笊ケ岳−2/3

1日目:田代登山口〜転付峠
2日目:転付峠〜笊ケ岳
3日目:笊ケ岳〜布引山〜桧横手山〜老平

2日目:2010年10月15日(金)

転付峠〜笊ケ岳

転付峠610〜700林道終点710〜1002天上小屋山〜1140生木割(昼食)1212〜1320上倉沢コル〜1425椹島分岐1440〜1547笊ケ岳(泊)

 今日は笊ケ岳まで行くので4時起床。テントから顔を出すと小雨が降っていた。
 外で傘を差しながら朝食。

 右手(西)には千枚岳や悪沢が見えて来た。悪沢の右に見えるのは西小石岳だろうか。いずれにしても、まだ山頂にガスが掛っているので山座同定は怪しい。

 天気予報では晴れると報じている。それを信じて6時10分に出発。
 林道跡地を歩いて行く。ここは林道跡地と言っても全く手入れされていないので普通の登山道と変わらない。
 雨はいつの間にか止んだ。

 50分も歩くと林道終点へ着いた。左手の尾根へ登る標識があった。ここで薄手のシャツを1枚脱いだ。

 ここから急な尾根を登るが、すぐになだらかな道になった。本来なら楽チンなんだろうが、水2.5Lが重く感じる。

 紅葉が良い所で水分補給。水をドンドン飲んで荷物を軽くしなくては・・・。
 樹林の間から千枚岳が見えた。

 しばらくするとパッと開けた所へ出た。荒川岳と赤石岳が朝日に輝いていた。山頂部に掛ったわずかな雲が、刻々と変化する。よく見れば千枚小屋まで見えるではないか。頭上にも青空が広がって来た。

 さらに歩いて行くと、荒川岳と赤石岳の雲が大分とれて来た。「ヤッター!」と歓声を上げた。とにかく凄い。
 ここから見る荒川三山と赤石岳は迫力満点で格好いい。
 我々は、時が経つのも忘れ、すばらしい展望を楽しんだ。


(赤石岳)

(荒川三山、右が悪沢。千枚小屋が見える→こちら

 大分のんびりしてしまった。さあ、先を急ごう。

 小さなピークへ立った時、これが天上小屋山かと思ったが、あるはずの標識がない。
 樹木で展望は利かないが、せっかくの山頂だ。休んで行こう。

 一服しながら周りを見ると、樹木の間から尖った山が見えるではないか。「あれは何だ!」と目を凝らす。
 良く見ればひじりではないか。聖岳が奥聖岳と重なって尖がって見えるのだろう。聖の峻峰に感激!

 そこから20分ほど歩いた時、赤石岳と聖岳が目に飛び込んできた。「オー、スゲェー!!」と目を見張り、ザックを放り出す。
 荒川三山は樹木で少し隠れてしまったが、赤石岳から大沢岳、中盛丸山、兎岳、そして尖峰の聖岳がドガーンとそそり立つ。

 赤石岳は小赤石岳を従えて迫力満点だ。南アルプスが赤石山脈と言われるのも頷ける。
 それに、聖岳の峻峰も格好いい。聖のこんな山容はここからしか見ることが出来まい。聖の先には上河内かみこうち岳まで見える。


(聖岳、上河内岳)

(赤石岳、聖岳)

(荒川岳)

 ここからの展望は、北アルプスの展望台といわれる常念岳から見る槍や穂高よりも近く、迫力があっていい。
 またあの主脈を縦走していては、これだけの展望は得られない。やはりこの「白峰南嶺」からでなければ得られない展望だろう。
 笊ケ岳は360度の展望だというから、さらに期待できる。

 我々はすっかり満たされた気分で歩き出す。
 20分ほど歩いた時、道端に「天上小屋山」の標識があった。「え、ここが天上小屋?」と驚く。天上小屋はもうとっくに過ぎて生木割なまきわりへ向かっていると思っていたからだ。
 天上小屋山へ10時2分着。林道終点から3時間近くもかかってしまった。

 ここからは廃道のような道になった。わずかな登りだがシンドイ。

 生木割へ11時40分着。ここは森林地帯の小広い山頂で、CATV の電波塔が建っていた。そして、その電波塔の足場に鍋がぶら下がっていた。ここでキャンプをした人が忘れて行ったのだろうか。

 ここで昼食にしたが、食欲はない。少し疲れてしまったようだ。日帰り登山が多い私にとって、テント泊装備はやはり応える。

 生木割から15分も歩くと、正面に偃松尾はいまつおが見えて来た。その偃松尾を目指して行くと、突然ガレ場が現われ、その奥に双耳峰の笊ケ岳がそそり立って見えた。
「ヤッター」と歓声を上げた。この笊ケ岳が見たいためにはるばるやって来たのである。やっと2年越しで夢が叶うことが出来た。後はあの山頂へ立つだけだ。

 ガレ場の縁を登り詰めた所が偃松尾との分岐になっていた。しかし偃松尾に用はない。そのまま下って行った。
 紅葉も見事になって来た。

 それにしてもグーンと下らされ、もったいないナァ〜。上倉沢のコルへ13時20分着。ここにテン場があった。

 この上倉沢のコルが椹島さわらじまとの分岐だと思っていたが、分岐らしいものはない。
 ここからは登りになるが、ガレ場から見た時は「あんなに登らされるのか〜!」と思ったが、それほどの急登ではなかった。

 4,50分ほど歩くと、テントが張れる所が2ケ所現れた。もう分岐は近い。インターネットで「分岐の手前でテントを張った」という人がいたからだ。

 そこから10分か15分で分岐へ着いた。14時25分着。「あ〜あ、やっと着いた〜」と標識の前でへたり込む。

 ここまで来ればもう笊は目の前だ。あと40分で山頂である。いつもなら「這ってでも行く」と気合が入るのだが、今日はその元気もない。

 Nさんに先に行ってもらい、私は後からヨタヨタしながら登って行った。すぐにガレ場へ出た。正面に笊が見えるがボテ山で迫力はない。
 右手前方から少し傾きかけた日差しを浴びた。

 終わりかけたドウダンツツジの紅葉をかき分けるように登って行くと、分岐があった。テープに従って右側を行くが、左はたぶん小笊へ行く道だろう。

 すぐに岩と木の根の道になり、ハイマツをかき分けて行くと、Nさんが待つ山頂へ飛び出した。ついに笊ケ岳へ到着。

 まずはザックを放り出し、360度の展望を楽しんだ。小笊の奥に富士山が見えるというのはウソではなかった。堂々とした富士山がドガーンと見えた。

 しかし、反対側の荒川や赤石、聖には雲がかかってしまい、山座同定さえ難しい。だが、今日一日展望を楽しんで来たので諦めもつく。


(小笊の奥に富士山)

(笊ケ岳山頂)

(布引山)

 山頂から布引山側へ10mほど下った所へ、何とか無理してテントを2つ張ることが出来た。一番心配していたのがこのテン場だった。
 (山頂でも無理をすれば張れないこともない。ただ、かなり窮屈だろう)

 テントを張れば次は宴会である。今日は焼き肉である。これもNさんが一人で持ち上げてくれたものだ。私はもっぱら食べることと、飲むことに専念する。山の上で食べる焼き肉は最高!

(山頂からの展望は、翌朝に期待して下さい)