山談義をしたガイドさんがいた。オバさん2人を案内して南壁を登るという。
 ここには、昔、コンクリ製の避難小屋があったが、今はトイレになっている。登りの場合はトイレの下を通り過ぎてしまうため、トイレがあることに気付かない人や、そもそも、ここを「平蔵のコル」だと気付かない人もいるようだ。

 そして、ここからがいよいよ「カニのタテバイ」である。


 ここから見る限り、かなりビビルが驚くことはない。実際は鎖と人工足場が必要以上?にあるので、両手を同時に離さない限り問題はない。


 カニのタテバイを登った所から振り返ると、凄い高度感だ。ちょうど今、切り立った平蔵の頭に登山者の姿が見える。


 カニのタテバイが終われば、もう急峻な岩場はない。フリーハンドで登って行く。


 平蔵のコルから、ちょうど20分でカニのヨコバイ(下りコース)との分岐へ出た。もう下って行くパ−ティーがいた。若者に立ち止まってもらい、標識の写真を撮った(写真右)。それにしても、もう下って来るとは速い。

 ここまで来れば、もう山頂は近い。左手に早月尾根らしいものが見える。

 ここからの登りは旧道と新道があったようで、右側をトラバースして行くのが正規の道だったようだ。しかし私はそのまま直進し左手の旧道の尾根道を行ってしまった。


(登山者がいる道が正規のトラバース道)

 私が歩いた道は最近踏まれた様子はなく、ペンキの色もあせていたが、鳥の口ばしのような奇岩に見覚えがあったので、そのまま登って行くと「早月尾根」との分岐へ出た。やれやれ、少し遠回りをしてしまったようだ。


(早月尾根との分岐)

(そしてここを登ると・・・)

(山頂が見えた!)


 山頂へ7時8分着。山頂には30人ぐらいの先客がいた。皆さん満足そうにはしゃいでいた。私は久し振りに山頂へ立って感無量だった。
 展望はバツグンだった。しばし展望を楽しむ。


(剱岳の山頂)

(北ア南部の山が見える)

(八ツ峰の奥に後立山連峰が・・)

(後立山はさらに続き、針ノ木まで見えた)


 さて、ぼちぼち下ろう。7時30分下山。


(まずは、なだらかに下り・・)

(こんな所を下ると・・)

(平蔵のコルが見え、楽勝かと思ったが・・)


 ここからが待望の、いや、恐怖の「カニのヨコバイ」である。


(この辺は、まだ序の口で・・)

(ここが核心部・・)




(真っ逆さまに見える梯子を下り)

(さらに鎖を下る)

(下から見るとこんな感じ)

 トイレが建つ平蔵のコルへ8時ジャストに到着。山頂からちょうど30分だった。
 これで最大の難所はオシマイ。難所と言っても、鎖と足場がしっかりしているので大したことはない。37年前に下った時は、鎖に掴まったまま足場が届かず苦戦したが、そんな所はなかった。コースを変えたのだろう。これなら誰にでも下れる。