1日目:田代登山口〜転付峠
2日目:転付峠〜笊ケ岳
3日目:笊ケ岳〜布引山〜桧横手山〜老平
3日目:2010年10月16日(土)
笊ケ岳650〜830布引山850〜1045桧横手山1105〜1345山の神1355〜1442広河原1517〜1617林道〜1650老平駐車場 |
今日は下山するだけなので昨日より30分遅く、4時半に起床。 明るくなるのを待って山頂へ立った。まだ明けきらない空に、ズラリと南アルプスの山々が並んでいた。 そして、富士山の上空だけが薄っすらと赤く染まっていた。 |
出発の準備を済ませ、再び山頂へ立った。すっかり明るくなった空に、山々が輝いていた。
昨日、一日中眺めながら来た南部の山々はもちろん、360度の展望だ。北岳と塩見岳が一段と目を惹く。ここから見る北岳がすばらしい。やはり日本第二位の標高を誇る山にふさわしい。
北岳の左の峻峰が塩見岳だろう。そして北岳と塩見の間に見えるのは仙丈岳だろうか。
(中央右の峻峰が北岳、左へ間ノ岳、仙丈岳、塩見岳) |
(早朝の富士山) |
(上河内岳、茶臼岳、光岳) |
(聖岳) |
(荒川岳、赤石岳) |
(北岳、間ノ岳、仙丈岳) |
ここからは北アルプスの槍や穂高が見えると聞いていたが、余りにも山が見え過ぎて山座同定が出来ない。
南に目を転ずれば、聖岳の奥に上河内岳から光岳、イザルが岳まで見える。
さらに南の青薙山の奥に見えるのは大無間山だろうか。
とにかく凄い展望だ!もうこれだけの展望を見れば、何も言うことはない。はるばるやって来た甲斐があったと言うものだ。
再び富士山に向かって別れを告げ、重いザックを背負った時はすでに20分も出発時間を過ぎていた。6時50分下山。
ここからは下山と言っても、一旦下ってから布引山へ登り返さなければならない。
シラビソの中を下り、ちょうど30分で鞍部へ着いた。ここから布引山への登りである。今回最後の登りだ。
山頂近くなってヤセ尾根へ出ると、左に富士山、右に樹木越しに聖岳、赤石岳、荒川岳と並んで見えた。
小さなピークに何回も騙されながら登って行くと、斜面がなだらかになり、広いテン場があった。私はテン場は山頂の先にあると思っていたので慌てたが、そこから10m先に布引山の山頂があった。8時30分着。
樹木の間から、聖岳と奥聖岳のあの見慣れた独特の山容が見えた。
ここからは、もう登り返しはなく、下りっぱなしのはずである。
歩き出してすぐに分岐へ出た。道端に朽ちかけた板に、「△△ノ沢」と書かれていたが判読できない。しかし、この分岐は「老平」と「所ノ沢越」の分岐で、要注意箇所としてマークしていたので迷わず左折して行く。
すぐにガレ場へ出た。布引大崩れである。ガレの縁を通って行くので展望はいいが、足元はイヤらしい。 | |
(ガレ場から見た稲又山、青薙山方面。遠くに大無間山らしい山が見える) |
ガレ場を慎重に通過した。あとは一気に下るだけだ、と思ったが甘かった。
ここの下りは凄い下りだ。地図にも「急坂」と書いてあるが偽りではなかった。
途中で単独の登山者に会った。この三日間で初めて会った登山者である。この人は何と笊を日帰りするという。恐れ入った。
ここは登山口から布引山まで標高差2,100mもある。その布引山を登ってさらに笊まで行って帰って来るとは・・・、世の中にはトテツもない人がいるものだ。
その方に、「山頂はどこですかねぇ・・・」と聞くと、 良く見れば、プレートの真ん中に小さく「桧横手山頂」と書いてあった。これでは注意していても見落としてしまいそうだ。 |
この方は、今日は笊まで行く予定だと言い、笊の山頂へテントが張れるか真剣に聞いて来た。
我々2人で詳しく説明してやると、
「良かった〜!それが一番心配だったんですよ〜」と、安堵の表情を浮かべ、山頂の展望がバツグンだったことを伝えてやると、「それが楽しみで登って来たんですよ〜。元気が出ました」と言って登って行った。
我々が一服している間に、3人目の登山者が登って来た。彼は布引山にテントを張ると言う。
その後、もう一人の登山者に会ったが、ここをテントを担いで登るのは大変だろう。そもそも、ここを登るのはエキスパートと言うかツワモノばかりだ。私はここを登りに取らなくて良かったと思った。
ここからもイヤラシイ急な下りが続く。
足元ばかり見て歩いていると、途中で道が消えた。二人で道を探していると、尾根にインクラインが見えたので引き返す。
ここは下りの場合間違いやすい。化石のような大きな木の根(写真)の所で左へ入る。赤いリボンがある。 |
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左の道を数10m行くとインクライン(写真)がある。 |
山の神へ13時45分着。ここでも一本。出発する時は14時か15時には老平へ着くだろうと思っていたが、とても無理だ。まあ、明るいうちに着けばいいだろう。
山の神からはジグザグの道になったが、決して下りやすいとは言えない。
広河原へやっと着いた。もうクタクタだったが、徒渉しなくてはならない。 飛び石では渡れず、靴を脱いで渡った。 ここからは沢沿いに歩いて行く。1時間ほど歩いた時、やっと林道へ出た。もうここまで来れば何の心配もない。 林道を30分ほど歩くとゲートがあり、30m先が駐車場だ。何とか明るいうちに着く事が出来た。これで2泊3日の山旅は無事フィナーレとなった。 |
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