烏帽子岳へ向かって、湯の丸山頂から下ろうとした時、50人ほどの団体さんも下り出した。うーん、まずい。
団体さんの中にはかなりの年配者もいた。当然ペースが遅くなる。しかもここは一直線の下りで、岩屑が多く足場が悪い。ペースが遅いので数人を追い越したが、道を開けてくれない人もいる。次の登り返しのことを考えてゆっくり行くことにし、団体さんの中に入
って一緒に下って行った。
烏帽子岳と地蔵峠との
実は後から知ったことだが、この木はコナシで、ここを小梨平というそうだ。また、ズミの別名が小梨だということも今回初めて知った。
ここで休憩し、今度は団体さんよりも早く出発することにした。カッコウが近くで鳴いていた。
道は思ったより楽だった。なだらかなジグのため歩きやすい。周りにはレンゲツツジや濃い紫色のハクサンチドリ、グンナイフウロ などが咲いていた。ここでベニバナイチヤクソウも初めて見た。花を見ながら登っていると疲れなんか全く感じない。
馬の背のようになった稜線へ立った(写真左)。草原のようで見晴らしが良く、吹き渡って来る風も心地良い。返り見れば、今下って来 たばかりの湯の丸山(写真右)が大きい。 |
ここから右手のピークをめざして、なだらかな斜面を進んで行く。道脇には白や黄色の花がいっぱい咲いていた。ツマトリソウやコ ケモモ、スズランなども咲いていた。さらにはズミ(別名コナシ)の白い花も満開だった。
登山道は岩や石屑が多くなり、アルペンムードになって来た。ここは双耳峰になっており、最初のピークに立つと奥にいかにも烏帽子らしいピークがあった(写真左)。なだらかな気持ち良い稜線を花の写真を撮りながら歩いて行った私は、仲間からすっかり遅れて烏帽子岳の山頂へ立った(写真右)。
ここはかなり人気があるとみえて大勢の人で賑わっていた。私達も山頂の一角に腰を下ろし、早速、缶ビールで乾杯! うまいんだなあー、これが!
やはりこの烏帽子岳まで来て良かったと思った。レンゲツツジを見て湯の丸山だけを登った場合は50点、いや60点ぐらいで、この烏帽子岳まで来て初 めて100点満点になったと思った。
昼食後、山座同定をする。北に堂々とした
帰りは湯の丸との鞍部まで花を愛でながら下り、湯の丸山の右手から巻くようにキャンプ場を目指して下って行った。分岐からカラマツや落葉樹の新緑が美しかった。この道も思った以上にレンゲツツジが多く感動の連続だった。
地蔵峠から15分ほどで池の平入口へ着いた。駐車場代500円也。「ゲートを閉めるので4時半には戻ってくれ」と言われる。
走るようにして三方ケ峰へ向かった。大勢の観光客やハイカーとすれ違う。こんな時間に湿原へ行くのは我々だけだった。
湿原には木道が敷かれていたが、ササに覆われて花はほとんどない。我々はただコマクサが見たい一心に、湿原の最奥にある三方ケ峰へ一直線。途中で会った自然保護指導員から、「女王様がお待ちですよ」と言われ、さらに「白いコマクサが咲いている」と聞いて感激! さらにピッチを上げた。
白いコマクサがあるなんて信じられない。コマクサは「高山植物の女王」と言われ、ピンク色の可憐な花をつけるが、 稀に突然変異で白い花があると聞く。早く白いコマクサに会いたい。
息を切らしながら坂道を一気に登ると、頂上が砂礫地になっており、檻のようなフェンスの奥にコマクサがいっぱい咲いていた。 一斉に歓声が上がった。
写真を撮りながら10mほど進んだ時、真っ白いコマクサを発見! 「あったぞ〜」と勝ち鬨を上げた。コマクサはフェンスから3mほど離れた所に咲いていた。紛れもなく白色だった。とにかく初めて見た白いコマクサに感激!やった〜!と歓声を上げた。慣れないデジカメで何枚も写真を撮った。
今回はレンゲツツジの群落に感動し、想定外だった白いコマクサに会えて感激! 最高の"花の山旅"となった。
尚、参考までに付け加えると、コマクサという名前は、花が駒つまり馬の顔に似ていることから付けられたという。
ウマノアシガタ? |
? |
イワカガミ |
ツマトリソウ |
ハクサンチドリ |
ベニバナイチヤクソウ |
ミヤマハンショウヅル |
ゴゼンタチバナ |
? |
ウマノアシガタ?とコケモモ |
? |
スズラン |
ズミ(コナシ) |
? |
ハクサンイチゲ |
コマクサ1 |
コマクサ2 |
コマクサ3 |