夕日岳・・・2/2

 そして、再び薬師岳の山頂へ立った。意地と根性で45分で登って来た。「あ〜あ〜、疲れるなあ〜!」

 山頂でコンビニのオニギリを頬張っていると、宇都宮から来たという単独行がやって来た。お互いにアカヤシオが咲いていないことを悔しがる。
 彼に夕日岳について訊いてみると、「すぐそこに夕日岳へ下る道がある」と言って、峠から登って来た道を指さす。「そんな道、あったかなあ〜?」

 彼も夕日岳へ行くという。その彼よりも先に出掛ける。整備された広い道を下って行く。
 右手に皇海山や袈裟丸山がスッキリと見える。


(右奥が皇海山、左が袈裟丸山)

 この道は、『日光開山の祖である勝道上人が、古峰神社で修行し、そこを拠点に男体山を開山した道筋であり、禅頂行者道』というそうだ。

 途中に石祠と石像があった。私は喪中なので写真を撮っただけで下って行った。

 薬師岳と夕日岳、地蔵岳との三差路になった「三ツ目」まで、小さなアップダウンを繰り返して行く。その間、アカヤシオは全くない。アカヤシオどころか、スミレさえもない。

 そんな味気ない稜線を歩き、やっと「三ツ目」へ着いた。そこに今朝、細尾峠で一緒になった2人組がいた。

(写真左:三ツ目のピーク直下から見た夕日岳)
(写真右:例年ならアカヤシオでピンクに染まるという三ツ目)

 ネットによれば、この三ツ目一帯はアカヤシオの群落でトンネルになるという。しかし、薬師岳からここまでアカヤシオは1本もなかった。何か騙されたような気がしてならない。

 ここで一息入れていると、薬師岳で一緒になった宇都宮から来た方がやって来た。彼は地蔵岳へ行ってから夕日岳へ行くという。
 私も地蔵岳まで行く予定だったが、もう行く気はない。花が咲いていない山に要は無い。

 ここから最後のピーク、夕日岳をめざして一旦下って行く。
 ここはかなりの急登だ。この夕日岳は古峯神社や古峰ケ原峠の方から来る人も多いようで、数人とすれ違う。
 やっと夕日岳に到着。誰もいない山頂で展望を独り占め。残ったオニギリで昼食。


 さあ、急いで帰ろう!
 夕日岳を下り出すと、すぐに、5,6人のパーティーと会った。見るからに地元の人のようだったので、「東京へ帰るのに日光へ出るのと、わたらせ渓谷を南下するのと、どっちが早いですかねえ・・・!」と訊いてみた。すると、「そりゃあ、日光へ出た方が早いですよ!」と教えてくれた。

 これでもう迷うことはない。往路と同じ日光周りで帰ろう!

 三ツ目へ来た時、往路では全く気付かなかったアカヤシオの木があった。蕾が硬すぎて何の木か分からなかったのだ。この蕾が開いてくれたらなあ〜!と嘆き節が出てしまう。

 薬師岳を過ぎ、細尾峠へ向かって下って行くと、チラホラと咲いている木があった。登って来る時も写真を撮ったが、下りでは、貴重な花を撮りまくった。