八ケ岳・横岳−3/3

 さて、次はツクモグサである。ツクモグサはもう終わってしまっただうと思いながらも、わずかな期待を込めて探してみることにした。それが何と1発で見つけることが出来た。(写真右)

 ただ、この花は日差しを浴びないと花びらが開かないという贅沢な花で、今日はガスっているため、少しだけしか開いていなかった。でも何はともあれ、北海道と白馬岳とこの横岳にしか咲かないという珍しい花を見ることが出来て満足だった。

 近くで飲んでいたオジさんパーティーが、「今日は最高のお花見だ〜!」と盛り上がっていた。

 私も昼メシにしよう。横岳の手前のピークで早速昼食にした。今まで花に夢中になっていて気付かなかったが、背後に阿弥陀岳と中岳の稜線が見えた。赤岳は西側は晴れているが東側はガスっていた。


八ケ岳の主峰・赤岳(奥)

阿弥陀岳(右)と中岳

 半分ガスっている赤岳の山頂を見ながら、大晦日にあの山頂小屋へ泊まって元日を迎えた若い頃が懐かしく思い出されて来た。あの頃は雪山に憧れていたが、こうした花の山旅もいいものだと思った。

 食後は、せっかくなので横岳の最高峰である奥の院へ行って来た。
 再び三叉峰へ戻り、赤岳方面へ少し散歩のつもりで歩いて行くと、そこにもウルップソウが咲いていた。こちらの方が大きくて色付がいいようだ。写真を何枚も撮って引き返す。

 花も存分に眺め、写真も撮ったので、もう心残りはない。ぼちぼち下ることにしよう。
 下りだして1,2分も過ぎないうちにガスが流れ出した。しばらくするとガスの中に冷たいものが混じって来た。でも雨具を着るほどのことではなかった。

 原生林でガスが濃くなると、日没を過ぎたような暗さだ。こんな薄暗い中をたった一人で歩いているのは心細かった。クマがその辺にいやしないかとホイッスルを吹きながら下って行った。

 途中で鈴をつけた単独のオジさんを追い越し、5人のパーティーも追い越して、駐車場へ15時51分着。

 今回はウルップソウとツクモグサを同時に見ることが出来て、本当にラッキーだった。どちらも今回が初めて見た花だった。この2つの花は、本土では横岳と白馬岳にしか咲かないというから、それ以外の山ではお目にかかれない。

 それにしても、あんなに花が多いとは知らなかった。それに、お花畑とは普通は足元にあるものだが、ここは岩の上に咲いているから驚く。岩場全体がお花畑になっていた。

 『八ケ岳は、ツクモグサが咲き終わるとウルップソウが咲き、ウルップソウが咲き終わるとコマクサが咲く』と言われているが、硫黄岳ではコマクサが咲いているという。今度は1泊で赤岳から硫黄岳まで縦走したいものだ。