憧れの天狗池からの槍ケ岳・・2/3

2015年9月29日(火):2日目

槍沢ロッヂ〜天狗池〜槍ヶ岳〜槍ヶ岳山荘(泊)

槍沢ロッヂ555〜630ババ平640〜817天狗原分岐829〜907天狗池920〜959天狗原分岐1020〜1102水場(昼食)1150〜1420槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳〜槍ヶ岳山荘

 朝4時起床。朝食は5時半からなので談話室でボーとしている。
 今朝の気温は3度。かなり寒い。愛煙家は喫煙所が外なので一服するたびに寒くて震える。

 昨夜は混雑もせず、布団(肩幅程度の)一枚が確保できた。

 朝食を済ませ、5時55分に出発。
 槍方面には薄く雲が掛かっているが、常念方面には青空も見える。やがてカンパレになることを期待しよう。

 ババ平へ着く頃には、ついに青空が広がって来た。「お〜、晴れて来たぞ〜!」と、一人で歓声を上げた。

 ババ平のテント場には12、3張あった。新築のトイレがあり、水道があって最高のテント場だ。

(手前に新築のトイレがある。写真右は新築中の休憩舎)

 沢の巻道から沢へ降り、パッと展望が開けた所で、若者が写真を撮っていた。「お〜、いいねぇ〜!」と私が歓声を上げると、若者がニコッとした。こんな素晴らしい景色を見れば、誰だって満たされた気分になるに違いない。

 20分も登ると、ますます紅葉が良くなって来た。上はもっと凄いだろうと期待が膨らむ。

 途中にトリカブト(左)とハクサンフウロ(右)が咲いていた。こんな遅くまで咲いているとは嬉しい。

 7時28分、やっと登山道にも日差しが差し込んで来た。写真を撮りながら登って行く。

 登山道にも、真っ赤なナナカマドが現れて来た。


 天狗原の分岐まであと5分か10分という所でひと休み。紅葉を満喫しながらの一服は最高だ!


 天狗原の分岐には、沢山のザックがデポしてあった。空身でピストンしているようだ。私も水とお菓子だけを持って、憧れの天狗池へ向かって行った。

(写真左:紅葉の槍沢を登って行く)
(写真右:天狗原分岐。左が天狗池、直進が槍)

 ガレ場の石畳をトラバースしながら登って行く。
 そして、紅葉のトンネルを抜け出して振り向けば、何と槍ヶ岳が天空にそそり立っているではないか。「お〜!槍だ〜! これよ、これ、これ、これが見たかったのよ!
 思わずバンザイでもしたくなるような感動の一瞬だった。


(紅葉のトンネルを抜けると・・・)

(背後に槍ヶ岳が!)

 分岐から約40分で天狗池へ着いた。長年憧れていた天狗池からは、まさに日本の象徴とも言える槍ヶ岳の尖峰がそそり立っていた。これさえ見れば私はもう何も言うことはない。


(天狗池からの槍、逆さ槍も見える)

 昨夜、槍沢ロッヂで一緒に山談義をした方が、「紅葉が少ないねぇ。池の周りが全部紅葉しているのかと思ったが、これじゃあ涸沢に負けちゃうねぇ!」と言った。

 確かに池の周りの紅葉だけを見れば、それも頷けるが、ここは池に投影する”逆さ槍”が有名なのだ。生憎、今は風があって湖面が波打ち、逆さ槍はクッキリとは見えないが、それでも私は満足だった。

 存分に満たされた思いで天狗池を後にした。

 再び分岐へ戻り大休止。今回はこの天狗池が目的なので、このまま下っても悔いはないが、槍へ行くのを拒む理由もない。天気は快晴、時間も早い。槍へ行くことに決めた。

 さて、ここからが槍沢の本格的な登りが始まる。

 分岐付近は紅葉もいい。その紅葉に励まされながら登って行くが、一度満足して「下ってもいいかな?」と思ってしまった身体はなかなか動かない。

(目が覚めるような黄葉と紅葉!)

 40分ほど登った所にあった水場(小さな沢)の上部で休憩。ここで昼食にしよう。ここでラーメンを食べるくらいなら、わざわざババ平から水を持ってくることもなかったのだが・・・。

 私がラーメンを作っていると、近くで休んでいたご婦人から、「いい匂いねぇ・・、おいしそう!」と言われる。

 長い昼食休憩(約50分)をとったので、ぼちぼち出掛けるとしよう。

 ヒュッテ大槍との分岐でも休憩。右手の尾根(東鎌)にポツンと見えるヒュッテ大槍を見上げながら、「今日は出来るなら槍を登ってからあのヒュッテ大槍まで行きたい」と思った。ヒュッテ大槍からは槍が正面にドガーンと見え、北鎌尾根も見えるそうだから・・・。
 朝のモルゲンロートに染まる槍を見るには、ヒュッテ大槍かヒュッテ西岳あたりに泊まるのが良いようだ。果たしてヒュッテ大槍まで行けるかどうか。

 殺生ヒュッテの分岐からは、ペースがガクンと落ちた。遥か下の方にいた15,6人のツアーに、アッという間に追い越される。「お〜い、誰か連れてってくれ〜。」


 さっきまで稜線上にポツンと見えたヒュッテ大槍が、はっきりと見えるようになって来た。今日行けなかったら、明日あそこまで行こう。

 メロメロになって槍ヶ岳山荘へ着いた。しかし、のんびりはしていられない。さっきのツアーが槍へ行く準備をしている。ツアーの後では鎖場での渋滞は避けられない。

 水とヤッケだけを持って槍へ向かって行った。幸い今はガラ空きだ。と思ったら、一人のオッサンが私の後から付いて来た。こんな所で道をゆづることもできず、自然とペースが速くなる。後ろのオッサンの荒い息遣いが聞こえる。このオッサンは私を追い越す気もないようだ。



(槍登攀1)

(槍登攀2)

 このオッサンに追い立てられるようにして、槍のテッペンへ立った。しかし穂高方面はガスに覆われ全く見えなかった。

 (槍からの穂高が見たい方は→3.夏の西鎌尾根をどうぞ

 常念の写真を撮って、すぐに下山した。


 再び小屋へ戻った時は濃いガスに覆われ、槍は見えない。今日中に行きたいと思っていたヒュッテ大槍もガスで見えず、今日は槍ヶ岳山荘へ泊まることにした。

 夕方になってブロッケン現象が現れた。一斉に外へ飛び出した。

 小屋でストーブにあたっている時、NHKプレミアムのテレビクルーが来て、「日本百名山の槍ヶ岳の取材です。ストーブにあたっている所を撮らせて下さい」という。もしかしたら私も写っているかも知れない(カットされるかも)。

 今夜も布団一枚を確保。廊下にまでストーブがたかれ小屋は暖かかったが、スモーカーは一服するたびに外へ出て寒くて震えていた。(現在は全館禁煙)